因果関係3原則 2009年月曜日・3時限 社会理論と調査法
岡さんのアイデンティティ調査(2005) 本学の学生 サンプル数145名(×無作為抽出法~卒論では仕方がない。) 学年 1年生 11名 2年生 104名 3年生19名 4年生9名(学年無回答 2名) 男性 109 女性 34名 (性別無回答 2名)
彼氏・彼女の事情とアイデンティティ?! いま付き合っている彼・彼女がいる人45名 いない人 98名 (無回答2名) この2グループ間のアイデンティティ得点の差 彼氏彼女 有無 アイデンティティ 平均値 度数 標準偏差 いる 40.3 44 7.59 いない 37.5 98 6.50 F値 4.9 5%水準で有意(0.028%)
カレ・カノいる人の アイデンティティ得点分布 いない人の アイデンティティ得点分布 40 22 53 20 53
カレ・カノジョがいるとアイデンティティ高くなる?(仮説) いままでとは違う自分 が生じる 友達以上に相手のことを考える 新しい人間関係 結 果 原 因 アイデンティティ確立 付き合う 先のデータから、因果関係 であるといえるのか?
3つの条件を確認する! 時間的先行性 共変関係 他の条件の同一性
アイデンティティが確立することが原因で、カレ・カノができるプロセスを考えて見よう!(なぜ!) 第一条件:原因の時間的先行性 原因がまずあって、それが結果を引き起こしているのであって、その逆ではない。 カレ・カノ アイデンティティ 逆はあるか? あり得る。 プロセスも考えられそうだ。 アイデンティティが確立することが原因で、カレ・カノができるプロセスを考えて見よう!(なぜ!) グループワーク!
時間的先行性 観察結果:カレカノいる人々:アイデンティティ得点高い。 はたしてアイデンティティが高まるのが先か? それともカレ・カノができるのが先か どのように調査・実験・観察したらいいのか? グループワークで考えてみてください。
第二条件:共変関係 相関関係が確認 原因と見なされている現象も、結果と見なされている現象も、ともに変化している。 これは調査で確認しやすい。 基本観察(平均値の差の検定・グラフ)より、明らか。
× 第三条件:他の条件の同一性 アイデン ティティ 原因以外に重要と思われるほかの要因が影響していない。 カレ・カノ 学年 学年があがれば、カレ・カノいる人が増え、また就職の時期が近づくためにID確立 学年
決着 調査・実験・観察計画 条件の同一 学年が同じ人だけで、カレ・カノがいる方が、いない方に比べて、アイデンティティ得点が高いか、調べる。 条件の同一 学年が同じ人だけで、カレ・カノがいる方が、いない方に比べて、アイデンティティ得点が高いか、調べる。 もし、カレ・カノ有無がアイデンティティ確立の原因ならば、同じ学年の人だけでも、「いる」人の方が、「確立」 もし学年がカレカノの有無、アイデンティティの両方に影響を与えているために、カレカノの有無がアイデンティティ得点と相関しているのであれば、同じ学年だけで分析すれば、「いる」人も「いない」人も「確立」度は同じ 決着
仮説があって、疑似相関を疑って そして、どのサンプルを調査すればいいのかが始めて分る。 考えては、疑って、調査して、また疑って… みんなで繰り返し疑って、それでも“現実”と矛盾しない それが“真理”(道具的科学観)
12月6日補講について1 9月29日(月)の補講 この日は本学の代表として新潟市西区自治協議会に出席していた。 西区の農業活性化・交通問題を話し合う会議。 この会議で 本学吉田先生を紹介:農業のワークショップ 本学佐々木桐子先生を紹介:交通シュミレーション 本学で学んでいること、とっても世の中に役立つ
12月6日補講について2 次のグループワークを行う。 質問があったら、今日の質問意見表へ 書いてあった質問にだけ答えて、いきなりグループワーク できたグループから解散(グループのメンバーで最後に確認して) 12月8日はみなさんの回答紹介編 擬似相関を最後に確認
グループワーク 基本観察(カレカノがいる方がいない方よりもアイデンティティ得点が高い)を説明する仮説を考える。 「上記の仮説が擬似相関」であるという仮説を考える。 「いやいや疑似相関じゃないよ」というため調査・実験・観察計画を考える。(先ほどの説明と同様に)