クラブの活性化 細則の活用 ロータリー研修シリーズ 2680地区 PDG 田中 毅

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Presentation transcript:

クラブの活性化 細則の活用 ロータリー研修シリーズ 2680地区 PDG 田中 毅 本日はクラブ奉仕をテーマにして、皆さまと共に考えていただいています。 江崎PDGからは、日本における会員増強の問題点とその対処方法を、石井PDGからはクラブ奉仕全般にわたる話題を提供していただきました。 私からはクラブを活性化するにはどのようにしたらよいのかについて、話を進めていきたいと思います。 さて皆さま方はクラブ細則をどのような位置づけにしていらっしゃいますか。 役員選挙、委員会構成、入会手続、例会運営、資金管理等々クラブの管理運営に関する規約、すなわちクラブ奉仕の関する規約のすべてと奉仕活動の実践はクラブ細則で定めることになっていますから、クラブが自治権を発揮して魅力あるクラブ・ライフを送ろうと思えば、クラブ細則をどのように定めるかが重要になってきます。 従って本日はクラブを活性化するためにはどのような細則を定めるべきかについて話をしたいと思います。 2680地区 PDG 田中 毅

実は私は1999年5月から「ロータリーの源流」というホームページを開設してロータリー情報を提供しており、特にロータリーの古い文献の保存に力をいれております。現在までに約338000件のアクセスを頂いていますので、この10年間に1日平均100名の方がこのウエブサイトをご覧いただいている勘定になります。

新潟 宮崎 札幌 高崎 今日のセミナーもこの延長線上にあり、私のホームページを見た方が、年に何回か顔を合わせながら勉強をしたいというご要望を頂いて、私の本拠地である芦屋と尼崎を中心に全国でセミナーを開催し、本日名古屋で13回目のセミナーを迎えることになったわけです。 この会を開催するに当たりましてご尽力たまわった大矢会員と国友会員、快く講師の役をお引き受けいただいた江崎PDG、片山ガバナーと2760地区の皆さまに厚く御礼申し上げます。

日本のロータリアン数 会員数 1997年を境にして日本のロータリアンの数は減少の一途をたどり、今年はついに95000人を割り込んで、世界第2位の座をインド明け渡す事態となりました。別に順位にこだわるわけではありませんが、世界的に見れば会員減少は底を打った感じだっただけに、ロータリー運動に対する取り組みが真摯であることを自他ともに認めていた日本で、なぜ会員減少が継続し続けるのかが大きな疑問です。その理由についていろいろと考えられますが、日本のみに固有なこれと言った確実な原因が見つからないだけに、その対策も立てられないというマイナス・スパイラルに落ち込んでいるのが現状ではないでしょうか。 最近は世界的な経済不況の中で退会を余儀なくされる会員の存在も目立ちますが、それ以上に最近目立つ特徴は、長年在籍していた会員の退会です。年をとったとか、病気がちだとか、会費支払いがままならないというのが表向きの理由のようですが、どうやら本当の理由は別にあるような気がしてなりません。 あえてその原因を推察すれば、ロータリー運動の対する関心の急激な低下、不信感、虚無感がつのって、それが退会へとつながっているのではないでしょうか。 昨今の私の考え方を率直に申し上げれば、恥も外聞もなく集金マシン化しているロータリー財団、それに追従する地区、日本の官僚制度を彷彿とさせるようなRI高級事務官僚の傍若無人な態度、こう言うことを深く知れば知るほど、以前のように情熱をもってロータリー活動に打ち込む気が起こらなくなってくるのも事実です。ロータリー運動を見限った人の中には、その根底にRIや地区やクラブに対する不満がつのった人が多く含まれているのではないかと心配が募ります。 心が揺れ動いたとき、それに待ったをかけるのが、ロータリー運動の原点である、クラブ内の純粋親睦です。どんなことでも胸襟を開いて語り合える友人の存在です。RIや地区がいかに堕落しようとも、こんなに素晴らしい理念を掲げ、これだけ多くの素晴らしい友人に囲まれていることを感謝しつつ、自らのクラブをロータリー運動の中心と考えてクラブに踏みとどまるように努力すべきでしょう。 そのような魅力的なクラブの雰囲気を作って、クラブを活性化するためにはどうしたら良いのか、自治権を最大限に発揮したクラブの管理運営とは何かを考えてみたいと思います。 年 度 末

