排出権取引がZARAのサプライチェーン・ネットワークに及ぼす影響に関する研究

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排出権取引がZARAのサプライチェーン・ネットワークに及ぼす影響に関する研究  海運ロジスティクス専攻              0755018  南  洋              指導教員 黒川 久幸 私は南洋と申します。「排出権取引がZARAのサプライチェーン・ネットワークに及ぼす影響に関する研究」について発表をさせていただきます。

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 読む。(クリック)

研究背景 地球温暖化問題及び取り組み アパレル業界の環境問題 排出権取引について 研究背景が三つの部分から構成されます。読む

地球温暖化問題及び取り組み 1、地球温暖化問題及び取り組み。  1、地球温暖化問題及び取り組み。  (クリック)地球を覆う(おおう)大気には、様々なガスが含まれているが、この中二酸化炭素などは、地表からの放射熱を吸収し、再び地表に戻すという動きがあります。このようなガスは、人間生活に不可欠なものです。  しかし、二酸化炭素の排出が多ければ、大気が厚くなり、熱が逃げない為、気温はどんどん上昇していることがわかった。  (クリック)  1990年代の10年間は、過去1千年で最も温暖な10年となりました、1998年には観測史上最高気温で、また、2005年には史上2番目、2002年3番目の高温を記録しました。  (クリック)   気温が上がることと伴い、氷河が融ける、干ばつなどの自然災害(さいがい)を発生しまった。

1997年に地球温暖化防止会議が京都で開催された。CO2など温室効果ガスを削減するため京都議定書を定めた。 地球温暖化―京都議定書  地球温暖化問題を解決するため、1997年に京都議定書を定めた。先進国(こく)全体の温室効果ガスの排出量を1990年に比べ5%以上削減する目標を決めた。各国(かっこく)は目標を達成するため、企業にもCO2の削減を要求している。CO2排出量に対する世界的な監視・規制が益々厳しくなっている。全産業が積極的に対応している。 1997年に地球温暖化防止会議が京都で開催された。CO2など温室効果ガスを削減するため京都議定書を定めた。

2.アパレル業界の環境問題 物流におけるCO2の排出 3、アパレル業界の環境問題  3、アパレル業界の環境問題  アパレル業界を取り巻く環境問題は川上の原糸(げんし)・原綿(げんせん)では、鉄鋼や化学と同様にエネルギー多消費型の産業であり、温室効果ガスの排出、大気汚染など問題が、環境面での重要な課題となっている。 川中の織などでは、繊維屑や油剤(ゆざい)が環境に悪影響を及ぼした。 川下の流通業界では、不良在庫品、廃棄物の処理などが環境面での主な課題となっている。 (クリック)特に、現在、シーズン性や流行性に左右されやすいアパレル業界では、多頻度少量生産・輸送を伴い、川上から原材料の調達、川中の加工・生産、川下の輸送におけるCO²の排出量は環境保全から考え、主な課題となっている。

大手企業の輸送例 アパレル業界大手企業の一つZARAは航空機を用いた製品の空輸を行っており、店舗への配送におけるCO2排出量が多くなっている。このため、排出規制が強くなれば、ZARAは工場や物流センターの立地を見直す必要が出てくると考えられる。  例を挙げると、アパレル業界大手企業の一つZARAは航空機を用いた製品の空輸を行っており、店舗への配送におけるCO2排出量が多くなっている。このため、排出規制が強くなれば、ZARAは工場や物流センターの立地を見直す必要が出てくると考えられる。

3.排出権取引  3、排出権取引。    排出権取引とは、国や企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を割り当て、枠を超えて排出した国(企業)と余っている国(企業)との間で排出量を取引(トレード)する制度、その結果は全体の排出量を一定の範囲内に収めることを目的としている。CO2に費用を掛かり、企業の利益にも影響を及ぼすので、各企業は積極的な対応している。 国や企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を割り当て、枠を超えて排出した国(企業)と余っている国(企業)との間で排出量を取引(トレード)する制度。

