小玉英雄 理論宇宙物理グループ 素粒子原子核研究所,KEK

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小玉英雄 理論宇宙物理グループ 素粒子原子核研究所,KEK 21世紀に残された宇宙の謎(2) 小玉英雄 理論宇宙物理グループ 素粒子原子核研究所,KEK 高エネルギー加速器科学  2010年9月7日

宇宙膨張の謎

Acceleration of the Universe

Friedmann宇宙モデル K=0 K>0 K<0 Hubbleの法則(1929) 銀河の後退速度 / 距離 v= H0 r  銀河の後退速度 / 距離  v= H0 r K=0 宇宙の膨張と一様等方性 Robertson-Walker宇宙モデル 空間は一様等方で,一様な曲率 K をもつ 空間のサイズ a(t)が時間 t 共に増大 K>0 K<0 重力は引力 ⇒ 宇宙膨張は減速型 ⇒ 有限な宇宙年齢         ⇒ Big-bangモデル

宇宙パラメーター ハッブル定数 宇宙膨張の方程式 エネルギー方程式 物質組成 密度パラメーター wパラメーター

宇宙における天体までの距離測定 光度距離 一般に 角径距離 固有光度 L,見かけの明るさ Fobs ) L=4 dL2 Fobs ) 光度距離 dL 角径距離 固有径 D, 見込み角  ) D =  dD ) 角径距離 dD: 一般に 固有量 + 見かけの量 ⇒ 天体までの(様々な)距離

宇宙の距離はしご 方法 適用距離 年周視差測定 0~100pc 星団視差法 100pc~10kpc 散開星団主系列星 Cepheid型変光星         10kpc~25Mpc Tully-Fisher法            10Mpc~200Mpc SN Ia                60Mpc~4000Mpc

Trigonometric Parallax q = 1’’ 1pc=3.26ly Hipparcos Satellite 1989.8.8 -- 1993.6 高精度視差観測衛星  角度精度 1/000'' 118,274個の恒星の視差を観測 JASMINE (Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration) http://www.jasmine-galaxy.org/index-j.html 高精度赤外線位置観測衛星 角度精度 10 s 1億個の恒星(銀河面の半分)を観測予定 q

Gaia Outline Instruments Observation locus Launch: 2012 L2 point by Soyuz-FG Launch: 2012 Price: 650 m euro Duration: 5yrs Distance limit: 10kpc Ang. res: 7 mac for V=10, 12-15 mac for V=15, 100-300 mac for V=20 Ang. vel. 0.5km/s for 40,000,000 stars. Instruments ASTRO: ang. Position of stars m=5.7-20 photometer: 320-1000nm for stars m=5.7-20 Spectrometer: high resolution spec. at 847-874nm for m<17.

Star Cluster Parallax 散開星団の距離決定法 標準距離指標のキャリブレーションに利用 星団内の星の天球での運動方向の交わり => 星団の運動方向 これと赤方偏移観測により,視線に垂直な運動速度を決定. この速度と天球上ので固有運動の観測から距離を決定. 適用範囲;我々の銀河系内 標準距離指標のキャリブレーションに利用 主系列星や赤色巨星の表面温度ー光度関係 変光星の光度ー周期関係 Hyades: by Hipparucos From Perryman et al. (1998) A&A 331: 81:

Main Sequence Fitting 主系列星を含む星団の距離決定法 キャリブレーションへの利用 星団のHR図から主系列星を取り出す. 主系列星の温度ー光度関係と温度の観測から光度を決定 適用範囲:Magellan雲 キャリブレーションへの利用 SMC, LMC内のCepheid変光星の光度ー周期関係

HR Diagram of Our Galaxy HR diagram of globular clusters of our Galaxy HR diagram of our Galaxy observed by Hipparucos

HR図での進化 Kippenhahn R, Weigert A : Stellar Structure and Evolution (1990)

Classical Cepheid Pulsation mechanism 天体の性質 変光特性 He core燃焼段階において,大気での電離反応He+ , He++ によるopacityの変動がもたらすk-不安定. 天体の性質 M& 5 M¯,-6. MV . -2 変光特性 周期:P=days » hundreds of days 振幅: ¢ M » 1 周期・光度・色関係 <MV> = -3.53 log P + 2.13 (<B0> - <V0>) + f f ~ -2.25: a zero point. P in days 適用範囲: 7Mpc (M101) on Ground; 25Mpc by HST Cepheidは超巨星であるため,遠方まで観測可能. Pop I 型星なので,楕円銀河(や球状星団)には含まれない. 

