リーンスタートアップ・ビジネス計画法における有効性の評価方法

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リーンスタートアップ・ビジネス計画法における有効性の評価方法 これから発表させていただきます。湯浦研4年道原健太です。今からリーンスタートアップ・ビジネス計画法における有効性の評価方法についての発表を行います。 湯浦研究室4年 70210083  道原健太

目次 1.背景 2.目的 3.研究概要 4.実験結果と考察 5.今後の課題

1.背景 従来の開発方法:市場調査を行い、その市場データ を分析し、商品開発を行い商品を生産する。(下図) 市場調査 商品開発 テスト 販売 (A)従来の開発方法 従来のビジネスの開発方法として「ウォーターフォールモデル」という開発モデルが使われています。この開発方法は市場調査を行い模索商品を顧客にテストしその結果からフィードバックを行って修正をし、販売をするという方法です。 このような開発方法は短時間で実行できるため顧客が求めているもの、市場・競合相手が明確な場合最適な開発方法といえます。 しかしこの開発方法は段階を順に遂行し行うので、前の工程に間違いがないことが条件であるため新規事業など市場データが正確でないと販売に大きな影響を及ぼしてしまう可能性が生じます この様なリスクを避けるために 市場調査 商品開発 テスト 販売 開発投資 このような方法は前の商品からデータをとれる既存事業にとっては便利な方法 だが市場調査が困難な新規事業にとっては…

1.背景 リーンスタートアップ開発:事業開発の成功率 を高めるため仮説検証を繰り返しその結果から軌道修 正を行うというサイクルを繰り返すやり方 (B)リーンスタートアップでの開発方法 リーンスタートアップ開発方法が誕生しました。これは仮説を設定し、最小限の開発を行った後、顧客レビューをし、その結果から軌道修正を行うというサイクルを繰り返します。 こうすることで顧客発見から販売までの体制を正確にし失敗のリスクを減らすことができます 顧客実証 販売 顧客発見 小規模な検証の繰り返し 失敗のリスク小 軌道修正 開発・販売投資

1.背景 リーンキャンバス(下図) マッシュ・マウリャ氏が2008年に提唱したもので リーンスタートアップを実行する際に使用するツール そしてリーンスタートアップを実行するためにリーンキャンバスを使用します。これは事業に必要な9つの事項をリスクの高いものからテストしていくというビジネスモデル検証ツールです。

1.背景 リーンキャンバスの各記述項目の内容 1.顧客セグメント・・・ターゲットとする顧客 2.課題・・・顧客が抱えている優先度が高い課題 3.独自の価値提案・・顧客に説得するメッセージ 4.ソリューション・・・課題に対する解決策 5.チャネル・・・顧客を広げる流通源 6.収益の流れ・・・収支の詳細 7.コスト構造・・・サービスにかかるコスト 8.指標・・・サービスの成長を計測する指標 9.圧倒的優位性・・・競合品より優れている点 リーンキャンバスの各項目は ターゲットとする顧客を発見する顧客セグメント 顧客が抱えている問題を明らかにする課題 顧客に伝えるメッセージを記述する独自の価値提案 2の課題に対する解決法を記載するソリューション 顧客を広げる流通源であるチャネル 収支の流れ サービスにかかるコストを記述するコスト構造 サービスの指標を計測する指標 差別化を図る圧倒的優位性となります ※赤字は主要項目 プランの基盤となる

日本人ははっきりと物を言わないという傾向がある 1.背景 リーンスタートアップは顧客からの声を駆使して フィードバックを繰り返すという作業を行う (アニメーション) そしてリーンスタートアップは仮説検証の際顧客レビューをとるのですが、日本人ははっきりと物を言わない傾向があるのでフィードバックが長期化してしまう恐れが生じてしまいます。 リーンキャンバスは仮説検証を何度も行うという特徴があるため1つのサイクルに時間がかかってしまうと販売までにかなりの時間を消費してしまいます。 しかし どうですかー? うーん 日本人ははっきりと物を言わないという傾向がある

