Price Leadership Revisited Joint work with Daisuke Hirata Oligopoly Theory
Plan of the presentation (1) Rough Sketch of Our Model and Our Results (2) Explanation of Ono (1978) and Other Existing Works (3) Mutual Beneficial Leadership and Endogenous Timing (4) Price Leadership Revisited (5) Results and Implications Oligopoly Theory
Our Model 同質財、Duopoly、 increasing marginal cost 、 費用格差、 price-setting、 供給義務無し 企業1が価格を決め、企業2がこれを見た後価格を決める(Stackelberg) 問題:低費用企業がLeaderになるケースと高費用企業がLeaderになる2つのStackelbergモデルにおける均衡利得を比較 Oligopoly Theory
rationing rule (供給義務有り) P1<P2企業1が全ての需要を取る(Y1=D(P1 ),Y2=0 ) P1>P2企業2が全ての需要を取る(Y2=D(P2 ),Y1=0 ) P1=P2企業1と企業2が半分ずつ需要を分け合う(Y1=Y2=D(P1 )/2 自分に来た顧客に供給義務があると仮定しているのと同じ~これは多くの市場で妥当ではない 限界費用一定なら問題ない←来た顧客を断る誘因はないから でも限界費用逓増の場合には問題が発生 Oligopoly Theory
rationing rule(供給義務無し) P1<P2→D1=D(P1 ), D2=max{D(P2 )-Y1, 0} P1>P2→D2=D(P2 ), D1=max{D(P1 )-Y2, 0} P1=P2→D1=D(P1 )/2+max{D(P2 )/2-Y2, 0} 自分の需要の範囲で好きなだけ売れる。ライバルが供給し残した顧客も自分の顧客としてとれる。 (Di≧Yiの範囲で好きな販売量Yiを選ぶことができる) Oligopoly Theory
Our Results (1)低費用企業はfollowerになる方が利潤が大きい (2)高費用企業はleaderになる方が利潤が大きいこともfollowerになる方が利潤が大きいこともある →高費用企業がleaderになることがmutual beneficialになることがあるが、逆はない。 (3)高費用企業がleaderになることがmutual beneficial になるのは2企業の費用格差が小さいときのみである。 (4)高費用企業がleaderになるのと消費者余剰を減少させる Oligopoly Theory
price leadership 一つの企業が価格をまず決め、ほかの企業が追従して決める現象。 協調的な行動(ある種のカルテル)との関連を疑われてきた。 価格バージョンのStackelberg →戦略的補完の文脈ではある企業の値上げが別の企業の値上げを誘発してもそれほど不自然ではない。 Oligopoly Theory
price leadership (Ono, 1978) 同質財、Duopoly, increasing marginal cost, price-setting,供給義務無し 企業1が価格を決め、企業2がこれを見た後価格を決める(Stackelberg) 問題:低費用企業がLeaderになるケースと高費用企業がLeaderになる2つのモデルにおける均衡利得を比較 Oligopoly Theory
費用格差 Y 高費用企業のMC MC 低費用企業のMC strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y Oligopoly Theory
price leadership 企業2の行動 (1)企業1の価格が企業2の独占価格より高ければ、独占価格を付けて需要を総取りする。 (2)企業1の価格が企業2の独占価格よりも低ければ (a)企業1が限界費用と等しいところまで顧客を取ることを前提に残余需要を取りに行く。 (b)企業1の価格よりε低い価格を付けて好きなだけ需要を取る Oligopoly Theory
price leadership (Ono, 1978) 企業1の行動 企業2が企業1の価格よりε低い価格を付けて好きなだけ需要を取る事を前提に自分の利潤を最大にするような価格を付けると仮定する。 Oligopoly Theory
残余需要 Y MC P Follower(企業2)のMC Leader(企業1)の残余需要 D P1 strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y Y2 Oligopoly Theory
残余需要 Y MC P Follower(企業2)のMC Leader(企業1)の残余需要曲線 D strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y Oligopoly Theory
残余需要 Y MC P Leader(企業1)の残余需要曲線 Follower(企業2)のMC D strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y Oligopoly Theory
