XMLについて 蔡柏東
XMLとは Webページを作るための記述言語(マークアップ言語)の一種。あらかじめ決められたタグしか使えないHTMLの欠点を改善し、ユーザが自由に独自のタグを定義して使えるようにしたのが特徴。そのタグを手がかりにWebブラウザー側でさまざまな加工がしやすくなることから、電子商取引などで活用が始まっている。
XMLのメリットと利用形態 XMLは,1986年ISOで標化されたSGML(Standard Generalized Markup Language)をインターネットで活用しやすくするために,1998年2月にその基本仕様XML1.0がW3C(World Wide Web Consortium)にて策定された。Webページ作成言語であるHTML(HyperText Markup Language)は,タグが固定であり表示に特化した構造となっており,アプリケーションからそのタグ情報を基にプログラム処理したいという要件に対応できない問題がある。XMLでは利用者が自由にタグを定義でき,文書中の文字列に意味付けができる言語構造を持っており,プログラムで自在にXMLデータを情報処理できるというメリットがある。さらに,SGMLの持つ複雑な印刷系のオプションなどを省略して言語仕様を規定しており,理解しやすさ・使いやすさを向上させている点にもメリットがある。
XMLの利用面からの特徴を見ると以下の3つの形態が挙げられる ・動的コンテンツ ・アプリ間データ交換 ・ビジネスルールの統合
動的コンテンツ 動的コンテンツとは,プレゼンテーション(HTML,マルチメディア),ロジック(スクリプト),データベース(XML)の組み合わせでコンテンツが形成されていることを示している。このコンテンツをWebクライアントに送り込み,利用者の指示に従ってWebページをダイナミックに変化させ情報表現させることができる。
アプリ間データ交換 XMLの一般的な利用形態が,アプリ間データ交換での利用である。インターネットの普及により,企業では部材等の調達コスト削減を目指してオープン調達/グローバル調達といったWebベースの電子商取引の形態がでてきており,その調達のルールや伝票形式にXMLを適用してアプリ間のデータ交換を行うケースがある。この他のアプリ間データ交換の形態として,ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとレガシアプリとの共通インタフェースとしてXMLを適用する形態,DBの持つメタ情報とデータとをXMLにマッピングして異種DBの情報交換で利用する形態などがある。
ビジネスルールの統合 より進んだ利用形態として,ビジネスルールの統合にXMLを適用する形態がある。ここでいうビジネスルールとは,企業の組織間で流れるデータ形式とルーティングのルールを指しており,このルールをXMLを使って規定していく。これは企業内の部門と部門との内部ビジネスルールへの適用だけではなく,他企業とにまたがる外部ビジネスルールの適用にもXMLが利用される。
まとめ 今後標準XMLフォーマットは,EC(電子商取引),ERP(統合業務パッケージ),サプライチェーンマネージメント,CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント),モバイル,ヘルスケア,保険,証券等のインターネットビジネスで広く使用されることが見込まれている。
初級シスアド平成16年春期問24 SGMLに関する記述として,適切なものはどれか。 ア HTMLやXMLの基となったものであり,論理構造をもった文書の作成に用いられる。 イ HTMLを拡張したものであり,ブラウザ上で画像や文書を表示するときに用いられる。 ウ 電子楽器間の通信方式の規格であり,音楽データを処理するときに用いられる。> エ 標準ページ記述言語であり,フォーマット済み文書の交換などに用いられる。
解答:ア SGML(standard generalized markup language)は、文書の論理構造を含めて文書データをデータベース化するためのマークアップ言語である。SGMLはハードウエアやソフトウエアの種類に関係なく読み書きできる。 イ SGMLはHTMLを拡張したものではない。その逆である。HTMLはSGMLをベースに作られたマークアップ言語である。 ウ MIDI(musical instruments digital interface)は、コンピューターやシンセサイザーなどの電子楽器どうしで演奏データのやり取りを行う規格のことである。 エ フォーマット済みの文書の交換には用いない。
平成16年秋午前問- 76 インターネットを利用した企業間取引において,取引データをそのまま起票したり,社内文書に変換したりすることが容易にできるマーク付け言語はどれか。 ア HTML イ SGML ウ UML エ XML
回答 I
平成17年度秋午前問24 XMLに関する記述として、適切なものはどれか。 ア C++を基本としたオブジェクト指向言語である。 イ テキスト処理用のインタプリタ言語であり、Webサーバ上で動く CGI(Common Gateway Interface)プログラムの標準言語である。 ウ デスクトップパブリッシングの標準的なページ記述言語である。 エ データの構造や意味をタグを用いて表現する言語である。
回答 エ
初級シスアド平成19年春期問22 HTMLとXMLの特徴を比較した記述のうち,適切なものはどれか。
解答:ウ スポンサードリンク HTML(hyper text markup language;エイチティーエムエル)とXML(extensiblemarkup language;エックスエムエル)は、SGML(Standard generalized markup language)をベースにしたWebページを記述するためのマークアップ言語である。 HTMLとXMLの大きな違いは、HTMLではあらかじめ定められたタグしか使用できない。それに対してXMLではユーザー独自のタグを定義することが可能である。XMLではWebページの記述だけではなく、データベースとのやり取りにも使用される。 XMLはHTMLよりも書式が厳格になっている。例えば、HTMLではpやliなどの要素で終了タグは省略が可能である。しかし、XMLではどの要素でも開始と終了タグを記述しなければならない。 HTMLの場合 <ul> <li>初級シスアド <li>基本情報 </ul> HTMLでは要素によっては終了タグの省略が可能である XMLの場合 <li>初級シスアド</li> <li>基本情報</li> XMLでは終了タグは省略できない また、HTMLではbrやhrなどの空要素は終了タグを意識する必要はなかった。しかし、XMLでは「<xx />」と記述して「/」で閉じなければならない。例えば、br要素であればHTMLでは「<br>」でよいが、XMLでは「<br />」と記述しなければならない。 ア XMLにおいても属性値は二重引用符または一重引用符で囲む必要がある。 イ HTMLではユーザー独自の要素(タグ)は定義できない。それに対して、XMLはユーザー独自の要素の定義が可能である。 エ HTMLとXMLいずれも大文字と小文字を区別する。