数値相対論と重力波 国立天文台理論研究部 関口 雄一郎.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
エリスワームホール時空における ダスト流解とそのシャドウ Yamaguchi University Takayuki Ohgami, Nobuyuki Sakai ブラックホール地平面勉強会 10 月 4,5 日 湯田温泉.
Advertisements

相対論的場の理論における 散逸モードの微視的同定 斎藤陽平( KEK ) 共同研究者:藤井宏次、板倉数記、森松治.
Localized hole on Carbon acceptors in an n-type doped quantum wire. Toshiyuki Ihara ’05 11/29 For Akiyama Group members 11/29 this second version (latest)
Generalized Form Factors of the Nucleon in the Chiral Quark Soliton Model カイラルクォークソリトン模型に基づく 核子の一般化形状 大阪大学 原子核理論研究室 D 1 中小路 義彦.
ニュートン重力理論における ブラックホール形成のシミュレーション
原子核物理学 第3講 原子核の存在範囲と崩壊様式
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
衝撃波によって星形成が誘発される場合に 原始星の進化が受ける影響
加藤真理子1、藤本正樹2、井田茂1 1) 東京工業大学 2) JAXA/ISAS
DECIGOのサイエンス ~ダークエネルギー関連~ 高橋龍一 (国立天文台PD).
超新星と重力波 Gravitational waves from Supernova core collapse
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 宇宙物理研究室 B 木村悠哉
木村 匡志 極限ブラックホール近傍の 高速粒子衝突における “バックリアクション“の影響について (YITP 元OCU)
原始惑星系円盤の形成と進化の理論 1. 導入:円盤の形成と進化とは? 2. 自己重力円盤の進化 3. 円盤内での固体物質の輸送
電荷を持つ5次元ブラックホールにおける地平線の変形と特異点
カオス力学系と重力波 木内 建太 & 前田 恵一 (早稲田大学)  PRD、 (2004)
相対論的輻射流体力学における 速度依存変動エディントン因子 Velocity-Dependent Eddington Factor in Relativistic Photohydrodynamics 福江 純@大阪教育大学.
周期境界条件下に配置されたブラックホールの変形
クラスター変分法による 超新星爆発用 核物質状態方程式の作成
「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
重力レンズ効果を想定した回転する ブラックホールの周りの粒子の軌道
大質量星の重力崩壊と重力波 東大 総合文化 関口 雄一郎 & 柴田 大.
輻射圧駆動風の臨界点ついて 非相対論的領域 Radiatively Driven Spherical Wind Critical Points and Curves Nonrelativistic Regime 福江 純@大阪教育大学.
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
数値一般相対論の 現状と展望 ~コンピュータで再現する 一般相対論の世界~
「Numazu Workshop 2009」 微視的物理を考慮した 数値相対論コード
地上重力波干渉計に期待されるサイエンス (連星中性子星の合体)
速度勾配依存 変動エディントン因子 Velocity-Gradient-Dependent Relativistic Variable Eddington Factor Plane-Parallel Case 福江 純@大阪教育大学.
