GMとフォード ~日米との比較~・~現在の自動車産業~

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Copyright © Best Practice Inc. All rights reserved ○○ 年 ○ 月 ○ 日 株式会社 ○○
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GMとフォード ~日米との比較~・~現在の自動車産業~ 01162016 根本 幸子 01162288 島田 悠広

前回、先生に指摘された 自動車産業において日本企業は世界的に大きなシェアを占めており、フォードとGMを研究する上で無視することが出来ない存在である。よって日本企業との関係を入れてみるのはどうか

目次 日本の自主規制とその影響 日本自動車メーカーとビッグスリーの比較 グローバル化展開の動機 中国の自動車市場 まとめ

デトロイト不況 1979年第二次オイルショックにより、原油価格が大幅に跳ね上がる。 相次ぐ工場閉鎖で失業者はいっきに増加

UAWの訴えと日本の自主規制 この頃アメリカでは、日本の小型車に対する需要が拡大 UAW(全米自動車労組)の解決策 自主規制発動 この頃アメリカでは、日本の小型車に対する需要が拡大        UAW(全米自動車労組)の解決策 自主規制発動 日本の輸出枠168万台

棚から牡丹餅 日本車のプレミアム化 一台当りの利益 大きい 円安 輸出採算の向上に繋がった Ex1.トヨタのクレシーダ(マークⅡ) 一台当りの利益 大きい Ex1.トヨタのクレシーダ(マークⅡ) 1万2000ドル      1万7000ドル Ex2.日産のサニーの中古車     自主規制前の新車価格     を上回った 円安   輸出採算の向上に繋がった

日本の自主規制の効果 デトロイト不況を乗り切った ビッグスリーに体制の建て直しの時間的猶予を与えた 日本の輸出枠168万台により、日本からこれ以上市場を侵食される心配がなくなった デトロイト不況を乗り切った

日本メーカーの対米乗用車 輸出自主規制配分枠 1981~83 1984 1985~86 1987 1988~89 トヨタ 516,659 552,000 616,900 613,816 612,200 日 産 456,030 487,000 544,500 541,778 541,000 ホンダ 348,631 372,000 427,000 424,865 424,100 東洋工 159,282 173,000 227,800 226,661 226,800 三 菱 112,584 123,000 195,100 194,125 192,550 富士重  70,014  76,300 107,600 107,062 107,700 いすゞ  16,800  50,500 120,400 119,798 119,110 鈴 木  17,000  60,700  60,397  59,550 ダイハツ  11,498 合計 1,680,000 1,850,000 2,300,000 年度

対米直接投資 日本のメーカーがビッグスリーに投資することで、日本のメーカーが持っている、優れた技術をビッグスリーに学ばせようとするもの Ex. NUMMI: (トヨタ&GM) AAI: (フォード&マツダ) DMS: (三菱&クライスラー)

米国における日本メーカーの生産台数推移 79,4 63,3 50,9 25,4 13,9 5,5 万台

部品を内製化するだけの資金力が無かった! 部品調達システム 日本とアメリカ、内製率の比較 日本 アメリカ 70% 30~40% 部品を内製化するだけの資金力が無かった!

ビッグスリーが抱える問題その1 高い内製率 部品生産が大量生産になる 生産全体が硬直化 新しい技術に対する適応能力の喪失 対応出来ない 70% 高い内製率 部品生産が大量生産になる 生産全体が硬直化 新しい技術に対する適応能力の喪失 小型化 技術変化 軽量化 素材変化

ビッグスリーが抱える問題その2 競争的刺激 の喪失 品質・技術力 の低下 外部取引なし 外部取引なし 原材料 組立 組立 部品 組立 組立 内部 部品 部品 組立 部品 部品 販売 競争的刺激 の喪失 品質・技術力 の低下 顧客

ビッグスリーが抱える問題その3 コストを下げる・ 値段の駆引きに 品質を安定させる 力を入れる 努力怠る 外部取引 外部取引 原材料 品質に 責任持たず 外部取引 原材料 部品 欠陥・トラブル 品質に 責任持たず 組立 欠陥・トラブル 販売 コストを下げる・ 品質を安定させる 努力怠る 値段の駆引きに 力を入れる 顧客

