プロジェクトの選択基準 と CBAの役割と限界 11/08/30(4)
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4.1 プロジェクトの選択基準 11/08/30(4)
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(問題4-1) 互いに排他的プロジェクトの例を挙げなさい。 相互に独立なプロジェクトの例を挙げなさい。 互いに独立でないプロジェクトの例を挙げなさい。 11/08/30(4)
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(問題4-2)のイメージ図 プロジェクト1 プロジェクト2 プロジェクト3 プロジェクト4 11/08/30(4)
<全てのプロジェクトが独立である場合の採否基準> 11/08/30(4)
<独立でないプロジェクトが存在する場合の採否基準> 純便益の和が最大になるように実施するプロジェクトを選択するためには、 「独立なグループへの分割」を求める。 各グループ内のプロジェクトの組み合わせの中から、純便益が最大になるプロジェクト(の組合せ)の1つを残す。 2.で残されたプロジェクトのなかから純便益がプラスとなるプロジェクト(の組合せ)を全て採択する。 という基準でプロジェクトを選択すればよい。 この主張が成立することを2つの例を用いて確認しよう。 11/08/30(4)
(問題4-3) 問題4-2の4つのプロジェクトが与えられているとき、 純便益の和を最大にするためにはどのプロジェクトを採択すればよいだろうか。 そのときの純便益の和は? 11/08/30(4)
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(問題4-4)のイメージ図 プロジェクト1 プロジェクト3 プロジェクト2 プロジェクト4 11/08/30(4)
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通常の費用便益分析では、以下のように議論される場合が多い。 ① 独立なプロジェクトへのグループ分けは直感的に行われる。また、議論を簡単化するために、(完全でなくとも)独立性が高い場合は、独立なグループとして処理する。 ② 独立なプロジェクトの中のプロジェクトの組合せのなかで、純便益が最大になる可能性のある組合せを、直感的に1~3通り程度に絞り込んでから検討する。 以上のように実施されている費用便益分析においては、上述の「①グループ分け」と「②絞り込み」のステップが適切に実施されているかどうかに注意する必要がある。 11/08/30(4)
<「排他的なケース」以外の「独立でないケース」を考慮しない場合> (問題4-4)の場合の間違ったグループ分け 11/08/30(4)
<「排他的なケース」以外の「独立でないケース」を考慮しない場合> (問題4-4)の場合の間違ったグループ分けのイメージ図 プロジェクト1 プロジェクト3 プロジェクト2 プロジェクト4 11/08/30(4)
<「排他的なケース」以外の「独立でないケース」を考慮しない場合> (問題4-4)の場合の間違ったグループ分けで選択されるプロジェクト 11/08/30(4)
4.2 支払い意思に関する基本的な問題点 ① アローの一般(不)可能性定理 ② 支払意思額の富の分配への依存 4.2 支払い意思に関する基本的な問題点 ① アローの一般(不)可能性定理 ② 支払意思額の富の分配への依存 ③ 当事者適格性(standing)について 以下で詳述 11/08/30(4)
② 支払意思額の富の分配への依存 分配基準に関する主観的な価値観の明示: 政策を効率性と分配基準の両方の観点から比較する。 (例)多目的分析(multi-goal analysis) 分配加重平均(distributionally weighted)CBA 政策の結果生じる純便益の変化を、経済全体だけでなく、資産や所得グループごとに報告する。 11/08/30(4)
③ 当事者適格性(standing)について 社会の管轄権的定義(jurisdictional definition of society) CBAでは「社会=国」とすることが多い。 管轄権のある構成員(jurisdictional membership) 当事者適格性を持つ主体 =海外に居住する自国民、合法的に滞在している外国人 社会的に受け入れられない選好の排除 当事者適格性を持たない選好 =それに基づく行動が法的制裁を伴うような選好 将来世代の選好の考慮 CBAでは将来世代の選好を考慮する方法 ⇒ ① 現在の世代の行動から将来世代の選好を予測 ② 現在世代の個人は将来世代の利害を多少は考慮 11/08/30(4)
4.3 政治プロセスにおけるCBAの役割 ① CBAは公的対話の関係を悪化させるか (例)「人命の価値」vs.「統計的人命の価値」 第10章で詳述 11/08/30(4)
② CBA⇒民主主義を徐々に弱体化? 現実の公共政策決定プロセスは「理想的な民主主義」とは程遠いものである。 現実には、声の小さい選挙民は通常その利害をあまり代表してもらえない。 CBAは声の小さい選挙民の利害をより良く反映する場合が多い。 11/08/30(4)
4.4 CBAの限界: 他の分析方法 ① 技術的限界 ② 効率性以外の目標が重要である場合 11/08/30(4)
① CBAにとっての技術的限界 <定性的なCBA(Qualitative CBA)> 可能な限り多くの影響を貨幣価値に換算 貨幣換算できない他の費用・便益の相対的な重要性を定性的に評価 貨幣換算するためにどの程度の努力水準を選択するかは、その努力で得られる精度向上の価値とそのコストとを比較することで、判断する。 11/08/30(4)
<費用対効果分析(Cost-Effective Analysis)> 商業的漁業手法規制の例 : c=イルカの死亡数を減少させる以外の純費用 nd=規制で回避できるイルカの死亡数 nd / c=規制の費用対効果比率 (cost-effectiveness ratio) アナリストに依頼する顧客は、助けられる人命などへの影響を貨幣価値に換算することを望まないことが多い。 11/08/30(4)
② 効率性以外の目標が重要な場合のCBA <多目的分析(multi-goals analysis) > <分配加重平均(distributionally weighted)CB> 分配面で重要な特性(所得や富など)で分類されたグループごとに純便益を評価 アナリストがグループごとの加重ウェイトを選択 グループごとの純便益に選択した加重ウェイトを用いて加重平均CBAを計算 11/08/30(4)
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