Mathewson, Ford and Visvanathan (1986) ApJ 301: 664

Hubble Key Project H0= 71 ± 6 km/s Mpc From 25 galaxies Mould et al.(2000) ApJ 529: 7867

Faber-Jackson Relation 楕円銀河の距離決定法 楕円銀河の光度Lと中心速度分散 の関係(L-4)を利用 適用範囲:

Tully-Fisher Relation 渦巻き銀河の距離決定法 渦巻き銀河のHI輝線の回転によるDoppler幅と絶対光度の関係を利用 適用範囲: <200Mpc 問題点 分散が大きいため,銀河団内の5,6個の銀河のデータが必要 理論的根拠が不明

SNIa Ia型超新星までの距離 光度曲線が、ピーク時の色指数と光度減衰時間によりよく分類されることを用いて,絶対光度を推定. 適用距離: >60Mpc

Hubble定数 by HST cz = H0 d (v/c ¿ 1) Hubbleの法則 H0の観測値 Doppler 効果   z=  / ' v/c 宇宙膨張 H0の観測値 H0= 71 +/- 7 km/s/Mpc 1Mpc= 106 pc 1pc=3.26 光年 = 3£ 1018cm

光度距離ー赤方偏移関係 赤方偏移 z と宇宙サイズ a の関係 距離と面積の関係 dL – z関係

Hubble Diagramの拡張 Flat ΛCDM models Curved CDM models Degeneracy

SNIa で宇宙を計測する (High z) Supernova Search Team 1998 Riess AG et al 16 SNe Ia (z=0.16-0.62) + 34 nearbys 2004 Riess AG et al 16 SNe Ia (z>1.25 by HST) + 170 SNe Supernova Cosmology Project 1997 Perlmutter S et al 7 SNe Ia (z=0.35-0.46) 1998 Perlmutter S et al 42 SNe Ia (z=0.18-0.83) 2003 Knop RA et al 11 SNe Ia (z=0.36-0.86, HST) Supernova Legacy Survey 1st yr 2005 Astier P 71 SNe Ia (0.249<z<1.01) + 44 nearbys Union Compilation 250 at high z + 57 at low z [Kowalski et al (2008)] Union Plus Compilation 492 SNe: Union + CfA3 [Hicken M et al (2009)] SDSS SN Survey [Kessler et al (2009)] Union 2 Compilation 557 Sne [Amanullha R et al (2010)]

Supernova Legacy Survey SNLS collaboration: A&A 447:31 ( 2006)

Union Plus Astrophys.J.700:1097-1140,2009. e-Print: arXiv:0901.4804 [astro-ph.CO]

Union 2 Compilation: 557 SNe ¢ w=+/- 1 R. Amanullah et al., Astrophys. J. 716, 712 (2010), arXiv:1004.1711 [astro-ph.CO].

Jeans Length 半径Lのガス雲(領域)において, 一様なガス雲のゆらぎに対して, ガスの圧力勾配 単位体積当たりの重力 P/L » cs2 /L 単位体積当たりの重力 G M/L2 » G  L 両者が等しい長さ ) Jeans長 LJ » cs/(G)1/2 = cs tff L < LJ のガス雲は膨張し密度勾配が減少 L > LJ のガス雲は重力収縮し,さらに密度が上昇. 一様なガス雲のゆらぎに対して, 波長  < LJ のとき,音波として伝播 波長  > LJ のとき,重力収縮によりゆらぎは成長 圧力 重力 L

Sounds of CMB 膨張宇宙におけるJeans長 H2= 8 G /3 ) LJ ¼ cs /H 宇宙の晴上り 現在 膨張宇宙におけるJeans長 H2= 8 G /3 ) LJ ¼ cs /H Cf. ホライズン長 LH ¼ c/H LJは宇宙の晴れ上がり直前で最大となる. 晴れ上がり前: LJ ¼ LH 晴れ上がり後: LJ < 10-5 LH 熱い膨張宇宙 長さ c /H cs /H CMB 時間 t

CMB Temperature Map by WMAP

Doppler Peak CMBの音波(振動部分) の波長には最大値 Lm ¼ LJ(trec)が存在する. 角度 / 波長 ¼ Lm/ n に対応する角度で強い相関をもつ. Lmは,宇宙の(晴れ上がり前後での)物質組成と物理だけで決まる. WMAP 7yr: arXiv:1001.4538 WMAP観測 1st Doppler peak l ¼ 200 , K¼ 0 観測値:  |K| < 0.1