日本の部品メーカー ピラミッド構造 競争原理が働く 品質(Q) コスト(C) 納期(D) 技術(E) 厳しい4つの評価 垂直的な分業関係 新陳代謝が繰り返されている 1次 品質(Q) コスト(C) 納期(D) 技術(E) 2次 セット部品 システム部品 3次 競争原理が働く

日本とビッグスリーはここが違う! 日本メーカーは品質保証の考え方を部品サプライヤーに浸透させる 検査をしながら品質上の問題点や設備投資や技術導入についての情報を与える サプライヤーの工程に参加し技術指導や改善の努力をともに進める   自動車メーカーとサプライヤーの関係を緊密化・長期的協力関係の定着

グローバル化展開の動機 規模の経済性が発揮できない 貿易摩擦を回避するため 研究開発費の巨額化や製品寿命による開発期間の短縮化によるため 事業成功のノウハウを他国で活かすため 競争上の優位性が得られるため

アメリカ 大 市 場 規 模 日本 欧州 中国 小 形成期 成長期 成熟期 衰退期

中国の最大の魅力 13億人近い世界最大の人口 一般労働者は1/10~1/20ほどの賃金で、豊富な労働力の供給源 経済成長が続けば   将来、ファミリーカーの有力な購入層も   形成されていく可能性を秘めている

中国の最大の魅力 中国:12億人 6000万台 インパクト大 日本:1億2000万人 600万台

なぜ、市場は急速に拡大したのか 北京や上海などの沿海都市部を中心に、乗用車を購入できる程度の世帯所得を得ている層が増加 販売手法が近年急速に拡充 WTO加盟後の関税引き下げにより乗用車価格が下落し、最新モデルが続々と投入され、市民の間で乗用車購入意欲が高まっている

全人口の1% 市場がどこまで拡大するか 中国社会の貧富の差が激しく、個人向け販売の乗用車を購入できる層はまだ少ない モータリーゼーションの時代 将来 自動車市場 現在

政府は外資系自動車企業の単独進出は認めない 中国政府の方針 100社以上の中小メーカーが乱立している 01年の設備稼働率は5割を切っている 政府は外資系自動車企業の単独進出は認めない    外資系企業は中国企業の合併のみでしか    市場に参入できない

中国政府の方針 フォルクスワーゲンやクライスラーなど8社が特定のセグメントに限定して合併企業の設立が認められた   97年にGMが参入するまで外資系8社体制   は続いた  「第10次5カ年計画」で、外資の積極的な  活用が打ち出される

2002年中国自動車市場 競争時代 の到来

産業再編の可能性 「国民経済にとっての支柱産業」 乱立する企業を集約し、国際競争力のある大手 企業集団2~3社を育成することを目標としている

GM(ビュイック) VW(サンタナ) VW(アウディ) スズキ(アルト) ダイハツ(シャレード) ホンダ(アコード) 44.0(18.9) 中国企業 01年生産台数 (シェア) 提携先外資と 代表的生産車種 最近の動き 上海汽車 44.0(18.9) GM(ビュイック) VW(サンタナ) 02年6月、GMと小型車の新会社設立で合意 第一汽車 41.9(18.0) VW(アウディ) 02年8月、トヨタと提携 東風汽車 26.2(11.2) プジョーシトロン(シトロンZX) 02年9月、日産と提携 長安汽車 22.5(9.6) スズキ(アルト) 03年よりフォード車生産 北京汽車 13.4(5.7) ダイムラークライスラー(ジープ) 03年より三菱車生産 天津汽車 5.8(2.5) ダイハツ(シャレード) 02年6月、第一汽車傘下に 広州汽車 5.5(2.4) ホンダ(アコード) 02年4月、オデッセイ追加

まとめ 国が産業を育てる時代から、企業が国を選ぶ時代へ グローバル化と産業の空洞化は隣り合わせ

参考文献 著作 下川浩一 『日米自動車産業攻防の行方』 著作 山崎修嗣 『戦後日本の自動車産業政策』 著作 下川浩一 『日米自動車産業攻防の行方』 著作 山崎修嗣 『戦後日本の自動車産業政策』 著作 土屋勉男 『日本自動車産業の実力』       大鹿隆  著作 武石彰   『分業と競争』 ネット資料 日経ビジネス エコノミスト 週刊東洋経済