11.確率モデル 確率・・・不確実性の経済学や金融やファイナンス で重要 密度関数がある場合に期待値を取る計算を中心に、紹介
確率と確率変数 数学的な確率 本当に何が起こるかわからないとき確率モデルは適用可能か・・・・・・・??? どれがおこるかわからないが、少なくとも起こりえることはわかっていて、しかも、どれが、起こるかわからないという、わからなさについて、完全によくわかっている 本当に何が起こるかわからないとき確率モデルは適用可能か・・・・・・・??? ここでは、とにかく確率の計算に慣れる
確率の公理 起こりえること全体の集合 部分集合 確率・・部分集合から実数への関数 何かは必ず起こる 確率は0と1の間
確率の公理(続き) AとBが同時に起きないならば、AかBが起こる確率は、Aが起こる確率とBの起こる確率 加算加法的に拡張した形で定義 定義域も困らないように定義(σフィールド ) 全体が1になるように正規化していないものも含め測度(measure) 典型的な測度は長さ(ルベーグ測度) ある公理を仮定すると長さの定義できない集合がある。
確率変数 から実数への関数 実数の行儀のいい集合Bの値を取る確率 定義できる集合が可測(measurable) 当面は、元の確率空間や確率変数を無視して、 次の分布関数から初めても問題が無い 確率変数の表記 など文脈による
(累積)分布関数と 確率変数Xがx以下を取る確率 非減少関数 なんらかの数は、実現する どの数も実現しないことはない 0から1に増加していく
例 歪んでいないサイコロの目の分布関数
離散確率変数 確率 で 実数 が起きる 分布関数は
絶対連続確率変数 確率変数Xが実数全体を取る 特定の実数aは取りそうもない がもっともそう しかし となりそう
が連続微分可能 微分積分学の基本定理 が連続でない場合も含め が成立するとき、分布は、絶対連続で、 は 確率密度関数
確率密度関数 xが起こる確率ではない。 aとbの間の値になる確率 自体は1を超えることもある
分布関数の分解 離散分布関数 絶対連続分布関数 特異連続分布関数 特異連続分布関数は、一次元の応用では、まず出ない 二次元の応用では、それほど特異に見えない例がある
密度関数の例 一様分布 aとbの間では、同じように起こりやすい それ以外は起こらない
正規分布 中心極限定理により、独立のノイズの和は、正規分布に収束 自然界に多く存在 いろいろ いい性質を持つ μ:期待値:σ2:分散 標準正規分布μ=0,σ2=1
一般の密度関数の構成 fは密度関数 は密度関数 例 は[0,1]の密度関数(ベータ分布)
期待値 サイコロの目の平均 離散確率分布 確率変数 X で を取る Xの期待値
絶対連続確率分布 確率変数 X 密度関数 Xの期待値 xとf(x)を掛け合わせて足す f(x)はxを取る確率ではないので、正確ではない 積分を定義して、説明
期待値の直感的理解 なので刻みが細かければ、一番上も一番下も平均のいい近似 真ん中は
期待値の存在しない例 ルベーグ積分は、正の関数について定義され、符号の変わる関数については、正の部分の積分から、負の部分の絶対値の積分を引く ルベーグ積分は、正の関数について定義され、符号の変わる関数については、正の部分の積分から、負の部分の絶対値の積分を引く 両方が有限のとき期待値が存在 積分すると1(コーシー分布の密度関数)
関数の期待値 u(X)の期待値 離散分布 絶対連続分布
例 期待効用 コインをn回降って初めて表が出ると2n円もらえる賭けの期待値が無限大・・セント・ペテルスブルグのパラドックス 例 期待効用 コインをn回降って初めて表が出ると2n円もらえる賭けの期待値が無限大・・セント・ペテルスブルグのパラドックス ある種の合理性を持つ人の確率変数に対する選好は、ある効用関数の期待値(期待効用)の大小と同じ(フォン・ノイマン=モルゲンシュテルン効用関数) この人は、確実にa円もらえるのと、セント・ペテルスブルグのかけをするのが同等・・・確実性等価額
