プロジェクト演習 (インタラクティブ・ゲーム制作) 2012年11月14日 東京工科大学 メディア学部 三上浩司
ゲームの勉強は楽しいですか?
これから これまで学んできたプログラミングスキルを生かしてオリジナルのゲームを企画,開発します 最も大事なのは「いかにして人を引き付けるか?」 そして「いかにして人を楽しませるか?」を「具現化すること」
そのまえに・・・
なんでみんなでプログラミングするの? 国際的にもゲーム産業がそれを求めている どんな役割になっても他の役割を理解することは大事 Siggraph,GDC,CEDECなどなどの各種講演 大手パブリッシャーも同様 どんな役割になっても他の役割を理解することは大事 それこそが「コミュニケーション能力」 ゲームは必ず「プログラム」に集約される http://www.inside-games.jp/article/2010/09/02/44101.html
大体のスケジュール 11月14日 11月21日 12月5日 1月9日 4月 企画の説明とディスカッション ペラ企画コンテスト 企画発表・中間発表 1月9日 (今期の)最終発表 4月 最終発表
ところで・・・つくれるの?
前期を思い出してください トランプを使った新しい遊びの提案 レトロな遊びをアレンジした新しい遊びの提案 ボードゲームの分析と制作 自分たちで制作するものを事前に設計すること 設計そのものの難しさ 予測することの難しさ 遊びのルールを作ること アイデアや楽しさを人に伝える難しさ バランスの難しさ 企画どおりに作ること 完成形を考える難しさ 面白いと思うことを真剣に作ることの難しさ
企画づくり
そのまえに... ゲームって なに?
ゲームとは何か? 明確な答えを端的に示すことは難しい 「ゲーム = 遊び」と考える 遊びとは何か 人間は、ホモ・サピエンス、「知識をもつ類」という言い方とともに、ホモ・ルーデンス、「遊びをする類」という言い方も成り立ち、知識と遊びの両者を身につけていくことは、人間の本質である。 第2回「子どもの心の診療医研修会」(08/09/21)での須藤俊昭教授(大東文化大学文学部教育学科)の講演
ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』における遊びの定義 「遊びとは、あるはっきり定められた時間、空間の範囲内で行われる自発的な行為もしくは活動 自発的に受け入れた規則に従っている その規則はいったん受け入れられた以上は絶対的拘束力をもっている 遊びの目的は行為そのもののなかにある それは緊張と歓びの感情を伴い、またこれは『日常生活』とは『別のもの』をという意識に裏づけられている
ロジェ・カイヨワ『遊びと人間』 ①自由な活動 ②隔離された活動 ③未確定の活動 ④非生産的活動 ⑤規則のある活動 ⑥虚構の活動 遊戯者が強制されないこと。もし強制されれば、遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまう ②隔離された活動 あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていること ③未確定の活動 ゲーム展開が決定されていたり、先に結果がわかっていたりしてはならない。創意の必要があるのだから、ある種の自由が必ず遊戯者側に残されていなくてはならない ④非生産的活動 財産も富も、いかなる種類の新要素も作り出さないこと。遊戯者間での所有権の移動をのぞいて、勝負開始時と同じ状態に帰着する ⑤規則のある活動 約束事に従う活動。この約束事は通常法規を停止し、一時的に新しい法を確立する。そしてこの法だけが通用する ⑥虚構の活動 日常生活と対比した場合、二次的な現実、または明白に非現実であるという特殊な意識を伴っていること
遊びの種類・分類 遊びは、遊戯者数、遊び空間、性・年齢などにより、分類できる ①遊戯者数による分類 ②遊び空間による分類 一人遊び、平行遊び、役割遊び、集団遊び ②遊び空間による分類 外遊び、室内遊び、辻遊び ③性や年齢による分類 女の子が好きな遊び:おはじき、お手玉/男の子が好きな遊び:こま回し ④カイヨワによる分類 ロジェ・カイヨワは、遊びの構造や、質から大きく分けて、4種類の遊びに分類 1)アゴン(競争) 2)アレア(運) 3)ミミクリ(模擬) 4)イリンクス(めまい))
遊戯性から競技性 単なる「遊戯」として、騒ぎ、はしゃぎから、規則・様式・複雑さ・洗練などが整い「競技」性の度合いが強まるまでの幅で、分類 1)アゴン(競争) 取っ組み合い→かけっこ・おにごっこ→剣玉・こま回し・お手玉・腕相撲→サッカー、野球、バスケなど→将棋、チェス、囲碁など 2)アレア(運) じゃんけん→すごろく→パチンコ・宝くじなど 3)ミミクリ(模擬) まねっこ→ままごと・学校ごっこ、人形遊び→仮面・仮装→演劇 4)イリンクス(めまい) ぐるぐるまい→ブランコ、シーソー→メリーゴーランド→ダンス→スキー、スケート、バイクなど 実際の遊びでは、少なからず要素の複合がありうる。トランプ、麻雀などでは特に。 【5】子どもの育ちと遊びにどう係るか ①子どもの遊びへの理解と共感 ②遊びの環境作りと支援 ************ をもとにして。 遊戯性 競技制
企画とは プロジェクトをはじめるための企てであり出発点 企画職(プランナー) 本当の意味では才能職・能力職(プロデューサは経験職) 経験を積むことで能力向上はありえる ゲーム業界では能力職(プログラマ,アーティストなど)以外は「プランナー」と位置付けて事実上の雑用とすることもある 業界では良い企画を立てるためにはいろいろ言われています ①制作を良く理解し,経験していること ②細かい事情抜きに斬新なアイデアを作れる そのため経験や実践もなく「企画をやりたい」と言うと「こいつわかってねーな」と思われることもしばしばあります
企画(プランニング)と制作(プロデュース) 企画は数多く打って,一つを当てる 毎日考えても良いです(特に企画の元になるアイデアは常に考えること) 何度も作り直しても良いです 制作は取り組んだものは全て万難を排して完成させる(または責任を持ってやめる) 企画を実現する 問題を回避(解決)する
企画書とは 作品(サービス)のアイデアを具現化し,商品(ビジネス)にするために,必要な要素を取りまとめたドキュメント 業界によって求められるものが若干異なる ゲームの場合は関連ドキュメントとして「コンセプトシート」も イメージとしては「アイデア<コンセプトシート<企画書」 アイデア具現化してまとめるとコンセプトシート さらにビジネス要素が加わると企画書 コンセプトシートの参考: 「ペラ企画コンテスト」@CEDEC2012 http://cedec.cesa.or.jp/2012/event/challenge/gd_result.html
課題 ペラ企画(A4 PDF形式) イントロダクション正規履修で将来プロデューシング,ゲームデザインに進む学生は3案以上 締切11月20日(火)18:30 MPPF