排出権取引市場 1EUA=CO2排出量1トン 価格:2005年~2007年の間、15ユーロから36ユーロの間に変動している。 罰金:05~07年 40ユーロ/ton   08~12年 100ユーロ/ton 罰金を払っても、排出枠の超過分の削減義務が消失する訳ではない。つまり、100ユーロは上限ではない。CO2排出量の規制が益々厳しくなる。  排出権取引市場、2005-2007年の間、CO2、1トンあたりの費用は15ユーロから36ユーロの間に変動している。まだ、増える傾向が見える。そのほか、排出枠を遵守できなかった場合は、罰金を支払う。05~07年 1トンの罰金は40ユーロで;08~12年 1トンの罰金は100ユーロである。      (クリック)罰金を払っても、排出枠の超過分の削減義務が消失(しょうしつ)する訳ではない。つまり、100ユーロは上限ではない。CO2排出量の規制が益々厳しくなる。

排出権取引がCO2に費用を掛かるため、輸送会社及び荷主は排出権取引を積極的に対応し、自社のCO2排出量を削減しなければならない。 排出権取引が輸送会社、荷主に与える影響 排出権取引がCO2に費用を掛かるため、輸送会社及び荷主は排出権取引を積極的に対応し、自社のCO2排出量を削減しなければならない。 排出権取引が輸送会社に与える影響 排出権取引が荷主に与える影響

排出権取引が輸送会社に与える影響 環境を益々重視している現在、各産業に対し、CO2排出量を減少する要求が強まっている。 2006年、CO2を最も排出した産業部門の排出量が1990年と比べ、3200万トンを減少したことに対し、輸送部門のCO2排出量は3700万を増えた。したがって、輸送部門に対する排ガス規制が厳しくなっている。 輸送部門のCO2削減要求が強まっている

輸送会社にCO2削減の要求が強まっている同時に、荷主としても環境を重視しなければならず。 排出権取引が荷主に与える影響 輸送会社にCO2削減の要求が強まっている同時に、荷主としても環境を重視しなければならず。 重視しない荷主に対し、「罰則」などのペナルティーが実施される可能性も高まっている。 その他、輸送会社から運賃の値上げ要求も対応すべき。 貨物 排出権取引の効果 運賃値上げ要求 輸送会社 荷主

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

研究目的 本研究では、規制が益々厳しくなっている現在、排出権取引がZARAのサプライチェーン・ネットワークに与える影響を検討することとする。

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

ZARAの紹介  スペインにあるZARAはアパレル業界において最も大手企業の一つである。2007年の売上高は94.35億ユーロであり、営業利益率が17.5%と高水準になっている。  ZARAの店舗数は逐年600店舗を増加し、世界へ積極的に進出が行っている。 ZARAの紹介 スペインにあるZARAはアパレル業界において最も大手企業の一つである。2007年売上高は94.35億ユーロであり、営業利益率が17.5%と高水準になっている。世界最大手アメリカのGAP、営業利益率は8.3%で、ZARAとGAP比べ、非常に高いである。ZARAの店舗数は逐年600店舗を増加し、世界へ積極的に進出が行っている。

ZARAの配送図 ZARA`s Global Map ZARAの配送を示した図である。  ZARAの生産は全て南欧で生産し、商品の配送はEUにある店舗にトラックで、その以外地域は全て空輸にする。船便は一切使用しない。週2回輸送するため、在庫回転期間は3日(みっか)である。(クリック)そちらは、ZARAの特徴である。 ZARA`s Global Map

ZARAのサプライチェーン・ネットワーク 工場1 産地1 物流センター 船便 トラック 工場2 産地2 トラック 空輸  図ではZARAのサプライチェーン・ネットワークを示す  ZARAは原材料を産地から全て物流センターに調達する。(クリック)  商品の生産を決定すれば、原材料をトラックで工場へ輸送し生産する。生産工場は全てSpainの近辺(きんぺん)にある。(クリック)  生産が終わり次第、商品を物流センターへ横持ちする。(クリック)ここで仕分け、ラベル貼りを行い、  EUにある店舗には24時間以内に配送し、 (クリック)その以外地域は空輸で48時間以内に配送する。 EU店舗 EU以外店舗       原材料       製品

