偏光 宮崎大輔 池内研D1.

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偏光 宮崎大輔 池内研D1

発表の流れ 偏光(26枚) PLZT偏光板(18枚) 偏光を利用した形状計測(34枚) 表紙とこのページを入れて全部で80枚

偏光

偏光とは? 光は電磁波である⇒振動する 振動にかたよりのある光=偏光

偏光の図示

非偏光と部分偏光 非偏光=かたよっていない光 部分偏光=完全偏光と完全非偏光の中間 偏光度=偏光している度合い

ポアンカレの球 赤道上に直線偏光、両極に円偏光、それ以外の球面が楕円偏光、球の内部は部分偏光

ストークスベクトル 4次元ベクトルで偏光の状態を表す 光の強さ 水平直線偏光の強さ 45°直線偏光の強さ 右円偏光の強さ

ストークスベクトルの例

ミュラー計算 4x4行列で光学素子の性質をあらわす ストークスベクトルsにミュラー行列Mをかける s’=Ms これは、sという光がMという光学素子を通過するとs’という光になることを表している 例: 水平偏光 水平偏光板 非偏光

ミュラー行列の例 ※光学素子を何枚も重ねた場合は、それぞれのミュラー行列をかけたものが全体のミュラー行列になる

偏光板の構造 ワイヤグリッド型 ヨウ素型

波長板 ½波長板 ¼波長板

液晶

物体表面での反射1 物体を反射した光は部分偏光する 入射光 反射光 透過光 空気 物体 入射角 反射角 θ 表面法線

物体表面での反射2 表面法線 入射面 入射光 反射光 透過光 媒質1 媒質2 界面 Ipi Isi Ipr Isr Ipt Ist θ1 θ2

物体表面での反射3 物体を反射・透過した光は部分偏光する 入射光 反射光 透過光 空気 物体 入射角 反射角 θ1 透過角 θ2 p成分 s成分 こっちよりこっちの方が大きい i.e.偏光している p成分:入射面に平行な方向 s成分:入射面に垂直な方向 (境界面に平行な方向) (いずれも光の進む方向に垂直)

強度反射率・透過率 p成分、s成分それぞれの強度反射率をRp、Rs,強度透過率をTp,Tsとする 1 反射率・透過率 90° 反射光(透過光)の強度 = 入射光の強度 p成分、s成分それぞれの強度反射率をRp、Rs,強度透過率をTp,Tsとする 1 反射率・透過率 90° Rp=0となる角度をブリュースタ角という θB 入射角θ1

偏光の応用:明るさの調節 列車の窓やサングラス 偏光板 明 偏光板 暗

偏光の応用:光ロック・システム 見える部屋と見えない部屋 偏光板 見える 見えない

偏光の応用:ヘッドライト 相手のライトの眩しい光をさえぎる 路面では偏光が解消されるので見られる

偏光の応用:鏡面反射除去 釣りやスキーなどの偏光眼鏡 反射光 透過光 空気 物体 反射光 透過光 見やすくなる

偏光の応用:鏡面反射防止 写真スタジオ、検査室、外科手術、画廊 反射光 空気 物体

偏光の応用:雲のコントラスト 空を青くし、雲を(相対的に)明るくする 空(水滴など) 太陽 鏡面反射 雲 部分偏光 空の光 非偏光 雲の光 偏光板 空の光 雲の光 見やすくなる

偏光の応用:垂直反射光を弱める オプティカル・アイソレーター レーザー光の厄介な現象を避けるため

偏光の応用:立体映像 左目用の映像を左目で見て、右目用の映像を右目で見る

偏光の応用:分光エネルギー分布 偏光板の組み合わせで好きな色を作れる k1×k’1 白 k1 k2 ほぼ1 k2×k’2 ほぼ0 赤 k1 無色偏光板 k1 k2 透過率 1 R G B 有色偏光板 k’1 k’2 透過率 1 R G B

偏光の応用:天空羅針盤 南極や北極、昼間、太陽が隠れている状況 太陽の方向が分かる+時刻→北を推定 ハチ、アリ、かぶとがに、ミジンコ、など 空(水滴など) 部分偏光 鏡面反射 雲が太陽を隠した データ欠落部分 偏光の優勢方向をニードルで表した図 ここに太陽が存在する事が分かる

PLZT偏光板

PLZTとは? lanthanum-modified lead zirconate titanate 電圧に応じて複屈折性を示す 透明なセラミックス 原料は4種の金属化合物 Pb鉛lead Laランタンlanthanum Zrジルコニウムzirconium Tiチタンtitanium

