状態遷移図とフローモデル Copyright(C)2011 Tsutomu Ohara　All rights reserved

状態遷移図とは 状態が移り変わっていく様子を表現した図。 例）気温が１８℃未満の場合は暖房が、 １８℃以上２８℃未満の場合は送風が、 　　１８℃以上２８℃未満の場合は送風が、 　　２８℃以上の場合は冷房が入るエアコン 18℃未満 18～28℃ 28℃以上 18℃以上 28℃以上 Ｓ０ Ｓ１ Ｓ２ 18℃未満 28℃未満 ※それぞれの状態を○の代わりに□で表したり、必要に応じて初期状態や終了状態を書き加えたり、自明のところや関連の薄い所を省略することもある。

応用例 身近ないろいろな所で応用され使われている。 START！ 朝は苦手？ スタート 試験勉強は 直前派？ 予習よりも 復習が長い？ ・・・・・・・・・・・・・ けがをした。 治療費のため 60$ 支払う。 START！ 宝くじが当たる！ 銀行から 100$もらう 朝は苦手？ アクシデント。 80$ 支払う。 はい いいえ 試験勉強は 直前派？ 予習よりも 復習が長い？ チャンス！！ 出た目の 10倍の金額を 銀行からもらう はい いいえ はい いいえ 定期券を 落とした。 １回 やすみ 塾で教わる？ ともだちに 聞く？ ひとりで勉強？ あなたは 強運の持ち主。 まわりから 50$もらう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ スタート

状態遷移図をつくる（１） 例）２００円の入館券自動販売機がある。この券売機は１００円玉しか使えず、２００円投入されたら自動的に入館券を発行する。 　この券売機の振る舞いを具体的に箇条書きで文章で表してみる 普段は待機状態で「０円」表示 １００円を入れたら、表示が１００円となるが、券は出ない １００円が入っている状態でもう１００円入れたら、２００円と表示され、券を発行して０円表示に戻る

状態遷移図をつくる（２） 販売機はどのような「安定」状態があるか？ それぞれの状態に、どのような入力手段があるか ０円（待機状態） １００円（１枚だけ入れている状態） ２００円（機械が検知しチケットが排出される直前） 　→　すぐに「待機状態」に戻る不安定な状況 　→　今回は「状態」としては考えないことにする。 それぞれの状態に、どのような入力手段があるか 「０円状態」　→　１００円を入れる 「１００円状態」　→　１００円を入れる

状態遷移図をつくる（３） 以上のことを状態遷移表にまとめる 状態： ｛０円、１００円｝ 入力： ｛１００円｝ 入力 状態 １００円 次の状態 　　　　　入力 　状態 　　　　　　１００円 次の状態 出力（チケット） 　　０円 ｑ０ ｑ１ なし １００円 あり

状態遷移図をつくる（４） ｑ０ １００円、チケットなし ｑ１ １００円、チケットあり ・「オートシェープ」を利用すると良い。（挿入→図形→オートシェープ） ・図形を選択（クリック）し、右クリックから「書式設定」で文字や背景の色を調整できる ・挿入→テキストボックス　で文字枠も好きな所に追加できる ・図形を選択後、CTRLキーを押しながらドラッグすることで簡単にコピーできる。

練習１（ワークシート） 自動券売機で２０００円の入場券を買いたい。 この券売機は２０００円以上になると、自動的に 券とおつりが出てくるものである。 １０００円札と５００円玉しか使えないものとし、 まずは状態遷移表を書いた後、状態遷移図を 書いてみよう。

フローモデルをつくる

フローモデルとは 信号だけでなく、システムを流れるモノや人など、広く情報の流れや処理手順などを表す 　信号だけでなく、システムを流れるモノや人など、広く情報の流れや処理手順などを表す 立川 吉祥寺 内部 組立 八王子 新宿 高幡不動 明大前 計画 確認 調布 外部 塗装 多摩ｾﾝﾀｰ 橋本 下北沢 オプション 組込 組込 新百合ヶ丘 町田 つながり（ネットワーク）などを示すのに、「節点（頂点）」や「枝（辺）」をつなぎ、簡略化して、必要なことをわかりやすく表す。

フローモデルをつくる（１） 例）グループでバーベキュー（飯ごう炊さん） １．まずは「何をするのか」を考え、文章で明確化。 　　さらに、それぞれの完成状態をイメージする。 川岸で石を並べて「かまど」を作る。火力は薪で。 飯ごうでご飯を炊く。 カレーを作ろう。 サラダも食べたいね。果物も入れよう。 食べるのは皆いっしょに。 　Etc・・・

フローモデルをつくる（２） ２．それぞれの内容の完成状態を順番に並べてみる。 平行してできるものは平行して。 炊飯完了 集合 かまど完成 カレー完成 料理完成 皆で食事 サラダ完成

フローモデルをつくる（３） 例）川岸で石を並べて「かまど」を作る。火力は薪で。 ３．それぞれの文章を、具体的な作業に分解 石を集める 　３．それぞれの文章を、具体的な作業に分解 　例）川岸で石を並べて「かまど」を作る。火力は薪で。 石を集める 石を並べて「かまど」作り 薪の調達 火をおこす など・・・ ※どの程度の内容に分解するかは、作業者が「作業の１つ」 　としてどの程度認識するか、ということを考えれば良い。

フローモデルをつくる（４） ３．それぞれの作業の前後関係を考える。 平行できる作業は平行して配置する。 かまど完成 ２ 石を並べる 石を集める ５ １０ ３ ４ １ 火をおこす 薪の調達 １５ ３ ※○内の数字は、作業の順番の目安を表す。 　また、作業内容の下の数字は、所要時間を表している。 　上記のような場合は、「石を集める」担当を増やせば、早くかまどが完成する。

フローモデルをつくる（５） ４．同様に、他の内容についても具体的に分解。 平行できる作業は平行して配置する。 カレー完成 ２ ３ １ ６ ７ にんじんを切る 混ぜる ルーを 入れて 加熱 １ ４ 水を入れ 煮込む ３ １ 混ぜる ６ 炒める ７ ８ ９ じゃがいもを切る １ ６ １０ ２０ ３ 肉を切る 混ぜる ２ ４ １ 鍋に油を引き 火にかける 混ぜる １ １ ５

フローモデルをつくる（６） ５．すべての行程を具体化したときに、先取りや平行してできる内容があれば、修正する。 炊飯完了 集合 かまど完成 カレー完了 料理完成 皆で食事 サラダ完了 肉と野菜 カット完了 集合 かまど完成 カレー完了

練習 「サラダをつくる」フローモデルを作成する。 ＜サラダについて＞ ・ リーフレタス そのまま ・ キャベツを千切りに 　＜サラダについて＞ 　　・　リーフレタス　そのまま 　　・　キャベツを千切りに 　　・　トマトは１／８にカットする 　　・　既製品の和風ドレッシングをかける 　　・　最後に１／８のリンゴを上に載せる 　　・　作業時間は適当で良い。