新資本主義 国際ロータリー、アメリカ系ロータリアンの支持母体である共和党、ネオ・コンサーブティブスの考え方は新資本主義である 資本主義の原型  資本家VS労働者 戦後の資本主義  資本家VS経営者VS従業員 グローバル化の資本主義    資本家 VS 疑似資本家(投資ファンド) VS 経営者 VS 従業員 他の国際的な組織と同様にロータリーもアメリカン・スタンダードがまかり通っています。グローバル・スタンダードと言いながら、通用する言葉も発信される情報もほとんど英語です。世界中のロータリアンの浄財であるロータリー財団も全世界のロータリアンによるグローバル・スタンダードではなく、イリノイ州法に基づくアメリカン・スタンダードでその使い道が決定されています。 政治禁といいながらアメリカの歴代共和党の大統領はロータリアンであり、レーガンも親子二代にわたるブッシュもその例外ではありませんでした。 1933年4月に行われたシカゴクラブ会員440名のアンケート調査では、共和党支持者72.59%に対して民主党支持者は8.64%であり、その傾向は現在にも引き続かれているものと思われます。 ごく最近になって民主党のオバマ大統領が就任するまでは、RIやアメリカのロータリークラブの中にはネオ・コンサーブティブスや新資本主義の考え方が深く染み込んでいたことは間違いのない事実です。自分の儲けのためだけにM&Aやデリバティブやレバレッジとあらゆる手段を使って錬金術に狂奔することを許す、共和党の資金源となったエンロンに代表される、この新資本主義とはいったい何でしょうか。 資本主義の原型は資本家対労働者の対立です。 20世紀の後半に入って、企業が大きくなって組織が複雑になると、組織を管理する経営者が現れて、資本家対労働者という対立の構図の中に入ってきます。 経営者が資本家を兼ねている場合もありますが、資本を持たないいわゆるサラリーマン社長も存在します。労働者も徐々に地位が向上して従業員と呼ばれるようになってきます。 さらにグローバル化された現代では、この三者に加えて、投資ファンドに代表される疑似資本家が加ってきます。投資ファンドは自らは資本家ではないのに、お金を持っている人たちから資金をかき集めて来て、その資金を使って強引に経営に参加するもので、巷ではハゲタカと称されている存在です。アメリカではエンロンやスチールパートナーズが、日本ではほりえもんや村上ファンドがこれに相当します。こういった人たちの存在を許したのがアメリカのロータリアンを基盤にした共和党政権であり、日本の経済界もこれに追従していたわけです。 ロータリーの職業奉仕の理念は、アーサー・フレデリック・シェルドンが提唱した企業経営の理念を踏襲したものであり、自分の利益を優先するのではなく、自らの職業を通じて社会に奉仕することによって、その見返りとして適正で継続的な利益が得られることを説いているものです。当然のことながら、ロータリーの職業分類の中には自らの利益のために他人の資本を活用する投資ファンドのような疑似資本家は含まれておりません。 サブプライム・ローン問題に端を発した世界経済恐慌という大きな代償を払って、やっと全世界の職業人が新資本主義に疑義を感じ始めた今こそ、ロータリアンは経営者の立場から、株主や従業員はもちろん同業者や顧客も満足するような職業奉仕理念を根底にした、正常な企業経営ができるように、リーダーシップを発揮すべきではないでしょうか。 ロータリーの職業奉仕理念との乖離

ロータリー運動とは ロータリーの原則の崩壊 世に有益な職業から一人一業種で選ばれた会員が 毎週一回開催される例会に集って、お互いが師となり徒となって集団で奉仕の心を学びつつ自己研鑽をし それぞれの個人生活、職場、地域社会、国際社会で奉仕の実践をする ロータリー運動とは、世に有益な職業から一人一業種で選ばれた会員が毎週一回開催される例会に集って、お互いが師となり徒となって集団で奉仕の心を学びつつ自己研鑽をします。 そして例会場を離れて、それぞれの個人生活、職場、地域社会、国際社会で奉仕活動の実践をすることです。 このロータリーの大原則も徐々に崩壊し、2001年には一人一業種制度が廃止となり、クラブ内に複数の同一職業の会員が存在する可能性がでてきました。さらに例会出席よりも奉仕活動の実践を優先するために、メークアップの対象が大幅に拡大されたというのが、昨今の状況です。 ロータリーの原則の崩壊

ロータリー活動の分類 例会内活動 例会外活動 個人生活 職業奉仕 社会奉仕 国際奉仕 クラブ奉仕 奉仕活動の実践 奉仕理念の研鑽 事業上の発想の交換 自己改善 個人生活 毎週の例会で行うことは、 奉仕理念の研鑽し、事業上の発想の交換を通じて職業奉仕の理念を学び、その結果として自己改善という教育的効果を得ることができます。 私たちはこれをクラブ奉仕と呼んでいます。クラブ奉仕とは固い純粋親睦で結ばれた会員同士が、お互いに役割分担をしながらクラブの管理運営をすることです。 そして例会場を出て、それぞれの分野で奉仕活動の実践を行います。 職場で行う奉仕活動の実践を職業奉仕、地域社会で行う奉仕活動の実践を社会奉仕、国際社会で行う奉仕活動の実践を国際奉仕と呼びます。 職業奉仕とはアーサー・フレデリック・シェルドンが提唱した企業経営の理念であり、自分の利益を優先するのではなく、自らの職業を通じて社会に奉仕することによって、その見返りとして適正で継続的な利益が得られることを説いた考え方です。 社会奉仕と世界社会奉仕に相当する国際奉仕とは弱者に涙する人道的奉仕活動であり、利己の心を超越して、他人のことを思い遣り、他人のために尽くす実践活動です。 また国際奉仕のもう一つの考え方はロータリアンの世界的親交によって国際間の理解と親善と平和を推進する活動であり、その具体的な活動としてロータリー友情交換、グローバル・ネットワーク、国際青少年交換などが挙げられます。 このようにロータリー活動は例会内活動と例会外活動に分類されると同時に、まず例会内活動が優先され、それに引き続いて例会外の活動があることになります。その考え方からは、奉仕活動の実践をしたことが例会出席の補填になるという規約は大きな矛盾を抱えています。   職業奉仕   社会奉仕   国際奉仕 クラブ奉仕

ロータリー活動の原点 ロータリー活動の原点はクラブの例会運営 国際ロータリーや地区は後発の組織 RI離脱中の戦時中のロータリーの奉仕理念と管理運営はクラブが守り抜いた RIが何れの方向に進もうとも、ロータリーの奉   仕理念の研鑽と奉仕活動   の実践はクラブが主体性 を持って行う覚悟が必要 ロータリー活動の原点は個々のロータリークラブにあります。ロータリークラブの評価はどのような奉仕活動をしたかとか、財団にいくら寄付したかではなく、クラブの管理運営や例会などのクラブ奉仕を通じていかに素晴らしいロータリアンを育てたかによって決まるのです。 国際ロータリーや地区は決してクラブの上部組織ではなく、管理運営の利便性を考えて作られた後発組織に過ぎません。 1910年に、クラブ内の親睦と奉仕・拡大を巡って大論争が起こったときに、それを収拾するために奉仕理念の提唱と拡大を受け持つバッファーとして作られた組織です。すなわち当時すでに創立されていた16のクラブの連合体として設立されたクラブと同格の組織です。 その後情報伝達の役割と、規約違反を起こした際の直接監督権と、地区およびクラブを支援する役割が加わり、現在に至っています。 戦時中国際ロータリーから脱退した日本のロータリークラブが、立派にロータリーの奉仕理念や伝統を守り抜いて、今日の繁栄に繋げたことを忘れてはなりません。組織が崩壊しようとも、優れた奉仕理念は時代を超えて継続し発展していくものなのです。 たとえRIがどのような道を進もうが、ロータリーの奉仕哲学はロータリークラブやロータリアンの心の中で脈々と生き続けさせなければなりません。そのためには個々のクラブが主導権を持って奉仕理念を遵守し、クラブの管理運営をする必要があります。RIが推奨する納得のいかない募金や奉仕活動に諾々と従うのではなく、己の信じるところに従って、クラブが主体性を持ってロータリーの奉仕理念の研鑽と奉仕活動の実践に邁進すればよいのです。

