監査とは テキスト第8章 田宮治雄
内部統制について(p.289) 内部統制の有効性が財務諸表の信頼性を左右するとの認識が進んだ 株式を公開している会社は,有価証券報告書にあわせて、内部統制報告書を開示しなければならない(金融商品取引法24条の4の4) 会社が作成する内部統制報告書に対し,公認会計士は監査を行う(同法193条の2第2項)
公認会計士(pp.287-294) 独立性 責任 精神的、外観的(経済的,身分的)独立 監査報酬を被監査会社から得ていることの影響 被監査会社に対するコンサルティングサービスの禁止 監査報酬を被監査会社から得ていることの影響 責任 職業的専門家としての責任 会計の専門家としてみて過失があった場合 依頼主(被監査会社)に対し責任を負う 財務諸表を信頼した第三者(投資家)に対し責任を負う 株価下落に伴う損失を株主に賠償しなければならないことも 公認会計士に刑事罰が与えられることもある
情報と信頼 有価証券報告書 企業内部でしか作り出せない情報を、企業外部の多数の人々に向けて提供するための報告書 会計情報は有価証券報告書に盛り込まれている情報の中心
会計情報・有価証券報告書 誰が利用するか 投資家 証券アナリスト 企業活動に必要な資金の提供者 株式や社債などに投資し、配当や利息を得たり、売買することで利殖を図る人々、組織 証券アナリスト 企業に関する情報を分析し、投資家に分析結果を報告することを職業とする専門家
投資家や証券アナリストの関心 投資先が十分に利益をあげているか 投資先が将来成長し、利益をますます増加させると期待できるか 将来配当をたくさん期待できるか 投資先が将来成長し、利益をますます増加させると期待できるか 株式などの値上がりを期待できるか 投資先にリスクはないか 株式などが値下がりすることなく、投資した資金が確実に戻ってくるか 有価証券報告書の情報が大切な判断材料に
信頼されない情報は有害無益 もし投資家が会計情報にうそに基づく情報や誤った情報が含まれているかも知れないという疑いを持ったら 誰も有価証券報告書を信用しなくなる 「正しい・秘密の」情報を取ろうと裏取引が活発になる 裏情報を入手できた人だけが儲かり、入手できなかった人は損をする 多くの人が安心して参加できる資本市場は成立しない
信頼されるためには 会計情報にうそや誤りがないことを保証する仕組みを組み込む 会計情報にうそを盛り込んだり、公表を遅らせるなどの操作をしようとした企業や経営者を処罰する
会計情報にうそや誤りがないことを保証する 仕組みを組み込むには 投資家などに、うそや誤りがないことを自ら調査する権限を与える 非現実的 投資家などに代わり、会計の専門家が定期的に調査(監査)し、会計情報が信頼できるか否か、意見を公表し、会計情報に添付する 会計の専門家:公認会計士(C.P.A.) Certified Public Accountant
公認会計士になる 企業に関する適正な情報が流通させるための社会的な保証人になる そのためには 現代の社会、これからの社会で、情報が社会に与える影響を十分に理解した人に公認会計士になってほしい 公認会計士は会計の職人ではない 倫理観と勇気が必要
pp.294-307は対象外 監査の基準 監査計画と監査の実施 監査報告書 財務諸表監査の限界