PLZTの製法

PLZTの応用:光スイッチ

PLZTの応用:光プリンタ

PLZTの応用:光の防止

PLZTの応用:立体映像

PLZTの応用:メモリ

PLZTの性能 PLZT素子の最大の特徴は液晶よりも応答速度が速い事である ※液晶にはこの他、DS型、ECB型、GH型、PC型などがある

液晶偏光カメラの研究 偏光板を手動で回して計測するのは面倒 機械駆動式でも歪みが生じるうえ、リアルタイム化も難しい 液晶を使って、電圧で制御できる装置の開発が進められている C.K.Harnett,H.G.Craighead,Liquid-crystal micropolarizer array for polarization-difference imaging,Applied Optics,41(7),2002.3 H.Fujikake,K.Takizawa,T.Aida,H.Kikuchi,T.Fujii,M.Kawakita,Electrically-Controllable Liquid Crystal Polarizing Filter for Eliminating Reflected Light, Optical Review,5(2),1998

Wolffの液晶偏光カメラ TN型液晶の旋光性を利用して電圧によって光を回転させ、直線偏光板で観測を行う L.B.Wolff,T.A.Mancini,P.Pouliquen,A.G.Andreou,Liquid Crystal Polarization Camera,IEEE Trans. Robotics and Automation,13(2),1997.4 TN型液晶の旋光性を利用して電圧によって光を回転させ、直線偏光板で観測を行う

PLZT偏光カメラ PLZT偏光カメラを開発した人はまだいない Marom(1997)という人がFLC(ferroelectric liquid crystal強誘電体)型の液晶を使って光ネットワークを構築したが、今後、FLCの代わりにPLZTを使う予定らしい。 D. M. Marom, P. Shames, F. Xu, R. R. Rao, and Y. Fainman. Compact free-space multistage interconnection network demonstration. In Optics in Computing, volume 8 of OSA Technical Digest Series, pages 192-194, Washington, DC, March 1997. The polarization rotation is done by a FLC array from DisplayTech. The reconfiguration of the network is currently limited by the speed of the FLC device. However, we are developing a PLZT based polarization rotator array which has much faster response times [9].

我々のPLZT偏光カメラの概観

構成

計測手順 ND(Neutral Density)フィルタで1枚撮影 直線偏光フィルムで3枚撮影 PLZTに電圧をかけない状態で撮影 PLZTに電圧を82.5Vかけて撮影 PLZTに電圧を112Vかけて撮影 PLZTに電圧を82.5VかけるとPLZTが1/4波長板と同じ動作をする PLZTに電圧を112VかけるとPLZTが1/2波長板と同じ動作をする NDフィルタの透過率は偏光フィルムの平均の透過率と同じに設定

計算方法 得られた4つの連立方程式を解けば良い

研究に必要な値の計算 形状を計測したい場合 偏光方向 偏光度 偏光を当てて反射成分を分離したい場合 鏡面反射成分 拡散反射成分 NDフィルタ

機能 カメラの撮影画像、ヒストグラム→明るさ調節 撮影データの閲覧、計算結果の保存 ポアンカレ球での表示機能付き ストークスパラメータ全てを求める

偏光を利用した形状計測

透明物体の計測 簡便で安価でどんな透明物体でも計測できる手法は確立されていない ( 奈良国立博物館・正倉院蔵 ) ( 東京国立博物館蔵 )

研究の概要 透明物体の表面形状を計測 より簡便で安価な計測システム 偏光解析を用いる アクリル製の透明物体 コンピュータデータ 研究の目的は、透明物体の表面形状を計測してコンピュータの3次元データに取り込むことです。 今まで透明物体を計測する方法が実現されていないので、この研究はかなり注目度の高い研究です。 しかも、実験は簡単であり、一般的な光源とCCDカメラと偏光板で計測が可能です。

関連研究(光計測) 測定法 対象面 測定対象 点 測定 光触針法 粗面,鏡面 小型部品,表面粗さ 三角測量法 粗面 人体,工業製品 面 測定 光切断法 自動車モデル,工業部品 干渉法 鏡面,(粗面) 光学部品,精密加工品 モアレトポグラフィ ホログラフィ干渉法 小型部品 ステレオ法 地図,大型建造物 傾斜 測定 オートコリメーション 鏡面 ウエハ,光学部品 シェアリング干渉法 光学部品

関連研究(Computer Vision) 能動的方法 光レーダ法 時間差 位相差 光投影法 スポット光 スリット光 面パターン光(傾斜光/符号化パターン/カラー) モアレ法 照度差ステレオ法 受動的方法 単眼視 焦点調節 shape-from-(shading/texture/contour) 両眼視 両眼ステレオ 多眼視 多眼ステレオ 運動ステレオ

