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掛川市公共施設等総合管理計画 概要版 平成28年3月 掛川市

1 はじめに 2 計画の対象施設・期間 ●背景と目的 1 はじめに ●背景と目的 本市には、学校や集会施設、スポーツ・レクリエーション施設などの様々な公共施設が整備されていますが、これらの施設は、昭和50年代に整備された施設が多く、建物自体が築30年を越え、老朽化が進行しています。さらに、平成17年4月の1市2町の市町村合併や、少子高齢化の進展などにより市民ニーズも変化しています。 本市が保有する施設のうち、昭和50年代までに整備された施設は、近い将来、同時期に大規模改修や建替が集中することが見込まれ、加えて、これらの施設を現状のまま維持するためには多額の維持管理費用が必要になります。 一方で、人口減少や少子高齢化が進むことにより公共施設等の維持・更新に充当できる経費は、今後削減が必要になると見込まれます。また、施設整備時に想定した設置目的が現在のニーズに即していない可能性があります。 以上の背景に基づき、「公共施設等の安心・安全を確保するとともに、公共施設等によるサービスを最適かつ持続可能なものとすること」を目的とし、掛川市公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するための基本的な方向性を取りまとめます。 本紙はその概要版として、要点を掲載しています。 ●解決すべき3つの課題 ① 施設需要の変化に応じた質と量の最適化 人口減少、人口構造の変化やライフスタイルの多様化、市民ニーズの変化等に対応した公共施設のあり方や機能の見直し、協働のまちづくりや近隣自治体との広域連携によるサービス提供を含め、公共施設等の最適な質と量の維持が必要となります。 ② 事後保全から予防保全への転換と長寿命化 施設に不具合が生じてからの修繕等ではなく、計画的な予防保全を講じることにより、公共施設等の長寿命化を図るとともに、将来にわたり安心・安全に利用できる状態を維持し、また、今後建設する施設については、より一層の長寿命化を可能とする仕様の検討が必要となります。 ③ 財政負担の軽減と平準化 市全体として総合的な対策を進めるため、公共施設等の維持及び更新に要する費用の全体像を把握するとともに、公共施設等の再編や改修・更新による効率化や時期の分散化などを図り、財政負担の軽減と平準化が必要となります。 2 計画の対象施設・期間 ●計画の対象施設 建築物系公共施設 インフラ 庁舎施設、集会施設、社会教育・文化施設、 スポーツ・レクリエーション施設、学校・教育施設、 子育て支援施設、保健・医療・福祉施設、住宅施設、 商業・産業施設、消防施設、環境・衛生施設、 その他施設 道路(市道、農道、林道、トンネル、その他付帯物等)、 橋梁、河川(河川、水門・樋門)、 上水道(管路、配水池、浄水場、ポンプ場 等)、 下水道(管渠、処理場、浄化センター、コミュニティプラント施設、浄化槽 等)、 公園(都市公園、親水公園、農村公園、児童公園)、溜池 ●計画の期間 公共施設等のマネジメントにおいては長期的視点での取り組みが必要であることから、計画期間は平成28年度(2016年度)から平成57年度(2045年度)までの30年間とします。 ただし、必要に応じ、適宜見直しを行うものとします。

公共施設の維持・更新に充当できる予算は限られている。 3 掛川市の現状と課題 ●人口推移の状況 本市の人口は、住民基本台帳によれば、平成22年(2010年)で120,229人であり、平成27年(2015年)で117,681人となっています。一方で、5年に1度の国勢調査によれば、昭和60年以降増加を続けたものの、平成22年(2010年)で116,363人となり、前回調査と比較して、1,494人減少しています。 国勢調査をもとに平成25年3月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、当市の人口は、平成52年に10万人を割り込むとともに、生産年齢人口割合は51.8%まで減少、高齢化率は37.1%まで上昇すると見込まれています。 