中性子星の超流動に対する ハイペロン混在の効果
東京大学理学系研究科 天文センター M2 江草 芙実
重力崩壊型超新星爆発の起源 固武 慶 (東大理) 共同研究者 山田章一(早稲田理工) 大西直文(東北大工) 佐藤勝彦(東大理)
ブラックホール周辺の 磁場構造について 大阪市立大学 孝森 洋介 共同研究者 石原秀樹,木村匡志,中尾憲一(阪市大),柳哲文(京大基研)
磁気リコネクション (Craig-Henton解の安定性) ~シミュレーションサマースクール@千葉大より~
銀河風による矮小銀河からの質量流出とダークマターハロー中心質量密度分布
磯部洋明 京都大学花山天文台 波動加熱勉強会 2004年2月23日
COSMOSプロジェクト: z ~ 1.2 における星生成の環境依存性 急激な変化が起こっていると考えられる z ~1 に着目し、
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
(GAmma-ray burst Polarimeter : GAP)
第一世代星の重力崩壊と その背景重力波への寄与
公募研究報告 数値相対論で探る連星中性子星の 合体と short γ線バースト
安東 正樹池本尚史,小林洸,坪野公夫 (東京大学 理学系研究科)
星形成時間の観測的測定 東大天文センター M2 江草芙実 第4回 銀河shop 2004/10/19.
Mock LISA Data Challengesとその解析法 IMRI,SMBHB探索のテンプレート数について
論文紹介 Type IIn supernovae at redshift Z ≒ 2 from archival data (Cooke et al. 2009) 九州大学  坂根 悠介.
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
フレアの非熱的成分とサイズ依存性    D1 政田洋平      速報@太陽雑誌会(10/24).
瀬戸直樹 (京大理) 第7回スペース重力波アンテナDECIGOワークショップ 国立天文台
References and Discussion
Why Rotation ? Why 3He ? l ^ d Half-Quantum Vortex ( Alice vortex ) n
瀬戸直樹(京大理) DECIGO WS 名古屋大学
重要な効果 ブラックホールや中性子星(パルサー)磁気圏 銀河団スケールの加速(L×Bが大きい) 1020 eV以上
銀河物理学特論 I: 講義3-5:銀河の力学構造の進化 Vogt et al
バリオン音響振動で探る ダークエネルギー ~非線形成長と赤方偏移歪みの影響~
原子核の殻構造の相対論的記述 n n n σ ω n σ ω n 柴田研究室 石倉 徹也 1.Introduction n n
シミュレーションサマースクール課題 降着円盤とジェット
中性子過剰F同位体における αクラスター相関と N=20魔法数の破れ
九州大学 猿渡元彬 共同研究者 橋本正章 (九州大学)、江里口良治(東京大学)、固武慶 (国立 天文台)、山田章一(早稲田理工)
滝脇知也(東大理)、固武慶(国立天文台)、佐藤勝彦(東大理、RESCEU)
大阪市立大学 宇宙物理(重力)研究室 D2 孝森 洋介
定常剛体回転する宇宙ひもからの 重力波放射
スペース重力波アンテナ DECIGO計画Ⅷ (サイエンス)
原子核物理学 第6講 原子核の殻構造.
木内 建太(早稲田大) 共同研究:柴田大(京大基研) 関口雄一郎(国立天文台) 谷口敬介(ウィスコンシン大)
γ線パルサーにおける電場の発生、粒子加速モデル
(Pop I+II連星起源と) 初代星連星起源 ロングガンマ線バースト
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
超弦理論の非摂動的効果に関する研究 §2-超弦理論について §1-素粒子論研究とは? 超弦理論: 4つの力の統一理論の有力候補
連星 Gold Mine を用いたDECIGO精密宇宙論
Presentation transcript:

