第一次産業の国際競争力強化による地域振興:

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第一次産業の国際競争力強化による地域振興: 1947(S22)年  石川県金沢市に生まれる.  私が育ったのは水田地帯で、春になると家の周りの田圃で蛙がなき、イナゴの卵をすくって学校へ持っていくと小遣いがもらえました。海から遠かったこともあり、鮒や鯰や鰻を採って食べていました。田の草取りなどの過酷な労働が重なったため、近所のお婆さんは腰が直角に曲がっていました。今は、道路も整備され専業農家もなくなり近郊都市の風情を呈し、河北潟も干拓事業で耕地になってしまいました。腰の曲がったお婆さんは見掛けなくなったが・・・。 食の安全フォーラム 2001年9月14日 主催: 鹿児島大学地域共同研究センター 第一次産業の国際競争力強化による地域振興: 安全・安心を武器に! 物流の国際化と認証システム 岡本嘉六 第2回産官学市民集会 食の安全フォーラム 主催: 鹿児島大学地域共同研究センター 会場:稲盛会館(鹿大工学部北西側) 2002年3月22日

2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 食の安全性とは: BSE を含めて 鹿児島大学農学部 岡本嘉六 1.食料自給率  日本でも、「貧乏人の子沢山」と言われるように、衛生水準が低かった戦前までは乳児死亡率が高く、跡継ぎを得るために・・ 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。

「人口爆発による食料危機」ーーーその時日本は??? 食糧生産量には限りがあり、米国並の食生活をすれば世界の半数が餓死する。 共存社会とは言うものの、食糧危機を回避するのは、各国の「自己責任」。 「人口爆発による食料危機」ーーーその時日本は???

アメリカ圏 自給率40%とは 5人に3人は餓死 これこそ迫りくる危機 世界の農産物貿易は、生産量に占める輸出量の割合(貿易率)が小さく、しかも少数の国・地域に輸出国が集中する構造となっていること等から、一部の生産・輸出国の生産変動や政策変化に影響されやすいなどそもそも不安定。 我が国は、84年以降、世界第1位の農産物純輸入国。

2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 食糧難時代には、貨幣の値打ちがなく、貴金属や高級呉服などを持って、都市から農村に買い出しに行き、闇行為として処罰された(横浜の潔癖な裁判官が餓死したことは有名!)。

発癌性が明らかなアフラトキシンでもゼロ規制ではなく「許容濃度」は国により異なる。

3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 魚の焼けこげ それでも こげ目のないサンマを食えるか

ニトロソ化合物 硝酸塩 二級アミン + 魚 野菜 胃の中で反応 発癌物質→胃癌

硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。

アフラトキシン ニトロソアミン 魚+漬け物 魚の焼けこげ 細胞の死 分化の異常 癌、奇形など 突然変異

4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御

牛海綿状脳症(BSE)と牛肉の安全性 2001/11/10 100万人に1人: 食中毒患者 38070人/1億人= 380人/ 100万人  厚生労働省の食中毒発生状況報告によれば、1年間に38,070名の患者が発生し、9名の方が死亡している(昭和56年ー平成12年の平均)。これが、現在の日本における「安全性」の実体であり、決して「ゼロ」ではない。「XXが危ない!」といったタイトルに代表される「安全か危険か」という二者択一式問いかけは、こうした実体を踏まえていない観念の世界を遊んでいるにすぎない。問題は、こうした健康危害をどうしたら減らせるのか、新たな危害の発生を防ぐことと既存の危害を防ぐことのバランスをどうするかについて、対費用効果を踏まえて政策論議することにある。財布の中身(国家財政)は限られており、一部に完璧な措置を講じても、その分の経費増大により、他の健康危害への措置がおろそかになれば、総体として国民福祉は後退することになる。これがカイワレ騒動(境市学校給食事故)以降、卵のサルモネラ、葉っぱものダイオキシンなどに騒動したあげく、食中毒が減らない現実である。  今回のBSE騒動の特徴は、ヒトでの健康被害が全く生じていない段階で、あたかも英国の状態が始まるかの如き憶測をすることにある。問題は1頭のBSEに罹った牛の措置に不手際があったことに始まり、マスメディアが「安全性確保」の問題と「行政批判」を区別せずに騒いだことにある。「100%安全と言い切れるのですか!」というニュースキャスターの絶叫がそれを象徴しており、日本における食中毒の発生状況を少しでも調べておれば、「100%安全なものなどありはしない」ことが判るはずなのに、「安全か危険か」という二者択一を迫る彼らの勉強不足には愛想が尽きる。 100万人に1人: 食中毒患者 38070人/1億人= 380人/ 100万人 : 食中毒死者 9人/1億人= 0.09人/ 100万人

