漢字の説明 静夜思=静かな夜に思う 牀=ゆか・とこ。 牀前=とこにつく前・寝る前。 看=みる 月光=月の光 疑=うたがう 是=これ 地上霜=土の上の霜 挙頭=頭を上げる 望山月=山や月を看る。 低頭=頭を下げる 思故郷=故郷を思う 我流の解釈 旅先でのこと 李白さん 夜 寝ようとしたら 戸の隙間から漏れてきた月の光が ベットの上に射していた。 その光はまるで霜が降りたかのようである。 ふと頭を上げ光の差し込む先を見ると そこには山があり丸い月が掛かっていた。 ああ、故郷で看た月と同じだ・・・ 自然に頭が下がり故郷のことが次々と 思い出された。
Quiet Night Thoughts Before my bed there is bright moonlight So that it seems Like frost on the ground: Lifting my head I watch the bright moon, Lowering my head I dream that I'm home. Li Po
花間一壼酒 獨酌無相親 舉杯邀明月 對影成三人 月既不解飮 影徒隨我身 暫伴月將影 行樂須及春 我歌月徘徊 我舞影零亂 醒時同交歡 醉後各分散 永結無情遊 相期遥雲漢 花間一壷の酒、 独り酌んで相親しむもの無し。 杯を挙げて名月を迎え、 影に対して三人と成る。 月既に飲を解せず、 影徒らに我が身に随う。 暫く月と影とを伴い、 行楽須らく春に及ぶべし。 我歌えば月徘徊し、 我舞えば影零乱す。 醒むる時ともに交歓し、 酔うて後は各々分散す。 永く無情の遊を結び、 相期す遥かなる雲漢に
花の咲き乱れるところに徳利の酒を持ち出したが 相伴してくれる者もいない。 そこで杯を挙げて名月を酒の相手として招き、 月と私と私の影、これで仲間が三人となった。 だが月は何しろ酒を飲むことを理解できないし、 影はひたすら私の身に随うばかりだ。 まあともかくこの春の間、 しばらく月と影と一緒に楽しもう。 私が歌えば月は歩きまわり、 私が舞えば影はゆらめく。 しらふの時は一緒に楽しみ、 酔った後はそれぞれ別れていく。 月と影という、この無情の者と永く親しい交わりをして、 遥かな天の川で再会しようと約束するのだ。
Drinking Alone in the Moonlight Amongst the flowers I am alone with my pot of wine drinking by myself; then lifting my cup I asked the moon to drink with me, its reflection and mine in the wine cup, just the three of us; then I sigh for the moon cannot drink, and my shadow goes emptily along with me never saying a word; with no other friends here, I can but use these two for company; in the time of happiness, I too must be happy with all around me; I sit and sing and it is as if the moon accompanies me; then if I dance, it is my shadow that dances along with me; while still not drunk, I am glad to make the moon and my shadow into friends, but then when I have drunk too much, we all part; yet these are friends I can always count on these who have no emotion whatsoever; I hope that one day we three will meet again, deep in the Milky Way. Li Po