1.背景 早期評価の重要性 顧客実証 販売 顧客発見 軌道修正 市場の参入と売上率の調査例(International Business Strategies 2003) 早期評価の重要性 市場の参入 売上率 1番手 100% 3ヶ月遅れ 73% 6ヶ月遅れ 53% 9ヶ月遅れ 32% 12ヶ月遅れ 9% どのような開発方法でも早期の開発はとても重要です。右の表は新規ビジネスにおいて市場の参入が1番手の売り上げを100%とおき、市場の参入が遅れるごとに売上率がどこまで落ちていくのかをあらわしたものです。 早期の開発によるメリットは売り上げだけではなく短期間で開発が終わるため人件費のコストがかからない、人員を次のプロジェクトに向けることができる、競合他社よりも開発が完成した際、先行者としてビジネス価値を実現でき、利益を生むことができるというようなメリットも存在します。 (アニメーション) リーンスタートアップ手法を使用する際、早期の開発を実現するには、顧客発見・顧客実証・軌道修正のサイクルをいかに早く回せいていくかが重要となります。 顧客実証 販売 顧客発見 軌道修正 このサイクルをいかに早く回すかが重要!

1.背景 採用 静岡大学の「プロジェクトマネジメント」 背景 目的 達成方針 インターフェース改善 JoyPortの利用方法がわからない!! 外注 静岡大学情報学部では、プロジェクトマネジメントという講義が設けられており、各グループでビジネス案を立案し、プロジェクトマネジメントの流れを疑似体験することで、プロジェクト開発の経験を身に着けることを目的にしています。そしてこの講義でのプロジェクト開発にリーンスタートアップ手法が導入されています。 この講義の演習手順は、プロジェクト立案においてまず背景と目的と達成方針の検討を行い、(アニメーション)目的毎にリーンキャンバスを作成し、リーンキャンバスの中からどのプロジェクト案を採用するかを決めるために各プロジェクト案の長所や短所などの比較を行い、1つの案にしぼります。そして絞ったプロジェクト案を学生同士の討論やアドバイスを経て修正を行い質を上げていくというものです。 学生 マニュアル作成 紙媒体 案 長所 短所 インターフェース改善 画面が見やすくなる 予算がかかる サーバーの負荷 マニュアル作成 手順が分かりやすい コストがかからない 人数が集まるかどうか不明 採用

1.背景 推奨している方法 9チーム それ以外 16チーム ロジックツリーの作成 比較表を使い いくつかの案から複数に絞る 比較表を使い いくつかの案から1個に絞る 全てのビジネス案 リーンキャンバス の作成 この講義では目的ごとにリーンキャンバスの作成をしそれから一つに絞る方法を推奨しています。しかし学生による成果物を調べてみたところ、講義で推奨している方法をとったチームは9チームと少なく、候補比較表などを使って先にビジネス案を絞ってからリーンキャンバスを作成の行っていたチームは16チームという結果になった。 推奨していない方法は、ビジネス案を絞ってからリーンキャンバスを作成することでタイムロスを減らすことが可能になるためこの方法をとったチームが多いと考えられるが、最初からビジネス案を絞ってしまうと何か問題点が起こり、ビジネス案を変更せざるをえない状況になった際に、また最初からやりなおさないといけなくなり、逆に大きなタイムロスを生んでしまうという恐れが生じます。 さらに絞られなかった案のほうがよいビジネス案であった場合、対処することができないという恐れが生じてしまいます。 リーンキャンバス の作成 リーンキャンバス の作成 比較表を使い 複数案から1個に絞る 全て採用 1個に絞る 推奨している方法 9チーム それ以外 16チーム