ロータリーの規約 クラブ自治権 RI定款 RI細則 クラブ定款 クラブ、ロータリアンが守らなければならない必要条件 規定審議会の議を経て制定や改正することができる クラブ奉仕全般       奉仕活動の実践 クラブが独自に制定や改正することができる クラブ細則 ロータリーの規約には、RI定款、RI細則、標準ロータリークラブ定款、ロータリークラブ細則があります。 RI定款、RI細則、標準ロータリークラブ定款は規定審議会の議を経なければ制定や改正することはできません。 クラブには新しい規約を制定したりまたは改正するための提案を、規定審議会に提出することができますが、そこで定まったものは勝手に変えたり、自己流に解釈することはできません。 ロータリークラブ細則はRI定款、RI細則、標準ロータリークラブ定款に背馳しない限り、クラブが独自に制定したり改正することができます。 クラブ細則には役員選挙、委員会構成、入会手続、例会運営、資金管理等々クラブの管理運営に関する規約、すなわちクラブ奉仕の関する規約のすべてが含まれています。 さらにその他の三大奉仕部門の具体的奉仕活動の実践のすべてもクラブ細則で定めることが可能です。 定款に違反しない限り、クラブは自由に細則を制定することができます。 すなわちクラブは、自ら定めたクラブ細則に従って、クラブ自治権を持って管理運営をすることが大切です。 クラブ自治権

クラブ細則の重要性 新ロータリー年度開始前に、クラブ管理運営の基礎となるクラブ細則を制定する 原則として毎年新しいクラブ細則を制定する必要がある 推奨クラブ細則はあくまでもRIが推奨するサンプルに過ぎず、個々のクラブの現状に合致した独自のクラブ細則を制定することがクラブ自治権の確立に繋がる クラブを管理運営はすべてクラブ細則に基づいて行う 会長エレクトは新しいロータリー年度に向かって具体的な奉仕活動の準備をしなければなりません。不必要な委員会を統廃合したり、新しいプロジェクトに対処するために委員会を新設することもあるでしょう。委員会構成を変更しようと思ったら、整合性を保つために事前に細則を変更しなければなりません。 クラブの現況と異なる推奨クラブ細則をそのまま採用しているクラブがかなりあります。クラブの現況と異なる古い細則をそのまま放置しているクラブも多いようですが、これはクラブ自身がクラブ細則に違反していることを意味します。クラブの現況に合わせて、原則として毎年新しいクラブ細則を制定する必要があるのです。 RIが最初の推奨クラブ細則を発表したのは、1927年に四大奉仕が採択されたときです。当時の推奨クラブ細則の冒頭には「本細則は単に推奨されるにすぎない。従って、ロータリー・クラブは、標準ロータリー・クラブ定款、RI定款、RI細則と矛盾しない限り、クラブ自身の事情に応じて変更することができる。」と明記されており、現行の推奨クラブ細則にも同じ文章が記載されています。 30人のクラブと100人のクラブでは委員会構成や奉仕活動の実践、例会運営、資金管理等々がかなり違うと思います。推奨クラブ細則はその名の通りあくまでも推奨に過ぎません。従って個々のクラブの現状に合致した独自のクラブ細則を制定して、それに従ってクラブの管理運営をしなければなりません。 それではクラブ細則の具体的内容について考えてみたいと思います。

理事役員選挙 現実に行われている理事役員選挙を反映したものに改める 会長ノミニーの選挙は指名委員制度が一般的 指名委員の構成および権限の明文化 クラブの規模に合わせた理事役員の選定 理事エレクトの選挙の方法 理事役員の欠員の補填方法 役員の具体的職務内容 まず理事役員選挙について話を進めます。 推奨クラブ細則の条文に手を加えることなく、細則とは違った方法で理事役員の選挙を行っているクラブを多く見受けます。推奨クラブ細則の条文通りに、役職ごとにアルファベット順で投票用紙に書いて投票するクラブなど日本にはほとんどなく、会長ノミニーは指名委員会の指名に基づいて、また理事役員エレクトは会長エレクトの指名に基づいて選ぶのが普通です。従って現実に行われている理事役員の選挙方法をそのまま細則で定めて、その通りに理事役員の選挙を行うべきです。 ほとんどのクラブは指名委員会による指名と、年次総会における選挙によって理事および役員を決定しているので、その手続きを細則上に明文化しておく必要があります。 年次総会で、直接投票によって会長ノミニーを選ぶ方法もありますが、日本では会長経験者で構成された指名委員会に候補者の指名を委ねる方法が一般的であり、指名委員会は現会長および過去4代の会長、計5名で構成される場合が多いようです。指名委員長は、最も古い4代前の会長もしくは現会長のいずれかに定めておくと、指名作業が円滑に進みます。 理事や役員の指名は、自分のスタッフを選ぶわけですから、会長エレクトの専任事項として、指名委員会が介入しない方がよいと思います。 会長、会長エレクト、会長ノミニーの欠員は指名委員会が再指名し、理事エレクトの再指名は会長エレクトが行うように明記しておけば、万一の場合あわてなくても済みます。