price leadership 低費用企業がfollowerになる →価格受容者としてたくさん生産 →これを見越すと高費用企業は低い価格を付ける 高費用企業がfollowerになる →価格受容者として低費用企業ほどは生産しない (価格を上げても生産量が企業1ほど増えない) →これを見越すと低費用企業は相対的に高い価格を付ける ⇒十分に費用格差があれば、低費用企業がleaderになると双方に利益 Oligopoly Theory
Contribution of Ono (1978) (1)Timing Game に関する先駆的業績 (2)Price Leadershipに関する先駆的な業績 ~低費用企業がLeaderになる (3)Mutual Beneficial Price Leadershipが現れる条件を明らかにする ~両企業の費用格差が十分に大きいとき低費用企業のLeadershipはMutual Beneficial (Pareto Dominant Oligopoly Theory
Subsequent Works ・Ono (1982) Oligopoly Version ・Denekere and Kovenock (1992) ~Capacity Constraint →より多くのcapacityを持つ企業がLeaderに ・ Amir and Stepanova (2006)~差別化された財 →低費用企業がleaderになり、費用格差が十分大きければこれがmutual beneficial ・Ishibashi (2007) ~Capacity Constraint+repeated game Oligopoly Theory
Ono(1978)の問題点1 (1)Mutual Beneficial Leadershipは当然実現する? ・Timing Gameを定式化していない (a)低費用企業がLeaderになるのは本当に均衡になるのか? (b)低費用企業がLeaderになるのが均衡になるとしてもそれが唯一の均衡になるのか? (c)複数の均衡があるとすれば低費用企業がLeaderになる均衡はrobustなのか? ~Game Theoreticなfoundationが与えられていない Oligopoly Theory
Pareto Dominantな均衡が実現? 2 C D (3,3) (ー100,ー1) (ー1,ー100) (1,1) 1 Pareto Dominance →(C,C) Risk Dominance →(D,D) Oligopoly Theory
Risk Dominance vs Pareto Dominance 一般論としてrisk dominance とPareto dominanceの乖離を議論してもしょうがない。Timing Game の文脈で考える。 Observable Delayを使う。 Oligopoly Theory
Observable Delay Game Duopoly First stage: Two firm choose period 1 or period 2. Second Stage: After observing the timing, the firm choosing period 1 chooses its action. Third Stage: After observing the actions taking at the second stage, the firm choosing period 2 chooses its action. Payoff depends only on its action (not period). Oligopoly Theory
Matsumura and Ogawa (2007) Assumption UiL≧ UiC Result If U1L> U1F and U2F> U2L, (i) firm 1's leadership is the unique equilibrium outcome, (ii) equilibrium outcomes other than firm 1's leadership is supported by weakly dominated strategies, or (iii) firm 1's leadership is risk dominant ⇒Pareto dominance implies risk dominance mutual beneficial なleader-follower関係は確かにrobustな均衡となる~Onoの議論のfoundation Oligopoly Theory
Ono(1978)の問題点2 (2)followerのprice-cutting strategyは本当に均衡戦略になるのか? Oligopoly Theory
price leadership 企業2の行動 企業1の価格が企業2の独占価格よりも低ければ (b)企業1の価格よりε低い価格を付けて好きなだけ需要を取る 本当に(b)が常に最適か? ⇒No Oligopoly Theory
Our Model 同質財、Duopoly, 線形の需要関数, c1=0.5d1y12, c2=0.5d2y22, 供給義務無し 企業1が価格P1∈[0,∞)を決め、企業2がこれを見た後価格P2∈[0,∞)を決める(Stackelberg Duopoly) P1≧P2→企業2が好きなだけ需要を取る→y2=min(a-p2, p2/d2)~under-cutting ⇒企業1は残余需要を取る P1<P2→企業1が好きなだけ需要を取る→y1=min(a-p1, p1/d1)~non under-cutting⇒企業2は残余需要を取る Oligopoly Theory
