図書館ガイダンス「OPAC検索」 神戸市外国語大学図書館の事例 情報管理サービス係 橋本 真里 神戸市外国語大学図書館の橋本と申します。 まず初めにお断りしなければならないと思います。 当館では、先年まで利用教育といえば新入生を対象としたオリエンテーションのみの実施でした。 今日は掲げていますとおり「OPAC検索」ガイダンスについてご紹介しますが、 こういったテーマを設けたガイダンスは本年度、2002年度から開始したところです。 利用教育の方法も内容も、これから蓄積をはじめるという段階で、 今日の報告の中にご参考になる点があるかは疑問ですが、ひとつの事例として報告をいたします。 それでははじめさせていただきます。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
神戸市外国語大学図書館の利用教育 春季 新入生オリエンテーション 新院生オリエンテーション 秋季 図書館ガイダンス 「OPAC検索」 新入生オリエンテーション 新院生オリエンテーション 秋季 図書館ガイダンス 「OPAC検索」 「資料の探し方」 まず神戸市外大図書館で実施している利用教育について簡単に説明いたします。 まず4月に新入生を対象としたオリエンテーションを行います。これは入学式の当日に学内行事としてのオリエンテーションプログラムの一部として行っていまして、図書館利用の基本的な事柄を、講堂にてスライドを使用して説明します。また同じ日に別途院生向けに利用案内を行います。当館では書庫の利用対象を院生以上としていますので、書庫内を含めた簡単な図書館内のツアーを行います。 そして今年度は10月中旬に、2つのテーマを設定して図書館ガイダンスを行いました。「OPAC検索」と「資料の探し方」です。 この2つのテーマを選んだ理由は、図書館利用の最も基本的なことで、一番分かっていてもらいたい部分であるにもかかわらずあまり理解されていないという実感があったことです。 この内の、 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
神戸市外国語大学図書館の利用教育 春季 新入生オリエンテーション 新院生オリエンテーション 秋季 図書館ガイダンス 「OPAC検索」 新入生オリエンテーション 新院生オリエンテーション 秋季 図書館ガイダンス 「OPAC検索」 「資料の探し方」 「OPAC検索」についてお話しいたします。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
実施概要 時期 10月中旬 対象 初心者 形式 スライドを使用した説明及び演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 10月中旬 対象 初心者 形式 スライドを使用した説明及び演習 「OPAC検索」ガイダンスの概要を説明します。 時期は、9月から告知を行い、10月に入って募集を行い、10月中旬に実施しました。 時間帯は、月~金曜の内の最も講義の少ない箇所を選びました。 対象は、(先程申し上げた理由により)初心者向けとしました 説明は、プロジェクターの設備のある視聴覚教室を使用し、スライドを使って説明したあと、図書館へ移動して演習を行いました。 2回行い、合計10名の参加がありました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
対象 「検索の仕方がよく分からない人」 「分かりやすい」 説明 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 対象は初心者ということで、募集時の広告では対象を「検索の仕方がよく分からない人」としました。 もう少しよいフレーズがないかとも思いましたが、このまま出しました。 対象を「よく分からない人」としましたので、「分かりやすい」説明、を目標に設定しました。 ガイダンスにおいて、説明を分かりやすいものにするというのは言うまでもないことですが、 入力の仕方が分からない、入力項目の選び方が分からない、何を入力しても検索結果が0件と出る、 という段階にいる人にも、基本的な検索ができるようになることを目指したいと思いました。 この目標を出発点として、説明内容を考えてゆきました。 「分かりやすい」 説明 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
「分かりやすい」 説明項目を絞る 図書館用語の扱い 視覚に訴える 演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 「わかりやすくする」ために、以下の4点を考慮して構成しました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
「分かりやすい」 説明項目を絞る 図書館用語の扱い 視覚に訴える 演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 まず、説明項目を最重要点のみに絞り、説明時間を極力短くしました。説明項目を考えるのに先立って1コマを1時間と決めました。 受講者の集中力の持続時間を考慮して、大学の講義時間より少し短いのこの長さが適当と思われました。 この1時間の内、最後の15分は演習などに使いましたので、説明時間は45分間です。 この45分の間にも、内容的に真ん中にあたるところにインターミッションを設け、事前に行ったアンケートの結果や質問に対するコメントなどを入れて、改めて次の説明に入る際にはもう一度集中してもらうようにしました。 45分間という時間にあわせて説明内容を決めた結果として、説明項目が絞られました。 「難しいことにはふれないので、これだけは覚えて帰ってほしい」という内容となりました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
説明内容 はじめに OPACについて 検索の基本 簡単な応用 「OPAC予約」について 演習問題 2018/10/14 これが説明内容ですが、これはガイダンスの際配布した資料の目次部分を引写したものです。 はじめに 導入部分でガイダンスの目的とこれから説明する内容を述べます。 OPACについて 当館OPACの概要を簡単に説明します。 当館のOPACは神戸市図書館情報ネットワークシステムといいまして、神戸市内の公共図書館等と共同開発・運営しておりますので、そのこともあわせて検索できる範囲などについて述べます。 ここからが本編ですが、 検索の基本 もっとも一般的と考えられる検索例をあげ、入力項目・単語の選び方などについて説明します。 簡単な応用 同様に具体例をあげながら件名を使用する検索について説明します。 OPAC予約について これは昨年度にリリースされた当館OPACの新しい機能なのですが、機能の説明に加えて利用申請を促す意味で説明をしました。 以上の内容を約45分間でスライドを使用して説明しました。最後に演習を行い、採点し、質問などを受け付けました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