役員・理事の構成 役 員 会長 会長エレクト 副会長 幹事 会計 SAA 理事会メンバー 会長 会長エレクト 副会長 幹事 会計 SAA    役   員 会長 会長エレクト 副会長 幹事 会計 SAA    理事会メンバー 会長 会長エレクト 副会長 幹事 会計 SAA 理事 通常は四大奉     仕部門委員長 直前会長 一般的に会長、会長エレクト、副会長、幹事、会計、SAAを役員とします。 役員に理事と直前会長を加えて理事会のメンバーとしますが、この構成もクラブの現況に合わせて定めることができます。少人数のクラブでは役員や理事のスリム化を図ることも大切です。 幹事と会計は必ずしも理事である必要はありません。理事会で決定した事項を会員に伝えるのは幹事の務めですから、会員にとって不満な決定を伝える場合を想定して、幹事は理事会の投票に加わらない方が無難です。 四大奉仕を採用して、四大奉仕部門の委員長を理事にする方法、新世代とか親睦を重点目標としてその委員長を理事に加える方法、CLPを採用してそれぞれの常任委員長を理事にする方法、何れの方法を採るにせよ、その内容をきっちりとクラブ細則に明記しておく必要があります。 直前会長を理事会メンバーに加えるのはクラブ管理運営の継続性を考慮するためであり、直前会長にこだわらず元会長の中から選ぶ場合も多いようです。

会合 年次総会 次年度役員理事選挙 定款によって12月末までに開催すること 臨時総会という用語はない 定足数を満たす例会 年次総会  次年度役員理事選挙    定款によって12月末までに開催すること    臨時総会という用語はない     定足数を満たす例会 例会  曜日と開始時刻    例会時間の規定なし    場所の規定なし ロータリーの歴史的経緯 理事会  毎月1回の定例理事会    臨時理事会 会長または理事の要請 役員を選挙するための年次総会は12月31日までに開催しなければなりません。細則によって定められた会合は、年次総会、例会および理事会であり、しばしば用いられる臨時総会という言葉は存在しません。 定款細則の変更や会員身分終結に対する提訴は、予告され定足数を満たした例会で審議されます。それ以外の案件はすべて理事会に先議権があります。 例会の定足数は会員総数の3分の1であり、例会の曜日と開始時刻が細則で定められています。例会場所についての定めがないことは、例会場を会員の事業所を転々と回ったという歴史的事実に由来したものと考えられます。例会場所を細則で規定することは自由です。 例会時間については定めがありませんから自由です。ちなみに例会時間を1時間にしているのは日本とその影響を受けた韓国と台湾だけです。 理事会は毎月1回の定例理事会と会長または理事の要請によって開く臨時理事会があり、その定足数は理事会メンバーの過半数です。理事会には先議権があり、定款細則で定められたこと以外は理事会の決定が 最終決定となります。

入会金・会費および財務 適正な金額 会費と食費との分離 会費負担の平等性 ニコニコ箱 寄付金の処理 入会金や会費の額は細則で定められているので、これらの額を変更するためには細則の変更が必要であり、定足数を満たした例会における会員の承認が必要です。 外国のクラブ会費は非常に安く、最も高いアメリカでも食事代を別にして年会費5万円から10万円であるのに、日本では食事代込みで20万円から40万円であり、半額を食事代としてもアメリカの倍以上を払っている計算になります。外国ではほとんどのクラブが事務所を持たず、事務処理はすべて幹事が行っているのがその理由の一つですが、費用負担の大きさが会員増強の大きなネックになっていることも事実なので、会費の節減を考えるべき時期にきているのではないでしょうか。 本来、食費は会費に含めるべきではなく、個別負担金として会費納入時に別途徴収するか、例会ごとに別途支払うべきです。外国の例会では食事代として5ドル~15ドルのクーポンを買うのが普通です。 次のような例が報告されています。 「会員の事業所が例会場として無償提供されているので、当該会員の会費を免除する」 会費はすべての会員が平等に負担しなければなりません。会員の事業所には会場費を支払い、会員個人からは会費を徴収しなければなりません。 「転勤のため法人の会員が入れ替わった場合、入会金を免除する」 個人が会員になるのであって、前任者が退会したからといって後任者が自動的に入会できるわけではありません。移籍会員でない限り入会金を払う必要があります。 元ローターアクターの会員に対する入会金の減免措置も疑義のあるところです。 人道的奉仕活動の資金を集めるためのニコニコ箱は日本特有のもので外国にはありません。1936年に大阪ロータリーが始めたものと言われ、会員、家族、事業場等の慶び事、お祝い事にかこつけてニコニコしながら献金する制度です。ニコニコ箱は慶事中心の募金箱であるために非常に集め安い利点がある反面、目的別募金ではないため、使途に関して問題が生じます。奉仕活動の実践が低調なクラブではニコニコ箱会計に余剰金が生じるため、これを消化するために安易な寄付行為に流れやすく、年次報告書の中で「・・・への寄付」とか「・・・への援助」といった項目が目立つようになって、他団体への寄付を禁じているロータリーの原則に違反することになります。 さらにほとんどのクラブでは本会計が逼迫して、ニコニコ会計に余剰金がでる状況ですから、いろいろな理由をつけてニコニコ箱のお金を本会計に流用するクラブが見受けられます。任意の寄付金であるニコニコ箱の資金を本会計に流用することは、会費負担の平等性に違反する行為であることをここで強調しておきたいと思います。 ロータリー財団や米山奨学会の寄付を本会計でまとめて集金しているクラブを見かけます。 ロータリー財団寄付に関してはロータリー章典5.050.7 で任意と定められており、米山記念奨学会への寄付も寄付金受領に関する規定において任意と定められていますので、半期に定額を徴収することはルール違反です。

