学習目標 【疾患を治療するための食事】 1.消化器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 2.内分泌,代謝疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 3.循環器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる.

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学習目標 【疾患を治療するための食事】 1.消化器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 2.内分泌,代謝疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 3.循環器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる.
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学習目標 【疾患を治療するための食事】 1.消化器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 2.内分泌,代謝疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 3.循環器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 4.腎疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 【嚥下障害のある人のための食事】 1.咀嚼と嚥下のメカニズムを理解する. 2.嚥下機能の評価チェックについて理解する. 3.摂食障害の原因になる疾患と障害の部位について理解する. 4.嚥下障害のあるときの食事の条件・形態について説明できる. SAMPLE 学習目標 【疾患別コントロール食】 1. 消化器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 2. 内分泌,代謝疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 3. 循環器系疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 4. 腎疾患の栄養・食事療法と各々の病態に適応する栄養素成分のコントロールを説明できる. 【嚥下障害のある人のための食事】 1. 咀嚼と嚥下のメカニズムを理解する. 2. 嚥下機能の評価チェックについて理解する. 3. 摂食障害の原因になる疾患と障害の部位について理解する. 4. 嚥下障害のあるときの食事の条件・形態について説明できる.

吐血後食の栄養基準 SAMPLE ○ 吐血後食の栄養基準 テキストP.136 表3.3-6「吐血後食の栄養基準」

SAMPLE 胃・十二指腸潰瘍維持療法期の栄養基準 ・たんぱく質:70~80g/日 ・脂質:45~50g/日 ・炭水化物:300g/日 ・エネルギー:1,800~2,100kcal/日 SAMPLE ○ 胃・十二指腸潰瘍維持療法期の栄養基準 ・ たんぱく質:70~80g/日 ・ 脂質:45~50g/日 ・ 炭水化物:300g/日 ・ エネルギー:1,800~2,100kcal/日 説明 ○ 胃潰瘍と十二指腸潰瘍を併せて消化性潰瘍と呼ぶ. ○ 最近はヘリコバクター・ピロリ感染と潰瘍との関連が注目されている.除菌と酸分泌抑制剤投与が中心となり,急性期を除けば食事療法をする必要はなくなった. ○ 吐血,下血時の急性期の食事療法 1~2日は絶食とし,止血が確認されれば流動食,三分粥,五分粥,七分粥,全粥食,軟食とアップする. ○ 維持療法期の栄養基準と食事療法 ・ たんぱく質 良質のたんぱく質は,潰瘍部位の治癒促進を図る. ・ 脂質 脂質の多い食品は胃内停滞時間が長く胃に負担がかかる. ・ 炭水化物 消化は良好なので,エネルギー源とする. ・ エネルギー 病変の修復にも必要 ○ 食品の選び方 消化のよい食品を選ぶ.

SAMPLE 潰瘍性大腸炎緩解期の栄養基準 ・エネルギー:2,100~2,500kcal/日 ・たんぱく質:80~90g/日 ・脂質:45g/日 ・食物繊維:10g/日 ・塩分:10g/日未満 SAMPLE 板書 ○ 潰瘍性大腸炎緩解期の栄養基準 ・ エネルギー:2,100~2,500kcal/日 ・ たんぱく質:80~90g/日 ・ 脂質:45g/日 ・ 食物繊維:10g/日 ・ 塩分:10g/日未満 説明 ○ 粘膜と粘膜下層を侵し,びらんや潰瘍を形成する難治性潰瘍性大腸炎 炎症により体力の消耗が著しいので,高エネルギー,高たんぱく,低残渣食を原則とする. ○ 活動期の栄養基準 重症時は絶食し,排便回数が少なくなれば,流動食,三分粥,五分粥,七分粥,全粥と移行する. ○ 緩解期の栄養基準 ・ エネルギー エネルギーの補給は十分にする. ・ たんぱく質 高たんぱく食で,易消化性ものがよい. ・ 脂質 摂りすぎは,腸管蠕動を亢進し,下痢を誘発する. ・ 食物繊維 低残渣にするため,水溶性食物繊維を主とする. ・ 塩分 10g/日未満にし,消化管の炎症を少なくする. ○ 食品の選び方 消化のよいたんぱく質食品で脂質の少ない白身魚,鶏ささみ,絹ごし豆腐,卵などを選ぶ.ビタミン,ミネラルの補給には,食物繊維の少ないものを選ぶ.牛乳・乳製品は避け,味はうす味にする.