関連研究(Shape-from-specularities) 照度差ステレオ法 池内 1981, Nayarら 1990, 佐藤ら 1997, Coleman&Jain 1982, Tagare&deFigueiredo 1990, Park&Tou 1990 多眼ステレオ法,Shape-from-motion Zhengら 1997, Oren&Nayar 1997, Bhat&Nayar 1998 Shape-from-motion, 光投影法, 光レーザ法 中野ら 1988, 秦 1992, 村田ら 1997, 三宅ら 1998, 馬場ら 2000, Hebblewhite&Moore 2000 不明 Linら 2002

関連研究(Shape-from-specularities) Babuら 1985, Thriftら 1983, Vanderbiltら 1985, Sandersonら 1988, Nayarら1990, Orenら 1997, Bhatら 1998, Leeら 1992, Bajcsyら 1996, Zissermanら 1989, Brelstaff 1989, Brelstaffら 1988, Blakeら 1988, Healeyら 1988, Donatiら 1997, Sarkar 1998, Eom 1998, Luら 2000, Savareseら 2001, Petrouら 2001, Powellら 2000, Linら 2000, Lin 1999, Linら 1999, Linら 1999, Clarkら 1990, Awanzinoら 1998, Ray 1989, Buchanan 1987, Parkら 1990 Schultz 1994, Zhengら 1997, Zhengら 2000, Zhengら 1998, Zhengら 1996, Yiら 1998, Koshikawa 1979 From: Keith Price Bibliography

関連研究(偏光解析:越川) 越川1979,越川&白井1987 偏光板 波長板 カメラ 物体 右円偏光光源 右円偏光光源 右円偏光光源 偏光させた光を金属物体表面に当て,反射した光の偏光度を計測 偏光度によって面の傾きを得る 様々な位置から光源を当てる あらかじめ用意したいくつかのモデルの中から,最適なモデルを選ぶ 越川1979,越川&白井1987 偏光板 波長板 カメラ 物体 右円偏光光源 右円偏光光源 右円偏光光源 右円偏光光源 右円偏光光源

関連研究(偏光解析:Wolff) Wolff1990,Wolff&Boult1991 カメラ 偏光板 表面法線 光源 カメラ 偏光板 光源 偏光解析の基礎知識をまとめた 金属,非金属,の偏光 滑らかな面,粗い面,の偏光 偏光度を用いて金属・非金属を区別する手法を示した 両眼ステレオ法と偏光解析を組み合わせる事によって,物体の形状を計測する事ができうる事を示した Wolff1990,Wolff&Boult1991 カメラ 偏光板 物体表面 表面法線 光源 カメラ 偏光板 光源

関連研究(偏光解析:斉藤) 斉藤ら 1999 カメラ 光源 偏光板 物体 半透明球 偏光解析を用い,透明物体の形状を計測する手法を示した ただし,あいまい性の問題を解決していない 斉藤ら 1999 物体 カメラ 偏光板 光源 半透明球

関連研究(偏光解析:熱放射) Wolffら 1998, Jordanら 1996, Nicodemus 1970, Sandus 1965 物体を熱すると光が発生するが,この熱放射光の偏光に関する基礎知識をまとめた 特にWolffらは,金属・非金属,滑らかな面・粗い面,の偏光度も定式化した 物体 ドライヤー 赤外用偏光板 赤外カメラ

関連研究(偏光解析:Rahmann) Rahmann&Canterakis2001 物体 偏光板 カメラ ロータリーテーブル 偏光解析に基づき,鏡面物体の形状を計測する手法を示した 物体 偏光板 カメラ ロータリーテーブル

関連研究(偏光解析:その他) 拡散反射成分と鏡面反射成分の分離 空の観察に基づく方位の決定 偏光サングラス(釣り,スキー) 液晶ディスプレイ VR:3Dメガネ(偏光メガネ,シャッタ)

関連研究(透明物体) Layer Extraction Environmental matting 屈折率の計測 波の計測 Schechnerら 2000, Szeliskiら 2000 Environmental matting Zongkerら 1999, Chuangら 2000 屈折率の計測 風間 1999 波の計測 (Gotwols&Irani 1982), (Jaehne 1987), 村瀬 1990, (Thon&Ghazanfarpour 2002)