宇宙のDark Pie 通常物質 暗黒物質 ダークエネルギー WMAP 5yr data: arXiv:0863.0547 WMAP Collaboration: ApJ Suppl. 170:377 (2007) SDSS Collaboration: ApJ 633: 560 (2005)

何を意味するのか? 宇宙は現在,加速膨張している!! 重力が引力 ⇔ 宇宙膨張が減速 宇宙膨張が加速 ⇒ 重力が斥力 重力が引力 ⇔ 宇宙膨張が減速 宇宙膨張が加速 ⇒ 重力が斥力 重力が斥力 ⇔ 圧力 P < - /3

Reacceleration of the Universe Discovery by SNIa (SNCP, HzST) WMAP 1st year 2005 BAO (SDSS) WMAP 3rd year Chandra X observation (fgas method) 2008 WMAP 5 year data 宇宙の膨張速度 インフレーション 熱いビッグバン宇宙 宇宙時間 現在の宇宙の加速膨張 暗黒時代

ダークエネルギー問題 一般相対性理論が宇宙のスケールで正しいとすると,量子エネルギーを含めて,真空のエネルギーが 正である (加速問題), 素粒子物理の特徴的なエネルギースケールと比べて異常に小さい (階層性問題), Cf. 真空の構造が変化する特徴的なエネルギースケール EPlanck=1028eV, EGUT=1025eV, EEW=1011eV, EQCD=108eV ちょうど現在の物質密度と同程度である(一致問題).

 様々な理論的試み 特別の場を導入 Quintessence, K-essence, phantom field, dilatonic ghost condensate, tachyon field(¾ Chaplygin gas), 量子重力 Spacetime foams, EPI, baby universe 重力理論の変更 ミクロでの変更: 弦理論・M理論 長距離での変更: Lorentz不変性の自発的破れ, f(R,,r) モデル, TeVeS理論, DGPモデル 人間原理 ダークエネルギー問題は、21世紀に残された最大の難問。その解決には,真空のエネルギーを完全にコントロール出来る基礎理論(重力を含む統一理論)の構築が不可欠! Ref: Copeland, Sami, Tsujikawa: IJMPD15, 1753(2006)

宇宙創成の謎

Big-Bang modelの諸問題

平坦性問題 (古典的な)宇宙の始まり Einstein方程式 Planck時での空間曲率 平坦性問題は,宇宙初期にエネルギー密度 m が曲率 K/a2より緩やかに減少する(i.e. 宇宙の加速膨張)時期が十分長く続けば解消される. Planck時間 tpl ¼ 10-43s Planck長 Lpl ¼ 10-33cm Planckエネルギー Epl¼ 1019GeV ¼ 1032 K Planck定数 h, 光速 c, 重力定数 G Planck時の曲率半径 > 1030 Lpl

ホライズン問題 Friedmannモデルを仮定すると ホライズン問題も,宇宙初期に宇宙膨張が加速する時期が十分長く続くと解消される. 我々がCMBで観測する領域のサイズは,宇宙晴上りの時点で,ホライズンサイズの50倍程度 初期面 宇宙晴上り 現在 時間 観測領域で,CMB温度ゆらぎは 10-5 程度 宇宙の一様等方性は,宇宙誕生時の初期条件.量子論と整合しない.

宇宙膨張の起源 宇宙の膨張速度 インフレーション 熱いビッグバン宇宙 現在の宇宙の加速膨張 暗黒時代 宇宙時間 なぜ宇宙は膨張を始めたのか?

宇宙構造の起源 Friedmannモデルを仮定すると、 宇宙誕生時のゆらぎのスペクトルは 観測は 「曲率ゆらぎがすべてのスケールで一定」(Harrison-Zeldovichスペクトル)を支持。 L

位相的励起の過剰生成(モノポール、宇宙ひも,ドメインウォール) モノポール問題 相互作用強度 重力 U1 SU2 SU3 電磁力 1012 K 1015 K 1028 K 1032 K GUT ??? QH WS 温度 素粒子標準モデルの構造と限界 大統一理論 宇宙初期での相互作用の分化 宇宙相転移 インフレーション 位相的励起の過剰生成(モノポール、宇宙ひも,ドメインウォール) 真空のエネルギー バリオン数生成

Inflation universe model

宇宙のインフレーション ビッグバンの起源 平坦性問題 宇宙初期での加速膨張 ホライズン問題 モノポール問題 宇宙構造の起源 解決 宇宙の膨張速度 インフレーション 熱いビッグバン宇宙 宇宙時間 ビッグバンの起源 平坦性問題 ホライズン問題 モノポール問題 宇宙構造の起源 宇宙初期での加速膨張 解決