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

モデル定式化 ZARAの総費用及びCO2の排出量を定式化した。 求める各項目は原材料費用、調達費用/CO2  物流センター費用/CO2、横もち費用/CO2、生産費用/CO2、配送費用/CO2、店舗費用/CO2である。 モデルの定式化

目的関数の説明 費用 CO2 各項目の意味を示す C1:原材料単価(ユーロ・枚/年) C2:調達単価(ユーロ・枚/Mm) C10:店舗保管費用単価(ユーロ/枚)        C3,C6,C9:固定費用(百万ユーロ) CO2 g2:調達CO2排出量 (トン・枚/Mm) g4:物流センターCO2排出量(トン・枚/年) g5:横持ちCO2排出量(トン・枚/Mm) g7:製品生産CO2排出量(トン・枚/年) g8:配送CO2排出量 (トン・枚/Mm)  g10: 製品保管CO2排出量(トン/枚) g3,g6,g9:固定CO2排出量(トン) 目的関数の説明 (クリック)Cは費用の単価を示す;(クリック)gはCO2排出係数を表す (クリック)各項目の意味を示す 各項目の意味を示す

1.費用の定式化 固定費 保管費 固定費 生産コスト 生産量 1、費用の定式化、原材料費用。。。。。。  1、費用の定式化、原材料費用。。。。。。  例えば、(クリック)物流センターの原材料費用は、物流センター固定費(クリック)、1枚あたりの保管費(クリック)、及び保管する原材料の量から構成した。この量は、物流センターに入った原材料の量(クリック)、物流センターから工場へ行く量(クリック)、輸送中の量(クリック)、三つの部分から構成した。 (クリック)生産費用は、工場固定費(クリック)、1枚当たりの生産コスト(クリック)、生産量(クリック)から構成しました。生産量はアパレル業界在庫を重視するため、工場から物流センターへ横持ち量(クリック)、輸送中の量(クリック)及び工場内の在庫量(クリック)、三つの部分から構成した。 固定費 生産コスト 生産量

2.CO2排出量及び費用の定式化 CO2排出量及び費用の定式化は費用の定式化と同じである。

制約条件 制約条件   アパレル業界は生活必需(ひつじゅ)品の服を生産している。ファッション性の影響を受けやすいため、売れ残った在庫は来年に売れない状態である。在庫量が多ければ、在庫費用が増えるとともに、損失が大きくなる。従い、アパレル業界はSCから在庫量を見る必要性があることが分かった。(クリック) (クリック) つまり、在庫を重視する(クリック)。  在庫を考える必要性は今後説明する。 在庫を 重視する

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

検討及び考察 この研究は下記の検討を行った 空輸による高速・高頻度配送の理由解明 ②排出権取引がネットワークに与える影響 検討及び考察、この研究は下記の検討を行い。 (クリック)①空輸による高速・高頻度配送の理由解明。 (クリック)②排出権取引がネットワークに与える影響。 (クリック)③ 現在、ZARAは空輸で配送を行っている。なぜZARAは運賃が安い船便を使用しなくて、高運賃の空輸を利用しているのか。空輸により企業コストが増えないのか。その問題点を今から明らかにする。そして、空輸のメリットを見る。

①空輸を利用する原因 航空機 船舶 短い 安い 長い 高い 短い 短い 在庫回転期間 在庫回転期間 運賃 運賃 配送時間 配送時間  航空機         船舶 在庫回転期間 在庫回転期間 運賃 運賃 配送時間 配送時間  ここで、空輸を利用する原因を説明する。  (クリック)本検討では航空機と船舶の2種類の輸送手段を想定しました。  ここで、主に考慮したパラメーターは2つである。ひとつは運賃(クリック)、航空機のほうが高い。(クリック)  もうひとつは店舗在庫回転期間である(クリック)、こちらは、航空機のほうが短い 。(クリック)  その他、配送時間について(クリック)、航空機のほうが短いである。(クリック) 短い 安い 長い 高い 短い 短い