SAMPLE クローン病食事療法基準 板書 ○ クローン病食事療法基準 テキストP.142 表3.3-10「クローン病食事療法基準」 説明 ○ 原因不明の炎症性腸疾患で難治性疾患である.口腔から肛門までの全消化管に潰瘍や狭窄を呈する. ○ 栄養療法の基本方針 最も重要なのは,成分栄養剤を用いた栄養療法である.活動期には絶食にし,中心静脈栄養および成分栄養剤による経腸栄養法を行う. ○ 緩解期の栄養基準 ・ エネルギー 成分栄養剤を用いた経腸栄養法と一部経口食の併用で十分になるように設定する. ・ たんぱく質 食品中のたんぱく質が抗原になる肉類およびその加工品は避ける.成分栄養剤のたんぱく質はアミノ酸が主で吸収は良好である. ・ 脂質 魚油はn-3系で炎症を抑制するが,料理に使用する油はn-6系のリノール酸が多いので,なるべく避ける. ・ 食物繊維 水溶性食物繊維を主に7g/日程度摂取できるようにする. ○ 食品の選び方 たんぱく源としては,魚介類,大豆製品から摂取するのがよい.

SAMPLE 急性膵炎の栄養基準 板書 ○ 急性膵炎の栄養基準 テキストP.144 表3.3-12「急性膵炎の栄養基準」 説明 ○ 血中,尿中膵酵素が上昇し,激しい腹痛が起きる.まず膵臓の安静を図ることが基本である. ○ 急性期から安定期へ徐々に移行する.症状が安定すれば,流動食から開始する. ・ 脂質 脂質を摂取することにより痛みを伴うため極度の脂質制限 ・ たんぱく質 脂肪の少ない消化良好な食品を選ぶ. ・ 炭水化物 エネルギー補給として必要 ○ 食品の選び方 ・ 流動食 おもゆ,くず湯,野菜スープ,果汁などはよく,炭水化物から与える. ・ 三分粥食 たんぱく質としては豆腐,脂肪の少ない白身魚,ほかには野菜のうらごしをとる. ・ 五分粥食 たんぱく質としては,鶏ささみ,スキムミルクを増やす. ・ 全粥食 動物性たんぱく質の卵少量を増やす.脂質はあくまでも厳しく制限する.

SAMPLE 慢性膵炎の栄養基準 板書 ○ 慢性膵炎の栄養基準 テキストP.145 表3.3-14 「慢性膵炎の栄養基準」 説明 ○ アルコール飲料による成因が最も多い.膵実質の脱落,線維化がみられる.脂質吸収障害と内分泌機能障害がある. ○ 食事療法の基本方針 慢性期であっても脂質の制限は必要で,多脂食品は避ける.添加油脂は使用できるが,確認しながら増量し,1日に10g程度にとどめる. アルコール飲料は禁止する. ○ 栄養基準 ・ 脂質 制限する.安定しても急に増やさない. ・ たんぱく質 全身栄養の補給と,膵臓はたんぱく代謝の大きい臓器であるため早期に与え,回復を早める.低脂質たんぱく食品を選ぶ. ・ 炭水化物 エネルギー補給のため必要 ・ ビタミン・ミネラル 脂溶性ビタミンのA・D・E・Kが不足しやすい.亜鉛,鉄欠乏もみられるので,食品で摂取できるように心がける. ○ 食品の選び方 たんぱく質は,比較的脂質の少ない白身魚,鶏ささみ,鶏もも肉(皮脂を除く),卵,大豆製品で献立を考える.炭水化物は影響がないため,米飯・麺類・パンなどのでんぷん類,果物などは摂取してよい. ビタミン,ミネラルの補給としては,繊維のやわらかい野菜の煮物やおひたしなどにする.

SAMPLE 肝臓病食の栄養基準 板書 ○ 肝臓病食の栄養基準 テキストP.149 表3.3-16「肝臓病食の栄養基準」 説明 ○ 急性に起きる肝障害で肝炎ウイルスによる発症が多い. ○ 食事療法の基本方針 全身倦怠や嘔吐,発熱で食欲不振に陥ることが多いため,輸液と経口食を併用する場合が多い.また,消化吸収のよい食品を選び,鮮度のよい食品で献立を工夫する. ○ 栄養基準 ・ エネルギー 食欲不振で摂取できないこともあり,1日に1,500~1,600kcalまでは摂取できるようにする. ・ たんぱく質 障害された肝臓の負担にならない程度に摂取する. ・ 脂質 黄疸の時期には胆汁酸の腸管循環障害があり,消化吸収が不良となるため制限する. ・ 炭水化物 エネルギー源として,たんぱく質,脂質の制限下では,できるだけ摂取して必要エネルギーを充足する. ・ ビタミン,ミネラルの十分な補給 ○ 食品の選び方 良質のたんぱく質が必要で,消化のよい大豆製品,白身魚,鶏ささみ,卵,牛乳,ヨーグルトなどで食べやすく調理し回復に努める.

