『生きる力』 と 『人道・博愛』 ①今から、 文部科学省が言う『生きる力』と 赤十字の精神『人道・博愛』について話をしようと思います。 ②
実施時期:平成27年9月~10月 調査対象:日本経団連企業会員1,331社 回答状況:790社(回答率 59.4%) 回答状況:790社(回答率 59.4%) *製造業 44.6%、非製造業 53.4%、 不明2.0% *従業員数1000人以上 72.4% 500人以上~1000人未満 12.7% 500人未満 13.5 % 不明 1.4 % ①先ず、この表を見てください。 ②これは、経団連が実施した 『新卒採用に関するアンケート調査結果』のグラフです。 特徴的なこととして、トップにコミュニケーション能力 二位に主体性。三位にチャレンジ精神。四位に協調性。 ③学業成績は、たった4.8%、出身校にいたっては3.0%に過ぎない。 ④みずほ銀行では、15年前に出身校で採用することはやめたそうです。 黙っていてもペーパーテストが良ければ採用される時代は終わった。 面接中心でも、しゃべれればいい ものでもない。
学力観の転換 「考える」こと の 育成 コミュニケーション能力 の 育成 知識の習得と再生の時代 思考力・判断力・表現力の時代へ ①今日本では、 教えられたことを暗記して、 ペーパーテストで良い点数をとる時代から ② ③思考力・判断力・表現力の時代へと ④学力観の転換が図られてきています。 ⑤つまり、「考える力」と「コミュニケーション能力」の育成の時代 ⑥
学校教育法の一部改訂(学力観の提示) 日本の教育のガラパゴス化 生涯にわたり学習する基盤が培われるよう ・基礎的な知識及び技能を習得させる ・活用して課題を解決するために必要な 思考力・判断力・表現力 ・主体的に学習に取り組む態度 静岡という漢字が書けても10点。 憂鬱という漢字が書けても10点、という時代は終わったのです。 ①このままでは、日本の教育は、ガラパゴスになってしまう。 ② ③文部科学省は、学校教育法を一部改訂し、新しい学力観を提示しました。 ④生涯に亘って学習する基盤が培われるよう ⑤基礎的な知識及び技能を習得させる ⑥活用して課題を解決するために必要な ⑦思考力・判断力・表現力 ⑧主体的に学習に取り組む態度 の三つですが、思考力・判断力・表現力が一番重要です。 ⑨
学習指導要領改訂 ①「生きる力」という理念の共有 ②基礎的・基本的な知識・技能の習得 ③思考力・判断力・表現力の育成 ④確かな学力確立のための授業時数確保 ⑤学習意欲の向上 ⑥豊かな心 ①平成20年3月告示された学習指導要領でも ②「生きる力」という理念の共有 ③基礎的・基本的な知識・技能の習得 ④思考力・判断力・表現力の育成 ⑤確かな学力確立のための授業時数確保 ⑥学習意欲の向上 ⑦豊かな心 が示され、小学校では23年度から 中学校では24年度から 完全実施となりました。
生きる力 学力の重要な要素 ②基礎的・基本的な知識・技能の習得 ③知識・技能を活用して、課題を解決するため 確かな学力 豊かな心 健やかな体 確かな学力 確かな学力 豊かな心 豊かな心 健やかな体 健やかな体 学力の重要な要素 ②基礎的・基本的な知識・技能の習得 ③知識・技能を活用して、課題を解決するため に必要な思考力・判断力・表現力の育成 ⑤学習意欲 改正教育基本法、学校教育法の一部改訂は ①『生きる力』を支える ② ③「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の調和を重視するとともに ④ ⑤ 「学力」の重要な要素は 何度も話をしているように、以下のことです。 ⑥