パラメーターの設定 航空機・船舶による費用の比較  続いて、航空機・船舶による費用を比較ため、パラーメーターの設定である。ここで、船舶による配送費用と店舗在庫回転期間を基準として、空輸の企業費用を比較する。企業費用の安いほうから輸送手段を決めると考えられる。(クリック)ここで、船舶の配送費用を0.4、在庫回転期間25日を基準値とする。  その結果は、

航空機による高速・高頻度配送の理由解明 店舗における在庫回転期間が短ければ、配送に掛かる費用が高くても総費用を低減できることが分かる。 船舶  この図である。この図は船舶を用いた場合の総費用と等しくなる航空機を用いた場合の配送単価と店舗における在庫回転期間を求めた図である。図中の実線は総費用の等しい場合を示し、 (クリック)実線の右上は船舶のほうが航空機より総費用が安い範囲を示す。そして、実線の左下は航空機のほうが総費用が安い範囲を示す。 その結果、店舗における在庫回転期間が短ければ、(クリック)配送に掛かる費用が高くても総費用を低減できることが分かった。   (クリック) なお、この理由は店舗及び配送中の在庫にある。  店舗における在庫回転期間が短ければ、配送に掛かる費用が高くても総費用を低減できることが分かる。

航空機・船舶による在庫量の比較 在庫回転期間が短ければ、在庫量が少なくこの在庫に掛かる費用の差が、配送費用の上昇を補っていることが分かる。  航空機・船舶による在庫量の比較図。こちらの図は船舶配送の在庫量を基準としたとき、店舗在庫回転期間を変化させた場合、空輸の在庫量変化図である。在庫回転期間が短くなるとともに、(クリック)空輸による店舗在庫量も少なくなっている。(クリック)在庫量が少なくなり、在庫に掛かる費用の差が、配送費用の上昇を補っていることが分かる。  在庫回転期間が短ければ、在庫量が少なくこの在庫に掛かる費用の差が、配送費用の上昇を補っていることが分かる。

配送時間と総費用の関係 制約条件 物流センター 在庫量による費用が不同 工場 空輸時間短い 海運時間長い 店舗 店舗 (クリック全部9回) 空輸による総費用が海運による総費用より少なくなることが分かった。 空輸時間短い 海運時間長い 店舗 店舗

検討及び考察 この研究は下記の検討を行った 空輸による高速・高頻度配送の理由解明 ②排出権取引がネットワークに与える影響  現状生産のメリットは空輸を利用するため、在庫回転期間を短縮できること。及び在庫量を減らして総費用も下げることができることが分かりました。(クリック)次は、排出権取引がネットワークに与える影響を明らかにする。

現状・分散ネットワーク 工場1 産地1 工場2 産地2 現状ネットワーク 原材料 製品 産地1 産地2 分散ネットワーク EU AM 物流センター 工場2 産地2 現状ネットワーク EU店舗 EU以外店舗 原材料 店舗 工場 製品 工場 物流センター 店舗 なお、(2)の検討では現状のネットワークと本研究で提案した分散ネットワークを比較して、検討する。    (クリック) 分散ネットワークは区域を単位として分散された。黄色の区域はEUで、緑の区域はアメリカで、赤い区域はアジアである。生産国はそれぞれSpain,Mexico,Chinaである。     それぞれ物流センター・工場を新開し、区域内の商品だけを生産する。原材料産地は現状と同じ、インド、中国、モロッコである。 (クリック)     生産方式は現状と同じである。(クリック4回)     そして、集中の生産・配送(現状)と地域生産・販売(分散)における排出権取引の影響の相違について検討する。 物流センター 産地1 産地2 工場 物流センター 店舗 工場 店舗 分散ネットワーク EU AM ASIA

