労働法 労務管理の発展史(1) ---テイラー・システム 2016年5月31日 人事労務管理論A 2016/5/31 労働法 労務管理の発展史(1) ---テイラー・システム 2016年5月31日 人事労務管理論A(第6回) LT1022教室 第6回目
労働法とは何か 自由放任は強者が有利に 弱者を法律で保護 → 労働法 「労働法」という名の法律はない 労働法とは:労働に関わる法律の総称 人事労務管理論A 2016/5/31 労働法とは何か 自由放任は強者が有利に 弱者を法律で保護 → 労働法 「労働法」という名の法律はない 労働法とは:労働に関わる法律の総称 第6回目
日本の労働法 基本は憲法(第25、27、28条) 労働三法 労働・生存・福祉等を国民の権利として規定 労働基準法 → 労働組合法 → 13人事労務管理論A 2016/5/31 日本の労働法 基本は憲法(第25、27、28条) 労働・生存・福祉等を国民の権利として規定 労働三法 労働基準法 → 労働組合法 → 労働関係調整法 → 第6回目
13人事労務管理論A 2016/5/31 主要な労働法 第6回目
労働法と人事労務の実際 労働法の目的は労働者保護にある 具体的には、採用と働かせ方の社会的規制 人事労務管理の前提条件 人事労務管理論A 2016/5/31 労働法と人事労務の実際 労働法の目的は労働者保護にある 具体的には、採用と働かせ方の社会的規制 人事労務管理の前提条件 それ故に、本来は、労働法遵守を前提とした効率的な「働かせ方」のための人事労務管理が必要!! 第6回目
1つの事例として:派遣法の場合 戦後、ずっと派遣は禁止されていた! 13人事労務管理論A 2016/5/31 1つの事例として:派遣法の場合 戦後、ずっと派遣は禁止されていた! 派遣法成立以前は労働者派遣は禁止!! 職業安定法第44条:労働者供給事業の禁止 何故? 戦前の「口入れ屋」「周旋屋」などの人身売買的人材斡旋 → 第6回目 6
派遣労働の規制緩和 1985年派遣法( ) 「専門的知識・技術・経験」に限定して承認 ネガティブ・リスト方式 1996年の法改正 13人事労務管理論A 2016/5/31 派遣労働の規制緩和 1985年派遣法( ) 「専門的知識・技術・経験」に限定して承認 ネガティブ・リスト方式 1996年の法改正 ネガティブ・リスト方式:原則自由 例外禁止 第6回目 7
労働ビッグバン(規制緩和)の経過 年 月 内 容 1985年6月 労働者派遣法の成立 1987年9月 2016/5/31 労働ビッグバン(規制緩和)の経過 年 月 内 容 1985年6月 労働者派遣法の成立 1987年9月 労基法改正(変形労働時間制拡大、フレックスタイム制、専門業務型最長労働制) 1993年6月 労基法改正(1年単位の変形労働時間制、週40時間労働制) 1996年6月 労働者派遣法改正(対象業務16から26業務に拡大) 1997年6月 労基法改正(女子保護規定の撤廃、専門裁量制の対象業務拡大) 1998年9月 労基法改正(企画業務型裁量制、1年単位の変形労働時間制要件緩和、有期雇用期間の上限を3年へ) 1999年6月 労働者派遣法改正(原則自由化ネガティブリスト方式へ) 2003年6月 労基法改正(企画業務型裁量制の要件緩和) 派遣法改正(製造業派遣解禁、3年ルールへ) 2006年12月 労働政策審議会、ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入を答申 第6回目
ブラック企業!! 「働かせ方」の最低ルール ルールの枠内で「働かせる」 人事労務はルール遵守が前提 解決のために 企業自らの自覚的な取組: ルール違反の摘発と是正勧告: ルールを守らせる社会的な運動: ところが! ルール破りが続出;労働基準法違反 賃金未払い、雇用差別、サービス残業、
まとめてみれば 「管理」とは 経営「環境」(労働市場、労使関係、労働法etc)は 人事労務管理は 13人事労務管理論A 2016/5/31 まとめてみれば 「管理」とは 「思い通り」にならないもの(労働者)への働きかけ 経営「環境」(労働市場、労使関係、労働法etc)は 「思い通り」にならないものだが、本来は、それを前提に企業経営すべきなのに、強者の論理が横行 人事労務管理は 「環境」が変わると働きかけのやり方も変化 変化の歴史をアメリカを事例に考察 それを通して人事労務の理論を知る 第6回目
ここから労務管理の発展史 テイラー以前の「働き方」「働かせ方」 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 ここから労務管理の発展史 テイラー以前の「働き方」「働かせ方」 内部請負制 Internal or inside Contract System → に大きく依存した生産システム の絶大な力 作業に関わる一切が労働者の側に 19世紀後半のアメリカ産業界の問題 AFLと組織的怠業 ① ② 第6回目