数値相対論と重力波 国立天文台理論研究部 関口 雄一郎

目次 §1. Introduction §2. 数値相対論 primer §3. 重力崩壊からの重力波 §4. 連星中性子星合体からの重力波 一般相対性理論の重要性 §2. 数値相対論 primer §3. 重力崩壊からの重力波 様々な重力波源 §4. 連星中性子星合体からの重力波 状態方程式を制限する §5. 数値相対論の現状と展望

§1.Introduction 重力波 ⇒ 質量エネルギーの時間変化に伴う重力場の変動 重力場の源となる物質場のダイナミクスに依存 重力波                             ⇒ 質量エネルギーの時間変化に伴う重力場の変動 重力場の源となる物質場のダイナミクスに依存 重力場の非線形性が重要となる現象では、Newton理論と一般相対性理論で大きな違い ⇒ 一般相対性理論を考慮に入れた計算が必要 ⇒ 数値相対論 一般相対論的効果が物質場のダイナミクスに及ぼす影響に注目

一般相対論の重要性① Newton 理論では で安定 一般相対論では ポリトロープ状態方程式での平衡天体の安定性 中性子星 では でも不安定 中性子星 では でも不安定 一般相対論的(強)重力の効果

一般相対性理論の重要性② 微視的物理過程と一般相対性理論 一般相対論と Newton 理論では大きく異なる 高密度物質の物理(強い相互作用、未知の部分が大きい)のダイナミクスへの影響 ニュートリノに関する物理(弱い相互作用、全てを考慮するのが困難)のダイナミクスへの影響 いずれも精確な波形予測には重要 一般相対論と Newton 理論では大きく異なる

Shock velocity @ 300 km (1000km/s) Incompressibility K(sym) (MeV) 強い相互作用 van Riper (1988) ApJ 326, 235 超新星爆発の計算 Shock velocity @ 300 km (1000km/s) Incompressibility K(sym) (MeV)

Shock energy @ bounce (1052 erg) 弱い相互作用 Takahara & Sato (1984) PTP 72, 978 弱い相互作用の影響(電子捕獲反応がどれだけ起こるか、ニュートリノがどれだけ抜けるか) パラメータ d に集約 d~崩壊前の圧力と崩壊時の圧力の比 d~1:不安程度は小   ⇒ Newton ではほぼ安定   ⇒ 一般相対論では不安定 超新星爆発の計算 Shock energy @ bounce (1052 erg)

一般相対論の重要性③ 一般相対論と回転 圧力項: 遠心力項 回転は Newton では安定

回転重力崩壊での重力波 Dimmelmeier et al (2002) A&A 393, 523 GR Newton Rotation increases strongly during collapse Newtonian : sub-nuclear bounce ⇒ Type II waveform GR : stronger gravity super-nuclear bounce ⇒ Type I waveform Strong qualitative difference in collapse dynamics and thus in waveforms

§2.数値相対論 primer メインループ 現実的初期条件の 設定 ブラックホール形成判定 地平面の決定 重力波を時空の 歪みから抽出 現実的初期条件の 設定 ブラックホール形成判定  地平面の決定 重力波を時空の      歪みから抽出 アインシュタイン方程式を解く 物質場の方程式を解く 座標条件を解く メインループ ブラックホール特異点に対応 拘束条件式を     解く

初期値問題としての定式化① 一般相対性理論 アインシュタイン方程式 初期値問題として時間方向への発展を記述するように定式化 時間と空間が融合した「時空」における理論 特別な観測者がいない ⇒ 一般共変性, 座標自由度 アインシュタイン方程式 方程式中に時間微分と空間微分が混在して出現 どの型の偏微分方程式系なのか良くわからない 初期値問題として時間方向への発展を記述するように定式化

初期値問題としての定式化② 共変 Maxwell 方程式 アインシュタイン方程式の分解 時間を含む方向 空間方向 時間方向成分 空間方向成分 ガウスの法則, モノポール無し条件 (楕円型) 時間微分を含まない ⇒ 時間一定面で満たすべき拘束条件 空間方向成分 ファラデーの法則, アンペールの法則 電磁場の発展方程式 (双曲型) アインシュタイン方程式の分解 時間を含む方向 Hamiltonian 拘束条件, Momentum 拘束条件 (楕円型) 空間方向 時間一定面の重力場の発展方程式 (双曲型)

共変 Maxwell 方程式の分解 ガウスの法則、モノポール無し条件 E, B の時間微分を含まない拘束条件 n 射影 空間射影 ファラデーの法則、アンペールの法則      時間微分を含む発展方程式

アインシュタイン方程式の分解 Kabの定義式 Hamiltonian constraint 基本幾何学量の時間方向の微分を含まない 拘束条件 Gauss eq. 基本幾何学量の時間方向の微分を含まない 拘束条件 momentum constraint Codazzi eq. Kabの発展方程式 Ricci eq. γabの発展方程式 Kabの定義式 Energy momentum tensor

安定な定式化 拘束条件式 発展方程式の安定な定式化 時間微分を含まない 複雑な(非線形)楕円型偏微分方程式 アインシュタイン方程式       ⇒ 拘束条件式 + 発展方程式 拘束条件式 時間微分を含まない 複雑な(非線形)楕円型偏微分方程式 解くのに計算量を要する 初期に満たされれば常に満たされることが数学的には保証 数値的には拘束条件の破れが単調増加 シミュレーションの破綻を招く 発展方程式の安定な定式化 長時間安定にシミュレーションが可能 日本の研究者の大きな貢献 中村卓史教授(京大), 柴田大教授(京大) ら