観測よりの制限 平坦性: -0.0175 < K <0.0085 (95%CL: WMAP5yr+BAO+SN) インフレーションが始まる前の空間曲率をki,対応するスケール因子をai,インフレーション終 了後(再加熱後)のスケール因子をafとおくと, およびaeq' 2.5£ 10-5より, (Hf =3£ 1014GeV , Tf ' 1016 GeV). よって,

一様性(ホライズン問題) 現在のHubbleホライズンサイズがインフレーションの途中でHubbleホライズ ンサイズ以下の領域になるためには, これは と同等.よって,

量子ゆらぎから銀河へ インフレーション時. インフレーション後 長さ 時間 t インフラトンの量子ゆらぎはスケール不変な宇宙ゆらぎを生成する. 同様に,インフレーションによりスケール不変な重力波背景放射が生成される. インフレーション後 インフラトンのゆらぎは再加熱により通常の物質密度のゆらぎに変化し,CMBのスカラ型ゆらぎを生み出す. 重力波背景放射は宇宙晴れ上がり後,CMBにテンソル型ゆらぎを誘起する. 宇宙の加熱 宇宙の晴上り 現在 熱い膨張宇宙 長さ 量子ゆらぎ 時間 t

CMBによるインフレーションの検証 WMAP(+others) 温度非等方性のスケール依存性は,CDM+インフレーションの予言とよく一致. スカラ型スペクトル指数: ns = 0.95 » 0.97 WMAP 5yr: arXiv:0803.0593

宇宙ゆらぎには豊かな情報含まれる スカラ型ゆらぎ テンソル型ゆらぎ ✓ パワースペクトル ) インフラトンポテンシャルの形・傾き ○ 断熱性 ) インフラトン場・軽いモジュライ場の数 インフレーションのエネルギースケール ☆ 統計性 ) インフラトン場のタイプ 非標準の運動項を持つ場合や多成分の場合には,非ガウス的ゆらぎが生 成される場合がある. テンソル型ゆらぎ ☆ 振幅 ) インフレーションのエネルギースケール ☆ 偏光 ) 重力相互作用でのCPの破れ

ゆらぎ スカラゆらぎ(曲率ゆらぎ)の振幅: » 5£ 10-5. より正確には [WMAP 5yr] スペクトル指数: ns = 0.960+0.014-0.013 (95%CL) [WMAP 5yr+BAO+SN] テンソル/スカラ比: r:=¢h2/¢R2 <0.20 (95%CL) [WMAP5yr + BAO + SN] 非断熱性: dT vs. d½DM < 8.6% : axion-type DM < 2.0% : curvaton-type DM 非ガウス性:

CMP Polarisation Stokes Parameters for the Linear Polarisation Polarisation Tensor Pure E-mode b E cosb+ B sinb Pure E-mode Pure B-mode Lue, Wang, Kamionkowski 1999

Polarised Radiation Transfer Flux intensity tensor I¹º where e¹kp (p=1,2) is the polarisation basis: e¹¢ k¹=0. The Stokes parameters are expressed as Linear Polarisation Circular Polarisation

Boltzmann Equation When the WKB approximation is valid for radiation fields, I¹º satisfies the Boltzmann equation: GW + mode ) d T, E-mode GW £ mode ) B-mode

Inflation 問題

宇宙加熱(graceful exit)問題 インフレーションは起こせるか? インフラトン =重力が斥力となる物質 宇宙加熱(graceful exit)問題 新インフレーションモデル カオティックインフレーションモデル

様々なモデル Old inflation model [Sato K1981; Guth A 1981] New inflation model [Linde A 1982; Albrecht A, Steinhardt P 1982] Chaotic inflation model [Linde A 1983] このモデルでは 現在のホライズン領域が 1/H となる時期: fH » 15 [Linde A 1990B] ゆらぎの大きさ: dH » mf 2/(5¼ 61/2) COBE規格化: dH »2£ 10-5 ) m» 3£ 10-6(=7£ 1012 GeV). Power law inflation model [Abbott LF, Wise MB1984; Lucchin F, Matarrese S1985] Hybrid inflation model [Linde A 1994] このモデルでは,f ¸ fC =M/g のとき s ¼0 となり,mが小さいとき f 方向にポテンシャルは平坦となる. m2fC2= m2 M2 /g2 ¿ M4 /l のとき,臨界点でのHubbleは H2=M4/(12l ) となる.したがって,M2> l2 m2 /g2 か つ m2 ¿ H2 ならば f >fC でインフレーションが起きる. DBI inflation model [Alishahiha M, Silverstein E, Tong D 2004]

