世界景気動向に注目 ~金融危機から世界同時不況へ~ 班員 新井 翔平 石川 雅祥 江淵 達郎 岡 雄介 南里 留実
昨今金融危機からの世界不況が騒がれている。 ではどのようにして金融危機は世界不況に進展したのであろうか。 09/10/5 出所:米流時評
世界同時不況へ 概要 金融危機へ 金融危機へ 2007年夏以降サブプライム問題 2007年夏以降のサブプライムローン問題 2008年9月リーマン・ブラザーズ破たん 金融危機へ 金融危機へ
目次 1 サブプライムローンとは? 2 サブプライムローンの拡大要因 3 サブプライムローン問題から金融危機へ 4 金融危機から実体経済への影響 5 世界経済への影響
なぜ信用の低い人たちに貸し付けることができたのだろうか? 1 サブプライムローンとは? なぜ信用の低い人たちに貸し付けることができたのだろうか? 低金利 低金利 ↓ 高金利 低所得者 銀行 通常の住宅ローンよりも金利が高い 貸出基準が緩い
アメリカ住宅価格の推移(ケースラー住宅指数) 2 サブプライムローン拡大の要因 ①サブプライムローンの拡大 ②証券化商品によるリスクの転嫁 ・高リターンへの需要 ・高いレバレッジ ③証券化商品の価値の下落 ・住宅価格の頭打ち ③金融危機の発生 ・金融機関の損失 ①住宅価格の上昇トレンド 2000年ごろから住宅需要の高まりとともに住宅価格 は上昇トレンドにあった。 ②住宅ローンの証券化 こうした住宅価格の上昇=担保力の上昇を背景としてサブプライムローンは拡大していった!! アメリカ住宅価格の推移(ケースラー住宅指数) 住宅価格の上昇 住宅の担保としての価値が上昇 貸出しの条件が緩和される 出所:OFHEO
2 サブプライムローン拡大の要因 貸出側のリスクは投資主体に転 2 サブプライムローン拡大の要因 ②住宅ローンの証券化 投資銀行 銀行・住宅ローン会社 貸出側のリスクは投資主体に転 嫁されるため、銀行らはさらにローンの貸し出しを行うことができた。このことを背景にサブプライムローンは拡大していった。 サブプライム層 債権として 売却 サブプライム住宅ローン 証券化商品 証券化商品を 小口にして売却 機関投資家 社債 自動車ローン 証券化商品 証券化商品 証券化商品 金融機関 住宅 ローン 株式 証券会社
3 住宅ローン問題から金融危機へ 高リスク 高リターン 貸出のリスクを 転嫁 ①証券化商品によるリスクの転嫁 3 住宅ローン問題から金融危機へ 2000年頃からは世界的に低金利の時代であり、高いリターンへの需要が高まっていた。 また、投資銀行やファンドなどは高いレバレッジ(資本に対する借入の割合)をかけ、高リターンを求め運用を行い、リスクは許容していた。 五大投資銀行のレバレッジ比率 ①証券化商品によるリスクの転嫁 サブプライムローンの拡大 ①証券化商品によるリスクの転嫁 ・高リターンへの需要 ・高いレバレッジ ②証券化商品の価値の下落 ・住宅価格の頭打ち ③金融危機の発生 ・金融機関の損失 証券化商品をだれが買ったのだろうか? 高リスク 高リターン 貸出のリスクを 転嫁 つまり・・・ 高リスクを好んだ投資主体が高いレバレッジをかけて、高リスク高リターンのサブプライムローン関連証券化商品を購入し、リスクを抱え込んでいた!! 高レバレッジ=ブッシュ政権下の規制緩和 出所:野村総研(NRI)
②証券化商品の価値下落 2006年ごろから、住宅需要の頭打ちから住宅価格の伸びが鈍化し始めた。 ②証券化商品の価値下落 住宅ローン価格伸び率の推移(前年比) ①サブプライムローンの拡大 ②証券化商品によるリスクの転嫁 ・高リターンへの需要 ・高いレバレッジ ③証券化商品の価値の下落 ・住宅価格の頭打ち ④金融危機の発生 ・金融機関の損失 2006年ごろから、住宅需要の頭打ちから住宅価格の伸びが鈍化し始めた。 それにともない、住宅価格の伸びによって支えられていたローンの借り手の信用力が低下し、金利は上がりローンの延滞が増加してきた。 住宅価格の伸びが鈍化!! これによって住宅ローン関連証券化商品の価値が下落していった!! 延滞率の上昇
