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このスライド原稿は、諸事情により伏せ字にしている部分があります。また、画像資料(約50枚)は全て削除してあります。                 堀木 周作

精神科リハ(作業療法) と 薬剤師の管理指導業務 ●●県薬剤師会●●支部勉強会 2003年5月●日 加世田病院リハビリテーション部  堀木周作 (OTR)

リハビリテーション・サービスの 背景と薬物療法 背景:入院・収容型 → 地域生活中心型 (近代薬物療法の台頭) 多剤・多量 → 単剤・少量指向。 副作用低減のニーズ。 高い容認性の得られる薬。 薬効や代謝機序:知識や情報の一般化。

本日のテーマ 精神科リハの援助と対象とする領域。 精神障害作業療法の概略や実際。 医療チームのパラダイムについて。 他職種との協業について。 私たちに共通する基本的態度について。

リハビリテーション支援活動 日常生活上のリハビリ 就労支援 健康促進 居住と地域生活支援 相談 家族支援 申請手続き支援 薬物療法支援 金銭管理支援 その他の支援

日常生活上のリハビリテーション :食事、買い物、衣服、移動、対人関係などの技能獲得と維持・持続への支援。

家族支援 危機介入、家族心理教育などによる支援。

就労支援 通所リハビリテーション事業、援助付き就労、ジョブコーチなどによる支援。

申請手続き支援 障害年金や生活保護、医療費などの諸制度、障害者手帳など社会保障に関する申請を支援。

健康促進 健康教育、健診や健康チェック、救急利用法などへの援助。

薬物療法支援 向精神薬に関する教育、副作用への対処や管理、服薬遵守のチェックなどへの支援。

居住支援 住居選択、維持技能、近所や自治会とのつきあい方などへの支援。

金銭管理支援 収入計画、支出管理技能などへの支援。

相談 問題解決、目標指向型、コミュニケーション技能などへの援助。

その他の支援活動 リエゾン・コンサルテーション。(橋渡し、調整)

精神障害の作業療法 精神疾患により、生活をするうえでの支障や問題を抱えた人々 個別プログラムや グループによる集団活動 具体的・現実的な作業活動への参加と適応の機会を提供する。 (遊び、創作活動、運動、日常の家庭生活や社会生活に関連する生活活動、スキルトレーニングなど) 精神機能、対人関係能力、運動・行為・動作能力などの 諸能力の向上や、維持・改善をめざし、 その人にとってより健康的な生活がおくれるようにサービスを行う。

作業療法の実際 1 馴染みのある、または興味や感心のある活動を通し、自分の気持ちを表現したり、気分の発散などをはかります。

作業療法の実際  2 道具や材料を扱い、活動したり、作品を作ったりすることで、自分の能力の限界や効果的使い方を知ったり、自信をつけたりします。

作業療法の実際  3 担当職員との人間関係や、他の人との共同活動を通した関係において、他者に認められたり、他者を支えたりすることによって、集団における所属感を育成したり、自分の存在とそこからの自己効力感を体験、確認します。

作業療法の実際  4 わき起こってくる身体感覚や情動への気づきと、その処理や表現の仕方を練習します。

作業療法の実際  5 自分の気持ちの伝え方など、他者との対応の仕方を練習します。

作業療法の実際  6 金銭管理、家事、健康管理などを行う上での指導や助言、相談を行います。

作業療法の実際  7 活動を通し、身体を動かしたり、効果的な時間利用の体験や環境への適応をとおして、健康的な生活体系の維持、改善を目指します。

作業療法の実際 8 趣味や余暇活動を育成することで、注意や感心を現実的で安心して行える活動に向けると同時に、そのバランスを訓練し、社会性を育む機会へと繋げ、養います。

作業療法の実際  9 仕事的な作業を通し、作業を遂行する能力を確認し、作業の習慣化、作業に対する心身両面からの耐性や効果的な休息の取り方を学んでいきます。

作業療法の実際  10 就労に向けての相談や指導を行います。

作業療法の実際  11 家族などに対し、相談、助言などをおこなったり、心理教育への参加の機会を提供します。

リハビリテーションから見た 医療チームのパラダイム リハビリテーションから見た        医療チームのパラダイム 円環型医療チーム リハ職員の考える健康と福祉地図 患者中心型医療チーム