§2.数値相対論 primer メインループ 現実的初期条件の 設定 ブラックホール形成判定 地平面の決定 重力波を時空の 歪みから抽出 現実的初期条件の 設定 ブラックホール形成判定  地平面の決定 重力波を時空の      歪みから抽出 アインシュタイン方程式を解く 物質場の方程式を解く 座標条件を解く メインループ ブラックホール特異点に対応 拘束条件式を     解く

座標軸の導入 絶対時間・空間がない! 時間方向と空間方向を計算者が指定することが必要 時間一定空間の各点での時間の進ませ方の自由度 ニュートン理論では時間の進み方は一様 特異点付近で時間の進みを遅くする 時間軸を空間方向に曲げる自由度 ニュートン理論では時間軸は時間一定面に垂直 慣性系の引きずりの効果を解消する

座標の導入 時間ベクトルの導入 α: lapse function 時間の進め方の自由度 β: shift vector 空間座標の選び方の自由度 ニュートン理論では t = n α= 1, β= 0

§3.重力崩壊と重力波 良い点 悪い点 何とか高振幅の重力波は放射されないものか? 理論計算 重力波が観測可能な距離のイベントに対しては、  電磁波による観測で発生時刻の制限が可能 悪い点 対称性が高いので重力波振幅が小さい 何とか高振幅の重力波は放射されないものか? 理論計算 ほとんどが Newton 理論での計算 数値相対論での計算は遅れている GR計算(青)、NR計算(赤)

重力波源 ⇒ Gravitational waves from Rotational core bounce 衝撃波のstall ⇒ neutrino burst / heating ⇒ 対流, SASI / AAC 非球対称 neutrino 放射 g-mode oscillation of PNS Proto-neutron star の非軸対称変形 ⇒ Gravitational waves from Rotational core bounce GR/NR GR(PNS対流) /NR ⇒ GWs from PNS /ν -driven convection, SASI/AAC ⇒ GWs from anisotropic neutrino radiation NR ⇒ GWs from PNS g-mode oscillation NR ⇒ GWs from triaxial deformation of PNS GR/NR

重力波振幅 四重極公式 : Bulk motion of mass : rotational core bounce, non-axial instabilities of core Rapid motion of envelope (near proto NS) : Convection, other non radial instabilities Anisotropic neutrino emission :

GWs from rotating core bounce 詳しく調べられている Zwerger & Mueller (1997) A&A 320, 209; Dimmelmeier et al. (2002) A&A 393, 523; Kotake et al. (2003) PRD 68, 044023;  Ott et al. (2004) ApJ. 600, 834; Shibata & YS (2004) PRD 69, 084024; YS & Shibata (2005) PRD 71, 084013 状態方程式と回転則により3 type (Zwerger & Mueller (1997)) 近似的 EOS 振幅 ~10-20 @ 10 kpc 周波数 : Type-I, -III ~1kHz Type-II ~ 100Hz Infall bounce ringdown PNS の   準周期的振動 Type-I waveform

3-Types of Waveforms Zwerger & Mueller (1997) A&A 320, 209; Dimmelmeier et al. (2002) A&A 393, 523; 長周期振動(~10ms ⇒ f~100Hz) 強い遠心力により 中心すら核密度以下 Bounce core mass 小 振幅は1桁小さい

3-Types of Waveforms Type-I Type-II Type-III 黒:GR、赤:Newton Zwerger & Mueller (1997) A&A 320, 209; Dimmelmeier et al. (2002) A&A 393, 523; Mass増大, GR の効果 Type-I Type-II Type-III 黒:GR、赤:Newton

Realistic GR simulation Dimmelmeier et al. astro-ph/0705.2675 , GR Realistic 現実的状態方程式 + 電子捕獲反応では、      Type-II, Type-III waveform がきわめておこりにくい

