企業研究のアプローチ 2008年度ゼミ入門講座
2つの分析アプローチ <時系列分析(time-series analysis)> 時間の流れに伴う変化の分析 <クロスセクション分析(cross-section analysis)> 他国、他業界、他社との比較分析 どのようなテーマであれ、分析は2つのアプローチが含まれていなければならない。
企業研究のコンテンツ ・財務分析 企業の過去から現在に至るまでのパフォーマンスの把握と分析 ・経営戦略分析 企業の過去から現在に至るまでのパフォーマンスの把握と分析 ・経営戦略分析 パフォーマンスの改善のため将来に向けた取り組み ・組織の分析 企業はどのような組織構造をとり、どのような子会社や事業部を抱えているか?
図 論理の木(Logic Tree) MECE: Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive
分析のためのロジックツリー(logic tree)とMECE mutually exclusive, collectively exhaustive (漏れなく、ダブりなく)
McKinseyの企業分析の3原則 1)Start with the annual report. 2)Look for outliers 3)Look for best practices Ethan M. Rasiel and Paul N. Friga ,The McKinsey Mind (McGraw-Hill, 2001)
McKinseyのプレゼンテーションの3原則 Be Structured(構造化) プレゼンテーションは、聞き手が最も理解しやすい論理の流れをもっているか? 論理は、結論の必然性を納得させる流れをもって説明されているか? The elevator test(エレベーター・テスト) エレベーターに乗り合わせた聞き手の最重要人物からプレゼンテーションの説明を求められた時、彼がエレベーターから降りるまでの間に、プレゼンテーションの要旨を説明できるか? Keep it simpleーone message per chart ひとつのチャートに2つのメッセージを盛り込んではならない。ひとつのチャートはひとつのメッセージに対応させること。
注)有価証券報告書は、金融商品取引法に基づく法定の開示資料(ディスクロージャー資料)であり、上場会社は決算日から3ヵ月以内に提出する。同法に基づく法定の開示資料としては四半期報告書があり、各四半期の終了後45日以内に提出する。金融商品取引法に基づく開示資料は下記のURLからオンラインで入手できる。 https://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm
図 財務分析の基本
日本の大企業(売上高ランキング)
日本の大企業(総資産ランキング)
日本の大企業(時価総額ランキング:2008年3月27日) 注)時価総額=発行済株式総数×株価
パフォーマンスの良否は株価に反映される
戦略論の4つのアプローチ
図 M.ポーターのファイブフォースモデル(five-force model)
ポーターの戦略論の限界 ~持続的成長のための3方式~
ポーターのバリューチェーンと競争戦略 ポーターは、バリューチェーンの考え方をベースに、バリューチェーンを構成する諸活動について、一極集中配置と分散配置の2つのアプローチを提唱している。一極集中配置は、それぞれの活動を最適地に配置するアプローチであり、分散配置はバリューチェーンを構成するすべての活動を主要市場に移転するアプローチである。 このいずれかのアプローチを採用すれば、企業は自国市場で構築した競争優位をグローバル市場でも確立できる。
図 ボストンコンサルティンググループのPPM(1) 市場成長率 注)円の大きさは、4つの戦略事業単位(SBU: Strategic Business Unit)の収益が企業の収益小額に占める大きさを表す。
図 ボストンコンサルティンググループのPPM(2) 市場成長率
図 PPMの良い循環 市場成長率
図 PPMの悪い循環 市場成長率
PPMの問題点 花形や金のなる木がどのようにして生まれるのか? ビジネスの成功は、マーケットシェアを追求することではなく、新たな市場を創造することではないのか? 分析の視点が、財務的側面(カネ)に限定されており、ヒトという経営資源が扱われていない。
図 三菱商事の中期経営計画Innovation 2007(2004~2007年) <戦略類型マップ> ドメイン 黒字:中核ビジネス 赤字:将来戦略分野
経営戦略と事業計画
企業の持続的成長のための条件
McKinseyの組織分析の7S
持株会社とは <持株会社の定義> <持株会社の事例> 三菱UFJフィナンシャルグループ/みずほフィナンシャルグループ/三井住友フィナンシャルグループ/のむらホールディングス/ミレアホールディングス <持株会社のメリット> 1)子会社それぞれのビジネスに応じて、多様な人事制度、賃金制度を採用できる。 2)子会社それぞれの理念、企業文化を尊重し、活かすことができる。 3)ある事業が不振に陥った場合に、その事業を手掛ける子会社を売却して、撤退できる。
経営を知るための関連知識 会社法 会社の基本的な仕組みや資金調達のルールを理解する。 会社法 会社の基本的な仕組みや資金調達のルールを理解する。 税法 法人税を中心に、会社の事業活動に伴い発生する税金を理解する。 財務会計 会社の経営成績や財政状態を理解する。 数理 事業活動がもたらす様々なデータを整理・加工し、分析する。