しかしながら、本市では、「協働のまちづくり」と行政運営の効率化を見据え、第2次掛川市総合計画において、目標人口を平成37年(2025年)で115,000人、平成52年(2040年)で120,000人と設定しています。 図:人口・年齢別人口構成の推移 目標人口を 12万人に設定 →推計・目標 ※実績値のうちS60~H17については国勢調査(各年10月1日基準日)をもとに作成。H22、H27については住民基本台帳(各年4月1日現在)をもとに作成。 ●財政の状況 平成20年度から平成26年度にかけて、依存財源による歳入(国・県支出金、地方交付税、市債、その他依存財源)は歳入総額の29~42%程度を占め、約120億円から200億円で推移しています。 歳出状況を見ると、平成20年度から26年度にかけて、扶助費が増加傾向にあります。今後、人口減少および高齢化が進むことで、将来のさらなる扶助費の増加が考えられます。 普通建設事業費については、事業が集中した平成24、25年度には増加しましたが、扶助費の増加が予想されるため、削減される可能性があります。 図:歳入状況 図:歳出状況 依存財源が 29~42%を占める 扶助費が増加 公共施設の維持・更新に充当できる予算は限られている。 将来の人口減により自主財源の 確保は厳しくなることが想定される。

図:施設用途別の保有状況 (平成27年4月1日現在) ●施設用途別の保有状況(建築物系公共施設) 本市では、総施設数212、延床面積369,154㎡の公共施設を保有しています。 用途別の保有状況をみると、学校・教育施設が最も多く、次いで住宅施設が多くなっています。 図:施設用途別の保有状況 (平成27年4月1日現在) 大分類 小分類 総施設数 総面積(㎡) 面積合計(㎡) 庁舎施設 庁舎 2 17,095.0 22,739.0 支所 5,644.0 集会施設 公民館 3,835.0 27,577.7 市民会館・ホール 3 12,914.0 地域コミュニティ施設 26 9,054.4 その他集会施設 1,774.3 社会教育・文化施設 図書館 9,501.0 16,985.1 美術館 1,215.1 その他社会教育文化施設 9 6,269.0 スポーツ・レクリエーション施設 総合運動場 6 3,942.5 34,611.6 体育館 4 19,157.0 プール 1 1,010.0 キャンプ場 1,993.4 温泉施設 3,437.0 その他スポーツレクリエーション施設 5,071.7 学校・教育施設 小学校 22 94,385.0 164,342.6 中学校 63,626.0 給食施設 11 5,784.0 その他教育施設 547.6 子育て支援施設 幼稚園 10 10,537.0 17,124.2 幼保園 2,887.0 児童館 634.0 放課後児童クラブ(学童保育所) 21 1,781.2 その他子育て支援施設 1,285.0 保健・医療・福祉施設 保健施設 4,860.2 20,582.5 高齢者施設 8,776.1 その他保健医療福祉施設 6,946.2 住宅施設 市営住宅 13 32,696.6 37,675.1 その他住宅施設 4,978.5 商業・産業施設 商工施設 502.0 11,052.9 観光施設 2,024.0 その他商業産業施設 8,526.9 消防施設 消防庁舎 1,833.3 2,320.3 分署 487.0 環境・衛生施設 ごみ焼却場 3,791.0 7,363.0 埋め立て処分場 592.0 し尿処理場 2,980.0 その他施設 駐車場 5,483.0 6,780.0 駐輪場 1,297.0 合計 212 369,154.0 ※延床面積200㎡以上の建物を含む施設を対象としています。 ※一部事務組合が所有する施設、およびインフラ施設(公園施設、上下水道施設)は含まれていません。 ※平成27年6月にオープンしたステンドグラス美術館は面積に含んでいます。 ●築年別整備状況 昭和39年までに建設された建物が4.8%、昭和40年代に建設された建物が11.4%、昭和50年代に建設された建物が31.2%を占めています。なお、築30年を超える建物が全体の49.1%となります。 昭和50 年代に建設された建物が31.2%と高い割合を占める背景には、学校・教育施設のうち特に昭和56年に建築された原田小学校、倉真小学校、大浜中学校の校舎、公民館等施設として大須賀中央公民館が建設されたことが挙げられます。 これらの築30年を超える建物は今後、老朽化による大規模修繕や建替が必要となり、多くのコストがかかることが想定されます。 図:築年別・施設用途別の整備状況 4.8% 11.4% 31.2% 昭和39年までに建設 昭和40年代に建設 昭和50年代に建設

