AI、IoT時代におけるデータ活用 に向けた検討内容について(案)

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○ 大阪府におけるHACCP普及について S 大阪版 評価制度を設ける 大阪府の現状 大阪府の今後の方向性 《従来型基準》
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AI、IoT時代におけるデータ活用 に向けた検討内容について(案) 資料4 AI、IoT時代におけるデータ活用 に向けた検討内容について(案) 平成28年9月30日 内閣官房IT総合戦略室

目次 1.背景 データ利活用を支える近年の技術進展 データ利活用に関する最近の制度面の動き 2.データ流通環境整備の必要性   データ利活用を支える近年の技術進展   データ利活用に関する最近の制度面の動き 2.データ流通環境整備の必要性 3.円滑なデータ流通・利活用の実現に向けて 4.想定されるユースケース   (1)観光領域  (2)金融・フィンテック領域  (3)ヘルスケア領域  (4)PDSから情報銀行へ  (5)将来イメージ 5.論点と議論の方向性 6.WG各回のアジェンダ

1.背景:データ利活用を支える近年の技術進展  有線及び無線のブロードバンドネットワークの整備、スマートフォンやIoT機器(センサー等)の普及、ク ラウド利用の進展、AIの進化等により、個人の行動履歴を含めた多種多様かつ膨大なデータを効率的か つ効果的に収集・共有・分析・活用できるインフラ・技術環境が実現。  【固定系ブロードバンドサービス※の契約数の推移】 ※FTTH、DSL、CATVインターネット及びFWAの合計。  【スマートフォン普及率】 出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平 成27年度第4四半期(3月末)) 出典:平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 (総務省:平成26年11月調査、サンプル1,500人)から起票及び加工。  【世界のIoT デバイス数の推移及び予測】  【世界のクラウドサービス市場の売上高推移】 出典:総務省「平成28年版情報通信白書のポイント」 出典:IHS Technology(総務省「平成28年版情報通信白書のポイント」より)

1.背景:データ利活用に関する最近の制度面の動き  昨年の個人情報保護法改正により、匿名加工情報に関する規定が整備されたことで、まちづくり、防 災・減災、医療(研究)等、社会全体に裨益する分野において、匿名加工されたデータの利活用が進展 することが期待される。 (参考) 個人情報保護法改正により新設された匿名加工情報 匿名加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報)の類型を新設し、個人情報の取扱いよりも緩やかな規律の下、自由な流通・利活用を促進 匿名加工情報 加工 個人情報 匿名加工 情報 識別できない 復元

2.データ流通環境整備の必要性  いわゆるデータには「個人情報を含むデータ」「匿名加工されたデータ」「個人に係らないデータ」の3つの 類型が考えられるが、データ流通の便益を社会全体と個人に還元するために、これらの3つの流通を全体 として活性化することが急務。 <データの分類> <データの流通が裨益する領域例> <流通に想定される課題の例> 個人情報を含むデータ 観光:個人に合せたおもてなし実現 金融:個人の資産状況に合わせた      安心、安全な資産管理 ヘルスケア:個人の健康状態に合わせた食材           や運動の提案  等 データ形式標準化・プラットフォーム整備 ユースケース共有化 本人同意に基づくデータ流通の仕組み 個人に係わるデータ 例) 行動履歴、購買履歴、乗降履歴、 パスポート情報、家庭内のIoT機器     からのデータ 等 ・・・ 匿名加工されたデータ 防災:人流を踏まえた避難路設計 開発:ニーズを踏まえた適切で効率的な        商品・サービス開発  等 データ取引の 契約ガイドライン 例) 個人を特定できないように加工された人流情報、商品情報等 ・・・     個人に係らないデータ 生産:工場の稼働状況や在庫情報を反映         した適正かつ効果的な生産管理 インフラ管理:危険性をふまえた通行規制や            適切なメンテナンス  等   例) 生産ラインに設置されたIoT機器からの個人に関係のないデータ、橋梁に設置されたIoT機器からのセンシングデータ(歪み、振動、通行車両の形式・重量など) 等 ※ 個人に係らないデータであっても他のデータと組み合わせることによって、個人の特定につながる可能性があることに留意が必要