採決の方法 口頭による採決が原則 全員一致の原則 社交クラブとしての歴史的経緯 多数決とは 口頭による採決が原則    全員一致の原則   社交クラブとしての歴史的経緯 多数決とは ロータリーにおける採決は口頭による採決が原則とされています。 ロータリーのような団体ではクラブ内における会員の親睦を第一義に考える必要がありますから、異論を唱える会員がいればそれを説得するように努力し、どうしても満場一致が得られないような案件は強行しない配慮が必要です。 多数決による採決は、確かに民主主義的な決め方かも知れません。しかし、全員一致か、過半数か、三分の二か、何れが正しい決め方かを判断するすべはありません。 東大理学部教授 鈴木秀夫 森林の思考・砂漠の思考

委員会構成 CLPとは弱体クラブを救済するためのプラン会員増強・退会防止 クラブ広報 クラブ管理運営 奉仕プロジェクト ロータリー財団 CLPとは弱体クラブを救済するためのプラン会員増強・退会防止   クラブ広報   クラブ管理運営      奉仕プロジェクト ロータリー財団         CLPに基づく推奨クラブ細則の委員会構成は、あくまでもRIの推奨に過ぎないクラブは委員会構成に関する自治権を保有する クラブは会員数や実践する奉仕活動に適応するように委員会の統廃合や新設を行うべきである RIが推奨する CLPの真意は何でしょうか。最近のRIは、ロータリークラブをNPOと定義して人道的なボランティア活動を重視しているので、会員数が激減したクラブの存在が問題となってきます。ボランティア組織ならば、何よりもマンパワーが優先しますから、会員数が20名以下のクラブでは、積極的なボランティア活動を期待することは不可能かも知れません。 こういった弱小クラブでも何とかボランティア団体として自立していくための最小限度の管理組織を想定したものが、RI理事会が提唱したCLPです。言い換えれば、「機能を喪失しているクラブ」乃至は「機能を喪失しかかっているクラブ」が、「人道的奉仕活動をするボランティア組織」として生き長らえるためのプランだとも言えます。 CLPによる委員会構成は、会員増強・退会防止委員会、クラブ広報委員会、クラブ管理運営委員会、奉仕プロジェクト委員会、ロータリー財団委員会です。 会員増強・退会防止委員会は少しでも会員数を増やすために、またクラブ管理運営委員会はクラブとしての体面を守りながら組織を維持管理するために必要です。ボランティア組織として社会奉仕や国際奉仕の実践活動をするためには、奉仕プロジェクト委員会が必要ですし、その原資を集めるためにはロータリー財団委員会が必要となります。また、これらの奉仕活動を広くPRするためにはクラブ広報委員会の存在も欠かせません。すなわち、CLPに基づいた推奨クラブ細則では、ボランティア組織としての最低基準を保つことができるこれらの五つの委員会構成となっているわけで、ロータリーの金看板である職業奉仕は姿を消しています。 CLPに基づく推奨クラブ細則の委員会構成は、あくまでもRIの推奨に過ぎなく、クラブは委員会構成に関する自治権を持っています。 従って従来からロータリーが行ってきた四大奉仕に基づいた委員会構成や四大奉仕に基づいた理事配分をしようと思えば、それは何ら制限を受けるものではありません。クラブの人数や諸条件を勘案して、クラブにもっともふさわしい委員会構成を採用すべきです。 最近、地区組織にCLPに基づく委員会構成を採用している例を見受けますが、CLP本来の趣旨を考えるべきだと思います。

四大奉仕部門 定款第5条および推奨クラブ細則第8条における四大奉仕部門の定義 四大奉仕部門は、本ロータリー・クラブの活動のための理念と実践の枠組みである。それはクラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕である。本クラブは、四大奉仕部門の各部門に積極的に取り組むこととする。 定款第5条において、「四大奉仕部門は、本ロータリー・クラブの活動の哲学的および実際的な基準である」と定義され、 推奨細則第8条において、「四大奉仕部門は、本ロータリー・クラブの活動のための理念と実践の枠組みである。それはクラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕である。本クラブは、四大奉仕部門の各部門に積極的に取り組むこととする。」と定義されています。 RI理事会が推奨するCLPに基づく委員会構成は、従来からロータリーが行ってきた四大奉仕に基づいた委員会構成や四大奉仕に基づいた理事配分をまったく無視したクラブの組織管理であり、定款や綱領上の記載とも矛盾し大いに疑義あるところです。従って会員数がきわめて少ないクラブは別にして、通常のクラブは四大奉仕を基準にした委員会構成として、小委員会を思い切って統廃合する方法を採用すべきだと思います。

中規模クラブの委員会構成 会員増強 例会運営 クラブ奉仕 職業奉仕 社会奉仕 国際奉仕 親睦活動 会報広報 会員研修 新世代 ロータリー財団 クラブ奉仕      職業奉仕 社会奉仕    国際奉仕     親睦活動 会報広報 会員研修 新世代 従来の推奨クラブ細則に基づく委員会構成は100名程度の大型クラブを基本にしたものであり、会員数が40名-50名の中規模クラブでは一人の会員が幾つもの委員会に所属しなければならず、結果として活発な委員会活動ができないという弊害を生みました。 そこで思い切って委員会を統廃合した中規模クラブ向きの委員会構成例を考えてみましょう。 四大奉仕を基本にして、クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕を常任委員会として委員長が理事に就任します。クラブ奉仕を会員増強(会員増強・会員選考・職業分類)、例会運営(出席・プログラム)、親睦活動、会報広報(雑誌・会報・週報・インターネット)、会員研修(ロータリー情報)の5小委員会に統廃合します。 職業奉仕委員会は独立した委員会とし さらに社会奉仕には新世代委員会を、 国際奉仕にはロータリー財団、世界社会奉仕、米山奨学委員会を小委員会として設置します。すなわち常任委員長4名、小委員長9名で構成されることになります。 ロータリー財団 世界社会奉仕 米山奨学