GWs form convection andν-emission Mueller et al (2004) ApJ. 603, 221 , NR GW burst with memory bounce + neutrino-driven convection + anisotropic ν-emission GWs from the convection is small < 10-22 GWs from neutrino dominate in low frequency (h < 10-22 ) neutrino bounce Total νconvection

GWs form anisotropic ν-emission Why amplitude is so small ? δis very small as ~ 0.01 Ott (2007) PhD <Lν> is small ~ 1051 erg/s

GWs form PNS convection YS (2009) , GR 現時点で最も進んだ数値相対論シミュレーション 現実的状態方程式 電子捕獲反応 ニュートリノ生成 ニュートリノ冷却 ニュートリノ加熱は考慮されていない ニュートリノ加熱による対流からの重力波の計算はされていない

GWs from PNS g-mode GW emission from l=2 mode 周波数: f ~ 600-1000 Hz Ott et al. (2006) PRL 96, 201102 , NR GW emission from l=2 mode 周波数: f ~ 600-1000 Hz 振幅: h ~ 10-18 @ 10kpc (detectable out to Mpc)

Entropy/vortex perturbation Acoustic SN mechanism SASI/AAC turbulence excites fundamental (l=1) g-mode of PNS g-mode damps by emission of acoustic wave, depositing energy the energy deposition dominates the neutrino heating conversion more efficient than neutrino heating Shock revival by acoustic power Entropy/vortex perturbation Acoustic wave g-mode PNS Shock surface

GWs from triaxial deformation ダイナミカル不安定性 T/W > 0.27を超えるような場合に起こる       Chandrasekhar (1969) “Ellipsoidal figures of equilibrium” 重力崩壊では                                 初期に高速回転かつ差動回転 (Ω回転軸/Ω表面>100) が必要不可欠  圧力減少の度合いが大きいことも必要 Shibata & YS (2005) PRD 71, 024014 , GR 差動回転が強い場合に (T/W < 0.1でも) 起こる          Shibata et al. (2002) MNRAS 334, L27;                           Watts et al. (2005) ApJL. 618, 37; Saijo & Yoshida (2006) MNRAS 368, 1429 Corotation resonance instability (possible mechanism)

Shibata & YS (2005) PRD 71, 024014 , GR

Dynamical instabilities (T/W>0.27) Shibata & YS (2005) PRD 71, 024014 , GR ~ 1 kHz Gauge inv. Quadrupole formula hnonaxi ~ 10-19 ~ 10haxi @ 10kpc, f ~ 1kHz

Dynamical instabilities (low T/W) Ott et al. (2007) CQG 24, S139 , NR ~ 1 kHz f ~ 1kHz に新たなピーク

Dynamical instabilities (low T/W) Ott et al. (2007) CQG 24, S139 , NR 軸対称 軸対称 + 非軸対称

重力波 - まとめ - GW at core bounce GW from convection Burst emission, 3 characteristic types hbounce ~ 10-21~10-20 @10kpc, fbounce ~ 500-1000 Hz GW from convection h PNS < 10-20 @ 10 kpc, fPNS ~ 100-1000 Hz hνdriven ~ 10-22 @ 10kpc, fνdirven ~ 10-100 Hz GW from anisotropic neutrino emission hν~ 10-22 @ 10 kpc, fν< 100 Hz GW from PNS g-mode hg-mode ~ 10-18 @ 10 kpc, fg-mode ~ 1000 Hz GW due to non-axisymmetric deformation hhighT/W ~ 10-19 @ 10 kpc, fhighT/W ~ 1000 Hz hlowT/W ~ several ×10-20 @ 10 kpc, flowT/W ~ 1000 Hz

@ 10 kpc g-mode high T/W low T/W bounce PNS convection neutrino

§4.連星中性子星合体からの重力波 数値相対論のメインターゲット 現実的シミュレーション 合体重力波波形から高密度物理に制限 チャープ重力波からNS質量がわかることが重要 連星の質量比、総質量による合体過程の違い Kiuchi, YS et al, (2009), Kiuchi, YS et al. in prep. 状態方程式(EOS)に対する合体の依存性 YS, Kiuchi et al. in prep. 現実的シミュレーション 任意の状態方程式テーブルが利用可能 状態方程式の理論計算の不定性に依存 逆にいろいろな状態方程式モデルで計算をして制限可能