1.背景 考案したプロジェクト案は実行されない 事前レビュー ロジックツリー 実行 リーンキャンバス 候補比較表作成 発表・討論 次に静岡大学のプロジェクトマネジメントの授業は、企業が行うプロジェクトマネジメントと違い、リーンキャンバスの作成後に発表を行い、成果物を修正したのち提出して終わるため、プロジェクト立案を実際には実行しないため、実際はリーンスタートアップのサイクルの工程しか講義では行っていないことになります。 そのため、自分たちが作成したプロジェクト案は果たして通用するのかどうかが分からずに終わってしまうという傾向が見受けられました。 発表・討論 考案したプロジェクト案は実行されない

2.目的 顧客実証 顧客発見 軌道修正 ここが私たちのビジネス案の弱点か! サイクルの時間短縮の促進に繋がる! 評価項目 点数 目的の要素数はいくつあるか 70 目的の重要性 50 顧客規模は明確な記述か 90 ・・・・・・ ・・・ このような問題点から本研究では評価指標の作成を行いました。評価項目を数値化することにより、自分たちのビジネス案のどの部分を修正する必要があるかが分かるため、リーンスタートアップ手法を使用する際、修正までのサイクルを促進するだけではなく、プロジェクトマネジメントの学生にも数値でプロジェクト案が採点されるため、自分たちの作成したプロジェクト案にどのくらいの効果があるのかを実感することができる。 顧客実証 ここが私たちのビジネス案の弱点か! 顧客発見 軌道修正 サイクルの時間短縮の促進に繋がる! プロジェクトマネジメント受講生

3.研究概要 効果の大きさ 実現性とコスト 運用のしやすさ 受け入れやすさ システム変更のしやすさ etc… 本研究での 評価対象 分類 評価項目 背景と目的 ・目的の要素数はいくつあるか ・背景の目的はデータで示すことができるか否か ・目的の重要性 顧客 ・顧客セグメントを明確に捉えているか ・顧客規模が具体的に書かれているか ・顧客における利用頻度 独自性 ・作成しているビジネス案が同時性をもっているか 解決策の具体化 ・目的の詳細化 ・目的達成の適応範囲 ・利用者がいくらで利用できるか明記されているか ・解決策の測定方法 メリット デメリット ・メリットの適応範囲 ・メリットの大きさ ・デメリット・リスクの大きさ 効果の大きさ 実現性とコスト 運用のしやすさ 対象となる顧客数 利用場面の幅の広さ メリット大きさ・確実さ インパクト  etc… 実現可能の難易度 リスクの大きさ コスト  etc… 受け入れやすさ システム変更のしやすさ etc… 本研究ではビジネス計画の有効性の早期評価を目的としているため、今回は効果の大きさで評価指標の作成を行った。 今回、静岡大学のプロジェクトマネジメントを受講している生徒の成果物に対し評価指標を使用することを考えたため、効果の大きさでの重要な部分をプロジェクトマネジメントの講義を担当する教員へのヒアリングと講義の資料を参考にして効果の大きさを5つに分類した。(アニメーション)さらにプロジェクト立案演習の資料等を使い学生が提出する成果物から評価指標が作れることを考慮し14の評価事項を作成した。 本研究での 評価対象

3.研究概要 目的 達成方針 採用 背景 不採用 地域交流の活性化を図る 催し 自主制作 レッドカーペット 運営 採用 私たち 映画祭: 大学構内に自由空間: 特徴に乏しい レッドカーペット 運営 採用 私たち 採用 評価事項採点方法の例として分類の背景と目的においての評価事項について説明します。 目的の要素数はいくつあるかという評価事項は代替案がいくつあるかを示し目的の数によって評価しました。 背景の目的はデータで示すことができるか否か(背景・分析の具体性)は 確実に背景を捉えるためのデータが表示されているかどうかを評価しました   目的の重要性は 開発しているビジネス案は顧客にとってメインとなる課題に焦点をあてているか。周辺的な課題に焦点を当てているか。を分類し評価しました。 映画祭: 広い層の参加者 集客 ボランティア 課題 ソリューション 独自の価値提案 顧客との関係 顧客 主要指標 チャネル コスト構造 収益の流れ 内部リスク 外部リスク 目的の要素数はいくつあるか 背景の目的をデータで示せるか 目的の重要性