SAMPLE 肝臓病食種と食種別栄養基準 ○ 肝食の栄養基準 テキストP.149 表3.3-17「肝臓病食種と食種別栄養基準」 説明 ○ 肝硬変の多くはB型肝炎,C型肝炎から進展したもので,代償期と非代償期に分けられる ○ 代償期の栄養基準 慢性肝炎に準じる. たんぱく質の摂取では,フィッシャー比*を上げるように配慮する. *フィッシャー比= 血漿分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸 ○ 非代償期の栄養基準 肝機能の悪化により血漿分岐鎖アミノ酸の低下と芳香族アミノ酸の上昇が起こり,高アンモニア血症や肝性脳症が出現する. ・ たんぱく質 フィッシャー比をできるだけ上げる.分岐鎖アミノ酸製剤を併用するとよい. ・ 塩分 腹水が著明であるため,3~5g/日に制限する.

SAMPLE 胆石症の栄養基準 板書 ○ 胆石症の栄養基準 テキストP.151 表3.3-18「胆石症の栄養基準」 説明 ○ 胆嚢,胆管などに結石が形成され仙痛発作が起き,胆嚢炎を併発する場合がある. ○ 発作疼痛時の食事療法 絶食とし,経静脈栄養を行う.経口摂取可能になれば流動食,三分粥,五分粥,全粥食と移行する.急性期では,低脂肪食(10g/日)にし,急性膵炎に準じる. ○ 安定期の食事療法 食欲が次第に増してくる.炭水化物主体であるが,普通牛乳,ヨーグルトも摂取できる. ・ 脂質 激しい制限は必要ないが,動物性脂肪は控える. ・ たんぱく質 通常量でよい. ・ エネルギー 25~30kcal/kg/日とする. ○ 胆嚢炎の食事療法 胆石発作時に同時に発現することが多いため,胆石症安定期を参考に症状に合わせて食事内容を変更する.

SAMPLE 脂質異常症における食事療法の基本(1) 板書 ○ 脂質異常症(高脂血症)における食事療法の基本 説明 ○ 食事療法の治療に占める位置は重要で,第1段階では,総摂取エネルギー,栄養素配分およびコレステロール摂取量の適正化を進め,第1段階で血清脂質が治療の目標値まで改善されない場合,第2段階の病型別の食事療法を行う. ○ 第1段階の食事療法 1) 摂取エネルギー量が過剰であれば,コレステロールの合成が亢進するのでエネルギー制限を基本に行う. 2) 1日の食事コレステロール量は300mg以下に制限する. 3) 脂肪摂取量は総エネルギーの25%以下に制限する. 4) 胆汁酸を糞便中に排泄させ,LDLを低下させる作用がある水溶性の食物繊維を増量摂取する.また,β-カロテンやビタミンE・Cなどの抗酸化物質を多く含有する食品の摂取を勧める. ○ 第2段階の食事療法 1)高LDL-C血症:摂取コレステロールはさらに制限して200mg/以下とする.また,脂肪エネルギー比は20%以下とし,脂肪酸比バランスは飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3とする. 2)高トリグリセリド血症:炭水化物は総摂取エネルギーの50%以下とする.果糖やショ糖は複合多糖類に比べてVLDL合成促進作用が強いことから,これらを多く含有する果実ジュースや菓子を禁止する.また,乳糖を含有する牛乳・乳製品の過剰摂取を避け,炭水化物・脂質の吸収を抑制する水溶性食物繊維の積極的な摂取を勧める. 脂肪酸はn-3脂肪酸/n-6脂肪酸比を2.0程度とする. 2) 高カイロミクロン血症:総エネルギー量の15%の脂質は15~20g/日以下の制限となり,調味料としてのマヨネーズ,ドレッシングなども極力控える.