狂牛病(牛海綿状脳症、BSE): どの程度危険か? 岡本嘉六のホームページ 2001年9月19日 プリオンとは?   狂牛病の原因は異常プリオンとされていますが、通常の病原体とは異なり、遺伝情報(核酸:DNA、RNA)を持たないタンパク質です。このことは、以下のことを意味します。 1.自己増殖しない:  遺伝情報を持たないので、プリオンは細菌などのように、食品や消化管の中で増殖することはありません。異常プリオンが増えるのは脳に達してからであり、誰もが持っている正常プリオンが異常プリオンを鋳型として変形することによると考えられています。 2.プリオンは、腸から吸収されない(除く乳児):  タンパク質はアミノ酸に分解されてから吸収されるので、タンパク質であるプリオンは、一般健康人においては腸から吸収されて血液に入ることはありません。すなわち、汚染食品を食べた場合でも、脳に達することはなく、発病の危険はありません。ただし、乳児では母親からの移行抗体(免疫グロブリンもタンパク質)を受け継ぐために、タンパク質を腸から吸収する特別の仕組みがありますので、異常プリオンも血中に浸入する危険性があります。乳児の主食である粉乳および牛乳は牛に由来しますが、異常プリオンは脳脊髄にあり、乳汁中には出てこないので、粉乳が感染源となることはありません。

敵を知り、己を知れば百戦あやうからず。彼を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし(孫子)。 3.英国での牛の流行は、肉骨粉の入った代用乳を子牛に与えたことによる:  イギリスと兄弟国であるアメリカでは狂牛病の発生がありません。その理由の一つとして、離乳期に子牛に与える代用乳(本物は人間の口に入るのですよ、可哀想な子牛!)のタンパク質を補充するため、イギリスでは肉骨粉を使用していたが、アメリカでは植物蛋白のみを使っていたことが挙げられています。ヒトと同様、牛でも乳児期にはタンパク質がそのまま吸収されるので、汚染された肉骨粉の異常プリオンがその際血中に浸入したと考えられます。牛でも健康な成牛で異常プリオンがそのまま吸収されることは考えられません。 4.プリオンは動かない:  タンパク質からなる異常プリオンは、細菌のような運動器官(鞭毛)を持っていないので、動きません。「成人でも腸の微少な傷から血中に浸入する可能性がある」とはいえ、異常プリオンが細菌のようにそこへ移動することはあり得ないので、微少な傷口に遭遇する機会はきわめて希でしょう。 敵を知り、己を知れば百戦あやうからず。彼を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし(孫子)。 生物の進化は現在も続いており、 1970年以降も、エボラ出血熱などの感染力と致命率の高い「新興感染症」が10数種類登場しています。BSE の危険性は当初考えたほどではないことが解ってきました。

2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 食品の安全性と環境: BSE を含めて 鹿児島大学農学部 岡本嘉六 1.食料自給率 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。 第一部終了 第二部 牛肉はなぜ安全なのか

もっと知ろう! プリオン病(狂牛病) 牛海綿状脳症(狂牛病)の正しい知識 市民公開講座 もっと知ろう! プリオン病(狂牛病) 牛海綿状脳症(狂牛病)の正しい知識 小野寺 節(東京大学大学院農学生命科学研究科教授) 「口から入った異常プリオンが脳に達するまでの関所」や、「肉食民族における牛の食用部位と、日本における食用部位がもたらす感染性の違い」のお話し。 ヒトのプリオン病(ヒト海綿状脳症)について: おさめ       ◆◆◆  牛肉はなぜ安全なのか  ◆◆◆ 納 光弘(鹿児島大学医学部付属病院長・内科学第三講座教授) 「ヒトのプリオン病(ヤコブ病)の実状」と、「英国・アイルランドで、 かつての騒動から、今や安心して牛肉を食べ始めている現状」のお話し。 期日:12月22日(土曜) 14時~16時 場所:鹿児島県医師会館(西駅前ナポリ通り) 主催:鹿児島大学牛海綿状脳症対策プロジェクト 共催:鹿児島県 後援:鹿児島市・鹿児島県獣医師会 西鹿児島駅 医師会館 ナポリ通り 主婦の皆様のご来場をお待ちします (入場無料)

衛生検疫措置がもたらす二国間紛争の非戦闘的処理=WTO への使用禁止(農水省)という判りにくい国内政策. 輸入畜産物に対する残留基準の設定(厚生省)と国内家畜 残留基準値を設定.ホルモン処置された家畜に由来する 日本では米国等からの輸入に備えるため、厚生省は食肉の マスコミも不十分な理解による「告発」を繰り返すのみで、正確な危険性解析に基づく国民的合意形成にむしろ逆行している. 畜産物の安全性と国際的調和:家畜へのホルモン剤使用を巡る米国ーEU間の紛争と国内状況(月刊HACCP11月号 1998)

Risk Analysis

家畜衛生監視センターでは、鶏肉と鶏卵の安全性確保における基本計画である NPIP とともに、その他の家畜に関しても家畜衛生監視国家システム(NAHMS)が同様に展開されている.