「分かりやすい」 説明項目を絞る 図書館用語の扱い 視覚に訴える 演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 次に図書館用語の扱いについてですが、日頃利用者と接していて、図書館員が普段使っていることばが利用者にとってはいかに 馴染みがないかということを感じております。できるだけ平易なことばを使い、普通のことばですむ箇所はあえて用語を使わないようにしました。 一方で、覚える必要のあることばについてはきちんと説明をし、繰り返し聴かせて覚えてもらうようにしました。 講座のタイトルになっている「OPAC」さえも、導入部分で読み方と語義とを説明しました。 「よみ」「表記形」や「件名」といった、見ればそのまま意味が通るような簡単なことばに見えるものも、 図書館では、検索をするときには、どういう意味でどういう文脈で使われているのかということは、 分かったような分からないような状態になることもありうると思います。具体例をあげて丁寧に説明をしました。 検索結果についても、画面を見ながら「書誌」「所蔵」「請求記号」などことばに説明を加えながら どこを何を控えれば実際に本のある場所に辿り着けるか、ということを説明しました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
「分かりやすい」 説明項目を絞る 図書館用語の扱い 視覚に訴える 演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 視覚に訴えるといいますのは、MS-PPTを使用した説明の利点です。 画像もアニメーションも用いることができますし、 説明の中で重要事項を繰り返す、まとめる、考えさせるといったことを、 視覚でとらえて印象づけることが可能だと思います。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
「分かりやすい」 説明項目を絞る 図書館用語の扱い 視覚に訴える 演習 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 演習問題は簡単なものを、5題用意しました。 説明されたばかりの方法を使って実際に検索することで、記憶を定着させることを目指しました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
成果 実施後の所感 アンケート結果 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 成果として、担当者の感触と、事後に行ったアンケートの結果のみご紹介いたします。 最後に行った演習の採点をした上で、説明内容について理解されていると感じました。 検索キーとして何を使用したか記入させるようにしましたので、到達度が目に見える形で分かりました。 「これまで自分が無駄な時間をかけて検索をしていた」という申告が多く、一定の効果があったと考えております。 そしてアンケート結果ですが、 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
アンケート結果 時期 内容 時間(長さ) 説明方法 ガイダンスへの希望 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 アンケートといいましても、参加者が少ないため回答数も少数で、これをもって大方の学生の意見とは、とてもいえないわけですが、 参加者の生の声であるという点で、まったく意味がないともいえないと思っています。 まず時期について、初心者向けの内容であればより早い時期にという意見がありました。 内容、時間の長さ、説明の方法については概ね肯定的でした。 演習を行ったこと、その後にその場で採点し、質問を受付けたことに対しても好評でしたが、これは受講者が少数なために可能になったことですので、今後どうなるか不明ですが、できれば同じような形で、個人対個人で指導する場を持つことができればと思います。 今後について、 開催予定なしの断り書きでテーマをいくつかあげ、複数回答可で希望を尋ねたところ、複数のテーマを選ぶ回答者が多数でした。 自由記述でも定期的な開催などガイダンス実施への希望が多数ありました。ニーズがあることが分かりましたので、継続して実施していきたいと考えております。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
課題 告知方法 時期 内容 評価 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館 初めての実施でしたので、今後の課題が多数あります。 今回の実施でのもっとも大きな問題は、予想より人数が集まらなかったことでした。 今回HP上への掲示や、OPAC付近・カウンター付近など館内に数箇所の掲示などを行いましたが、 告知方法を考え直す必要があります。 当初「この程度の掲示で来てくれるくらいの意欲がなければ、理解させるのも難しいだろう」 というくらいに考えておりましたが、ふたを開けてみるとあまりにも少なかったことで、考えをあらためました。 特に今回のような初心者向けの内容のものについては、利用者に対してより積極的に働きかけることが必要かと思います。 今後教員との連携も考えたいと思っています。 と思う一方で、多くの人に自発的に来て貰えるような方法はないのかとも、思っています。 時期について、年度当初に年間計画として時期と内容を検討することをしませんでした。このため時期と内容とのミスマッチがあったかもしれません。今回のような初心者向けのものの時期を前に移動させ、秋季には少し深い内容のもの、例えば論文作成のための資料の探し方など、を開催できればと思います。 評価の方法についても検討の必要があると思います。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館
おわり 以上で、神戸市外国語大学図書館の事例発表をおわります。 ご清聴ありがとうございました。 2018/10/14 神戸市外国語大学図書館