脂質異常症における食事療法の基本(2) SAMPLE

SAMPLE 高尿酸血症の生活指導 板書 ○ 高尿酸血症の生活指導 テキストP.154 表3.3-20「高尿酸血症の生活指導」 説明 ○ 適正なエネルギー摂取と栄養素バランス,さらにプリン体の多い食品を控え,アルコール類の飲酒制限,水分を十分にとることを勧める. ○ 尿酸産生過剰となるプリン体は,400mg/日以下の摂取量とする.具体的には,鶏・豚・牛や魚類の内臓など控える.食品中のプリン体はだし汁に移行するので,煮干しや鶏がらなどのだし汁やスープにも留意する. ○ 尿酸溶解量を増加させるため1日2,000mL以上の尿量を保つよう水分の摂取を勧める.

SAMPLE 高血圧症における生活習慣の修正項目 板書 ○ 高血圧症における生活習慣の修正項目 説明 ○ 治療は単に血圧を下げるのみにとどまらず,血管壁の代謝に影響を及ぼす因子に対し配慮し,生活習慣の修正を行う. ○ 食事療法は,食塩制限と肥満の是正を基本とし,アルコール,飽和脂肪酸・コレステロールを制限し,カリウム,マグネシウムなどのミネラルに配慮する. ○ 食塩制限:1日6g未満に制限する. ○ カリウム摂取の増加 カリウムは,ナトリウムの体外排泄の効果がある.緑黄色野菜・海藻・きのこ類・いも類・豆類・果物などに多く含有されている. ○ マグネシウムの欠乏を避ける マグネシウムの欠乏は高血圧を引き起こす.小麦,玄米,魚介類,海藻,緑黄色野菜,豆類,種実類の摂取を勧める.

SAMPLE 動脈硬化の危険因子 板書 ○ 動脈硬化の危険因子 テキストP.156 表3.3-22「動脈硬化の危険因子」 説明 ○ 動脈硬化性血管病変の進展の抑制を図るためには,血圧や血管壁の代謝に影響を及ぼす脂質代謝,糖代謝などの危険因子の改善が重要である. ○ 食事療法では,摂取エネルギーの適正化,脂肪エネルギー比率の適正化と飽和脂肪酸の制限,単純糖質の制限,食物繊維の積極的な摂取を勧める. ○ 脂肪エネルギー比率の適正化と飽和脂肪酸の制限 脂肪エネルギー比率は20~25%にし,飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸を3:4:3にする. ○ 単純糖質の制限:単糖・二糖類の過剰摂取は,腎尿細管でのナトリウムの再吸収を促進し,血圧を上げるだけではなく,インスリンそのものの細胞増殖作用により動脈硬化を進展させるので制限する. ○ 食物繊維の増量摂取:食物繊維の十分な摂取は胆汁酸を吸着し,排泄を促して血清コレステロール値を下げ,また,小腸壁での炭水化物の吸収を遅らせる作用も認められている.

SAMPLE 急性腎炎症候群の栄養基準 板書 ○ 急性腎炎症候群の栄養基準 テキストP.158 表3.3-23「急性腎炎症候群の栄養基準」 説明 ○ 食事療法は,乏尿期,利尿期,回復・治療期の病期に分けて行う. 急性腎炎における食事方針の原則は,いかにして急性期を脱して回復の方向へ導くか,また,慢性腎炎に移行しないように補助していくことである.エネルギーは,主として炭水化物と脂質から不足しないように十分に摂取する. ○ 急性期:乏尿期と利尿期(発症後7~10日間くらい) ・ 乏尿期では,腎臓からのナトリウムの排泄が悪く,浮腫や高血圧の原因となるので無塩食と水分制限を行う.たんぱく質も制限し,腎臓への負担を避ける.血清カリウム値が5.5mEq/L以上では摂取カリウム量を1.5g/日以下に制限する. ・ 利尿期では3g/日以内に食塩を制限し,徐々に摂取水分量を増加させる.カリウムの制限は必要ない. ○ 回復期(発症後2~4週)および治療期 ・ 尿量の増加,浮腫の消失や血圧の正常化がみられたら厳しい食塩の制限を緩め,1日3~5gの食塩制限とする.たんぱく質の摂取量も徐々に増加させる.

