定性調査
定性調査とは 定性調査:言語情報を取得し、分析することを目的とした調査。 定性調査の特徴 対象者が限られている。 調査結果を母集団に拡大したり、定量化したりすることはない。 調査結果はインタビュアや司会者の質問のリードの仕方に依存してる。 質問事項や質問順序、質問ワーディングなどを厳格に規定しない。
定性調査の目的 特定テーマの問題の構造を明らかにし、定式化を試みる。 未知の分野について基礎知識を得る。 構成的質問では収集しづらいデリケートな問題に対処する。 生の消費者の言葉を発見する。 購買動機を深く探る。 新製品のアイデアやコンセプトを創出する。
1. フォーカス・グループ・インタビュ
フォーカス・グループ・インタビュ フォーカス・グループ・インタビュ:数人で構成されるグループから、マーケティング問題に関する考えや解決点を得るために行われるインタビュ。
一般的特徴 集団内に発言の交互作用が発生し、これらが参加者一人ひとりに新しい考えを生み出す。 集団内でいろいろな刺激を受けると、参加者は競争して物事をよく考えるようになる。 参加者の発言の様子が観察できる。 短期間に、比較的安い経費で、かなりの情報が得られる。 参加資格がきびしい人の場合は、彼らを同時間、同じ場所に、必要な人数分集めることは難しい。 集団を構成する参加者一人当たりの発言時間は、あまり多くない。 デリケートなテーマの場合、他の参加者を意識して、自分の本心を話すことを控える。
ディスカッションガイドの作成 割当時間(分) テーマ 質問 狙い 10 導入 ①自己紹介 ②オーラルケアで心がけていること ■ラポールづくり 30 MWの使用実態 ①MWとブラッシングとの関係 ②… ■MWの使い方を知る ■… 50 製品コンセプトPの単独評価 ①第一印象と記憶残存内容 ■コンセプトP、Qの受容度とネガティブチェック P,Qの比較 ①いずれのコンセプトの製品の選好 ■P対Qの受容度比較
司会者 望ましい司会者の能力 1.参加者との間で早くラポールを築く能力 2.弾力的な運営ができる能力 3.新鮮なトピックスを持ち出し参加者を誘導する能力 4.発言し過ぎる人や目立ち過ぎる人をコントロールする能力
フォーカスグループの種類 探索型 1.問題の定義づけ 2.仮説の発見 3.コンセプトの開発 探索型 1.問題の定義づけ 2.仮説の発見 3.コンセプトの開発 分析型 潜在意識にある人の真の動機や感情を把握する。 体験型 製品の試用をともなうグループインタビュ
2. デプスインタビュ
デプスインタビュ デプスインタビュ:インタビュアと対象者が一対一で面談し、所定 のテーマについて深く聴いていくやり方である。
一般的特徴 詳しい情報が十分に収集できる。 デリケートなテーマであっても発言してくれる可能性がある。 対象者個人の都合に合わせていつでもインタビュが実施できる。 対象者は、誰にも邪魔されずに自分の考えを述べることができる。 個人面接だから、参加者が競って考え方をまとめることはない。 対象者が多いと、インタビュアの疲労は大きい。 実施に時間と経費がかかる。
3. プロジェクティブ・テクニック
プロジェクティブ・テクニック(投影法) 投影法:対象者に、非構成的な人や物、状況などを呈示して、 それについて解釈してもらったり、説明してもらったり する手法である。 投影法の背景 1.人は自分自身の感情や意見に気づかないことがある。 2.人は自分のイメージを悪くすることは認めたがらない。 3.人は自分を合理化したり、社会的に受け入れられようと 反応する。
投影法の主な手法 語句連想法 文章完成法 漫画完成法 第三者技法 絵画解釈法 物語り法 コラージュ法
1. 語句連想法 語句連想法:ある語句を対象者に提示して、彼の心に最初に連 想する言葉をいってもらう手法である。 語句連想法の目的 想する言葉をいってもらう手法である。 語句連想法の目的 1.新製品のブランド名の探索 2.現行ブランド名のイメージプロファイルの確認 3.広告スローガンに対する反応 4.ある任意の語句が伝達する意味の広がりの発見
2. 文章完成法 文章完成法:対象者に対して完全になっていない短い文章 を見せて、最初に頭に浮かぶ言葉を挿入して を見せて、最初に頭に浮かぶ言葉を挿入して 文章を完成するよう求める手法である。 例: 「欧米の大学を出た人は、…」 「家族に冷凍食品を頻繁に食べさせる主婦は、…」
3. 漫画完成法 漫画完成法:漫画風のひとコマの略画を対象者に見せて、会話の内容を書く空白の風船部分に、自分の想像したことを記入してもらう手法である。
4. 第三者技法 第三者技法:ある特定の状況に対して、ごく普通の一般の人は、どう考え、どう反応するかを対象者に尋ねる手法である。
5. 絵画解釈法 絵画解釈法:対象者に絵やイラスト、写真などを見せて、そこから想像される物語りを創作してもらう手法である。
6. 物語り法 物語り法:ある物語りに対象者を誘い、反応を取り出す手法である。 例: 「一郎おじいさんは、ウィスキーを買いに酒屋に行きました。ところが、いつも買っているブランドのウィスキーはありません。おじいさんは、どうするでしょう。ブランドは違うが同じメーカーのものにするのかな。それとも、…」
7. コラージュ法 コラージュ法:対象者が特定のブランドやその使用者、あるいは特定の製品カテゴリの購入者に対して持っているイメージを、各種の雑誌の写真などを切り抜きボードに張り付けて、表現する手法である。
4. エスノグラフィック法
エスノグラフィック法 エスノグラフィック法:専門の調査員がターゲットとする消費者の生の生活シーンや消費シーンに入り込んで、それらの実態を詳細に調べる手法 エスノグラフィック法の目的 1.新製品の開発のためのヒントを探る。 2.ブランドに対する理解を把握する。 3.銘柄のポジショーニングを把握する。