(単独の)中性子星から状態方程式を制限する① 中性子星の最大質量 観測された中性子星の   最大質量よりも        軽い最大質量を予言する状態方程式(EOS)は棄却 そんなに重い中性子星は精度よく観測されていない

(単独の)中性子星から状態方程式を制限する② 中性子星の半径(コンパクトさ) EOSが予言する質量‐半径関係との整合性 高精度の見積もりが必要 半径(M/R)(と質量の同時)の見積もりは困難 Pulse profile (モデル依存) Redshift (モデル依存) QPO (モデル依存) 慣性モーメント

Quasi-circular orbit 連星中性子星から状態方程式を制限する① GNH3 APR APR GNH3 BPAL12 Bejiger et al. (2005)

数値相対論シミュレーションではISCOでの これほどの急激な変化は見られない 連星中性子星から状態方程式を制限する① Quasi-circular orbit GNH3 APR Bejiger et al. (2005) BPAL12 数値相対論シミュレーションではISCOでの    これほどの急激な変化は見られない

NR計算。円軌道にある準平衡形状から シミュレーションしていないので、定性的な結果 連星中性子星から状態方程式を制限する② 合体⇒中性子星 現実的状態方程式を用いた計算 (Newton SPH) S: (Shen et al. 1998) 相対論的平均場 相対的に硬く、半径~14km A: (Akmal et al. 1998) 3体力を考慮 柔:核密度以下、硬:以上 半径~11km (コンパクト) LS: (Lattimer & Swesty 1991) 液滴模型に基づく 相対的に柔らかく、半径~12km NR計算。円軌道にある準平衡形状から     シミュレーションしていないので、定性的な結果 Oechslin & Janka (2007)

Shibata & Taniguchi (2006); Kiuchi, YS et al. arXive:0904.4551 中性子星連星の運命 連星の総質量と状態方程式で支えられる最大質量の兼ね合いで決まる(EOS依存) 連星の合体後に(一時的に)出来る星が、 ブラックホール 重い中性子星 しかし、合体後の星は一般に強く早く差動回転  ⇒遠心力は星の自己重力を支える要因   ⇒支えられる最大質量が底上げ Shibata & Taniguchi (2006); Kiuchi, YS et al. arXive:0904.4551

大質量中性子星形成 APR1414 First, I show you the general feature of dynamics, gravitational waveform, and gravitational wave spectrum for cases both of HMNS formation and of BH formation. This is the results for model APR 14. the number 14 means the adopted mass is 1.4 solar mass. This is a case of HMNS formation. The left figures are time evolutions of gravitational waveform and spectrum. The right panel is an animation. Color shows density contour. The bottom brown contour show the lapse function, which may be regarded as gravitational potential.. After the merger, rapidly and differentially rotating HMNS is formed. The neutron star is highly deformed to be nonaxisymmetric configuration. Gravitational waves associated with rotation and oscillation of this deformed HMSN are emitted.

Akmal-Pandhalipande-Ravenhall (APR) EOS 重力波波形(APR1.4-1.4(HMNS)) 重い中性子星   (MHNS)の振動 インスパイラル マージング チャープシグナル個々の中性子星の質量が決定できる Akmal-Pandhalipande-Ravenhall (APR) EOS

ブラックホール形成 APR1515

重力波波形(APR1.5-1.5(BH)) BHの 固有振動 マージング インスパイラル

BH準固有振動(APR1.5-1.5) 角運動量保存則、見かけの地平面の特性、       BH準固有振動のからえられたBHのスピンパラメータ: モデル依存性は低く a~0.78-0.8

重力波スペクトル(APR1.45(BH)&1.4(MHNS)) BHが形成されるか重たい中性子星(HMNS)が     形成されるかで重力波スペクトルは大きく異なる         ⇒ 状態方程式に制限

重力波スペクトル(総質量・質量比、EOS) BHが形成される場合でも重力波スペクトルは      総質量・質量比、状態方程式によって異なる             ⇒ 状態方程式に制限