現状の配送単価 分散の生産コスト パラメーターの設定 トラック:0.17(ユーロ・枚/Mm) 航空機:0.35(ユーロ・枚/Mm) 次はパラメーターの設定を述べます。  日本経済産業省・中国統計局のデータをもとに設定した。例えば、(クリック)現状の配送費用。それはEUの実際の運賃平均値をもとに設定した。(クリック)西欧のトラック運賃は約0.17ユーロ、ここで、西欧の0.17ユーロを設定した。空輸はロントンからマトリットまでの運賃5390ユーロ/TKをもとに設定した。距離と重さを考慮し、0.35ユーロを設定した。  その他、生産コスト。(クリック)   生産コストは(クリック) 中国の人件費を基準として、MexicoとSpainを設定した。

現状・分散費用及びCO2排出量の比較 現状費用<分散費用 現状CO2>分散CO2 また、現状のほうの総費用が安いのは、(クリック)分散による新規の工場・物流センターの固定費及び分散ネットワークの横持ち距離が増加したため、横持ち費用が増えたことによる。(クリック) (クリック) 現状費用<分散費用 現状CO2>分散CO2

与える影響 ② 排出権取引がネットワークに CO2価格 排出枠 CO2費用=CO2価格*(CO2排出量-排出枠) ② 排出権取引がネットワークに     与える影響     CO2価格      排出枠 CO2費用=CO2価格*(CO2排出量-排出枠) 排出権取引がネットワークに与える影響  排出権取引がCO2を商品として商売をする。式は、(クリック)  それに関する重要な要因は2つがある。(クリック)一つはCO2価格、もう一つは排出枠である。

CO2費用が総費用に与える影響 排出権取引市場の取引価格:2005年から2008年にかけて、1トン当たりCO2単価は15ユーロから36ユーロの間で変動している。最近は増えている傾向が見える。 CO2単価の設定 とりあえず、CO2単価が総費用に与える影響を検討する CO2単価の設定 排出権取引市場の取引価格:2005年から2008年にかけて、1トン当たりCO2単価は15ユーロから36ユーロの間で変動している。最近は増えている傾向が見える。よって、私は8つを設定しました。

CO2単価と総費用の関係 取引価格の上昇に伴って分散の場合の総費用が安くなることが分かる 60ユーロ時、逆転 CO2の取引価格を変化させた場合の現状と分散の総費用について検討する。CO2の取引価格を変化させた場合の現状と分散の総費用について検討する。つまり、CO2単価と総費用の関係を見る。 図は排出枠を最も厳しく、つまり排出する全てのCO2を対象とする場合の取引価格と総費用の関係を示した図である。取引価格の上昇に伴って分散の場合の総費用が安くなることが分かる。これは、先に表に示したCO2排出量が少ないためである。(クリック) 以上のことから将来、厳しく排出枠が課せられ、取引価格が上昇すれば、ZARAは今の工場及び物流センターの配置を見直し、サプライチェーン・ネットワークを再構築する必要に迫られることが分かった。 取引価格の上昇に伴って分散の場合の総費用が安くなることが分かる

排出枠と費用の関係 CO2の排出量が排出枠を超えた場合、CO2に費用を掛かる 排出枠の設定 1、排出枠を最も厳しい0の場合 それぞれは排出枠の設定は、最も厳しい0の場合、(クリック) 現状と分散両方CO2に費用を掛かる場合(75-89.85万トン)、(クリック) 現状にCO2費用を掛かる、分散にCO2費用を掛からない場合(89.85-98.14)(クリック)。 その他、枠の設定が非常に大きい場合 (クリック) (98.14を超えた場合)。 1、排出枠を最も厳しい0の場合 2、現状と分散両方CO2に費用を掛かる場合(75-89.85万トン) 3、現状にCO2費用を掛かる、分散にCO2費用を掛からない場合(89.85-98.14万トン) 4、枠の設定が非常に大きい場合(98.14を超えた場合)