4 将来更新費用の推計 図:将来費用の算定結果(建築物系公共施設) 図:将来費用の算定結果(インフラ) 4 将来更新費用の推計 ① 建築物系公共施設 建築物系公共施設の維持・更新にかかる費用は、将来10年間では1年あたり平均約31.3億円、20年間では約32.6億円、30年間では約38.6億円、50年間では約38.7億円の費用がかかると推計されています。 図:将来費用の算定結果(建築物系公共施設) ② インフラ インフラの維持・更新にかかる費用は、将来10年間では1年あたり平均約46.8億円、20年間では約53.9億円、30年間では約59.4億円、50年間では約63.8億円の費用がかかると推計されています。 図:将来費用の算定結果(インフラ) ③ 建築物系公共施設+インフラ 建築物系公共施設とインフラの維持・更新にかかる費用の合計は、将来10年間では1年あたり平均約78.1億円、20年間では約86.5億円、30年間では約98.0億円、50年間では約102.5億円の費用がかかると推計されています。 年度によるばらつきが大きく、平成74年度には約180億円程度の更新費用が発生すると見込まれています。 図:将来費用の算定結果(建築物系公共施設+インフラ)

【新設】から【賢く長く丁寧に使う】へ 5 公共施設等の管理の方針 公共施設の安心・安全を確保するとともに、公共施設等に 5 公共施設等の管理の方針 図:基本方針イメージ  公共施設の安心・安全を確保するとともに、公共施設等に  よるサービスを最適かつ持続可能なものとする。 人口減少、少子高齢化、ニーズの変化 公共施設の老朽化 財政状況の変化 今回の将来更新費用の試算では、現在保有する公共施設(建築物系公共施設+インフラ)について、削減等の対策を何もせず、既存の施設数や規模のまま維持していく場合、1年あたり約102.5億円の費用が見込まれます。このうち、上水道会計及び公共下水道会計等の事業会計における費用約32億5千万円を除くと、約70億円が見込まれます。 一方で、近年の建設投資額の状況をもとに、道路の拡幅等の施設改良や新規事業の実施、今後の社会保障関係費等の増加などを考慮すると、既存施設の維持更新費用に充てることのできる財源は40億円程度となります。 【新設】から【賢く長く丁寧に使う】へ 保有総量の適正化 ・施設や行政サービスの必要性の検討 ・施設保有総量の圧縮 ・機能に基づく適正配置 ・近隣自治体との連携 長寿命化と安全確保 ・長寿命化のための予防保全 ・安全確保と耐震化 運営管理の適正化 ・経費の縮減・収入の確保 ・官民協働による運営管理

●建築系公共施設の管理の基本的な方針 ① 保有総量の適正化 ② 長寿命化と安全確保 ③ 運営管理の適正化 図:施設用途別の今後の方向性 ① 保有総量の適正化 【施設・行政サービスの必要性の検討】施設の設置目的や利用実態を踏まえ、改めて施設や行政サービスの必要        性について検討していきます。 【施設保有総量の圧縮】老朽化した施設が多くあり、財政状況を踏まえると全ての施設を更新・維持していくこ  とは困難な状況のため、施設の統廃合や機能の集約、複合化により、保有総量を圧縮していきます。 【機能に基づく適正配置】まちづくりの観点から全市レベル、地域レベルの公共施設の配置に考慮し、行政サー  ビスの水準を維持・向上する方策を講じていきます。社会情勢の変化や、少子高齢化、ライフスタイルの変化    を踏まえた行政サービスが提供できるよう機能の見直しと適正配置を行います。 【近隣自治体との連携】単独で施設を保有するのではなく、近隣自治体施設の相互利用など、広域連携の可能性  を検討していきます。 ② 長寿命化と安全確保 【長寿命化のための予防保全】長寿命化を図るための予防保全による施設・設備の維持管理を積極的に行い、安  全性や利便性などを考慮し、施設の使用期間を定めた上で、必要な改修・修繕を計画的に実施していきます。    