Second Stage まず企業1の価格を所与として企業2がどのような価格を付けるかを分析 P1が企業2の独占価格より高い⇒企業2は独占価格を付け企業1の残余需要ゼロ(企業1は決してこんな価格は付けない。) ~以下このケースは排除 Oligopoly Theory
Second Stage (i) P1= P2としてundercut (ii) 企業1がy1=p1/d1を選ぶことを覚悟の上で残余需要から得られる利潤を最大化 (i)の利益はP1の増加関数、(ii)の利益はP1の減少関数 ⇒(i)と(ii)が無差別になるP1が存在する(P1~) P1≦ P1~ならnon undercutting P1> P1~ならundercutting Oligopoly Theory
price-undercutting Y P MC 企業 2のMC D P1 strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y2 Y Oligopoly Theory
no price-undercutting MC 企業1のMC 企業2のMC D P2 Residual Demand P1 strategic complementsになることはあまり普通ではないがあり得なくはない Y1 Y Oligopoly Theory
First Stage 企業1はundercutさせないようにP1 =P1~とするか、 命題1 d1≧d2→企業1はundercutされないような価格を付ける Oligopoly Theory
Intuition behind Proposition 1 d1=d2のケースを考える 仮にP1 =P1~→企業2はundercutしてもしなくても無差別。でも実際にはしない。企業1も均衡では同じ利潤。 これより高い価格を付けて企業2にundercutさせる。残余需要を取る。→deviate前の企業2の利潤より企業1の利潤は低いはず。⇒deviateによって利潤は必ず下がる。 Oligopoly Theory
Intuition behind Proposition 1 d1>d2のケースを考える コストが高いLeader~より簡単にFollowerをnon-undercuttingに導くことができる。 コストが低いFollower~Leaderにとってundercutされる損失がより大きい d1=d2でもundercuttingされると厳密に利益が下がるのでundercutさせない価格を付ける d1>d2ならなおさら。 Oligopoly Theory
Main Results 命題2(i) より費用の低い企業はFollowerになる方が利益が大きい。 →より費用の低い企業がLeaderになることがMutual Beneficialであることはない。 命題2(ii) 両企業の差が十分小さければ、より費用の高い企業がLeaderになる方が両企業にとって利益は大きい。 →より費用の高い企業がLeaderになることがMutual Beneficialになることはある。それは費用格差が小さいときである。 ⇒既存研究の結果と全く逆。 Oligopoly Theory
Intuition behind Proposition 2 d1とd2の差が十分小さいケースを考える 低費用企業がLeaderになっても(d1<d2)、高費用企業がLeaderになっても(d1>d2)どちらもundercutさせない価格を付ける Followerはundercutしてもしなくても無差別~利益の水準はundercuttingの時と同じ Leaderの利益は結果的に自分が自分の価格をundercutしたときと同じ ⇒両企業ともundercuttingしたときの利潤 ⇒利益相反が起きにくい Oligopoly Theory
Intuition behind Proposition 2 d1とd2の差が十分小さいケースを考える ⇒利益相反が起きにくい 両者とも、より高いP1~を選好 高費用企業ほどより高いLeader's Priceを付ける ⇒高費用企業のLeadershipがMutual Beneficial ~しかし消費者にとっては迷惑 Oligopoly Theory
Measure Zero? d1とd2の差が十分小さい ⇒negligibleなほど狭い範囲でないとダメ? Example d1=1, d2=2/3でOK Oligopoly Theory
Onoの結果との類似点 Mutual Beneficialなprice leadershipにおいて高費用企業(小さな企業)が価格と限界費用が等しくなる所まで売り、低費用企業(大きな企業)が余力を残す Oligopoly Theory
Ono(1978)のmodelの再解釈 どの企業が、price-cutting戦略にコミットするのがMutual Beneficialか?という問題を考えた。 price-cutting戦略自体はコンテスタブルマーケット理論などの文脈でも重要 Oligopoly Theory
まとめ (1)高費用企業がLeadershipをとる ~ビール市場?通信市場??電力市場??? (2)費用格差が小さいとき利害の対立が起こりにくい (3)高費用企業のLeadershipは消費者にとって不利益となる Oligopoly Theory