小規模クラブの委員会構成 会員委員会 クラブ奉仕 職業奉仕 会務運営委員会 社会奉仕 国際奉仕 新世代委員会 ロータリー財団委員会 クラブ奉仕      職業奉仕 社会奉仕    国際奉仕     会務運営委員会 新世代委員会 更に会員数の少ない小規模クラブでは、四大奉仕の常任委員会はそのまま設置して、クラブ奉仕委員会を会員委員会(会員増強・会員選考・職業分類・親睦活動・ロータリー情報)と会務運営委員会(出席・プログラム・雑誌・会報・週報)の2委員会に統合することも可能です。 委員会の統廃合によって、少人数であっても会員が複数の委員を兼任する必要はなく、その分、委員会活動が活性化されるものと思います。 今示した委員会構成も私が考えた推奨例に過ぎません。委員会構成はクラブの自治権に委ねられています。クラブの実情に合わせて、大胆な委員会の統廃合を試みてください。 ロータリー運動には傍観者はいりません。会員一人一人が自らの役割をこなすことによってクラブが活性化し、会員の間に純粋親睦が醸されることを忘れてはなりません。 ロータリー財団委員会 ( 米山奨学委員会兼務 )

会員選挙 親睦を保つ会員選考を考える 一人一業種制度の真意 クラブ内の揉め事の大半は入会を巡って起こると言われています。会員増強を優先するのか、会員間の親睦を優先するのかを、理事会は適切に判断しなければなりません。 2001年には一人一業種制度が廃止となり、クラブ内に複数の同一職業の会員が存在する可能性がでてきました。しかしこの規定は、複数の同一業種の会員の存在を認めるということであって、もし、そのためにクラブの親睦が阻害されると考えるのなら、クラブ細則の運用でこれを合法的に断ることも可能です。 入会手続はクラブ細則で規定します。もしも、その人が入会することによって問題が起こると判断すれば、[7 day‘s notice]の段階で、一人でも反対があれば入会を認めないと規定することは可能ですし、最終的な理事会決定も同じように、一人でも反対があれば入会を認めないと規定しておけば、結果的にクラブ全員の賛成がなければ入会できないことになります。

2001年規定審議会において、この提案がなされた際、クリフ・ドクターマン元RI会長は「この提案は、近隣でライバル関係にある同業者をあえて入会させるために提案されたものではありません。ロータリー運動に理解を持ち、積極的に活動したいと望んでいる人がいる。クラブの会員も、みな彼の入会を歓迎している。しかし、職業分類が壁になって入会することができない。この提案は、そんな人を会員として迎えるための提案です。」 と語っています。 2001年規定審議会 ドクターマン元RI会長と

会員選挙 親睦を保つ会員選考を考える 一人一業種制度の真意 現会員の身分を保障する会員選考を考える ロータリー情報の提供 新入会員の教育 退会防止 他クラブへの推薦禁止 候補者として推薦されている事実を本人に知らせる時期、最初のロータリー情報を伝える時期についてはクラブ・レベルで考慮する必要があります。あまり難しいことを言って嫌気がさされては困ると、ロータリー情報の提供を遠慮する向きもあるようですが、「鉄は熱いうちに打て」の例え通り、早い時期から繰り返して十分行うことが大切です。 推薦者と共に新会員を援助する会員を指名して、適切なロータリー情報を提供すると共に、あらゆるロータリーの会合に新会員と共に出席する必要があります。 日本のロータリーの特徴として退会する会員の増加、特に永年在籍した会員の退会が指摘されています。真の退会原因を調べて、魅力あるクラブライフを送れるように努力しなければなりません。 なお移籍会員、元会員を移籍するクラブに推薦することはできますが、会員候補者を他クラブに推薦することはできません。 候補者がいれば自らのクラブを最優先にして入会を勧めるべきです。

決議 理事会の先議権 地域社会、政治、国際問題の対処 クラブとしての決議、意志表示 ロータリアン個人の関わり 一般の組織では、全会員の集会すなわち総会が最高の意思決定機関になる場合が多いのですが、ロータリーでは理事会が最高の意思決定機関です。会長や幹事が地区や他のクラブとどんな約束をしようとも理事会の承認がなければ無効です。理事会の議を経ないで、委員会が提案したり討議をすることもできません。 公共の問題について討議することは可能ですが、クラブとして意見を表明することはできません。特定の候補者についてクラブ内で討議することも支持することもできません。 国際問題、政治問題についてクラブ内で討議することも意志表示することもできません。毎回の規定審議会には世界平和に関する決議案が提案されますが、この条文を理由にして否決されています。 ただし、個人のレベルでこれらの問題に関与することは差し支えありません。

例 会 運 営 ロータリーで最も重要な会合はクラブ例会です。最近は人道的奉仕活動の実践が重要視されるあまり、奉仕理念を研鑽し、事業上の発想の交換を通じて職業奉仕の理念を学びながら自己改善を行うという例会の重要性が軽視されているような気がしてなりません。このような考え方が昂じて、つまらない例会に参加するよりも、奉仕活動に汗を流す方が大切という誤った風潮を生みだしたことは残念です。例会で学んだ理念を現実の社会で実践に移すという流れから考えれば、奉仕活動の実践が例会出席の補填になるという現行の規約は本末転倒といわざるを得ません。 例会軽視の風潮が例会を形骸化し、これがロータリーの衰退につながっていくような気がしてなりません。