今後建設予定の施設については、より一層の長寿命化を可能とする仕様を検討します。 【安全確保・耐震化】点検等により危険性が認められた場合には、その後の活用方法に合わせ、安全確保に取り  組んでいきます。また、災害時の拠点施設としての機能が必要な施設は耐震化を図っていきます。 ③ 運営管理の適正化 【経費の縮減・収入の確保】光熱水費、管理委託費等の縮減策、包括管理委託の導入等、維持管理経費の縮減に努めます。また、受益者負担の適正化、統廃合により余剰となった資産や未利用スペース等の処分、貸付等による財源の確保を検討していきます。 【官民協働による運営管理】効果的な維持管理を図るため、公共施設の利用者や、地域、市民との協働による運  営管理など、新しい官民協働の仕組みを検討していきます。また、指定管理者制度、PFI等を積極的に取り  入れ、民間の技術、ノウハウ、資金等の活用を検討していきます。 図:施設用途別の今後の方向性 施設区分 今後の方向性 庁舎施設 ・庁舎施設は、災害時において拠点施設となることから、防災拠点としての機能確保のため、耐震強化  を図るとともに、計画的な施設の修繕・改修、設備更新を進めていきます。 ・支所については、建物を維持することを前提とし、支所機能の集約化、他用途への転用等、幅広く検  討していきます。 集会施設 ・公民館、市民会館・ホールについては、利用状況、稼働率を踏まえながら、施設の機能・規模の見直  し、集約化等を検討していきます。 ・地域コミュニティ施設は、地域の実情を十分に考慮した上で、地域の拠点施設としての機能を維持し  ながら、他施設との機能の複合化を検討していきます。 ・その他集会施設は、集約化、他用途への転用等を検討していきます。 社会教育 ・文化施設 ・図書館については、利用者圏域を考慮しながら、施設の老朽化、利用形態を踏まえて、機能の集約化、  施設の再編、民間活力の導入等を検討していきます。 ・美術館については、定期的な修繕による長寿命化を図りながら、指定管理者制度の導入による運営の  効率化、利用者の増加を図っていきます。 ・その他社会教育文化施設については、定期的な修繕による維持管理、機能の集約化、民間活力の導入  等を検討していきます。 スポーツ・ レクリエーション施設 ・スポーツ・レクリエーション施設については、利用者圏域を考慮しながら、老朽化状況、利用状況等  を踏まえ、定期的な修繕等による長寿命化を図るとともに、施設の再編、機能の集約化を検討してい  きます。 ・近隣自治体施設の相互利用など、広域連携の可能性を検討していきます。 ・解体を予定している大東体育館及び大須賀体育館の跡地利用については、有効な活用等を検討していきます。 学校 ・教育施設 ・小中学校については、校舎、体育館等、施設の老朽化が見られるため、計画的な改修、修繕、改築な  どによる長寿命化を図り、適切に維持管理していきます。 ・少子化による児童生徒数の変化を踏まえ、小中一貫教育、中学校区学園化構想を効果的に実践するた  め、適正規模、適正配置について検討を進めます。 ・給食施設については、すべての単独調理場と共同調理場を1つに統合してセンター化を進め、各セン  ターについて、計画的な改修、修繕により長寿命化を図ります。 子育て支援 施設 ・幼保一元化の推進、乳幼児教育の質の向上を図るため、幼保再編を進めていきます。 ・保育ニーズ増加による待機児童対策を図るため、民間による保育所整備を中心に検討していきます。 ・学童保育所は、利用年齢、利用人数に応じた適正規模、適正配置を検討し、空き教室の利用等、既存施設の活用を検討していきます。 ・児童館、その他子育て支援施設については、利用者圏域、利用状況、民間の類似施設等を考慮し、子  育て支援策全般のなかで、施設の適正配置、機能の集約化等を検討していきます。

