プロモーションのモデル.

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プロモーションのモデル

モデルで取り扱うデータ 分析単位:週次ないし月次の売上げデータ 世帯別購買履歴データ 売上げデータ(一定期間ごと集計) 分析単位:各世帯の購買機会 調査:スキャナー・パネル・データ     フリークエント・ショッパー・プログラム 売上げデータ(一定期間ごと集計) 分析単位:週次ないし月次の売上げデータ

Blattberg and Neslin(1993)より プロモーションのモデル モデルのタイプ 記述モデル 規範モデル 期間売上 データ 世帯データ 決定解析 最適化 回帰分析 時系列分析 購買生起 モデル 選択モデル Blattberg and Neslin(1993)より

記述モデル - 世帯データの利用 世帯データを利用した効果測定モデルの役割 プロモーションの効果測定や予測 記述モデル - 世帯データの利用 世帯データを利用した効果測定モデルの役割 プロモーションの効果測定や予測 プロモーションによるシェアの増加の要因を知る 需要の先喰いや先延ばしの発生状況を知る手掛り

(1)ブランド選択モデル ロジット・モデル ただし、 を選択肢 の効用とする 選択肢 の販売価格: 、固有の魅力度: ただし、  を選択肢 の効用とする 選択肢  の販売価格:   、固有の魅力度: 変数には製品の販売価格、値引きの有無特別陳列の有無などがある

(2)購買生起モデル - ネスリンのフレーム 購買の発生と購買量への影響の分析 購入量 直近購買後の プロモーション 家庭内在庫 購入間隔 (2)購買生起モデル - ネスリンのフレーム 購買の発生と購買量への影響の分析 購入量 直近購買後の 家庭内在庫 プロモーション 購入間隔 Netslin et al.(1985)より

(2)購買生起モデル - モデル式 購買量: 購買間隔: 世帯 の購買機会 における家庭内在庫 (2)購買生起モデル - モデル式 購買量: 購買間隔: 世帯  の購買機会    における家庭内在庫 世帯  の購買機会  におけるプロモーションの有無 パラメータ:      および 誤差項:

(3)統合的モデル ・先駆的な研究はA.K.グプタによる ・ブランド選択をロジット・モデルで定式化 ・同時に購買のタイミングと購買量についてもモデル化 ex.コーヒーの例: プロモーションによる売上増加 ブランド・スイッチ 84% 購買間隔の短縮 14% 購買量の増加 2%

記述モデル - 期間売上データの利用 期間売上データを用いてプロモーション効果を分析 マーケティング変数 回帰分析で推定 売上反応関数 記述モデル - 期間売上データの利用 期間売上データを用いてプロモーション効果を分析 マーケティング変数 回帰分析で推定 売上反応関数 売上げ

売上反応関数の種類 定数型 価格プロモーション S字型 逓増型 逓減型 非価格プロモーション

売上反応関数 - 定数型(線形) 売上げ 数量: i番目の説明変数: パラメータ: 誤差項: マーケティング変数

売上反応関数 - 逓増型 売上げ ただし、 両辺の自然対数を取ると マーケティング変数

売上反応関数 - 逓減型 売上げ ただし、 両辺の自然対数を取ると マーケティング変数

売上反応関数 - S字型 売上げ ただし、Cは売上の飽和点である 上式は以下のように線形に変換できる マーケティング変数

規範モデルの役割 プロモーションの実行計画の指針 最適化モデル 目標となる指標(販売数量等)が最適化されるようなプロモーション水準を決定するためのもの

最適化モデル - 例:価格最適化 ある製品Aをある店舗で1週間だけ展示販売する 通常価格: P = 1000 原価: PC = 500 最適化モデル - 例:価格最適化 ある製品Aをある店舗で1週間だけ展示販売する 通常価格:  P  = 1000 原価:    PC = 500 直接固定費: FC = 10000 変動費: VC = 80

最適化モデル - 手順 売上反応関数 価格最適化 コスト関数

価格プロモーションであるから、逓増モデルを想定し、 最適化モデル - 売上反応関数 価格プロモーションであるから、逓増モデルを想定し、 購買数量: i番目のマーケティング説明変数: パラメータ(価格弾力性): 切片: 誤差項: =-3 =25

最適化モデル - 売上反応関数グラフ(1)

最適化モデル - 売上反応関数グラフ(2)

最適化モデル - コストの導入(1)   粗利益額 = 売上金額 - 売上原価 販売価格: 販売数量: 売上原価:

貢献利益額 = 粗利益額 - 変動費 -直接固定費 最適化モデル - コストの導入(2) 貢献利益額 = 粗利益額 - 変動費 -直接固定費 販売価格: 販売数量: 売上原価: 変動費: 直接固定費:

最適化モデル - 価格最適化 粗利益額: 貢献利益額: 価格弾力性  が一定の場合、最適価格   は

最適化モデル - 価格最適化・グラフ

コラム:弾力性(1) プロモーションを測定するための指標の1つ 弧弾力性 点弾力性 ただし、 、 をそれぞれ売上、プロモーション投入量とする。 点弾力性

コラム:弾力性(2) 交差弾力性 特定の製品のプロモーション投入量と 他の製品の売上との関係 交差弾力性 は ただし、 を製品 の売上、      他の製品の売上との関係 交差弾力性   は ただし、  を製品  の売上、   を製品  のプロモーション投入量とする。

参考文献 「マーケティング・サイエンス」 片平秀貴 (1987) 東京大学出版会 「マーケティングの数理モデル」 片平秀貴 (1987) 東京大学出版会 「マーケティングの数理モデル」 岡太彬訓、木島正明、守口剛編 (2001) 朝倉出版