リハ職員の考える健康と福祉地図 個人の背景にあるもの 外在するエビデンスやパス 個人的要素

疾病の症状や予後を改善し QOLの向上と利益をもたらすために 薬剤師へ期待していること 患者の薬歴、副作用歴、TDM、病状、 服薬コンプライアンスやアドヒアランス 薬に対する不安や心配・相談内容 ・・・などを把握し援助すること

薬剤管理指導(情報管理・提供)業務の中に 他職種との協業のために 薬剤管理指導(情報管理・提供)業務の中に 患者や家族への服薬指導のあり方 その際の内容と伝達スキル 他職からの情報収集やフィードバック           これらを加えると・・・ 他職種の薬に関する基本的知識と学習の機会を与える 服薬アドヒアランスに向けての情報を共有する 患者や家族の主体的活動と参加を推進する

リハ関連職種との連携 1 医薬品管理 :特に在宅での管理指導 ・保管状況や方法、使用期限 、 ・他院や置き薬との重複の防止と対処方法、 リハ関連職種との連携 1 医薬品管理 :特に在宅での管理指導 ・保管状況や方法、使用期限 、 ・他院や置き薬との重複の防止と対処方法、 ・相互作用の教育、 ・食事や服用時間の教育、など。    ※訪問指導に当たる職員との連携をとる

リハ関連職種との連携 2 医薬品情報提供 :主・副作用に関する情報 患者の悩みは・・・ ・自分のどんな症状に効いているのか、 リハ関連職種との連携 2 医薬品情報提供 :主・副作用に関する情報 患者の悩みは・・・  ・自分のどんな症状に効いているのか、  ・どの程度効いているのか、  ・どのくらいの頻度や期間を薬に頼るべきか、  ・肥満、性欲、胃腸障害、眠気や注意障害etc.   ※これらの知り得た情報を、薬剤師に伝えてもらう。

リハ関連職種との連携 3 服薬指導 :コンプライアンスや患者の病態 患者の思いは・・・ ・薬を飲む→「ダメ人間」という烙印。 リハ関連職種との連携 3 服薬指導 :コンプライアンスや患者の病態 患者の思いは・・・  ・薬を飲む→「ダメ人間」という烙印。  ・自分でコントロール出来る、出来ないとダメ・・・。  ・Drのいうことが一番。次が薬剤師、でも・・・。  ・病感はあるが、病識は・・・持たないとダメなの。  ・未服用時の対処?どうすればいいの・・・。   ※他職種との連携により支援体制を整え対処。

コメディカルの役目は・・・ 患者の情報を、薬剤師や医師に伝えること コメディカルは:患者の薬や心身の反応、 服薬への関心などに注意を払う   コメディカルは:患者の薬や心身の反応、         服薬への関心などに注意を払う 薬の作用についての一般的知識への関心を持つ。 患者のどんな情報を薬剤師や医師に伝えるべきか知っている。→薬剤師は伝えて欲しい内容を教える。

考えられるリハ関連援助:プログラム お薬教室(講演や学習会) 心理教育でのテーマに「薬」を取り上げる 教育活動の場へ要請により参加 家族教育(家族会)への参画 窓口でのお薬相談の時間(明示する) 患者グループワークのテーマに取り上げる

考えられる薬剤師の院内活動 :情報や機会を提供=環境整備 考えられる薬剤師の院内活動   :情報や機会を提供=環境整備 「~なこともできる薬剤師」を相手に分かってもらう活動 施設内ポスターやリーフレットを作成 内外の講演会などの「お知らせ」掲示 相談窓口と内容の案内をわかりやすく工夫 地域や院内活動への参加(薬剤師自身の開放化) ※アクティブな薬剤師というイメージは大切

「やってあげる」から「選んでいる」へ 専門家だから:「~をやってあげる」・・・と考えると、 パターナリズム、受動性無学習を助長する。       パターナリズム、受動性無学習を助長する。 より良いサービスを「選んでいただく」と考えると・・・            「私が選んでいる」 、患者の主体的行動誘発や                     満足感に繋がっていく。     

まとめ(項目) 精神科リハの援助と対象とする領域。 精神障害作業療法の概略や実際。 リハから見た医療チームのパラダイム。 他職種との協業と、そこに参加し適応していくこと。 患者を行動や生活の主体者として尊重すること。 服薬アドヒアランスのためのチーム医療