関連研究(光投影法:秦) 秦ら 1996 光投影法により透明物体の表面形状を計測した カメラ スリット光プロジェクタ 白色ボード 透明物体

実験装置の幾何配置1 表面法線n 入射角θ 反射角θ 光源 カメラ 偏光板 物体 入射面 入射面角度φ

実験装置の幾何配置2 カメラ 表面法線n 偏光板 表面法線n 光源 θP θQ θP θQ 光源 点P φP 点Q 物体 φQ

天頂角θと方位角φ 入射角θ⇔天頂角θ 入射面角度φ ⇔方位角φ x y z φ θ θ φ

サインカーブと入射面角度φ 偏光板は180°回転すると偏光の方向が一致する ⇒180°周期の正弦曲線 入射面 入射面 255 Imax 255 Imax Imin 360° 180° 画素の輝度 φ1 φ2

φの曖昧性 255 画素の輝度 Imin 曖昧性の問題が発生! φ1 φ2 360° 偏光板の回転角

反射光の偏光度 Imax=輝度の最大値,Imin=輝度の最小値,Ispecular=Imax+Imin反射光の強さ,とおくと また、偏光度の定義は 先ほどのRs、Rpを用いると 1 偏光度ρ 90° θB 入射角θ ブリュースタ角

θの曖昧性 偏光度ρ 1 ρ 入射角θ 曖昧性の問題が発生! θ1 ブリュースタ角θB θ2 90°

勾配空間で曖昧性を表現 p q φの曖昧性 θの曖昧性 p q

曖昧性の問題を解決した人達 透明物体の反射光から法線を求める事ができるが、曖昧性の問題が発生する Wolff 1990, Wolff&Boult 1991 Rahmann&Canterakis 2001 斉藤ら 1998, 斉藤ら 1999 斉藤ら 2000, 宮崎ら 2002 宮崎ら 2000, 宮崎&池内 2002

Wolffらの手法 両眼ステレオ法と偏光解析を組み合わせて,物体表面の法線を得ようとした しかし,対応点の問題があり,板(平面状の物体)しか計測できなかった p q 2つの方向から得たφから法線を決定する

Rahmannらの手法 3眼ステレオと偏光解析を組み合わせれば,対応点の問題を解決できると主張 最適化手法を提案.シミュレーションで2眼ステレオから形状を復元した.実物体では5眼ステレオで形状を復元した. p q 3つの方向から得たφから法線を決定する

我々の研究グループ:可視光のみ φとθの両方のデータを用いる 法線を4つの候補にまで絞った あらかじめ,おおよその形状が分かっていれば,物体の形状を求める事ができる おおよその形状が分からない複雑な物体に対しては適用できない p q φとθから法線を決定する

我々の研究グループ:熱放射光 可視域での反射光と,赤外域での熱放射光の偏光度から求めたφとθの両方のデータを用いる ステレオ法では無いので,対応点の問題は発生しない p q 反射光と熱放射光から法線を決定する

我々の研究グループ:ステレオ 両眼ステレオ法と偏光解析を組み合わせて,φとθの両方のデータを用いれば,対応点の問題は解決する p q 2つの方向から得たφとθから法線を決定する

我々の手法:θとφの決定 φに関しては, によって,Occluding Boundaryから内部へ伝播させる事によってφを決定していく θに関しては, 熱放射光を用いた手法 幾何学的性質を用いた手法 によって,曖昧性を除去する

問題点の解決の推移 越川 Wolff 池内研:反射光のみ 池内研:赤外光 池内研:微小回転 Rahmann 拡散光源球 偏光度 最適化手法 対応点探索 両眼ステレオ 熱放射光 光源をたくさん配置 入射面角度のみを利用 対応点探索ができない 曖昧性の問題がなお残る

4手法の比較 Rahmann 赤外光 微小回転 秦 観測光 反射光 熱放射光 スリット光 光源 室内光源 球状拡散光源 ドライヤー プロジェクタ 使用データ φ φ,ρ 撮影画像 屈折率 不要 必要 ステレオ 2眼以上 1眼+1眼 2眼 1眼+ 1プロジェクタ 校正 対応点探索 陰に行う 2Dアフィン変換 陽に行う 形状復元 独自の最適化法 既存の弛緩法 GA 実験結果 不透明鏡面球 透明貝殻 透明ベル 透明ペースト

今後の課題 屈折率も計測できるようにする 最適化手法 裏面形状の計測 任意光源環境

反復計算による裏面形状計測 開発中

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Daisuke Miyazaki 2002 Creative Commons Attribution 4 Daisuke Miyazaki 2002 Creative Commons Attribution 4.0 International License. http://www.cvl.iis.u-tokyo.ac.jp/