農場から食卓までの安全性管理 ・・ 獣医療行政の一元化を目指して ・・ BSE問題 鶏病研究会鹿児島県支部 鹿大 岡本嘉六 ・・ 獣医療行政の一元化を目指して ・・ 鶏病研究会鹿児島県支部 2002/1/30 鹿大 岡本嘉六 硬直した発想を脱却 HACCP=7原則12手順 社会システムとしての理解 BSE問題 農水省のサーベイランス事業で「検査の必要性あり」とした個体が、頭は精密検査に、胴体は肉骨粉加工用に化製場へと送られたことが、全ての出発点。

千葉日報 9月11日: 同省と県農林水産部によると、この牛は八月六日、県内の食肉処理場でと畜された。牛は出荷前に起立不能など狂牛病を疑わせる症状が出ていたため、脳を採取し動物衛生研究所(動衛研、茨城県つくば市)で検査。いったんは陰性との結果が出たが、県中央家畜保健衛生所病理生化学課(佐倉市)の検査で脳の組織に空胞が見つかったため、動衛研が再検査したところ、陽性の反応が確認された。 千葉日報 9月16日:  疑惑牛の処分方法では当初、農水省は肉と骨はともに焼却処分したと発表したが十四日夜、遠藤武彦副大臣は「本来、肉骨粉の材料にしてはいけないもので、対応につまずきがあった」と不備を認めたうえで、八月六日に乳牛を解体した食肉処理場から肉骨粉業者がほかの牛のものも含め肉や骨を引き取り、茨城県内の工場で加工されたことなどを明らかにした。 千葉日報 9月24日: 狂牛病 ◆牛は農水、肉は厚労  武部勤農水相は十八日の会見で、同省の発表訂正が相次いだことを陳謝。理由を「混乱していて連絡や点検、確認が徹底していなかった」とし、「日本で(狂牛病は)起こり得ないと思っていたかもしれない」と釈明した。さらに食肉処理場は厚生労働省の所管であることを挙げ、「縦割り行政の問題も露呈した」と指摘した。 一方、厚生労働省幹部は北海道などの農場で肉骨粉入り飼料を牛に与えていたことが相次ぎ発覚したことに「もっときちんと対応してもらわないと、どうしようもない」とあからさまに批判。狂牛病対策の二つの省の溝の深さを見せた。県でも牛は農林水産部、衛生面は健康福祉部の所管だ。

米国では、農務省の中に「獣医局(VS; Veterinary Servis)」と「食品・安全検査局(FSIS; Food Safety and Inspection Service)」があり、「農場から食卓まで」の 一貫した政策を立案・実施。 農場から食卓までの安全性管理 ・・ 獣医療行政の一元化 ・・

それでも子羊肉=フランス・パリ  フランス暮らしで「これはおいしい」と思ったのが子羊(アニョー)の肉だ。…… 狂牛病騒ぎで、牛肉が敬遠され、レストランから牛肉メニューがかなり姿を消しても、「子羊さえあれば大丈夫」と気にならなかった。その羊肉までも「狂牛病感染の可能性が排除できない」と言われ始めた。フランス食品安全局が子羊肉などの監視強化を政府に勧告し、安全性をめぐり、シラク大統領とジョスパン政権の対立にまで発展している。  グルメの国フランスでは、鶏、豚、馬、ウサギなど食肉には事欠かない。… 最近は馬肉の売れ行きが伸びている。でも、やはり、子羊肉の味が忘れられない。「狂牛病がうつっても仕方がない」と観念している。  (パリ・小野博人) [2001/02/27]

鹿県産牛流通会議が発足/鹿児島市 安全性確保へ一丸  消費者が食肉などの安全性を確認できる体制づくりを目的とした「鹿児島県産牛流通会議」の設立総会が29日、鹿児島市であった。生産、加工、流通、消費者など関係各界からなり、会員らは「生産から販売まで、理解・安心できる過程を消費者に示す努力」を誓い合った。  同会議は、狂牛病(牛海綿状脳症)国内発生 29日、鹿児島市の県農協会館 を機に、県肉用牛経営者会議が県議会畜産振興議員連盟に働きかけ、両者が関係者や団体に呼びかけて昨年12月から準備。総会までに42団体が加入した。  設立総会には約60人が出席。会議の趣旨を確認し、会則や役員を決めた。県肉用牛経営者会議の北野賢蔵理事長が会長に選任され、「つくる側、加工する側、売る側に消費者も加わりスクラムを組めたと感じている。 (1)生産・加工過程の広報 (2)牛の種類や国産、外国産の表示徹底 (3)行政など各界への要請行動-に力を入れたい」とあいさつした。  鹿児島大学医学部の納光弘教授による「牛海綿状脳症の正しい知識 牛肉はなぜ安全なのか」と題した記念講演もあり、約350人が聴講。納教授は自身の研究や学説を紹介しながら「(BSEの原因とされる)異常プリオンは、大変な時間とラッキーな状況が重ならなければできない」「万が一、感染した牛の精肉を食べたとしても、なかなか発症しない」と語った。