図:施設用途別の今後の方向性(つづき) ●インフラの管理の基本的な方針 図:施設区分別の今後の方向性 施設区分 今後の方向性 保健・医療 ・福祉施設 ・転用により再利用している施設については、継続使用することを前提に、定期的な改修、修繕等によ  る長寿命化を図り、維持管理し、有効的に活用していきます。 ・老人福祉センター、保健センターについては、利用者圏域、利用状況を踏まえ、施設の再編、機能の  集約化、建物の転用、複合化等を検討していきます。 ・各地域健康医療支援センター「ふくしあ」については、現状の通り、5箇所の拠点をもとに事業を展開  する必要があることから、定期的な修繕等による長寿命化を図り、維持管理していきます。 ・その他福祉施設については、建替は行わず、定期的な改修、修繕等による長寿命化を図り、維持管理      していきます。 ・板沢老人福祉センターの跡地利用については、民間への売却を含め有効な活用等を検討していきます。 住宅施設 ・平成22年度に長寿命化計画を策定しており、計画策定時点で比較的老朽化が進んでいない施設につい  ては、計画に基づく維持管理を進めていきます。 ・その他の施設については、集約化や廃止を検討していきます。その際には、借り上げ住宅などの仕組  みも活用するとともに、既存の入居者にも十分に配慮していきます。 ・廃止となった住宅の跡地利用については、有効な活用等を検討していきます。 商業 ・産業施設 ・原則として計画的な改修、修繕により長寿命化を図り、維持管理していきます。また、民間のノウハ  ウを活用しながら、運営の効率化や利用者の増加を図っていきます。 ・農村環境改善センターについては、他の地域コミュニティ施設と整合を図りながら、機能の集約化や  統合を検討していきます。 消防施設 ・原則として、定期的な修繕による長寿命化を図りながら現在の体制を維持していく方針です。 ・将来的には、消防の広域化を視野にいれて検討していきます。 環境 ・衛生施設 ・環境保全センターについては、跡地利用を検討していきます。 ・し尿処理場は、定期的な修繕等による長寿命化を図り、維持管理していきます。 ・埋め立て処分場については、長寿命化に努めるとともに、維持管理方法や新たな施設用地の確保等を  検討していきます。 その他施設 ・駐車場・駐輪場については、今後も利用していくことを前提とし、定期的な修繕により維持管理して  いきます。 ●インフラの管理の基本的な方針 インフラは、市民生活を支える基盤であり、公共施設の中でも特に重要度が高いため、統廃合や複合化を進めることは困難です。既に個別の計画の策定が進んでいる施設区分については、同計画の方針に従うこととし、計画が未策定の施設区分については、本計画の方向性を踏まえた検討を進めます。 図:施設区分別の今後の方向性 施設区分 今後の方向性 道路・橋梁 ・各種調査及び点検結果から施設の現状を分析、把握し、定期的な点検を行いながら、計画的な修繕と    適切な維持管理を行います。 農林道 ・発見された重大な損傷には、応急処置・緊急対策工事に速やかに取り組み、安全性を確保します。 ・確実な点検を行うことに加え、新たに技術的知見を積極的に取り入れ改善を行うことで、安全性の確  保と維持管理の効率化を図ります。 ・修繕(維持修繕)については、要望書や通報により修繕対策を実施していますが、今後は「舗装維持  管理方針」等を策定し、計画的に実施します。また、新たに発見された損傷や技術的知見に対しては、  適宜「舗装維持管理方針」の見直しを行います。 上水道 【管路・  施設】 ・水道料金収入が減少する一方で、安定的な給水確保のための管路の耐震化や、更新時期を迎える各施  設の再整備のため、維持管理費の増大が見込まれます。 ・補修等による管路・施設の延命化により事業費の抑制と平準化に努めます。また、管路・施設の更新にあたっては、アセットマネジメントに取り組むことにより、将来の水需要を考慮した効率的な施設整備を行います。 下水道 【管渠・ ・整備促進から維持管理にシフトし、総合地震対策の策定により優先順づけにより強化を図ります。 ・下水道計画の見直しを進め、公共下水道、農業集落排水事業、合併浄化槽(市町村型、個人設置型)  等を総合的に検討し、効率的な下水整備を目指します。 ・効率的な施設運用のためのアセットマネジメントの策定にむけて、施設台帳を整備します。さらに、  事業管理計画において維持管理・更新コストを的確に反映し、計画的に設備の更新を行います。 公園 ・法令等に基づき定期点検を行い、不備なものについては優先度により修繕を行います。 ・引き続き、150箇所の公園については、地元区長等への管理委託による管理を行います。