これからの司書養成カリキュラム 帝塚山大学  柴田正美.

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これからの司書養成カリキュラム 帝塚山大学  柴田正美

1 図書館法による司書の資格 これからの司書養成カリキュラム 第5条 左の各号の一に該当する者は、司書となる資格を有する。 1 図書館法による司書の資格 第5条 左の各号の一に該当する者は、司書となる資格を有する。 1 大学又は高等専門学校を卒業した者で第6条(司書及び司書補        の講習)の規定による司書の講習を修了したもの 2 大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履修したもの 3 3年以上司書補(国立国会図書館又は大学若しくは高等専門学校の附属図書館の職員で司書補に相当するものを含む。)として勤務した経験を有する者で第6条の規定による司書の講習を修了したもの 第6条 司書及び司書補の講習は、大学が、文部科学大臣の委嘱を受けて行う。 2 司書及び司書補の講習に関し、履修すべき科目、単位その他必要な事項は、文部科学省令で定める。ただし、その履修すべき単位数は、15単位を下ることができない。

2 1項司書と2項司書 これからの司書養成カリキュラム 基礎学歴 1項 大学又は高等専門学校の卒業 2項 大学の卒業 2 1項司書と2項司書 基礎学歴 1項 大学又は高等専門学校の卒業        2項 大学の卒業 条件    1項 司書講習の修了        2項 図書館に関する科目の履修 科目等の内容 1項  文部科学省令:図書館法施行規則に科目・単位       各科目の内容は、文部科学省生涯学習局長通知で 2項  規定はどこにもない

社会教育主事 講習:社会教育主事講習等規程 (文部科学省令) 大学:社会教育に関する科目・単位(同上) これからの司書養成カリキュラム 社会教育主事 講習:社会教育主事講習等規程               (文部科学省令)           大学:社会教育に関する科目・単位(同上) 学芸員      試験:科目・方法を博物館法施行規則           大学:博物館に関する科目・単位(同上)

3 現行カリキュラムに関する批判 内容面での不足 FDとの関係が反映できない 一度、認定をうけると、それが固定される構造である これからの司書養成カリキュラム 3 現行カリキュラムに関する批判 内容面での不足 FDとの関係が反映できない 一度、認定をうけると、それが固定される構造である 大学間の実力が違いすぎる 結果として「同じ司書」としてしか扱われない 一部の科目を「講習」で補おうとすると問題が発生する

2つの養成システムを分けてしまう 1項システム 各大学が、いずれかのシステムを選択する 「講習」そのままの構造・内容で実施 これからの司書養成カリキュラム 2つの養成システムを分けてしまう 各大学が、いずれかのシステムを選択する 1項システム 「講習」そのままの構造・内容で実施 科目の合併を認めない(1セメスターで2科目) 3科目から2科目・2単位は自由に 構造・内容を8~12年で、必ず見直す 各大学は「認定」を2~3年ごとに受ける 司書検定試験に合格しなくても「司書」である 修了証書は、文部科学大臣からのものとする

2項システム 教授すべき最低限の「内容」を規定する 「内容」を、どのような「科目」とするかは自由 これからの司書養成カリキュラム 2項システム 教授すべき最低限の「内容」を規定する 「内容」を、どのような「科目」とするかは自由 それらの「科目」による修得最低単位を「25単位」 JLA案(24単位)+生涯学習関連(1単位) 文部科学省による「認定」はしない 司書検定試験に合格すること 修了証書ではなく「合格証書」(実施者が発行する)

付加する内容(1) これからの司書養成カリキュラム 生涯学習支援施設の機能と経営 生涯学習と社会教育に関わる現代的課題 電子図書館の現状と今後の展開 図書館サービス計画の策定 図書館経営方策についての企画・立案 利用者研究 読書心理学 個人情報保護と図書館 電子メディアを利用したサービス 情報行動についての基本的理解 地域インフォメーションファイルの作成と管理

付加する内容(2) これからの司書養成カリキュラム 電子メディアを利用したレファレンス業務 ネットワーク情報資源とレファレンス業務 情報サービスの現代的課題と利用者支援教育 外国語資料についての理解 Web上の資源の収集・整理・利用と提供 サブジェクト・ゲートウェイ 分野・領域ごとの資料・情報研究 インターネット上の情報の組織化

付加する内容(3) これからの司書養成カリキュラム 図書館設置運動の歴史 図書と情報の流通に関する歴史 情報の歴史 書誌学 古典籍・古文書の取り扱い 資料修復 資料保存・保護・製本・媒体変換技術 コンピュータを利用したコミュニケーション 共通認識・協働システムの形成技術 認知科学 サーバー管理技術

大学における科目構成案 これからの司書養成カリキュラム 図書館情報学概論(6) 情報利用論(4) 資料と情報の組織化(6/演習2) 情報メディア論(4) 資料と情報のサービス(6/演習2) 情報システム論(4) 経営・管理論(4) デジタル情報論(2) 図書館情報学特別科目:2科目(オプション:各2)