太陽電池の特徴 玄海原発(347.8万kW)と同発電すると 福岡市の約0.68倍( 233km2 ) クリーンで枯渇のおそれなし 設置と保守管理が容易 設備利用率が低い:約12%(風力:約20%、地熱:約70%、小水力:約60%) 発電コストが高い:住宅用33.4~38.3円/kWh、メガソーラー30.1~45.8円/kWh(H24買取価格:42円/kWh) 日によって天候による出力差が大きく、バックアップ電源は必須。加えて分単位でも、雲のかげり具合で4割程度出力が上下動するため系統安定化対策も必要。 太陽電池生産量は、中国と台湾で約6割のシェア。日本は約1割。 経営破綻 米国 8.4% 日本 10.5% (2,546MW) 中国・台湾 58.5% (14,193MW) 欧州 16.4% (3,966MW) 発電コスト算定の条件(コスト等検証委員会報告書 平成23年12月19日) メガソーラーのシステム価格を35~55万円/kWとしている。事業者の動向を見てみると、実際は35~40万円/kW程度と考えているという意見が多い。ドイツの例を見ると、直近の太陽光発電のシステム価格は、2,200ユーロ/kW程度とのこと。 メガソーラーの土地代については、モデルプラント(1,200kW)を概ね12,000~18,000㎡の遊休地等(年間賃貸料100円/㎡/年)に設置すると仮定した場合、120~180万円/年。モデルプラントの年間発電量約126.144万kWhを前提とし、前記と地代を除すと、1~1.4円/kWh増となる。 ドイツの太陽電池業界は、販売価格の低下、中国企業との競争、供給過剰や太陽光発電電力の買取価格見直しの影響もあって、ドイツ大手太陽電池メーカーのQセルズが2012年4月3日に倒産した。太陽光発電大手企業の経営破綻としては、ソロン、ソーラーミレニアム、ソーラーハイブリッドに続いて4社目となる。 このように、日本の全量買取制度の目的のひとつである国内産業育成についても、既に欧州市場等で国際競争力をつけている中国を始めとした新興国メーカーとの厳しい競争に晒されることになる。 Q-Cells (独) 玄海原発(347.8万kW)と同発電すると 福岡市の約0.68倍( 233km2 ) 経営破綻 1
風力発電の特徴 クリーンで枯渇のおそれなし 新たな産業や雇用を生み出せる可能性がある。 設備利用率が低い:陸上約20%、洋上約30%(太陽光:約12%、地熱:約70%、小水力:約60%) 新エネルギーの中では発電コストが低い:陸上9.9~17.3円/kWh、洋上(着床式)9.4~23.1円/kWh(H24年度買取価格 20kW以上:23.1円/kWh、20kW未満:57,75円/kWh) 出力変動があり、バックアップ電源や系統安定化対策が必要。 風況の良い地点が偏在しており、場所によっては系統増強が必要。 立地点によって、景観問題、バードストライク、騒音、低周波音対策が必要。 強風や落雷で故障や破損する事例あり。 陸上風力については、立地条件により建設コストが異なるが、系統制約もなく建設コストが安いケース等の条件がそろったケースでは10円/kWh程度と試算。 電力会社の系統から離れた場所が立地点となることがあり、発電コストとは別に、電源線コストがかかる。また、導入量が多くなった場合、将来的には、電力システム全体として何らかの系統強化あるいは系統安定化のための追加的な投資が必要となる。その中には、系統安定化のための調整電源の確保、系統連携強化、需要動向に基づく需給調整や、蓄電池の役割の整理・普及をどのように進めていくかという論点がある。 風力の出力変動は、発電所毎の出力安定化のために蓄電設備の併設による対策が行われているケースがあるが、その場合は、発電コストに加えて蓄電コストがかかる。
風力発電の導入可能性 玄海原発(347.8万kW)と同発電すると 福岡市の2.5倍(862km2 ) 【陸上風力】 標高1,000m以上、居住地からの距離500m未満、国立公園や保安林等の場所を除外して推計。 着床式 浮体式 洋上 (深海部) (中間的深さ) (浅瀬) 陸上 水深 0m~30m 30m~50m 50m~200m 【洋上風力】 陸地から30km以上、水深200m以上等の場所を除外して推計。 玄海原発(347.8万kW)と同発電すると 福岡市の2.5倍(862km2 ) 出典:平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書(環境省)