3.研究概要 そして全ての項目を評価指標を行った後、以下のような評価簿を各チーム作成した。 そして分類ごとの評価が分かりやすいように各評価における分類による指標と レーダーチャートによる分析で分かりやすいように工夫しました。

4.実験結果と考察 大学関係 その他 背景と目的 77 75 顧客 60 61 独自性 86 74 解決策 63 メリット・デメリット 51 50 ここで全チームによるプロジェクト案を大学関係のものとそれ以外のもので分類しをした。その結果学生の立案したプロジェクト案の約70%が大学関係の課題を焦点にしたものだった。 そこで大学関係のプロジェクト案とその他のプロジェクト案を比較してみると、背景と目的・顧客・解決策・メリットとデメリットの4つの項目においては評価平均に差が見られないが、独自性には大きな差が見られた。これは、大学関係のプロジェクト案は、実現性より理想の大学をイメージした将来性のプロジェクト案が多いと感じた。そのためビジネス案の独自性が強く、評価平均に差が出たのではと思われる。 独自性の評価に数値の差が表れる!

その結果90%以上の肯定的な回答を得ることができた。ためリーンキャンバスの評価指標の必要性を説くことができたといえる 4.実験結果と考察 ・アンケートの一部の内容と結果 なお各グループへ評価指標の配布と共に評価指標の必要性についてアンケートで5つの質問項目にに回答してもらいました。 その結果90%以上の肯定的な回答を得ることができた。ためリーンキャンバスの評価指標の必要性を説くことができたといえる 90%以上の 肯定的な回答を得ることができた。

4.実験結果と考察 この評価指標をもとに修正を行う場合 現在の成果物より良い成果物は作れそうか 2割の学生が否定的な意見 評価指標によってよりよい成果物を作れるかという質問に対して、全ての成果物を提出したチームの学生の回答では全員が肯定的な回答をしたのに対し、一部の成果物を提出していないチームの学生は約2割が否定的な回答という結果になった。  この回答結果の違いは、全ての成果物を提出したチームには全ての項目において評価指標の結果が表示されたのに対し、一部の成果物を提出していないチームは提出していない成果物から評価する指標の計算ができなかったため評価不能と表示したことが原因であると考えられる。そのため、一部の成果物を提出していなくても評価指標が作成できるような工夫を行う又は全チームが提出できるような取り組みを実施する必要性 又は 成果物をすべて出すような取り組みが必要 2割の学生が否定的な意見

5.今後の課題 効果の大きさ 実現性とコスト 運用のしやすさ 受け入れやすさ システム変更のしやすさ etc… 評価指標の作成 対象となる顧客数 利用場面の幅の広さ メリット大きさ・確実さ インパクト  etc… 実現可能の難易度 リスクの大きさ コスト  etc… 受け入れやすさ システム変更のしやすさ etc… 今回は有効性を調べるため効果の大きさの評価指標に取り組みましたが、実現性とコスト、運用のしやすさの評価指標も今後作成する予定です。そして今回効果の大きさについての測定方法は学生による成果物から評価を行いました。そして実現性とコスト・運用のしやすさの2点もプロジェクトマネジメントの学生成果物だけでは評価を行う予定なので、この2点の評価指標に合わせるような成果物の改良も必要である。 評価指標の作成

5.今後の課題 ・リーンキャンバス評価の自動化の実現 採点方式が全て自動化で行えた際リーンキャンバスなどの成果物を、コンピューターに採点方式を読み込ませることでパソコンを使って記述することによって機械化・自動化による採点の実現の可能なのではと考えた。 コンピューターによる自動化採点が実現すれば、即時的な採点が可能であり、リーンスタートアップのサイクルを早く回すことができると思います。

ご静聴ありがとうございました