再加熱問題 バリオン非対称性:nB/ng =(6.10+/- 0.21)£ 10-10 (WMAP3yr) Cf. Thermal leptogenesis ) Tr>O(109)GeV [Buchmuller W, Di Bari P, Plumacher M 2005] Gravitino問題 [Kawasaki M, Takahashi F, Yanagida 2006;Kawasaki M, Moroi T 1995] m3/2=100 GeV – 10 TeV (unstable): Thermal production ) Tr<106-8 GeV (BBN constraint) 10 keV< m3/2<O(10)GeV (stable, LSP): Tr<107 GeV(m3/2/1GeV) (M constraint)

テンソル/スカラ比 原始重力波の発見は,高エネルギースケールインフレーションの場合にのみ可能.

もう一つの表現 インフレーション時期に,インフラトンが ¢Á だけ変化する間での宇宙の膨張の割 合 eN は インフレーションの同じ時期に量子ゆらぎから生成される断熱的曲率ゆらぎと原 始重力波の振幅は テンソル/スカラ比 (Lyth Bound) 熱い膨張宇宙

Small Field vs Large Field new influm Small field model || < mpl 例: New influm, Hybrid influm, Racetrack model D3-D7 brane influm 問題点 ポテンシャルを超平坦に微調整 量子補正に敏感 初期条件の微調整が必要.

Chaotic Inflation 1成分インフラトン場の方程式 (mpl=1) Power-lawポテンシャル+Slow roll 近似 Á À1でslow roll近似が成り立つ: インフレーション率 N は

Large field model 例: 利点 問題点 || À mpl Chaotic influm Monodromy influm, Axionic linear influm 利点 単純なポテンシャルで自然に起きる: m22 初期条件は一般的でよい. ポテンシャルに特別の構造を与えなくても,自然に 熱いビッグバン宇宙に移行する. 問題点 超重力理論補正(Kahler補正)に敏感 一般的には,インフラトン場の変動スケールはコン パクト化した余剰次元のサイズLを超えないので, 超弦理論で実現することは難しい.||. L mpl2 ¼ mpl Chaotic influm

Eta Problem Single inflaton slow roll model Potential in 4D N=1 SUGRA Slow roll parameters Potential in 4D N=1 SUGRA Kahler potential: Superpotential: W(z) (holomorphic) Kahler F-term correction to the inflaton mass -problem ,¿1 required! The eta problem may be solved if the theory has a shift symmetry Kawasaki M, Yamaguchi M, Yanagida T 2000

インフレーション問題 適当にポテンシャルを手で与えれば,スカラインフラトンを用いて(現在の)観測と整合的なインフレーションモデルを作ることは容易である. そのようなモデルは,インフレーションの背後に重力を含む統一理論が隠れていることを示唆する. インフレーションがPlanck時に始まることが要求される. インフラトンと他の場の相互作用は,重力相互作用程度となる. 現在,超弦理論・M理論は整合的な重力を含む統一理論の唯一の候補であるが,未だにそれに基づくインフレーションモデルは存在しない.特に,次のNo-Go定理は大きな障害となっている. 10次元ないし11次元の超重力理論の余剰次元を定常,コンパクトで滑らかな空間によりコンパクト化することにより得られる4次元理論では宇宙の加速膨張は起こらない. [Gibbons GW 1984]

宇宙誕生を観測する CMB非等方性 スペースレーザー干渉計 原始重力波 Quiet, PolarBear, … より精密な観測.特に,ゆらぎの非ガウス性の測定 ⇒ 非線形効果を通して,インフレーションの情報を得る. Planck (2009年6月~) 偏光(特にBモード)観測 ⇒ インフレーションで生成された重力 波の観測 ⇒ インフレーションの終了時期など新たな情報 Quiet, PolarBear, … LiteBIRD (KEK, JAXA, 理研,天文台), EPIC (NASA), CMBPol 原始重力波 スペースレーザー干渉計 Lpl at inflation ⇒ L >10 RE LISA, DECIGO/Einstein Observatory (20年後) LISA (of Great Observatories), The Structure and Evolution of the Universe 2003 roadmap, "Beyond Einstein: From the Big Bang to Black Holes.“ (NASA) WMAP 5yr data: arXiv: 0803.0593