排出枠を変化させた場合の影響 分散 現状 排出枠の変化により、現状と分散の総費用等しい取引価格の変化することが分かった。 153 59 58 排出枠が総費用に与える影響を示した図はこちら図である。 (クリック)排出枠が小さい場合、単価約58ユーロ、 (クリック)90万トン設定した場合、単価59ユーロ、 (クリック)95万トンを設定した場合、単価約153ユーロ以上ならば、(クリック)  分散のほうが総費用が少なくなる、(クリック)反対ならば、現状のほうが総費用が少なくなる。  その他、枠が非常に大きい場合、つまり、この研究で設定した98.14万トンより大きい場合、現状・分散両方CO2に費用を掛からないため、現状のほうが分散より総費用が少なくなる。(クリック) 57.93512 58  排出枠の変化により、現状と分散の総費用等しい取引価格の変化することが分かった。

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

結論  本研究では、ZARAにおける空輸を用いた高速・高頻度の配送理由について解明するとともに、排出権取引がZARAのサプライチェーン・ネットワークに与える影響について検討した。

結論1 店舗における在庫回転期間を短縮できれば、配送費用が上昇しても総費用を安くできることが分かった。

結論2  排出権取引が導入されて厳しい排出枠が企業に課せられ、取引価格が上昇すれば、ZARAは物流センター等の配置を見直す必要があることが分かった。  具体的には分散型のサプライチェーン・ネットワークを再構築する必要に迫られることが分かった。

目次 研究背景 研究目的 ZARAの紹介 モデル定式化 検討及び考察 結論 今後の課題 (クリック)

今後の課題 1.実際のデータを用い、厳密な結果を検討する。 2.生産スケールの視点から検討する。  課題としては2つがある。  一つは(クリック)、実際のデータを用い、厳密な結果を検討する。  この研究はZARAに関するデータを揃えましたが、その他、一部のデータが揃えなかったため、仮に設定しました。例えば、1万枚服を輸送する場合、CO2排出係数などが仮に設定しました。 今度、データの精度を上がって、検討する。  もう一つは(クリック)、生産スケールの視点から検討する。  今回は現状の優位性は店舗の在庫回転期間から証明したが、生産のスケール性がZARAのサプライチェーン・ネットワークに及ぼす影響がまた論述していない。つまり、なぜ現状は集中生産するのか、このスケールメリットを明らかにする。

 ご清聴ありがとうございました

EU-ETS EU-ETS(背景・内容) EU-ETSが受けた恩恵 EU-ETSの強化 EU-ETSが日系企業に与える影響

地球規模の温室効果が排出量の推移 10億トンCO2換算/年 地球規模の温室効果ガス排出量の推移 出典:「IPCC第4次評価報告書統合報告書政策決定者向け要約(仮訳)」、文部科学省・経済産業省・気象庁・環境省、2007

世界および先進国の温室効果ガス排出状況(2005) 出自:環境省

先進国の温室効果ガス排出量の推移 排出量増加:スペイン(53%)、ポルトガル(43%)、ギリシャ(27%)、豪州(26%)、カナダ(25%)、米国(16%)、イタリア(12%)、日本(6.9%)など 旧先進西側国 先進国合計 排出量減少:デンマーク(-7%)、スウェーデン(-7%)、英国(-15%)、ドイツ(-18%)、チェコ(-26%)、ポーランド(-32%)、ハンガリー(-31%)、ロシア(-29%)、ウクライナ(-55%)など 先進国の温室効果ガス排出量の推移 [1990-2005、1990年水準からの変化(%)] 経済移行国 出自:UNFCCC,2007

EU-ETS:2050年までに 各国の排出量を 1990年比べ60~80% 削減する目標を設定した 排出権取引(クリック):全体の排出量を抑制するために、あらかじめ国や企業などの間で排出する権利を決めてわりふっておき(排出権制度)、権利を超過して排出する主体と権利を下回る主体との間でその権利を売り買いすることで、全体の排出量をコントロールする仕組みを、排出権取引(制度)という。 (クリック2回) EUは2005年1月に域内独自の排出権取引制度(EU―ETS)を導入し、排出権の市場取引を始めました。昨年末には第1期が終了し、去年から第2期が始まっています。(期間は12年までの5年間)。  

EU各国のNAP排出枠 EU25 ヶ国はEU ETS を実施するために自国のGHG 国内割当量を決め、それを国内の GHG 排出事業者に割当てる国内割当計画(NAP)を作成し、欧州委員会(EC)に提出して承認 を受けなければならない。(クリック全部7回) 24.3%