状態方程式の特性 EOS : hybrid type : Pcold : APR (Akmal et al. 1998) , FPS (Pandalipande-Ravenhall) , Sly (Douchin & Haensel 2001) Pth : Ideal gas with gamma=2.0 FPS EOS is relatively soft SLy EOS is relatively stiff APR EOS is stiff at high densities Setup of simulations is as same as that of the previous talker, Kiuchi. The only difference is that the several EOSs other than APR EOS are adopted to explore EOS dependence of the results. In this work, we adopted APR FPS, and SLy EOSs. Relation between density and pressure is shown in the figure. As this figure indicates, FPS EOS is among the most soft one, APR EOS is stiff in super nuclear density, SLy EOS is stiffer around nuclear density but softer at high densities than APR EOS.

BH形成での重力波スペクトル 軽いNS連星でない場合、BHが形成される可能性 スペクトルの “universal feature” ‘ cutoff ’ frequency fcut , HMNS形成ではNS振動モードに隠れる hump with peak amplitude hpeak and width σ

Cutoff frequency 質点近似からの(潮汐変形による)ずれと関連 NSの構造、特にコンパクトさ、状態方程式の硬さの情報を含む For fixed Mtot, fcut is higher for softer EOS (more compact configuration) For fixed EOS, fcut is higher for larger mass model Fitting function

Hump peak amplitudes 合体時に形成される‘ spiral arm ’ に関連 NSの構造、状態方程式の硬さの情報を含む For fixed Mtot , hpeak is smaller for softer EOS (smaller Mcrit) For Mtot ~ Mcrit model, hpeak is larger for softer EOS Gaussian Fitting

Spiral arm and Hump SLy14 : Spiral arms are excited at the final moment

Spiral arm と状態方程式 Possible reason バウンスは状態方程式が柔らかいほうが大きい BH形成時にも圧力波として                             エネルギーの一部が                           運ばれる Shock velocity @ 300 km [104 km/s] van Riper 1988

Summary チャープ波形から総質量、質量比 ⇒ 状態方程式に制限 BH 形成 大質量NS形成 重力波スペクトルの “universal feature” Cutoff frequency 質点近似からのずれに関連 ⇒ コンパクトさ、EOSの硬さ Hump の peak amplitude Spiral arm の強さに関連                      ⇒ 状態方程式の硬さ 大質量NS形成 形成されたNSの振動モードの解析により状態方程式の情報を取り出すことが可能

Discussion Parameter study も必要 現実的状態方程式モデル: 4パラメータポリトロープで記述可能 (Read et al. 2008) NS構造はそれぞれのパラメータに異なる依存性 (Ozel & Psaltis (2009)) 例えば cutoff frequency はNSの中心構造よりも表面付近の構造に敏感で、hump peak は中心領域の状態方程式の硬さに敏感ということはありうる

§5.数値相対論の現状と展望 何ができるか 何ができないか やればできそうなこと 一般相対論的磁気流体 テーブル化された一般の状態方程式 弱い相互作用(電子捕獲反応、ニュートリノ生成) ニュートリノ放射(GR neutrino leakage) 何ができないか ニュートリノ輸送  ニュートリノ加熱 やればできそうなこと スカラーテンソル理論での重力崩壊

数値相対論のベクトル 大質量星の重力崩壊 連星中性子星の合体 高エネルギー天体現象の中心動力源(特にGRB)の解明 中性子星磁場の起源 どちらかというと astrophysics 連星中性子星の合体 重力波カタログ パラメータ化された状態方程式を利用 重力波による状態方程式(強い相互作用)の制限可能性 Short GRB, あるいは他の高エネルギー天体現象との関連

展望 技術的側面 大質量星の重力崩壊 連星中性子星の合体 その他 一般相対論的(ニュートリノ)輻射輸送 ブラックホール形成 GRB パラメータ状態方程式で物理を抑える 数値シミュレーションに使いやすい状態方程式 原子核分野との共同研究 Short GRB その他 スカラーテンソル理論、高次元理論