【参考】 データ形式等の標準化の必要性  流通するデータを有効活用し、新たな価値を創造するためには、データ形式等の標準化やプラットフォー ムの整備が不可欠。農業領域においては、IT総合戦略室の関与の下、以下のような取り組みを推進。 1.農地情報公開システム(農地台帳)の整備 経緯 農業への新規参入希望者が全国の農地を検索することを可能とするため、平成25年12月に農地法を改正し、農業委員会等が農地情報をインターネット上で公開することを義務化(耕作放棄地(約42万ha・富山県全体とほぼ同じ規模)や所有者不明地が増加したため)  これまでの農地台帳システム <課題>  ・各農業委員会ごとにフォーマットや文言が統一(標準化)されていない  ・各農業委員会のシステムを巡回しなければいけない ・・・全国1,710の各農業委員会が「各々に」農地台帳システムを構築 農地集積・集約が停滞することが予見 「全国一元化」システムの実現(平成27年4月) 新規参入者にとって、  ・常に最新の正確な農地情報が全国一元的に検索可能(オープンデータ化)  農業委員会にとって、   ・クラウド上に農地台帳・地図システムを整備することで運用保守コストが削減  ・法令・制度改正時に一括で改修可能。(平成28年4月~) 農地中間管理機構にとって、  ・農業委員会の管轄を超えた広域での農地集積シミュレーションが可能(平成28年4月~) 農地集積・集約化に向けた調整活動を活性化させ、IT戦略において取り組んできた農業情報の標準化等の取組と一体的に推進する事で、農業への新規参入等、農業分野全体の成長産業化を加速  ※ページビュー数の推移:346,134件/月(平成27年4月)                 ⇒ 2,943,388件/月(平成28年7月)  ※セッション数の推移  : 38,204件/月(平成27年4月)                ⇒   84,439件/月(平成28年7月) 2.農業情報に関するガイドラインの策定   農業情報を異なる生産者・機器の間で相互に利活用し、農作物の高品質化や生産性の向上を図るため、「農業情報創成・流通促進戦略(平成26年6月3日 IT本部決定)」等に基づき、「①農作業の名称」、「②農作物の名称」、 「③環境情報のデータ項目」、「④データ交換のインタフェース」、「⑤農薬に係る情報」、「⑥肥料等に係る情報」の6つを重点項目と定め、農林水産省及び総務省にて標準化ガイドライン案の検討を実施。(①~④は平成28年春策定済み)

2.データ流通環境整備の必要性(本人同意に基づく個人情報を含むデータの流通)  個人に係るデータには、改正個人保護法により可能となった匿名加工データと、本人同意に基づく個人 情報を含むデータの2つがあり、本人同意に基づく個人情報の流通を円滑に可能とする「新たな仕組み づくり」を通じて、これらの流通を包括的に進めることが必要。 管理するのが大変・・・ メリットの本人への還元 個人情報を含むデータの業種・業界を超えた流 通により実現するメリット(想定) 観光領域 訪日外国人の増加等観光関連産業の活性化 個人ニーズに応じたおもてなしサービス提供 金融・フィンテック領域 時間や場所の制約なく金融サービスを利用可能 資産のリアルタイム把握、最適な資産運用 ヘルスケア領域 健康寿命の延伸、医療費の削減 健康意識の向上、行動変容による健康増進 交通 渋滞緩和による排出ガス削減、環境改善 混雑状況や天候に応じた最適なナビゲーション ※ 9~10頁にて、個別ユースケースについて説明 本人同意 契約等 本人同意に基づく 個人情報を含むデータの流通 - - ー ー X社 - - ー ー A社 - - ー ー ・・・社 ・ - - ー ー ・・・社 匿名加工データの流通 ・ - - ー ー ・・・社 個人に係らないデータの流通

AI、IoT等の高度化・活用を推進する上でも多種多様なデータ流通環境整備が不可欠 2.データ流通環境整備の必要性 個人に係るデータ流通の現状と課題  属性、移動・行動履歴等、個人に係るデータの、事業者や業界を超えた流通・利活用が期待されると ころ。現状では、本人がデータ利活用を希望する場合であっても、以下の要因から事業者間のデータ流 通は十分に進んでおらず、また、本人が複数の事業者が保有するデータを統合的に管理することも困難。 ①プライバシー保護に関する国民の漠然とした不安・不信感等を背景に、事業者が流通・利活用を躊躇 ②第三者提供に係る本人同意の取得が困難 ③事業者による囲い込み(データ互換性確保、API開放、データポータビリティ等が実現していない)  個人に係るデータの、本人同意に基づく、事業者や業界を超えた共有・分析・活用が可能な環境を整 備することにより、新規事業・サービスの創出、我が国産業の競争力強化、経済活性化、国民生活の安 全性や利便性の向上を実現し、急速な超少子高齢社会に向かう我が国が直面する課題の解決に貢献 する。 AI、IoT等の高度化・活用を推進する上でも多種多様なデータ流通環境整備が不可欠

