野村ホールディングスのリーマン 欧州・アジア事業買収について 08ba231c 松江沙織 2010/06/11
リーマン・ブラザーズの部門継承 ・ワールドクラスの人材 ・広範な顧客基盤 ・ITプラットホーム
補完関係 両社の顧客に重複は少ない 日本国内投資家 に対して 国債引き受け1位 相互の補完関係により シナジー効果が得られる! また、初期投資にかかる費用は 莫大であったが、 欧州・アジア地域基盤を ゼロから築くよりはよい! 海外投資家 に対して 国債引き受け1位 リーマンを買収するのにはこんなメリットがあった! インドや東欧などエマージング市場 アジア・欧州で 広範な顧客基盤 を持つ 国内・アジアで 富裕層を含む リテールビジネスで強固な顧客基盤 リーマンの 顧客基盤は ホールセールにある
最近の人事 キャリア・アップや報酬改善の為の 移籍を厭わない傾向にあり、 海外の投資銀行業界では 当たり前の人事の風景である! リーマンの事業と社員を継承するにあたって、元リーマン社員の給与水準を2年間保証 期限が切れつつある・・・ エクソダス 2010年3月から、リーマン出身の幹部が相次いで退社表明 サディック・サイード(欧州CEO) シガービョルン・ソーケルソン(アジア株式部門ヘッド) コリン・バンフィールド(アジア投資銀行部門共同ヘッド) トーマス・ジークムント(アジア債券部門共同ヘッド) クリスチャン・マイズナー(欧州投資銀行部門共同ヘッド) キャリア・アップや報酬改善の為の 移籍を厭わない傾向にあり、 海外の投資銀行業界では 当たり前の人事の風景である! 旧約聖書『出エジプト記』より “大量の国外脱出”を意味する *共通点* ライバル関係にある外国人 幹部が必ず近くにいる!
収益 2010年3月の連結決算は最終損益677億円 黒字転換要因 投資信託の販売回復 企業の増資特需に伴う引受業務による手数料収入 3期ぶりの黒字転換 黒字転換要因 投資信託の販売回復 企業の増資特需に伴う引受業務による手数料収入 部門別損益 営業部門 税引き前利益1134億円 インベストメント・バンキング部門 税引前利益17億円 グローバル・マーケッツ部門 税引前利益1720億円 アセット・マネジメント部門 税引前利益186億円 マーチャント・バンキング部門 税引前利益14億円
収益 海外収益の追い上げ リーマンのシェア 08年初頭17% ロンドン証券取引所での株式売買シェア ※リーマン買収前の リーマンのシェア 08年初頭17% 海外収益の追い上げ ロンドン証券取引所での株式売買シェア 6月 6.27%(3位) 7月 7.45%(1位)⇒以後連続首位 ※リーマン買収前の 昨年9月時点 0.1%以下(151位)
3つの武器 日本を含んだアジアで 圧倒的な顧客基盤をもった グローバルな金融機関への成長を目指す 独立系のつよみ 公的資金注入がないつよみ 利益相反の恐れがない 独立系の希少さによる存在価値の高まり 公的資金注入がないつよみ その資金を国外に投資することは憚られるため、国内に投資せざるを得なくなる レバレッジに依存しないモデル 野村のビジネス展開の主眼は顧客基盤の充実 継承した資源を利用し、従来のビジネスモデルを強化 日本を含んだアジアで 圧倒的な顧客基盤をもった グローバルな金融機関への成長を目指す 経済のグローバル化の中で、投資銀行業務の足かせになる 国民の税金
増資とその影響 *増資のデメリット* 一株当たりの価値の希薄化 海外募集による円高誘発 市場の需給悪化を招く リーマン吸収以降に行った増資は3回 1回目(2008.12):劣後債4100億円 2回目(2009.3):公募増資2761億円 3回目(2009.10):公募増資4350億円 *増資のデメリット* 一株当たりの価値の希薄化 海外募集による円高誘発 市場の需給悪化を招く
増資とその影響 事業拡張のために調達資金を使うことが大前提。 リーマン吸収以降に行った増資は3回 株式価値の希薄化を懸念し、翌日の株価は下落する傾向 しかし企業が投資家に向けて・・・ 公募増資が必要な理由 調達資金の使い道(前向きなものであればあるほどよい) を明確に説明すれば株価上昇の可能性がある! (ex.マツダなど) 事業拡張のために調達資金を使うことが大前提。 来期以降の1株当たり利益が希薄したままかどうかは事業次第であり、株価が一向に回復しないのであれば、事業戦略が評価されていないと認めざるを得ない! not前向き 調達資金の使い道・・・ 劣後債・公募増資1回目:巨額の赤字補填のため 公募増資2回目:米国の成長投資のため
増資とその影響 円高誘発 リーマン吸収以降に行った増資は3回 2回目の公募増資は国内:海外=1:1で募集された 年金基金・投資信託会社・長期保有目的 の機関投資家による大口注文が見られた 海外投資家による円買い
増資とその影響 収益黒字要因の“増資特需”到来 今年度の日本企業の公募増資の額は5兆6000億円を超えた シェアは一位 この内、野村の株式引き受けシェアは35%に達した 3メガバンクの大型増資などをはじめ、大半の案件で引受主幹事を獲得 シェアは一位
今後の課題 事業継承をしなかったアメリカへの進出 野村:184億円 ゴールドマン・サックス:3200億円 モルガン・スタンレー:1600億円 四半期ベース(2010年1~3月期)で純利益をみると・・・ ※株式・債券・投資銀行部門の合計の世界市場シェアは5.2% 利益水準の 大きな隔たり 全世界で約50%のシェアを占める 米国市場で出遅れていることが原因 野村:184億円 ゴールドマン・サックス:3200億円 モルガン・スタンレー:1600億円
今後の課題 事業継承をしなかったアメリカへの進出 アメリカで欧州の金融機関を中心に撤退の動き アメリカの支店開設 サンフランシスコ、シカゴ、ボストン、アトランタ、ロサンゼルスの5支店体制でアメリカでの取引拡大を目指す リーマンから事業を継承しなかった アメリカにおいて自前でビジネスを構築中
今後の課題 内なる国際化 外国人幹部の採用 ホールセール部門(グローバル・マーケッツ部門とインベストメント・バンキング部門を統括)を設立、最高執行責任者にジャスジット・バタール(元リーマン、アジア・パシフィック地域のトップ)を起用 ◎グローバルな投資銀行を目指すためには、人材の徹底的な国 際化が必要
グローバルな土俵の上で相対化せざるを得ない 状況に追い込み、実力を高めていく必要がある 今後の課題 内なる国際化 早期退職制度の導入 定年を待たずに新たな人生へと転身したい社員を支援 50歳以上の希望者かつ勤続5年以上の社員が対象(部店長、中核のポストの社員は対象外) 基本給の最大2年分を退職金に上乗せする 海外と戦っていくためには、 グローバルな土俵の上で相対化せざるを得ない 状況に追い込み、実力を高めていく必要がある
米国進出の代替案としての アジア事業強化について 論点 米国進出の代替案としての アジア事業強化について