加藤真理子1、藤本正樹2、井田茂1 1) 東京工業大学 2) JAXA/ISAS 非一様MRIによる 微惑星形成の可能性 加藤真理子1、藤本正樹2、井田茂1 1) 東京工業大学 2) JAXA/ISAS
ガス抵抗 ダスト角運動量を奪う ↓ ダスト落下(5AU付近mサイズが最速) 微惑星形成問題 ガス速度場が変われば・・・ 回転速度 原始星からの距離 ダスト ガス 円盤圧力勾配 ↓ ガス回転<ケプラー回転(ダスト) ↓ ガス抵抗 ダスト角運動量を奪う ↓ ダスト落下(5AU付近mサイズが最速)
乱流中での微惑星形成の可能性 *Johansen et al.(2007) *Streaming Instability [MHD+粒子シミュレーション] MRI乱流+赤道面への沈澱 +Streaming Instability →ダスト集積 [ダスト自己重力を解く] 自己重力不安定 → 微惑星形成 MRI乱流中で・・・ 回転速度 原始星からの距離 ・乱流パターンが変わったら? ・mサイズのものが優先的に集積 <cmのものが多かったら? ダスト ガス *Streaming Instability ガス ダスト・ガスの動径方向速度差によるもの ダスト密度増加 垂直方向に広がる ダスト密度大・ダストサイズ大 で有効 (Youdin&Goodman, 2005, Johansen&Youdin, 2007) 遅 ダスト
MRI非一様成長の可能性 高電離-unstable 低電離-stable z Bz y x 弱Bz-stable 線形解析の結果(プラズマベータ=400) ★MRI成長率 ガス電離度が低いとき 磁場垂直成分Bzが小さいほど 成長率は小さい 同じ電離率でも BzによってMRI成長率が異なる (Sano&Miyama 1999, Jin 1996) 高電離-unstable (θ:z軸とBが成す角) 低電離-stable z Bz y x 弱Bz-stable
非一様な成長率をもつ磁気回転不安定性乱流中での 微惑星形成の可能性は? 研究内容 非一様な成長率をもつ磁気回転不安定性乱流中での 微惑星形成の可能性は? 垂直磁場 弱 強 弱 MRI 安定 不安定 安定 電離度が一様に低い円盤中 x y z →3次元ローカルシミュレーション
MHD + 粒子シミュレーション (CIP-MOCCT法) ガス―MHD方程式を解く ガス‐ダスト間の運動量交換 運動方程式(ガス) ガス‐ダスト間の運動量交換 ダスト―superparticleとして扱う ダスト運動方程式 ダスト自己重力 ポアソン方程式 (フーリエ変換) *境界条件―Shearing Box Model 、y、z-周期境界
Model(1) z y x 電離度が一様に低い円盤中 垂直磁場 弱 強 弱 MRI 安定 不安定 安定 H:スケールハイト 垂直磁場 弱 強 弱 MRI 安定 不安定 安定 電離度が一様に低い円盤中 x y z H:スケールハイト プラズマベータ β=400 電気抵抗 η=0.002H2Ω n[e]/n[H]~10-12 (MMSN) ダストサイズ τfΩ=1.0 (mサイズ) 初期ダスト・ガス密度比 ε0=0.10 ※z方向重力なし 初期ガス面密度 Σg0=300g/cm2 ダスト重力場は途中から解く Resolution dx=dy=dz=0.01H (grid数 950×50×100) 粒子数=8個/cell (総数~4×107個)
①非一様MRI→準定常状態 MRI成長率が非一様 ⇒角運動量輸送効率 非一様 →ガス回転速度変化 非一様 →剛体回転領域形成 ⇒MRI安定 ⇒角運動量輸送効率 非一様 →ガス回転速度変化 非一様 →剛体回転領域形成 ⇒MRI安定 Point1 全領域でMRI安定 ⇒質量輸送輸送効率 非一様 →圧力の変化 非一様 →圧力勾配領域形成 ⇒コリオリ力変化分と 圧力勾配がバランス tΩ= 0.0 tΩ=40.0 tΩ=80.0 Point2 準定常状態になる (Kato et al. 2009)
②ダスト密度増加 0.0 1.0 (ガス回転>ケプラー回転)の領域の存在 → ダスト落下防止 領域外端でダスト密度増加 ダスト密度/<ガス密度> (ガス回転>ケプラー回転)の領域の存在 → ダスト落下防止 領域外端でダスト密度増加 ダストによるガスケプラー回転領域拡大 → ダスト密度増加飽和 x uy ダスト密度(/cell)最大値 start! → ダスト重力場を解く
③微惑星形成 ダスト密度、ダスト速度(vx,vy-vkep) log(ρd/<ρg>) ダスト密度(/cell)最大値の時間変化 -2.0 2.0 y x z y
→10~80Mceres (数100km) ※解像度 ※他の微惑星との衝突 ③微惑星形成 脱出速度/csと Hill圏内のダスト速度分散/cs 質量/Mceres →10~80Mceres (数100km) ※解像度 ※他の微惑星との衝突 ※初期ダスト量、サイズ →重力的に束縛されている
Model(2) z y x 電離度が一様に低い円盤中 垂直磁場 弱 強 弱 MRI 安定 不安定 安定 H:スケールハイト 垂直磁場 弱 強 弱 MRI 安定 不安定 安定 電離度が一様に低い円盤中 x y z H:スケールハイト プラズマベータ β=400 電気抵抗 η=0.002H2Ω n[e]/n[H]~10-12 (MMSN) ダストサイズ τfΩ=0.1 (cmサイズ) 初期ダスト・ガス密度比 ε0=0.01 ※ダストのみz重力あり 初期ガス面密度 Σg0=300g/cm2 ダスト重力場は途中から解く
ダスト密度増加 z y ① 動径方向から局所領域に集積しない x ② 微惑星形成? ダスト密度/<ガス密度> 0.0 0.1 tΩ=60.0 ダスト密度(/cell)最大値の時間変化 tΩ=85.0 tΩ=99.6 x y z z重力あり ① 動径方向から局所領域に集積しない ② 微惑星形成?
①局所的に集積しない z y x vf-落下速度 減少 tΩ=60.0 ダスト密度/<ガス密度> 0.0 0.1 x y z 運動方程式から見積もったvx vf-落下速度 減少 vt-ガスに捕まりやすい → 弱い乱流がダスト濃集積を妨害 ⇒ 乱流支配のダスト高密度領域形成 vf max, min vt max, min
②微惑星形成? 密度低い&速度分散が大きい →重力不安定起きにくい R ※解像度 log(ρd/<ρg>) 密度低い&速度分散が大きい →重力不安定起きにくい R y x ※解像度 ※相対速度 ~10m/s →合体成長? (vs. 重力不安定) 数密度 速度分散 R/H R/H
z方向重力、解像度、初期磁場構造(回転方向の非一様性) 初期ダスト量、電離率や領域幅による違い 微惑星サイズ分布の議論 まとめ MHD+粒子(ガス-ダスト間運動量交換、自己重力あり) シミュレーションによって微惑星形成過程を調べた MRI成長率が動径方向に非一様であるとき MRI→準定常状態(一部でガス回転>ケプラー回転) →ダスト密度増加→自己重力不安定=微惑星形成 という過程が考えられる ダストサイズが小さいとき弱い乱流によって局所領域に濃集しない ⇔相対速度が小さい⇒合体成長? 課題点 z方向重力、解像度、初期磁場構造(回転方向の非一様性) 初期ダスト量、電離率や領域幅による違い 微惑星サイズ分布の議論