高レバレッジをかけた投資主体が住宅関連証券化商品を購入 証券化商品の価値が下がり、投資主体に損失が発生。 サブプライムローンの拡大 ①証券化商品によるリスクの転嫁 ・高リターンへの需要 ・高いレバレッジ ②証券化商品の価値の下落 ・住宅価格の頭打ち ③金融危機の発生 ・金融機関の損失 ③金融危機の発生 証券化商品 投資主体 金融機関 損失!! 高レバレッジをかけた投資主体が住宅関連証券化商品を購入 証券化商品の価値が下がり、投資主体に損失が発生。
③金融危機の発生 損失⇒破綻 投資主体 損失を被った投資主体である金融機関は資金繰りに行き詰まり、破綻に陥る。 取引先A 取引先B 破綻した金融機関の取引先である企業等も、資金繰りに行き詰まり、経営難に陥る。 損失を被った投資主体である金融機関は資金繰りに行き詰まり、破綻に陥る。
住宅ローン問題は金融危機へと発展していった。 ③金融危機の発生 損失は全世界で 1兆4000億 ドルに及んだ!! サブプライムローンの拡大 ①証券化商品によるリスクの転嫁 ・高リターンへの需要 ・高いレバレッジ ②証券化商品の価値の下落 ・住宅価格の頭打ち ③金融危機の発生 ・金融機関の損失 金融機関は住宅ローン関連の資産 価格の下落によって、損失が発生 した。 そして、証券化商品関連の 損失によって金融機関の破たんが 相次ぎ、破たんした金融機関の取 引相手も連鎖して損失を被ると いった負のスパイラルに陥いり・・ 住宅ローン問題は金融危機へと発展していった。
4、実体経済への影響 要因 消費の減少 ①信用収縮 →バランスシートの悪化 ②逆資産効果 →家計の消費減少 出所:世界経済の潮流2009Ⅰ →バランスシートの悪化 ②逆資産効果 →家計の消費減少 09/10/5 出所:世界経済の潮流2009Ⅰ
①信用収縮 金融機関 買い手不在 金融機関 の 貸し渋り 損失を計上 消費減少 市場 株 RMBS 社債 CDO 09/10/5
消費減少 ②逆資産効果 債務返済 資産価値増加分を担保に借り入れ 追加担保を要求される 住宅価格 出所:エコノミスト2008年10月8日 09/10/5
5 世界経済への影響 世界経済高成長 旺盛な消費
世界経済への影響 成長抑制 今まで対米輸出で発展してきた世界経済、特にアジア先進国には大きな成長抑制圧力がかかった。 米国の消費減少というプロセスを経て、サブプライム問題は世界同時不況へと繋がった。 出所:三菱東京UFJリサーチ
世界経済発展システムが崩れてしまうと・・・・・・・ 世界経済は危機前のような経済成長を享受できなくなってしまう 世界経済への影響 危機前のようなローンを発信源とした米国の旺盛な消費は今後生み出せなくなってしまい、今までの米国消費が牽引役になり、世界経済を発展させるというシステムは維持できなくなってしまうのではないだろうか 旺盛な消費 米国の輸入増加 世界経済成長 消費の減少 世界経済発展システムが崩れてしまうと・・・・・・・ 世界経済は危機前のような経済成長を享受できなくなってしまう
このようなプロセスを経てサブプライム問題は世界同時不況へと進展していった。そして米国中心の世界経済体制は衰退していくであろう 結論 このようなプロセスを経てサブプライム問題は世界同時不況へと進展していった。そして米国中心の世界経済体制は衰退していくであろう 1 サブプライムローン問題 2 金融機関の損失 貸し渋り 3 実体経済へ飛び火 米国の消費の減少
御静聴ありがとうございました。 09/10/5
出典 『新帝国主義論』 武者 陵司 『人々はなぜグローバル経済を見誤るのか』 水野 和夫 『資本主義は嫌いですか』 竹森 俊平 『新帝国主義論』 武者 陵司 『人々はなぜグローバル経済を見誤るのか』 水野 和夫 『資本主義は嫌いですか』 竹森 俊平 『現代国際金融論』 上川 孝夫、藤田 誠一、向 壽一 『国際金融の仕組み』 秦 忠夫、本田 敬吉 『米国発金融再編の衝撃』 武藤敏郎 『グローバル恐慌・金融暴走時代の果てに』 浜 矩子 週刊エコノミスト 日経ビジネス 大和総研 野村総研 三菱UFJリサーチ 世界経済の潮流 米流時評 OFHEO(The Office of Federal Housing Entereprises Oversight) 09/10/5