2007年10月14日 精神腫瘍学都道府県指導者研修会 家族ケア・遺族ケア 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹
ご家族のケア
「 」としての家族 第2の患者 介護への参加 治療決定参加 心理的負荷 経済的負荷 ⇒看病中から様々な ストレスを受けている
介護する家族の精神医学 家族の20~30%に抑うつがみられる(Blanchard et al) 家族の呈する抑うつの程度は患者と同等かそれ以上(Northouse et al) 白血病の子供を介護する親の36%が神経症性抑うつ、13%が適応障害(Sharan P et al)
介護する家族は健康? 家族の身体状況に関する調査研究 免疫能の低下 心疾患 慢性的な睡眠障害 介護を行なうことに負担を感じている配偶者 免疫能の低下 心疾患 慢性的な睡眠障害 介護を行なうことに負担を感じている配偶者 介護の必要のない状況にある配偶者に比較すると死亡率が高まることが報告されている。
臨床上の注意 「第2の患者」である家族の精神状態に注意。 必要時には精神医学的介入をおこなう。 身体疾患の罹患にも注意を払う。
ご遺族のケア
遺族のたどる心理的経過 第1期「ショックの段階」 情動や現実感の麻痺、集中困難 日常生活上の支障 第2期「怒りの段階」 情動や現実感の麻痺、集中困難 日常生活上の支障 第2期「怒りの段階」 怒り、悲しみ、罪責感、故人の思いへのとらわれ 亡くなった人の探索行動 第3期「抑うつの段階」 絶望、無関心、抑うつ、周囲への関心の低下 人との関わりが持ちにくい 第4期「立ち直りの段階」 エネルギーがでて故人の死を認める。 新しいライフスタイルへの適応
なぜ遺族のケアが必要か? 死亡率が高い 精神疾患の罹患率が高い 自殺率が高い 死別のカウンセリング事業が不安、緊張などの症状を軽減し、自殺を減らす
遺族ケアとしての Postvention(後治療) 心の痛手となる事件の後におこなわれる適切な援助(Shneidman)
遺族に生じる問題 “total pain” 親族内のトラブル 仕事の引きつぎ 金銭面での問題 相談者がいない
介入の方法 Prevention(予防) Intervention(介入) Postvention(後治療) 家族ケア 遺族ケア 患者、家族を一単位としたケアシステムの完成を!
臨床上の注意 精神状態に注意。 死別反応 うつ病 必要時には精神医学的介入をおこなう。 身体疾患の罹患に注意