EU域内排出権取引制度の概要 項目 制度の内容 取引期間 第1期間:2005年~2007年 第2期間:2008年~2012年 第1期間の目標 EU27ヶ国CO2排出総量の約50%をカバー CO2排出枠の総割当量 第1期間の割当量:22.985億t/年 第2期間の割当量:20.809億t/年 未達成時の措置 第1期間:40ユーロ/t; 第2期間以後:100ユーロ/t 域外連携 協定締結により域外と排出枠と交換できる EU 域内排出 権取引制度の概要 項目 制度の内容 取引期間 第1期間:2005年1月1日~07年12月31日 第2期間:2008年1月1日~12年12月31日 対象施設 第1取引期間:大規模燃焼施設(ごみ焼却施設などを除く)、石油精製、製鉄、紙・パルプ、窯業などの工業施設、約10,500。EU27ヶ国CO2排出総量の約50%をカバー。 国内割当 計画 加盟国はCO2排出枠の総割当量と割当方法を策定。 第1取引期間の割当量:22.985億t/年 第2取引期間の割当量:20.8093億t/年 未達成時の措置 第1取引期間:40ユーロ/t、第2期間以降:100ユーロ/tの罰金および、次期期間に未提出分の排出枠を提出。 域外連携 協定締結(ていけつ)により域外と排出枠を交換できる。

EU-ETSの成果 第1期の3年間で、EU―ETSの取引量は大きく伸びました。初年度の05年にはCO2換算で3億2000万トンでしたが、06年には3倍強の11億トンとなり、昨年は22億トンを越えました。07年の世界の排出権取引のうち、取引高では約65%を、金額ベースでは約75%のシェアをEUが占めていることになります。

EUが受ける恩恵 1、エネルギー安全保障の向上 2、大気汚染の緩和と医療費の削減 3、雇用の増加 1~3から(クリック)、(クリック)、(クリック)  おんけい:恩恵; ほしょう:保障

エネルギー安全保障の向上 「従来のとおり」: エネルギー依存度:現在50%から2030年65%へ上昇する 特に、輸入ガス依存度:現在57%から2030年の84%へ上昇する     石油に関しては:現在82%から93%へ上昇する。    措置を実施した場合:石油及びガスの輸入量を約20%を削減できる。 措置を実施しない場合:資源が乏しくなるにつれて、価格変動と国際紛争のリスクが高まる。 EUが輸入エネルギーへの依存を高めるにつれて、供給面での安全保障に対する懸念(けねん)が高まっている。「従来どおり」である場合は、EUのエネルギー総消費量に占める割合で見た輸入エネルギー依存度は、(クリック)今日の50%から2030年には65%へ上昇するとみられる。また、(クリック)輸入ガスの依存度は現在の57%から2030年までに84%へ、(クリック)石油に関しては82%から93%へとそれぞれ増える見込みである。したがって、たとえ排出量削減がもたらす恩恵(おんけい)を考慮しなくとも、より効率的な資源の利用は、EUの経済に貢献(こうけん)するものといえる。 EUが、統合的な気候変動およびエネルギー戦略に基づいて立案された措置を実施すると、(クリック)従来どおりの利用を続けた場合の予測に比べ、2030年までに石油およびガスの輸入量を約20%削減でき、エネルギー安全保障を向上することになる。方針を変更しなかった場合、(クリック)米国、中国、インドも、2030年までに自国で消費する石油の70%を輸入することになると考えられる。資源が乏しくなるにつれて、価格変動と国際紛争(ふんそう)のリスクが高まるのは間違いない。

