工業力学 知能システム工学科 井上 康介 第1回:本授業のガイダンス

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Kinjo-Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
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工業力学 知能システム工学科 井上 康介 第1回:本授業のガイダンス Industrial Mechanics ● 講義はこのスクリーンを用いて行います.   見にくい学生はスクリーンに近い座席に着席してください ● 配布物:講義ノート (p.1~24:6枚),解答用紙 1枚   (解答用紙は今日は出欠をとるためのみ使用  氏名・番号のみ記入)   (取り逃しが多いので,ちゃんと全ページをとったか確認すること) 知能システム工学科 井上 康介 日立キャンパス E2棟801号室

担当教員自己紹介 井上 康介(いのうえ こうすけ) 身分:講師,居室:E2棟 8階801号室 専門分野:生物模倣型ロボット(現在は主に ヘビ型ロボットを扱っています) ■

講義の概要 下位科目:力と運動 上位科目:機械力学,材料力学 1年次前期に学んだ「力と運動」では,主に 質点の力学 を扱い,大きさを持つ物体の力学については扱ってこなかった.これは実際に起こっている力学現象を簡素化したモデルであり,現実の物体の運動の記述には不十分 本講義では 剛体 の相互作用に関する 静力学,運動学   および 動力学 (基礎部分) を学習する 剛体 (rigid body):外部から力が加わっても変形しない (変形量が微少で,無視できる) 大きさを持つ物体 要するに,大きさを持った (変形しない) 物体の力学の基礎を学ぶ (ただし,2次元空間での議論のみ)

講義の概要 静力学 (statics):静止状態にある物体における力やモーメントの均衡を扱う 運動学 (kinematics):物体の運動を,その原因,すなわち力との関係を考慮することなしに,主に幾何学的に論ずる 動力学 (dynamics):物体の運動状態を力との関係に基づいて論ずる

授業の概要 メカを設計・製作し,これを動かすに当たっては,大きさを持ち多少変形する機械部品の耐久性 (材料力学) や,部品同士の力学的相互作用 (機械力学),その他を数理的に計算する必要がある 例)ロボットにおいては,各モータにどの程度の電流を流すとアーム先端がどのような加速度で動くかなど 例)橋の設計をする際,台風が来たときに橋の固有振動数の振動 (共振) が起こって橋が崩落することを防ぐ場合,振動の計算やそれに基づく材料強度計算など このようなメカの設計・制御のあらゆる側面において必要となる基礎がこの講義であり,理解できずにドロップアウトすることは 許されない (故に必修) 他の講義で寝ている学生も,本講義はまじめに!

到達目標 質点系および剛体系における力・モーメントの合成と分解ができる 質点系および剛体系における釣り合い,安定の条件を理解し,求められる 並進運動,回転運動とニュートンの運動法則との関係を理解し,記述できる 動力学の基礎として,単振動,自由振動,強制振動の事象を理解できる

授業計画 本授業のガイダンス 力 (力・力のモーメントの定義,合力,分解) 力のつりあい トラス 物体の重心 (計算方法) 物体の重心 (パップス・ギュルダンの定理・物体の安定性) 慣性モーメント 物体の運動学・動力学 中間試験 運動量と力積 運動量保存,物体の衝突 仕事・エネルギー・動力

授業計画 摩擦 簡単な機械 (てこ,滑車,輪軸),機械の効率 演習 期末試験 ただしこれはあくまで目安で,ここまで進めない可能性大. (講義の途中途中でみなさんに理解度を聞いたり,あるいは小テストのできなどを見て,説明を部分的に手厚く行ったりする) 動力学については本講義では基礎のみ扱う.教科書最後のあたりの振動などについては,他の講義で詳しく行う.

講義の進め方 講義は今回と同様PC+プロジェクタを利用して行う 今回と同様,重要箇所を空欄としたノートを配布する.空欄を埋めつつ,重要と思ったことを空欄にメモしながら講義を受けること. 講義の進行 前回の宿題の回収 前回の講義内容のおさらい 前回の講義内容に関連する小テスト (兼 出欠調査) 今回の講義 今回の宿題の出題 今回までの内容に関する質問の受付 (授業前後)

指定教科書 (必須) 工業力学:青木 弘・木谷 晋 共著,森北出版株式会社 本体価格 2,000円 教科書の演習問題などを講義で参照するため,必ず講義に持参してください