地熱発電の特徴 火山が多い日本には地熱資源が豊富 太陽光発電や風力発電と違い、安定した出力 設備利用率が高い:約70%(太陽光:約12%、風力:約20%、小水力:約60%) 新エネルギーの中では発電コストが低い:9.2~11.6円/kWh(H24年度買取価格 1.5万kW以上:27.3円/kWh、1.5万kW未満:42円/kWh) 地点開発のためには、地表調査や調査井掘削が必要であり、複数個所を試みて初めて事業化できる場合もあり、相当の初期投資と期間が必要(計画から稼動まで、10年程度) 地熱資源の多くが自然公園内にあり、開発の規制あり→規制緩和決定 温泉地では地熱発電による温泉への影響の懸念から反対運動あり→小浜温泉の温泉発電 地熱資源の賦存量 地熱発電は、天候や風況に左右されず、安定的に電力を供給できます。また、設備利用率が高く、稼動年数も長い(40年)のが特徴です。 日本の地熱発電の規模は、最大でも八丁原発電所の11万kWしかなく、発電効率も高くはない。発電所としては小規模だが、年中昼夜を通して一定量を安定して発電し続けられるのも強み。太陽光発電や風力発電と比べて設備容量は少ないものの、発電量が多く、利用率が高い安定電源。 世界最大出力のニュージーランドの「ナ・アワ・プルア地熱発電所」(14万kW)は、日本製。 【供給国別の地熱発電タービン設備容量(2010年)】合計:10,683MW 日本:68.5%(三菱重工:24.6%、東芝:23.6%、富士電機:20.1%) イタリア:10.7%、イスラエル10.3% 地熱発電の建設コストは、その大部分が建設費と地熱井の掘削費である。井戸を掘る以上、地下深部の調査(ボーリング調査など)が必要不可欠であり、調査から開発段階を通じて多くの坑井掘削が必要になってくる。こうした調査・開発期間は10~20年に及ぶ。そのため開発段階で生じるリスクを軽減したり、より短期間な開発を可能にしたりする技術の開発が必要となる。 また、蒸気井や還元井は使い込んでいるとスケールの付着によって使えなくなるため、適宜、井戸を掘削する必要がる。この費用は1本につき5~7億円ともいわれる。 規制緩和により国立公園外からの斜行坑削を認められるようになったが、地質調査は通常20本強の坑井掘削が必要であり、全て斜行掘削で行うことは、総開発費が大幅に膨らむ。さらに、傾斜掘削の場合、地中の断層などに遭遇する確率が高くなり、リスクが高くなる。
国立公園内で計画されている地熱発電 出典:資源エネルギー庁
バイオマスエネルギーの特徴 カーボンニュートラルなエネルギーとされ、環境に優しい 太陽光発電や風力発電と違い、出力安定 バイオマスの種類により発電コストが異なる(H24年度買取価格(円/kWh) メタン発酵ガス化バイオマス:40.95、未利用木材:33.6、廃棄物系バイオマス:17.85 他) 化石燃料に比べてエネルギー密度が低い 資源が薄く広く存在するため収集・運搬コストが高く、原料調達が不安定である 食糧供給や既存用途との競合の可能性あり 化石燃料と比べて短いサイクルで再生可能な動・植物由来の生物資源であり、エネルギー源として利用できるものをバイオマスと呼びます。 バイオマスは、大気中のCO2を増大させない「カーボン・ニュートラル」という特徴を持つため、バイオマスエネルギー利用はCO2排出削減につながります。 バイオマスは、直接燃焼して利用するほか、固形・液体・気体燃料に変換され、発電、熱供給、自動車燃料などに用いられます。 バイオマス発電では主に、バイオマスを固形燃料として直接燃焼して発電する方式と、ガス化させてから発電する方式が用いられています。 直接燃焼する方式では、バイオマスをボイラーで燃焼させ発生する蒸気によりタービン発電機を回します。チップ化した木質系バイオマスや、農業残渣などが利用されますが、水分の多いバイオマスは乾燥に多くのエネルギーを必要とするため適しません。日本のバイオマス発電所は数千~数万kWの中小規模のものが多く、発電効率が10~20%程度にとどまります。 ガス化には様々な方式がありますが、基本的には、バイオマスを熱分解する方式と嫌気性処理によりメタン発酵させる方式が用いられます。発生したバイオガスを用いてガスエンジンやガスタービンで発電します。木質系バイオマスのほか、水分の多い畜産系バイオマスや下水汚泥なども利用可能という特徴があります。 出典:資源エネルギー庁資料
中小水力発電の可能性 ・河川では、開発地点の奥地化、出力の小規模化、高コスト構造が課題。 河川における中小水力発電については、3万kW以下の開発の余地が大きい。 ただし、開発地点の奥地化、出力の小規模化、高コスト構造が課題。 農業用水や上下水道利用等の場合の開発余地は大きい。 ただし、圧倒的に小規模のものが多く、コスト高や水利権の調整などが課題。 ・河川では、開発地点の奥地化、出力の小規模化、高コスト構造が課題。 ・農業用水や上下水道利用等では、小規模のものが多く、コスト高や水利権の調整などが課題。 出典:調達価格算定委員会 平成24年3月6日