例会運営 例会の時間配分を再考する 例会時間を1時間に限定する規約はない 1時間の例会は日本・韓国・台湾のみ 卓話の時間配分を再考する    例会時間を1時間に限定する規約はない       1時間の例会は日本・韓国・台湾のみ 卓話の時間配分を再考する    1時間の卓話が主流      活発な質疑応答 中途退席防止策 SAAの役割 例会時間を1時間と限定する規定はどこにもありません。クラブ細則で定められているのは、例会の曜日と開始時間だけであって、例会時間に関する取り決めはなく、いずれのクラブも単なる慣例として、1時間例会を行っているに過ぎないのです。1時間では、友情溢れ、かつ奉仕の心を深めるには短かすぎると判断すれば、例会時間を1時間半とか2時間に変更することは可能ですし、特別なプログラムのために例会時間を延長することも自由であり、これら全ての権限はSAAに属します。アメリカでは1時間半が普通ですし、ヨーロッパや東南アジアでは2時間、3時間の例会も多く、きっちり1時間で終わる日本と戦前は日本と一緒だった韓国・台湾の例会が特別なのです。 1時間という限られた時間内に、すべてのプログラムを無理やり詰め込もうとするところに無理が生じます。外国では1時間の卓話が主流で、卓話の後には活発な質疑応答が行われて、例会を全員参加の活発なものにします。 会長の時間や幹事や委員会の報告が済んで、いよいよ卓話の時間に入るその瞬間、メークアップに来た来訪者が一斉に席を立つ異様な光景に、唖然とする人も多いと思います。ロータリーは60%ルールを採用していますから、例会時間を60分とすればその60%、即ち36分間例会に参加すれば、出席したものとみなされます。確かに 1時 6分まで席を暖めておれば出席は成立するのでしょうが、今まで述べてきた例会出席の真の意義を考えるとき、この[食い逃げ]現象は、ロータリアンとして恥ずべき行動といわざるを得ません。  特殊事情のある会員を救済する便法として60%ルールがあるわけですから、ホームクラブならいざ知らず、わざわざ早退しなければならない特殊事情のある日を選んで、メークアップをする必要性はないはずです。毎日のように、どこかのクラブが例会を開いているのですから、メークアップをするときには、必ず最後まで例会に参加して、知己を広め友情を深めると同時に、他のクラブの例会運営や卓話を通じて、新しい知識を吸収することを心掛けたいものです。 クラブ例会で退席しようとする来訪者を制止することは、言うに易く行うに難しいことです。受付に「例会時間100%参加にご協力ください」という立看板をだしているクラブもあるし、 SAAの権限で、開会と同時に例会場の扉を閉門したり、来訪者の紹介の最後に「ぜひ最後までご参加ください」などのコメントを付け加えるとか、なるべく前の席に誘導するとか、テーブル・マスターをおくことなども有効な方法ですが、訪問者がついつい退席することを忘れるような、楽しく真面目な例会運営を心掛けることが大切です。 SAAは例会場における最高の権限を持った役員ですから、その権限を最大限振るうべきです。SAAは決してニコニコ箱の集金係ではないのです。

魅力的な例会運営 最新情報の提供 純粋親睦 卓話の重要性の再確認 会員の事業上の発想の交換 会長の時間の有効活用 特別月間行事の活用 会員の関心を高めて毎週の例会が待ち遠しいような魅力的な例会とはどんな例会でしょうか。 クラブ例会では、ロータリーに関係する最新の情報を提供しなければなりません。ロータリーの友、ガバナー月信、ロータリー・ワールド、ウェブ・サイトから得た情報を有効に活用することが大切です。 ロータリークラブ発生の歴史から見ても、クラブは純粋親睦を図らなければなりません。親睦会やゴルフ会などは親睦を深めるための親睦活動であって、本来の親睦ではありません。親睦とはどんなことでも語り合える、アット・ホームな雰囲気を、クラブの中に作ることであり、それは例会を通じて作られます。 例会プログラムのメイン・エベントは卓話です。ロータリー運動の歴史的な流れから見ても、会員同士の精神的互恵として職業上の知識や情報を提供する職業奉仕活動の一つと位置付けられ、その見地から、会員自身が自分の職業に因んだ卓話をすることが原則とされています。職業上の経験談が、他の会員の職業奉仕観に有意義なアドバイスを与えることが卓話の効用であり、話の上手下手などは論外です。実践に基づいた真実の話は、人の心に強いインパクトを与えます。国際理解を深めるために、海外旅行で感じとった体験談を語ることも、ロータリーの卓話としてふさわしい内容といえます。話が上手という理由のみで、軽々しく外部から講師を呼んで、ロータリーと関係の薄い話をしたり、卓話の時間をアトラクション化することは慎みたいことです。クラブの規模によっても差がありますが、卓話は年に1、2回しか回ってきません。十分時間をかけて準備することが必要です。 会長には特別に会長の時間が与えられています。時候の挨拶や新聞の三面記事の解説に無駄な時間をつぶすのではなく、その時間を有効に活用して、ロータリーの心を説いてください。任期終了後それを一冊の本にまとめてご自分のライブラリーに加えることをお勧めします。 世界理解月間とか米山月間などの特別月間行事に、留学生などの関係者や、その活動に造詣深い地区委員などを呼び、更に理解を深めることは意義あることです。特別月間にちなんだ卓話を例会プログラムに取り入れることによって、ロータリー活動に対する関心を高めてください。 会員は、事業上の大切な時間を割いて、例会に出席しています。従って、例会出席によって得られるメリットは、事業上の貴重な時間を割くデメリットよりもう大きくなければなりません。例会のプログラムを魅力あるものにすることによって、どうしても出席したくなるような例会にすることが大切です。 例会出席によって得られるメリットは 事業上の貴重な時間を割くデメリット より大きくなければならない

例会の順序 実際の例会に対応した内容を規定 開会点鐘 来訪者紹介 会長の時間 幹事報告 委員会報告 3分間情報 継続議事 新規議事 卓話・プログラム ニコニコ箱報告 閉会点鐘 例会の順序もクラブ細則で定めることになっていますが、ほとんどのクラブでは推奨細則をそのまま採択している例が多く、実際の例会の順序とは違っているようです。まず細則で例会のプログラムを定めて、その通りの例会をするようにすべきでしょう。