主要能力(キーコンピテンシー) ★日本(1996年) 中央教育審議会答申 「生きる力」 ★OECD(2000年) PISA調査 ★日本(1996年) 中央教育審議会答申 「生きる力」 ★OECD(2000年) PISA調査 ① 社会的・文化的、技術的ツールを 相互作用的に活用する能力 ② 多様な社会グループにおける 人間関係形成能力 ③ 自立的に行動する能力 ①『生きる力』は、平成8年の中教審答申で示されました。 この『生きる力』は ・その内容のみならず、 ・社会において子供たちに必要となる力を明確化したこと、 ・そこから教育の在り方を改善するという考え方 において、画期的。 ③これから4年後、OECDが2000年から開始したPISA調査の 概念的な枠組みとして定義付けられたのが、 ④主要能力(キーコンピテンシー) 生きる力はキーコンピテンシーの考え方を先取りしていたと言ってよい。
理念を共有 「生きる力」を育むために 「生きる力」は社会において自立的に生きるために必要な力 観察・実験のレポートの作成、論述といった知識・技能を活用する学習活動の展開 コミュニケーションや感性・情緒、国語力の重視や体験活動の充実により自分への自信を持たせる ①平成20年1月、中教審答申が出され、 ②「生きる力」を育むために ③理念を共有する という強い決意が示されました。 ④特に、以下の三点を重視する と述べられている。 ⑤「生きる力」は社会において自立的に生きるために必要な力 ⑥観察・実験のレポートの作成、論述といった 知識・技能を活用する学習活動の展開 ⑦コミュニケーションや感性・情緒、 国語力の重視や体験活動の充実により自分への自信を持たせる
日本の子供たちの課題 思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題 家庭での学習時間等の学習意欲、学習習慣・生活習慣に課題 自分への自信の欠如や自らの将来への不安、体力の低下といった課題 10年以上も前から、 キーコンピテンシーとして『生きる力』が示されていたのに、 日本の教育は変わらなかった。 PISA調査や各種の調査から ①日本の子供たちについては ②読解力や記述式問題、活用問題 ③学習意欲、学習習慣・生活習慣 ④自信の欠如 先進諸国が求めてきた教育から 日本は大きく離れてしまって、 日本の教育は、今やガラパゴス化しているのです。 ⑤
課 題 の 背 景 学習意欲 や規範意識の低下 消費社会 消費社会 ボーダレスな金銭感覚 情報化社会 情報化社会 規範感覚の弛緩 都市社会 課 題 の 背 景 消費社会 情報化社会 都市社会 消費社会 ボーダレスな金銭感覚 自己主張と自己疎外 規範感覚の弛緩 情報化社会 都市社会 ①課題の背景として ② ③消費社会、情報化社会、都市社会が挙げられています。 ④ ⑤消費社会によって、金銭に対するマヒ(ボーダレスな金銭感覚) 情報化社会によって、多様な行動モデルを提示(規範感覚の弛緩) 都市社会は、自由と孤立(自己主張と自己疎外)を拡大してきました。 ⑥ ⑦東京大学の佐藤先生は『学びから逃走する子供たち』という論文を発表。 卒業しても就職できず、夢や希望を失いつつある子供たち。 「まじめなやつはバカ」という風潮さえ。 ⑧ 学習意欲 や規範意識の低下
教育活動全般に亘って 青 考 少 え 年 る 赤 教 十 育 字 これからの日本が生きる道は、 『新しい物を創る、新しいものを考える』 これからの日本が生きる道は、 『新しい物を創る、新しいものを考える』 そのためには、 ①教育活動全般に亘って、 ②青少年赤十字を活用することです。 青少年赤十字は理念ですから、 加盟することによって、学校教育活動が増えるということはありません。 青少年赤十字のために、教育活動を決めていくというのはナンセンス。 本末転倒です。 学校教育を支えるために、青少年赤十字があるのです。 ③