【参考】日本再興戦略2016 関係記述抜粋 I 新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等 1.第4次産業革命の実現 ii) 第4次産業革命を支える環境整備 ①データ利活用促進に向けた環境整備 ・パーソナルデータに関しては、個人情報の取扱いに関して全事業分野に適用され る汎用的なガイドラインや匿名加工情報の取扱いに係る必要なルールの整備を個 人情報保護委員会において本年中を目途に行う。また、個別にデータ利活用が期 待され、そのための環境整備が必要となる分野については、その特定及びスケ ジュールについて、具体的なデータ利活用プロジェクトを通じて得られる知見等 を踏まえて、関係省庁が連携して検討を進め、本年中を目途に結論を得る。 ・IoT、AI 時代に流通量が増大しつつある個人に関するデータの安全・安心な利活 用の観点から、データ流通における個人の関与の仕組みや健全な取引市場の在り 方、個人自らがデータを信頼できる者に託し個人や社会のために活用する等の仕 組みについて技術・制度面から本年度末までに取りまとめる。

3.円滑なデータ流通・利活用の実現に向けて  データ流通・利活用に関する国民の不安や不信感を払しょくするためにも、データ流通への個人の関与 を強化していく必要がある。データ利活用により国民が便益を享受できるユースケースを想定しつつ、データ 流通への個人の関与を強化する以下のような仕組みについて検討を行う。 <国内外で議論されている仕組み> PDSとは Personal Data Store。個人が自らのデータを蓄積・管理・活用(第三者への提供の制御を含む)するための仕組み。 情報銀行(情報利用信用銀行)とは 個人からの預託により、個人に代わりデータを蓄積・管理・活用(第三者提供を含む)し、個人に便益を還元する事業者。 データ取引市場とは データ保有者と当該データの利活用を希望する者とを仲介し、蓄積・解析した各種データについて、売買等による取引を可能とする仕組み(市場)。 ※英国ビジネス・イノベーション・技能省「The midata Innovation Opportunity」に記載,2013年11月 ※COCN(産業競争力懇談会) 「IoT時代におけるプライバシーとイノベーションの両立」にて提言,2016年3月 ※EverySense社(データ取引市場展開企業)等が我が国においても提案

4.想定されるユースケース (1)観光領域  個人が自身に関する位置情報、飲食履歴・購買履歴、旅行履歴等を収集し、流通させることで、観 光団体による観光情報の提供や、ショッピングモール運営業者によるご当地グルメや名産品等の提案が 可能となり、観光地全体での「おもてなしサービスの実現」が期待される。 個人の属性情報や趣向に 合った商品や情報を得ること ができる。 サービス提供事業者 通信事業者 ・位置・移動情報 ・災害情報 ・交通情報 ・言語情報等 ・観光関連 マッシュアップ データ 観光団体 スマホ等 位置情報と組み合わせた 近隣の観光情報の提供 飲食・購買関連 サイト事業者 ・飲食履歴 ・購買履歴等 個人 ・観光関連 マッシュアップ データ ・パスポート情報   ・クレジットカード情報 ・出身(言語)情報等 ショッピングモール 運営事業者 PDS 旅行サイト事業者 ・訪問先の検討履歴 ・オリパラ情報 ・交通情報 ・地域情報等 個人の属性情報や趣向に 合わせた商品案内、情報提供 ※ 情報銀行が、個人に代わり、個人に関するデータを管理・運用する場合もある。

4.想定されるユースケース (2)金融・フィンテック領域 4.想定されるユースケース (2)金融・フィンテック領域  個人が自身に関する資産情報やインターネット販売サイトでの購買履歴等の情報を収集し、流通させ ることで、信託銀行や証券会社等により個人のニーズに合わせた資産運用やサービスパッケージの提案が 可能となり、「安全・安心な管理」が期待される。 自分の資産状況を随時確認しながら、 契約事業者やサービスを見直すこと で、資産全体の最適な運用ができる。 サービス提供事業者 銀行 ・金融関連 マッシュアップ データ 信託銀行 ・資産情報 ・口座引落し情報 個人の資産状況に合わせた 金融商品の提案 スマホ等 クレジットカード 会社 ・購買使用履歴 個人 ・金融関連 マッシュアップ データ 公益事業者 (電力・ガス・通信等) PDS ポイント事業者 個人の利用状況に合わせた 最適なプランの提案 ・購買使用履歴 ※ 情報銀行が、個人に代わり、個人に関するデータを管理・運用する場合もある。

4.想定されるユースケース (3)ヘルスケア領域 4.想定されるユースケース (3)ヘルスケア領域  個人が自身に関するヘルスケア関連情報(食品・食材の購買履歴、健康状態・運動履歴等)を収 集し、流通させることで、個人の嗜好や健康状態に合わせて、飲食店がメニューを提供したり、保険会社 が商品を提案するなど、「社会全体の健康寿命の延伸」の実現が期待される。 生活改善のインセンティブによる積極的改善につながる。 サービス提供事業者 食品量販店 ・ヘルスケア関連 マッシュアップデータ 飲食店 ・食品・食材等の  購買履歴 個人の健康状態に 合わせたメニューの提供 スマホ等 ヘルスケア事業者(IoTデバイス等) ・健康状態 ・体重、脈拍等 個人 ・ヘルスケア関連 マッシュアップ データ 生命保険会社 PDS フィットネス事業社 ・運動メニュー ・消費カロリー 個人の健康状態に合わせた 保険の提案 ※ 情報銀行が、個人に代わり、個人に関するデータを管理・運用する場合もある。