SAMPLE ネフローゼ症候群の栄養基準 板書 ○ ネフローゼ症候群の栄養基準 説明 ○ 食事療法は,治療によく反応する組織学的分類での微小変化型ネフローゼと,反応の鈍い非微小変化型ネフローゼとに区別して考える. ○ 微小変化型ネフローゼ症候群の場合 ステロイド剤によく反応して尿たんぱくが減少し,腎機能低下の危険性はほとんどないので,たんぱく質制限は行わない.食塩は,高度な浮腫では3g以下,浮腫が軽度または軽減すれば5~7gとする.水分制限は必要としない. ○ 微小変化型以外のネフローゼ症候群の場合 腎機能が若干低下しているか,低下する恐れがあるため,たんぱく質を制限して腎機能低下を阻止しなければならない.食塩は5g/日から行い,浮腫,血圧の状態によって増減する.カリウム制限は血清カリウム値によって決定し,水分制限は行わない.

SAMPLE 慢性腎不全の栄養基準 板書 ○ 保存期慢性腎不全の栄養基準 テキストP.160 表3.3-27「慢性腎不全(Ccr≦70mL/分)の栄養基準」 説明 ○ 代謝産物の尿中への排泄が低下するので,窒素化合物となるたんぱく質の摂取制限を行う.そのため少ないたんぱく質を有効に利用するために十分なエネルギー量の摂取を基本に食事療法を行う. 1) 十分な摂取エネルギー量の確保 35kcal/kg/日の十分なエネルギー量を目標にする. 2) たんぱく質の制限 0.6g/kg/日以上0.7g/kg/日未満に制限する. 3) 食塩制限 7g/日以下に制限する. 4) 水分の制限 Ccr 15mL/分以下またはネフローゼ症候群の合併では,尿量+不感蒸泄量までに制限する. 5) カリウム制限 血清カリウム値5.5mEq/L以上の場合制限する.摂取カリウムを減らすには,野菜,海藻,きのこ類,いも類,豆類などのカリウム含有量の多い食品の摂取を控え,食品の生食を避ける. 6) リン制限 尿中リン排泄量500mg/日以上の場合に制限する.加工食品にリン含有量が多いので,これらの食品の摂取を確認する.

SAMPLE 咀嚼・嚥下のメカニズム 板書 ○ 咀嚼・嚥下のメカニズム テキストP.162 図3.4-1「咀嚼・嚥下のメカニズム」 説明 ○ 第1相:口腔期 1)食物の認識 2) 口の中に食べ物を取り込む 3) 噛み砕く(咀嚼):食物塊形成 ○ 第2相:咽頭期 4) 咽頭に食物塊を送り込む 5) 咽頭通過,食道への送り込み:嚥下反射 ○ 第3相:食道期 6) 食道通過(胃へ)

SAMPLE 摂食障害の原因になる疾患とその部位 板書 ○ 摂食障害の原因になる疾患とその部位 説明 ○ 摂食障害の原因になる疾患と障害部位 障害されている部位により食事の対応が異なる. 口腔期の障害であれば,細かく刻んだ形態の食事にすることで噛むことを助けることができる.また咽頭に障害があれば,咽頭部をスルッと通る形態の食事を作るようにしなければならない.

SAMPLE 嚥下の評価チェックポイント ○ 嚥下の評価チェックポイント 説明 ○ 嚥下の評価チェックを行い,嚥下の機能に合わせた食事を作ることが大切である.

SAMPLE 構音点 ○ 構音点 テキストP.163 図3.4-2「構音点」 説明 パ行は口腔期,タ行は食塊の送り込み,カ行は嚥下機能のチェックができる.発音の訓練が嚥下の機能を高めることにつながる.

SAMPLE 摂食姿勢の基本 説明 ○ 摂食姿勢の基本 食事を与えるときの姿勢は,誤嚥を予防し,誤嚥性肺炎を起こさないように注意することが大切である. 枕を当てて頸部を30°ほど前屈させると,気管と食道の間に角度がついて誤嚥しにくくなる.また,前頸筋群がリラックスして嚥下に有利に働く.

SAMPLE 資料映像:摂食困難なときの食事 説明 ○ 嚥下障害のあるときの食事の条件 1)口腔から咽頭部の通過に差し支えない滑らかさとソフトさがあって,むせずに摂取できるもの. 2) 噛まなくてよいこと. 3) 口腔内でバラバラにならず,まとまっていること. 4) 表面が滑らかで適度な粘りがあり,咽頭部を刺激しないこと. 5) 十分な栄養と水分が同時に摂取できる飲食物. 6) 見た目にも食欲がわき,また美味であること.