「こどもの整形外科的疾患 てなんですのん?」 「こどもの整形外科的疾患 てなんですのん?」 みたに整形外科 三谷高史
背骨が曲がっている 脊柱側弯症
側弯症(1) 側弯は背骨が横に曲がった状態。問題なの は背骨が捻じれながら横に曲がった状態です。 悪化すると背骨ばかりか胸郭も変形し、生活 側弯は背骨が横に曲がった状態。問題なの は背骨が捻じれながら横に曲がった状態です。 悪化すると背骨ばかりか胸郭も変形し、生活 に支障を来します。
側弯症(2) *約7~8割が特発性側弯症(原因不明) *10歳以降の女児に発症することが多い *8割が女性 思春期に進行 *学校検診における発見率は0.5~2.0%
側弯症(3) (診断) ・家族が姿勢異常に気づく。学校検診や胸部単 純X線像で側弯を指摘され受診することが多い ・軽度の腰背部痛を訴えることがあるが、多くは 無症状 ・理学所見(肩の高さ、ウエストライン、肩甲骨 の位置、肋骨隆起) ・単純X線正面像(胸椎、腰椎)
側弯症(4) (治療方針) 1)経過観察 Cobb角が25度未満 2)装具療法 Cobb角が25~40度 3)手術療法 Cobb角が40~50度以上
側弯症(5) (患者家族からよくある質問) 1)姿勢が悪いので側弯症になったので しょうか? 2)鞄の持ち方や重さが側弯症の発生や しょうか? 2)鞄の持ち方や重さが側弯症の発生や 進行に関係ありますか? 3)側弯症を予防する方法がありますか? 4)遺伝しますか?
側弯症(6) (健康診断の目的) 特発性側弯症を悪化する前に発見し、 早期治療により進行を予防することが重要
腰を曲げたり、反らしたりすると痛みがある。 腰椎分離症
腰椎分離症(1) (概念) 何らかの先天的要因に加え、腰椎の後屈や 回旋により椎間関節突起間部に疲労骨折を 起こすことが原因
腰椎分離症(2) 小学生~高校生に発生 日本人の4~7%に認められる 約90%が第5腰椎に発生する スポーツ愛好家に多い 腰椎分離症のうち10~20%が分離すべり症に移行。すべり症は分離症と比べ経過不良例が多い
腰椎分離症(3) (診断) 青少年がスポーツ活動時に腰痛が増強し 安静により改善する場合、疑いが強い 腰椎の特に後屈時に出現する腰痛。 (診断) 青少年がスポーツ活動時に腰痛が増強し 安静により改善する場合、疑いが強い 腰椎の特に後屈時に出現する腰痛。 腰椎棘突起の圧痛および叩打痛 早期には単純X線での診断は困難なことが多く、CT、MRIが必要
腰椎分離症(4) (治療) ・超初期から進行期で骨癒合を目的とする場合 →スポーツ活動の禁止・硬性コルセット装着 →スポーツ活動の禁止・硬性コルセット装着 →約3~6か月の治療期間が必要 ・終末期では骨癒合の可能性が低いため、疼痛 を管理しつつスポーツ復帰を支援する。
腰椎分離症(5) (留意点) ・診断が遅れると骨癒合させる治療は困難になり、 分離すべり症に進行していく可能性が高くなるの で早期診断が重要となる。 ・スポーツに熱心な少年・少女や家族にとっては 長期におよぶ運動休止の宣告はとても重いもので あり正確な診断と充分な説明が必要である。
上肢に痛みや動きの悪いところがある。 ➡ 野球肩 ➡ 野球肘
野球肩 野球肩といっても、その病態は多岐にわたります。 いわゆるインナーマッスルと称した腱板損傷、上腕二頭筋長頭障害、関節唇断裂、剥離(SLAPlesion) 肩峰下滑液包炎、骨端線離開(リトルリーグ肩)。 これらが単一病変のみならず、複雑にオーバーラップし痛みを生じることもあります。
野球肘 内側型 内側側副靭帯損傷、内側上顆骨端離開 外側型 離断性骨軟骨炎 後方型 上腕三頭筋腱付着部炎、肘頭骨端離開 肘頭疲労骨折
野球肩・野球肘(1) (原因) ・ オーバーユース(使いすぎ) ・ コンディショニング不足 1)柔軟性の低下 2)筋機能の問題 3)投球フォームの問題
野球肩・野球肘(2) (治療) 基本は 投球禁止 肩関節の関節可動域改善 体幹・下肢の柔軟性の獲得 投球フォームのチェック
膝に痛みや動きの悪い ところがある ➡オスグッド・シュラッター病
オスグッド・シュラッター病(1) (症状) 脛骨粗面の圧痛、運動時痛 ・10~14歳、スポーツ活動のさかんな男 児に多い (症状) 脛骨粗面の圧痛、運動時痛 ・10~14歳、スポーツ活動のさかんな男 児に多い ・バスケットボール、バレーボール、 サッカー
オスグッド・シュラッター病(2) (病態) 膝の曲げ伸ばす動作で、大腿四頭筋・膝蓋腱が発育途中の軟骨を繰り返し引っ張って、ひきはがされたようになって骨がでっぱり痛みが起こる
オスグッド・シュラッター病(3) (治療) ・運動制限(全面的に禁止する必要はなし) ・大腿四頭筋のストレッチ ・スポーツ後のアイシング ・装具 *成長のピークを過ぎれば骨がかたまり、 痛みは自然に治まっていきます。
片脚立ちが5秒以上できない。 しゃがみ込みができない。 ➡ペルテス病 ➡大腿骨頭すべり症 ➡発育性股関節形成不全 (先天性股関節脱臼)
ペルテス病(1) ・ 原因は不明。 ・(病態)大腿骨頭に栄養を送る血液の流れ がなんらかの原因によって悪くなり、骨頭 が一時的に壊死を起こすとされています。
ペルテス病(2) ・男児に多く、6~7歳、両側性は10%前後 ・(症状)跛行が中心、 股関節~大腿部前面の痛み ・(診断)単純X線。早期診断にはMRIが有用 ・(治療方針)約82%が保存療法→装具療法。 約1年~2年の治療が必要 ・(治療目的)できる限り球形度の高い骨頭を作る →骨頭変形を残すと変形性股関節症に進行
大腿骨頭すべり症(1) ・小学校高学年~中学生の肥満児の男児に多い。 ・成長軟骨帯の安定性が不良なために大腿骨頭の すべりが生じる。 すべりが生じる。 ・必ずしも激しいスポーツが原因ではない。軽微な 外傷でも生じるし、誘因が全くない場合もある。 ・両側性に発生することもある(20~30%。健側の 予防的手術することあり)
大腿骨頭すべり症(2) (症状)膝から股関節にかけての痛みと跛行 (治療)原則、手術が必要。 *最初に受診した医療機関で正しく診断された 症例は整形外科で43%、整形外科以外では0% *早期診断・早期治療が極めて重要
ご清聴ありがとうございました。