成績評価と注意 成績の評価方法 不合格のヤバさと,それに至る典型的パターン 宿題 (25点)+小テスト (25点)+中間試験 (25点)+期末試験 (25点) で評価する 採点においては,各解答過程を評価.分からなくても分かるところまではきっちり書くこと.答えのみは0点. 60点未満 (12T以前は50点未満) は 不合格. 不合格のヤバさと,それに至る典型的パターン 落とすと,ほぼ留年確定:Aコース  Bコース聴講不可,往復の時間 / Bコース  時間割が詰まりすぎ レポートと小テストだけで50点を占めることを甘く見すぎて落とす学生が多い (予習・復習の重要性) 途中でサボるとその先が一気につらくなる 分からないくせに教員にも友達にも聞かない

恐怖の実績データ 昨年度までの実績は右の表 の通りである. 昨年度は多少改善している が,たまたまその世代が 優秀なだけの可能性もある (特に難易度は変えてない) 不合格者の特徴 レポート提出をさぼる 小テストが不出来 (復習に時間を使わない)  この講義の性質上,復習に たっぷり 時間が必要  (講義時間だけで習得できるのはかなり頭のいい学生のみで,   基本的に復習の時間が習得のメインステージとなる と心得よ) 受講者中の単位取得者割合 Aコース Bコース 2011 76.7% 93.6% 2012 69.8% 84.1% 2013 70.0% 76.6% 2014 86.2% 78.0%

履修上の注意 1年前期の教養の物理学「力と運動」を習得していることを前提に授業を行う.ほぼ毎回レポートおよび小テストを出すので,しっかり予習・復習を行うこと. 中間試験終了後と期末試験の前の週ごろにアンケートを実施するので,日頃からこのことを意識して受講してほしい (その際,必要な批判はきちんと行うこと). オフィスアワー:月曜2限,金曜6限 (ただし日立にいます) 質問を躊躇しないこと.授業料を支払っているだけのサービスを受けてよいのだから,遠慮した結果理解ができなくなってドロップアウトという事態は絶対に避ける 基本的に,Aコース:講義直後の昼休み,Bコース:授業前30分間 他に,希望に応じて別途時間を取ります.遠慮無く希望すること. E-mail:                   (メモを)

ホームページの活用 講義において,講義ホームページを活用する.内容は以下のとおり: 連絡事項 (テストの実施場所など) 各回に進んだ範囲 実施した小テストとその模範解答・解説 各回に出題した宿題 教科書の章末問題のヒント集 オリジナル練習問題とその模範解答・解説 中間・期末テストの問題・模範解答・解説 教科書の誤植 http://biorobot2.ise.ibaraki.ac.jp/inoue/lecture/im/ (メモってください)

小テスト・宿題・テストにおける注意 この講義では,テスト等における回答において,最終的な答えは必ず数値化すること,および正しい単位を表記すること.これをやらないと減点する. また,有効数字は指示がない場合は3桁とする. 例) N =  ダメな例 N = -0.866 [Nm]  OK 単位の表記の際には,カギカッコでくくること. ベクトルは必ず太字で書くこと. レポートは A4版で提出すること.

基本的な平方根の数値 高校までで,    ,    のように,2桁で習っているかもしれないが,本講義では有効数字は 3桁. 少なくとも     ,     と 3桁で計算する. 「平方根 憶え方」などでググれば簡単に見つかる.       (一夜一夜に人見ごろ) (人並みにおごれや) (富士山麓オウム鳴く) (菜に虫いない) 大学の工学部にいるのであれば,    とかはちょっとありえないと考えてください. というか,「精度」や「有効桁数」といったものに関する考えをしっかり持っておくことは,皆さんが将来作る製品の品質に直結します.この講義を機に意識を!

お説教的な… まず最初にお詫び:井上は教え方が上手ではありません.他の先生より分かりやすくもありません. 講義の時間だけ井上の言うことを聞いていると工業力学がいつのまにか理解できているというようなすばらしい現象は,この講義に限っては,決して起こりません. 授業改善の努力は続けていますが,一方で,大学とはどういうところか も理解してもらう必要があります. 大学での勉強は小中高とは根本的に違います.学ぼうという主体性のない人間が,口を開けて餌を待つような 受け身の姿勢 でいても何も身につきません.「おい,早くオレに分からせろ」という気持ちは捨ててください. 将来何をしたいのか,そのために何を身につけなければならないのかを踏まえ,主体的に 取り組んでください.

お説教的な… つまり,講義の予習復習に長い時間を用意すること, 分からないときに質問をすることを面倒がらないこと. 分かろうとする努力,これを我々は全力でサポートします.一方で,分かろうとしていない人間に無理に理解させるという趣旨の教育機関 (小中高) ではない ということを理解してください.自分でやるしかないわけです. 質問対応の時間 (活用してください) Aコース:授業後 (昼休み) Bコース:授業前30分間 ※ ただし,提出前の宿題についてはあまり教えません. ガイダンスは以上