消化器の解剖 消化器系とは、食物を摂取し、分解し、腸管で吸収した後、食物残渣を排泄する器官である。 消化器:消化管(口腔、食道、胃、小腸、大腸)、 肝胆道、膵臓
老化に伴う消化吸収能力の変化 栄養素 老化に伴う変化 原因 炭水化物 吸収能力低下 D-Xylose吸収は正常 小腸細菌過増殖または消化不良 タンパク 大量タンパク負荷吸収機能低下の可能性 原因不明 脂肪 大量脂肪吸収機能の低下 小腸細菌過増殖 ビタミンA 新しいビタミンAの肝臓uptakeの減少,吸収の減少 肝細胞ApoB II 受容体の減少 ビタミンD 経口摂取と合成の減少 日光照射減少,皮膚,腎合成の減少 ビタミンK ビタミンK1濃度の減少 ビタミンK2生成は細菌過増殖で部分的に代償 葉酸 吸収低下 萎縮性胃炎のため細菌合成によって代償 冠動脈疾患の増大リスク 低葉酸レベルはホモシステインレベルの増加 ビタミンB6 低下はホモシステインレベルを増加させる可能性 ビタミンB12 タンパク結合レベルの減少 低レベルはホモシステインの増加の可能性 胃酸低下,小腸細菌過増殖 カルシウム 摂取と吸収の減少 ビタミンD低レベルと低活性レベル,萎縮性胃炎 亜鉛 摂取の減少 吸収減少の可能性
食道癌のルゴール染色 青い矢印で囲まれた部分が、ルゴールで染色されずに白いまま.正常粘膜はグリコーゲンが多いので染色される。
急性胃粘膜病変 急性胃粘膜病変(Acute gastric mucosal lesion;AGML) 原因の半分は薬物(インドメサシンなどのNSAIDs)、ついでアルコールとストレス。 食欲不振、心窩部痛、嘔吐、吐血 内視鏡にて多発性の浮腫、発赤、びらん
胃潰瘍 原因のほとんどはH. Pylori感染による。NSAIDs服用なども一因 胃潰瘍の場合には胃角部小弯側が好発部位 12指腸潰瘍の場合には球部が好発部位 除菌療法(アモキシリン、クラリスロマイシン、PPI)
胃癌の肉眼分類 進行癌の場合 ・I型 隆起型 ・II型 潰瘍限局型 ・III型 潰瘍浸潤型 ・IV型 びまん浸潤型
肝臓の機能(摂食時)
肝臓の機能(空腹時)
門脈圧亢進症 食道静脈瘤 静脈瘤の破裂が肝硬変症の死因の一つ。 門脈は腹腔内の消化器と脾臓からの血液を肝臓に送り込む静脈系の血管で、腸から吸収された栄養物を肝臓に運び込む働きがある。 肝硬変➔門脈血流低下➔左胃静脈や短胃静脈を逆流して食道静脈叢へ 静脈瘤の破裂が肝硬変症の死因の一つ。
B型肝炎 性交によっても感染し、日本におけるB型急性肝炎感染経路としては最も多い。 新生児や幼児が感染した場合にキャリアが成立する。なかでも母子感染が重要だったが、最近ではワクチン接種で減少している。
C型肝炎の治療 リバビリンとインターフェロン併用療法 のスケジュール インターフェロン2年以上投与群では肝がん発生が一例もなかった. 6ヶ月間 2-4週間 週6回 インターフェロン 週3回筋注/皮下中 リバビリン1日2回週7日投与 リバビリンとインターフェロン併用療法 のスケジュール インターフェロン2年以上投与群では肝がん発生が一例もなかった.
黄疸の鑑別診断
肝不全でのアンモニア増加の機序
肝疾患の進行過程
肝硬変の症状
肝細胞癌 細胞には異型性があるものの、索状配列を示す古典的な肝細胞癌で、肝細胞に類似している。 肝細胞癌
肝細胞がんの治療法 経皮的エタノール注入療法 ラジオ波焼灼療法 エタノールをECHOガイド下にエタノールを注入.エタノール注入後高エコ−領域となる. ラジオ波により発生する高熱により病変部を凝固壊死させる治療法
アルコール性肝炎 中性脂肪が沈着した肝細胞. 肝細胞は風船状の腫大を示し、胞体内に好酸性のマロリ体をみる。周囲に好中球の浸潤がみられる。脂肪沈着もみられる。
胆道系・膵臓の構造 肝臓で作られた胆汁を肝内胆管を経て集め、胆嚢に貯蔵して、12指腸内に食物が入ってくると、胆嚢が収縮して胆汁を12指腸に分泌する。
胆道系の画像診断(例:急性膵炎) 急性膵炎のために、膵頭部が腫大して、胆管が閉塞し、その上流部分が拡大している.胆嚢も胆管閉塞のために腫大.
胆道系の画像診断(CT scan) 中央のへの字型をしたものが膵臓で、左側の大きい臓器が肝臓、両側の腎臓も認められる。 右腎臓 左腎臓 肝臓 胆嚢 膵臓 中央のへの字型をしたものが膵臓で、左側の大きい臓器が肝臓、両側の腎臓も認められる。
胆石症 エコー 胆嚢内に楕円形の高エコー像を認め、その下には音響陰影が認められる。
膵癌の治療成績 切除可能であっても5年生存率は10%、切除不可能症例では1年生存も望めない.