2016年 前期 日本法制史講義 近世法 3 0706-2 5 近世法⑶ 武家領主法 ③ 犯罪と刑罰の法
5 近世法 ⑶ 犯罪と刑罰の法 1 近世の裁判 2 近世の刑罰(仕置の体系) 江戸小伝馬町牢屋敷 刑場跡
1 近世の裁判 1 ⑴ 裁判機関(裁判権) ① 大名(=地頭)たち 自分仕置が原則 →独自の判例集 (目白) 細川家永青文庫 1 近世の裁判 1 ⑴ 裁判機関(裁判権) ① 大名(=地頭)たち 自分仕置が原則 →独自の判例集 eg 熊本藩 御刑法草書 鎌田浩 『肥後藩の庶民事件録』 (熊日新書) 盛岡藩 「刑罪 」 ・ 対馬藩 「 罸責」 → 法制史研究会 HP (デジタル画像&文字情報出版済) ② 特定集団 → 庶民社会の法 勝手次第
1 近世の裁判 2 ③幕府 直轄領および 他領・他支配の訴訟 将軍御直裁判 江戸町奉行 評定所 eg 長崎奉行所 犯科帳 1)評定所一座 1 近世の裁判 2 ③幕府 直轄領および 他領・他支配の訴訟 将軍御直裁判 江戸町奉行 各地の 代官 遠国奉行 評定所 eg 長崎奉行所 犯科帳 1)評定所一座 寺社奉行・町奉行・(公事方)勘定奉行全員の合議体 老中の諮問機関+裁判機関(評定公事・一座掛詮議物) 2)裁判の場所として重要な吟味物の裁判 (五手掛・三手掛)
1 近世の裁判 3 ⑵ 裁判の類型 (訴訟手続による区別) ① 出入物(筋)(=公事) (民事・刑事両訴訟手続と考えるべきか) 1 近世の裁判 3 ⑵ 裁判の類型 (訴訟手続による区別) ① 出入物(筋)(=公事) 民事訴訟に相当 (民事・刑事両訴訟手続と考えるべきか) ② 吟味物(筋) 刑事訴訟に相当 火付・盗賊・人殺・逆罪などは必ず吟味筋 石井良助 『江戸の刑罰』 (中公新書) 平松義郎 『江戸の罪と罰』 (平凡社選書)
1 近世の裁判 4 ⑶ 吟味筋の手続 吟味 目安提出 自白 密告・告発 召喚 吟味詰 (被害届) 差紙 ←牢問・拷問 職権による 逮捕 申渡 1 近世の裁判 4 ⑶ 吟味筋の手続 吟味 目安提出 自白 (被害届) 差紙 ←牢問・拷問 密告・告発 召喚 吟味詰 口 書 与力・同心・目明 捜査 職権による 逮捕 申渡
余談 1 銭形平次は存在したか? 居ました居ました 家まであるんですよ ただしTVの世界で
2 近世の刑罰(仕置の体系) 御咎め 軽い仕置 不埓・不束・不念 ニ付□□ 御仕置 重い刑 不届ニ付□□(判決申渡文) 2 近世の刑罰(仕置の体系) 御咎め 軽い仕置 不埓・不束・不念 ニ付□□ 御仕置 重い刑 不届ニ付□□(判決申渡文) →講義ノート ⑴ 『公事方御定書』 103条「御仕置仕形之事」 ⑵ 刑罰の体系 ⑶ その他の刑事政策 ⑷ 刑罰の段取 報復(応報) 見懲らし
刑罰の段取 磔・獄門
刑罰の段取 2 火罪・引回し
死罪・下手人・斬罪(切腹) 刑罰の段取 3
刑罰の段取 4 敲
牢問・拷問 石抱き 海老攻め
入墨 にゅうぼく
時は元禄15年・・・ 余談2 喧嘩両成敗の法 vs 片手落ちの処断 所は殿中松の大廊下 思い知ったか ! 遺恨なり上野介、 赤穂の田舎侍、 この痴れ者め ! 江戸博ジオラマ
忠節の臣 幕府を糺す vs 売名行為
本日の ミニレポート 喧嘩両成敗は天下の大法 諸君の経験と法理の妥当性は?