欧州ではいまだに大気汚染が原因で毎年37万人が若くして亡くなっているが、温室効果ガス排出量の削減はこの大気汚染を減らすことにもなる。 大気汚染の緩和と医療費の削減 欧州ではいまだに大気汚染が原因で毎年37万人が若くして亡くなっているが、温室効果ガス排出量の削減はこの大気汚染を減らすことにもなる。 CO2排出量を2020年までに10%削減するだけで、毎年最大で270億ユーロの医療費が節約される。 欧州ではいまだに大気汚染が原因で毎年37万人が若くして亡くなっているが、温室効果ガス排出量の削減はこの大気汚染を減らすことにもなる。 CO2排出量を2020年までに10%削減するだけで、毎年最大で270億ユーロの医療費が節約される。 大気汚染は世界中の多く地域、特に途上国で深刻化している。有害物質の濃度が最も高い10都市は、いずれもアジアまたはアフリカにある。

雇用の増加 環境産業は、欧州経済において最も活気のある分野の一つであり、グリーン技術・製品及びサービスに対する世界的な需要に応じて、年率で約5%の成長を維持している。 その雇用数はすでに200万人を超えている。 雇用機会を生み出す:バイオマス及びバイオ燃料の利用を増やすことで、EU全体で30万の新規雇用を創出することが可能である。 環境産業は、欧州経済において最も活気のある分野のひとつであり、グリーン技術・製品およびサービスに対する世界的な需要に応じて、年率で約5%の成長を維持している。その雇用者数はすでに200万人を超えている。 気候変動への政策は、より多くの新たな雇用機会を生み出す。例えば、発電用のバイオマスおよび運輸用のバイオ燃料の利用を増やすことで、EU全体で最大30万の新規雇用を創出することが可能になる。

EU-ETSの強化:輸送機関の排出制限 EUでは製造活動、エネルギー及び廃棄物から発生する温室効果ガス排出量の削減が順調に進む一方で、輸送機関から発生する排出量は増加している。この傾向を食い止めなければならない。 航空機:航空機に対する法案が審議されている。 輸送機関の排出量制限 EUでは製造活動、エネルギーおよび廃棄物から発生する温室効果ガス排出量の削減が順調に進む一方で、輸送機関から発生する排出量は増加している。この傾向を食い止めなければならない。 • 航空機から発生する排出量を、(クリック)2011年からEU ETSに組み入れる法案が現在、審議されている。これが立法化された場合、EUに発着するすべての航空便の排出量が2012年からEU ETSの対象となる。また、欧州委員会は船舶から発生する排出量に関してもどう取り組むべきかを検討している • 新たに製造される自動車から発生するCO2の平均排出量を(クリック)1キロメートル当たり120グラムに削減するEU目標を2012年までに確実に達成するための法の制定が検討されている 自動車:2012年までにCO2平均排出量を1KMあたり120グラムに削減する目標を設定した。

CO2価格の上昇や超過した量が増えれば、数千万・数億円の対策費が必要! EU-ETSが日系企業に与える影響 CO2価格の上昇や超過した量が増えれば、数千万・数億円の対策費が必要! 日系企業のEU-ETS対策費用を試算した。例えば、排出権価格が現状レベル(1トン当たり20ユーロ)で推移し、日系企業全体の排出量(クリック)が10%超過した場合、(クリック)排出権調達コストは1社当たり年間7万8,909ユーロ(約1,000万円)と想定される。排出権価格の上昇や、排出量の増加によってこのコストは増加し、数千万円の対策費が必要となる可能性もある。(クリック) 10%を超過した場合,1社当たり年間7万8,909ユーロと想定(1000万円) (20ユーロ/トン)

EU-ETSに対する対策 排出量の管理 排出購入費の管理 EU-ETSの制度情報に対する情報収集 EU-ETS対策費用の低減策として、以下の対策が有望視されている。(クリック) ○排出量の管理(排出量の削減、EU域外への移転など)(クリック) ○排出権購入費の管理〔安値での排出権購入、など〕(クリック) ○EU-ETSの制度情報に対する情報収集(対象施設の基準、対象ガスの把握など) (クリック)U-ETSに対する日系企業の対応は、欧州企業に比べて遅れている印象は否めない(いなめない)。今後はEU-ETSへの対策が投資コストの重要な要因となることが予想されるため、欧州で事業展開する日系企業の対応に注目が集まっている。