Jensenの不等式 u(x)が凹(凸) 効用関数が凹なら賭けより、確実に期待値がもらえたほうがいい 危険回避的
期待値の線形性 密度関数 帰納法により
分散 期待値(平均値) が小さい(大きい)値を取る確率が高い 分布がばらついている 分散 標準偏差 が大きいとき分布がばらついている 実際のデータから計算する記述統計的の分散や、推測統計学での分散の推定値と混乱しないこと
分散(つづき) 同様に
二次元と多次元の確率変数 ファイナンスのポートフォリオ問題で各株の価格や収益を確率変数とすると、いくつかの確率変数を同時に扱う問題が出てくる びっくりしないように、絶対連続な場合について、最小の議論をする。
同時密度関数 確率変数のペア 同時分布関数 同時密度関数 二次元の領域Bに対して この場合が絶対連続 密度関数の3次元グラフの領域の下の面積が確率
期待値 の期待値(関数u(x,y)に確率変数を入れる) の表記でどちらの積分が先かは 文脈による は、非常に一般的な条件で成り立つ
の期待値 Xの周辺密度関数 (Xだけ考えたときの密度関数) 同様に Yの周辺密度関数
独立と条件付確率 XとYが独立 Xが与えられたときのYの条件付密度関数 Xが特定の値をとったとき、 Yがどんなふうにばらついているかを示す
XとYが独立 条件付密度と周辺密度が同じ Xのとる値がYのばらつきぐあいに影響を与えない Xのとる値がYの情報を持たない
条件付期待値 のXの値が与えられたときの条件付期待値 yは消えてxの関数になる。 Xについて期待値を取る。 もとの期待値になる(繰り返し期待値の法則)
共分散と相関係数 XとYがともに平均より大きいか小さいときに正 片方平均より大きく他方が平均より小さいとき負 共分散
共分散 共分散が正の密度関数のレベル曲線の例 共分散が負の密度関数のレベル曲線の例
共分散 二変数の期待値についての線形性 期待値は、確率変数でなく定数であることに注意 E[X], E[Y]のどちらが0ならCov (X, Y)= E[XY]
相関係数 コーシー・シュワルツの不等式 相関係数
相関係数 1と-1の間 相関係数が1⇔必ず正の傾きの直線にのる 相関係数が-1⇔必ず負の傾きの直線にのる XとYが独立⇒ u(X)とv(Y)の相関係数は0
XとYの相関係数は0でも独立とは限らない 相関係数は0だが独立でない分布の密度関数のレベル曲線の例
多変数の密度関数 n次元の確率変数 絶対連続のときは、同時密度関数 を使って期待値、分散、条件付期待値などを計算できる。 平均ベクトル 分散共分散行列(非負定符号)
例 ポートフォリオ選択 持っているお金・・二つの株に投資するか預金する 1円の1年後の金額 投資額 預金 1+r 確実な額 I-a1- a2 例 ポートフォリオ選択 持っているお金・・二つの株に投資するか預金する 1円の1年後の金額 投資額 預金 1+r 確実な額 I-a1- a2 株1 X1 確率変数 a1 株2 X2 a2 このときの1年後の価値
期待値 分散
投資家の効用 期待値は大きいほうがいいが、分散は小さいほうがいい 大きいほどリスクが嫌い
投資家の行動
a1とa2 で微分して0と置く
a1とa2 について解く 分母は正(相関係数の絶対値は1以下)
二つの株の相対比率は、βに依存しない 株の混ぜ合わせ方は同じで、 βの大きい人は預金を小さい人は株を持つ
すべて株1に投資したとき 平均 分散 すべて株2に投資したとき 平均 標準偏差
全資産を株1にα株2に1-αの割合で投資したとき 平均 分散
標準偏差 平均 安全資産