経営者たちの対応 能率増進運動 具体的には テイラーによる批判と願望 ・ の根本的な解決が必要 ・労使双方の繁栄: 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 経営者たちの対応 能率増進運動 ASME(アメリカ機械技師協会)の「能率増進運動」 具体的には タウンの分益制(1886)、ハルシーの割増制(1891) = テイラーによる批判と願望 「創意と刺激の管理」 ・ の根本的な解決が必要 ・労使双方の繁栄: 第6回目
F.W.Taylor (1856-1915) 1856 Philadelphiaにて裕福な家庭に生まれる 人事労務管理論A 2016/5/31 F.W.Taylor (1856-1915) 1856 Philadelphiaにて裕福な家庭に生まれる 1874 ハーバード大学に合格するが、視力を痛め、進学を断念。ポンプ工場労働者となる。 1878 ミドベール製鋼の労働者になる。 1882 職長に昇進 1886 アメリカ機械技師協会ASMEに入会 1896 ASMEで「出来高払い制度」を発表 1903 『工場管理』を刊行 1911 『科学的管理法の諸原理』を刊行 1915 Philadelphia の病院で肺炎のため死去、享年59歳 第6回目
テイラー・システム(科学的管理法) 『工場管理』(1903)、 『科学的管理法の諸原理』(1911) → 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 テイラー・システム(科学的管理法) 『工場管理』(1903)、 『科学的管理法の諸原理』(1911) → 課業管理 task management 課業taskとは何か: ① ② ③ ④ 第6回目
第1原理:大いなる一日の課業 a large daily task 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 第1原理:大いなる一日の課業 a large daily task 課業をどうやって決めるか 労働者(作業員)任せにせずに経営側が決定! 方法 このための方法: 第6回目
人事労務管理論A 2016/5/31 時間研究の道具 第6回目
人事労務管理論A 2016/5/31 時間研究用紙 (手車作業の実例) 第6回目
第3、4原理:異率的出来高給制度 Taylor‘s differential piece rate plan 賃 金 ↑ 作業量 課業 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 第3、4原理:異率的出来高給制度 Taylor‘s differential piece rate plan 賃 金 ↑ 作業量 課業 第6回目
第5原則:一流の労働者! 後にテイラーはもう一つの原理を加えた 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 第5原則:一流の労働者! 後にテイラーはもう一つの原理を加えた 課業の大きさ 課業は簡単に(怠業しながら)達成できるものではダメ 一流の労働者でなければできないほどのものでなければならない 第6回目
実施のための三つの制度的道具 「企画部」 「職能式職長制度」 「指図書制度」 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 「企画部」 「職能式職長制度」 「指図書制度」 第6回目
テイラー・システムの意義 の実質的な確立 「管理」managementの確立 熟練の解体とその管理・統制 テイラー・システムの本質は 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 テイラー・システムの意義 の実質的な確立 「管理」managementの確立 テイラー・システムの本質は 計画( )と実行( )の分離 熟練の解体とその管理・統制 → (標準化、専門化、単純化) 第6回目
人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 テイラーシステムの問題点 反対闘争の高揚: 1913、14年AFLが反対決議 14年議会にホキシー委員会(公聴会) 15、17年に議会での禁止決議 AFLの4つの反対理由 ① ② ③ ④ 第6回目
テイラー VS 労働組合 組合のテイラー批判は正しいか? 対立構造は テイラーシステム vs. 労働組合 人事労務管理論A09人事労務管理論A 2014/5/27 テイラー VS 労働組合 組合のテイラー批判は正しいか? 対立構造は テイラーシステム vs. 労働組合 第6回目