クラブ運営の合理化 クラブの役割はクラブ会員が分担して 事務局・事務局員は必要か 世間一般の昼食の相場は 会費と食事代との分離 受益者負担の原則 事務処理のIT化・・通信費の削減 週報のIT化・・ウエブサイト、メールによる配布 ニコニコ会計の正しい管理 会員数減少によって、クラブの財政が逼迫しているという話をよく聞きます。 どのようにすればクラブ運営が合理化できるのかを真剣に考える必要があります。 会務のほとんどを事務局員にまかせっきりにしているクラブもかなり多いようです。クラブの経費の中で大きな割合を占めているものに、クラブ事務局の維持費と、事務局員の給与があります。すべてのクラブが、事務局を設置し、事務局員を雇用する必要あるのかどうかを再考する必要あります。オフィシャル・ダイレクトリーには、世界中の全クラブの情報が掲載されています。日本のほとんどすべてのクラブ、外国の200人以上の大クラブ以外の世界中のほとんどのクラブには、クラブ事務局の記載がありません。これは記載漏れではなく、現実にクラブ事務局を持っていないのです。 外国ではすべての事務処理は幹事が自宅で行っています。東京クラブを創立したときに、アメリカの大規模クラブを参考にしたことと、東京クラブが財界の大御所によって設立されたため、会社経営を見習って雑事は事務局任せにしたことを、その後設立されたクラブが真似たためとも言われていますが、外国のクラブが事務局なしでクラブの管理運営ができるのに、日本のクラブができないという道理はありません。幹事の事務量が増えるのならば、数名の副幹事を置いて事務量を分散することも可能です。クラブなのですから、クラブ内の仕事のすべては、クラブの会員が役割分担して行うことが原則ではないでしょうか。クラブ奉仕委員会のほとんどの活動は、すべての会員が自分の与えられた役割を分担すれば、事務局や事務職員は必要ではありません。経費削減と委員会活動の活性化の双方で大きな効果があることでしょう。 世間一般の人たちは、毎週一流ホテルに集まって、3000円も5000円もの食事をとっているのでしょうか。またホテルの豪華な部屋で例会を開く必然性はあるのでしょうか。世間の人々から金持ちの昼食会と言われても、反論の余地はありません。 外国では会費と食費は完全に分離されており、食事は毎回キャッシュで支払うのが一般的です。日本の会費の高さは、会費と食費が込みになっていることにも一因があります。会費負担の平等性から考えても、食事をとらない人の食費も徴収することは、大きな問題があります。 事務処理のIT化も必要です。これからの時代を生き抜いていくためにはインターネットのアクセスとメールの遣り取りは絶対必要です。メーリングリストを使った情報交換によって通信費を大幅に削減することができます。 インターネット上でガバナー月信を配布する地区が増えてきましたし、週報をメール配信したり、インターネットに掲載するクラブもかなりの数にのぼるようになってきました。IT化によって大量の情報を廉価で発信することができます。 ニコニコ箱日本特有のもので外国にはありません。 慶事中心の募金箱であるために非常に集め安い利点がある反面、目的別募金ではないため、これを消化するために安易な寄付行為に流れやすく、年次報告書の中で「・・・への寄付」とか「・・・への援助」といった項目が目立つようになって、他団体への寄付を禁じているロータリーの原則に違反することになります。 任意の寄付金であるニコニコ箱の資金を本会計に流用することは、会費負担の平等性に違反しますから注意しなければなりません。

クラブの存在価値 ロータリーの奉仕理念は不変 自治権を持ったクラブの管理運営と奉仕活動の実践 RIの推奨プロジェクト 自らのクラブにふさわしいプロジェクト ロータリーアン個人もロータリークラブも、奉仕の理論を実践に移さなければならない。 いずれのロータリークラブも、毎年度、何か一つの主だった社会奉仕活動を後援するようにすることが望ましい 周囲の状況がどう変わろうとも、崇高なロータリーの奉仕理念は変わることはありません。クラブは自治権を発揮しながらクラブを管理運営し、奉仕活動を実践しなければなりません。 奉仕活動の実践は個々のロータリアンとクラブの自治権の範疇にありますから、常に地域社会や国際社会のニーズを探りながら、自らのクラブにふさわしいプロジェクトを見つけて、それを実践活動に移さなければなりません。 RIは国際レベルで地域社会のニーズを探して、それを重点目標として推奨します。ポリオ撲滅、識字率向上、水資源確保いずれも重要なプロジェクトばかりです。 そのプロジェクトが自らのクラブにふさわしいプロジェクトならばそれを採用すべきですし、それよりもさらに重要なプロジェクトをクラブ・レベルで開発すれば、そのプロジェクトを優先するのは当然です。 一番困るのが、RIからの推奨プロジェクトも採用せず、自らのクラブも奉仕活動を行わないことです。このようなクラブは自治権を云々する資格はありませんし、存在価値もありません。 決議23-34第4条に記載されている「ロータリーアン個人もロータリークラブも、奉仕の理論を実践に移さなければならない。いずれのロータリークラブも、毎年度、何か一つの主だった社会奉仕活動を後援するようにすることが望ましい」という文章を思い起こす必要があります。

改正 定款、細則の改正は、総会ではなく定足数を満たした例会で行う 改正案の予告は当該例会の少なくとも10 日前に各会員に郵送しなければならない 標準ロータリー・クラブ定款およびRI の定款、細則と背馳する細則改正はできない 定款、細則の改正は、出席会員の3 分の2 の賛成投票が必要である クラブ独自の管理運営の具体的な方法を細則に明文化する必要があります。 常にクラブ細則を見直してこれに修正を加えながら、クラブの管理運営に当たらなければなりません。 定款、細則の改正は、総会ではなく定足数を満たした例会で行いますが、改正案は当該例会の少なくとも10 日前に各会員にわたってなければなりません。 標準ロータリー・クラブ定款およびRI の定款、細則と背馳するクラブ細則の改正はできません。 なお定款、細則の改正は、出席会員の3 分の2 の賛成投票が必要です。 次年度の素晴らしいクラブの管理運営を目指して、早急にクラブ細則を見直してください。