4.想定されるユースケース (4)PDSから情報銀行へ 個人との契約等に基づき、個人のデータを安全に蓄積・管理するとともに、個人に代わり妥当性を判断の上、業界や事業者にデータを提供し、個人に便益を還元する事業者。 個人が自らのデータを安全に蓄積・管理・活用することができる。 管理するのが大変・・・ - - ー ー - - ー ー - - ー ー 共有 - - ー ー 個人に関する データ AとBのデータを提供 PDS 個人 個人に関する データ 共有 PDS 個人 AとBのデータを提供 事業者D 事業者D 事業者A 事業者A - - ー ー 預託  ・・ ・・ ■ ■ ■ ・ - - ー ー - - ー ー - - ー ー 個人に関する データ 個人に関する データ 事業者E 便益 事業者E 事業者B 事業者B - - ー ー - - ー ー - - ー ー - - ー ー 個人に関する データ 事業者F 個人に関する データ 事業者F 事業者C 事業者C

4.想定されるユースケース (5)将来イメージ 4.想定されるユースケース (5)将来イメージ  各業界で蓄積されている情報を情報銀行に預託する仕組みが整備されることで、将来的には預託した 情報が多くの業界で活用されるようになるのではないか。データ流通が促進されることにより、データ流通の 便益を社会全体や個人に還元することが期待される。 金融 業 界 ヘ ル ス ケ ア 通 信 業 界 金融 業 界 - - ー ー 情報銀行 観 光 業 界 - - ー ー ヘ ル ス ケ ア - - ー ー 情報銀行 観 光 業 界 - - ー ー 情報銀行 通 信 業 界 情報銀行 預託 観 光 業 界 PDS (観光) ヘ ル ス ケ ア PDS (ヘルス ケア) - - ー ー 情報銀行 金融 業 界 PDS (金融) 通 信 業 界 PDS (通信) 預託 預託 預託 預託 個人

5.論点と議論の方向性  PDS、情報銀行、データ取引市場には、それぞれ技術、事業及び制度の各面において以下の検討課 題が想定される。このため、今後、「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ」の議論を通じて これら課題について包括的に議論を行い、解決の方向性を明らかにする。 PDS 情報銀行 データ取引市場 技術 事業 制度 安全・確実な認証技術の検証 本人によるデータ管理(オプトアウト等)を可能とする技術の検討 セキュリティの確保、データのトレーサビリティ等の安全・安心を担保する技術の検証 データの互換性の確保、各種データの標準化に向けた取り組み 個人及び事業者のデータ流通に係るインセンティブの検討 価格形成プロセスの検討 (参考事例:証券取引所等) データ流通における透明性の確保 知的財産(著作権、特許権等)の有り方の検証 データコントロール権、データポータビリティの 具体化に向けた課題と解決策の検討 情報管理の信頼性・セキュリティ を確保するための要件の検討 ※社会意識の醸成に向けたユースケースの検討

【参考】 EU一般データ保護規則(GDPR)について  2016年5月、EU全域のデータ保護法制を全面的に改革する一般データ保護規則(GDPR)が交 付された。同規則は2018年に施行予定になっており、EU加盟国全域に直接適用される。データ流通に 関するポイントは以下の「データポータビリティ」。 データポータビリティの権利  個人がデータ管理者(事業者)に提供した自らのデータを、一般的に用いられる機械判読可能な電子的フォーマットで当該データ管理者から受け取る、または、別の者(事業者)に移管する仕組み (平成28年5月に交付されたEU一般データ保護規則で規定)

6.WG各回のアジェンダ 日程案 主要テーマ アジェンダ案 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 9月30日 全般 ・第Ⅱ期中間まとめについて(論点・スケジュール) ・WGの運営について ・検討内容について ・有識者プレゼン(海外事例等) 第2回 10月上旬 PDS ・PDSにおける認証、データポータビリティ、トレーサビリティ等について ・意見交換 第3回 10月下旬 情報銀行 ・情報銀行の定義・仕組み可能性について ・情報銀行における論点(企業、個人のインセンティブ(ビジネス)等) 第4回 11月上旬 ・ユースケースの検証(事業者ヒアリング(観光、金融、ヘルスケア)等) 第5回 11月中旬 ・有識者プレゼン(著作権、特許等の権利関係) ・データの互換性について 第6回 12月上旬 データ取引所 ・有識者プレゼン(価格形成プロセス等) 第7回 12月中旬 ・骨子(案)について 第8回 1月下旬 ・取りまとめ