『習得・活用・探求』の授業に 情報の取り出し 気づき 読む力・聞く力 考 え 考 え る 力 実行する 書く力・話す力 考 え 実行する ①研修では、『考える』を中心にして、 『習得・活用・探求』の授業を組んでいきます。 ②国語の文章だけでなく、 理科の実験結果や社会科の資料、算数のグラフ、 更には、ポスターやテレビ・新聞・雑誌から 情報を取り出して 解釈(情報を推論して、意味を理解する) 熟考・評価(自らの知識や経験に位置付ける) 表現(言葉でまとめる) ③この一連の活動は、JRCの態度目標の『気づき』 ④『考え』 ⑤『実行する』と同じ ⑥⑦⑧ PISA調査で順位が上がった、下がった は 問題ではない。 論述形式の問題に対して、 日本の子供の無回答率が20%を越えていることが問題。 ⑨
この豆電球は つくかな? では、ひとつ問題をやって見ましょう。 ①この豆電球は つくのでしょうか? この豆電球は つくかな? では、ひとつ問題をやって見ましょう。 ①この豆電球は つくのでしょうか? ②③点く訳がない。まさか。ひょっとして点く? こんな簡単な問題が出るわけがない。 実際にやってみましょう。 ④ ⑤ ⑥点きましたね。では、何故点くのでしょうか。 『点く、点かない』は問題ではなく、何故点くのかを考えることが大事。 僕はこう考えるけど、君はどう思う?を授業の中で実現していく。 コミュニケーションできる環境の中で コミュニケーション能力を育てていく。
『人の命と尊厳を大切にする』生徒指導に 気づき 相手の立場を考える 考 え 相手を受容する 実行する 他人の痛みに気づく 自分の考えを明確に話す コミュニケーションを図る 相手の立場を考える 相手を受容する 他人の痛みに気づく 他人の優しさに気づく 自分自身の良さに気づく 気づき 考 え 実行する ①生徒指導でも、 ②態度目標を意識しながら ③ ④常に『命と心』を基盤にすることが大事です。 ⑤
「やればできる。やればできる。」 と言うけれど、 「やればできる。やればできる。」 と言うけれど、 頑張って テスト勉強してみても ワンパターン、ぼくの朝食 パン牛乳 心から、すがりつこうと する時に やるのが一番 難しい 結果を見せれば、ため息一つ ママは寝ていて、セルフサービス ①これは、中学生が作った『句』です。 中学生の内面を 覗いてみましょう。 下の句はどうなっているのでしょう。 ②やるのが一番難しい ③結果を見せれば、ため息一つ ④ママは寝ていて、セルフサービス ⑤いつも父さん 逃げてばっかり 『母の日』に中学生がカーネーションを買ってきて、 電子レンジに飾って、一言。 『お母さん、ありがとう。』 笑えないジョーク。 どこにコミュニケーションがあるのでしょう。 社会では、コミュニケーション能力を求めているのに。 こういう時代だからこそ 『人の命と尊厳を大切にする』生徒指導を大切にしたい。 いつも父さん 逃げてばっかり
いじめで悪いのは誰か 続いて道徳教育とJRCについてお話します。 ①『いじめで悪いのは誰か』の質問に、 続いて道徳教育とJRCについてお話します。 ①『いじめで悪いのは誰か』の質問に、 ②相変わらず、いじられる子というのが上位に入っている。 でも、二位に『いじめを見て見ぬふりをする子』があり、 規範意識も低下していないように思われますが、 ③
いじめに気がついた時の対応 ①では、自分がいじめに気がついた時の対応として どうするかと言えば、 ②自分は、見て見ぬふりをするのですよ。 ③
いじめの四層構造 A いじめ B 観衆 傍観者 周りではやしたてる子 見て見ぬふりをする子 ①『いじめ』というのは、いじめている子 と ①『いじめ』というのは、いじめている子 と いじめられている子 の関係だけではありません。 ②周りではやしたてる 観衆と ③見て見ぬふりをする 傍観者 の関係性で考える必要があります。 ④これを いじめの四層構造論 と言います。 富山から大阪までの特急サンダーバードの中で、 若い女性が隣に座った男から暴行を受けた事件。 大勢の乗客も 車掌も 傍観者をきめこんだ。 今の子供の実態ではない。大人の実態でもあるのです。 傍観者 見て見ぬふりをする子
自然体験と道徳観・正義感 規範意識については、 ① 自然体験と大きく関わっていることが アンケート結果から分かっています。 規範意識については、 ① 自然体験と大きく関わっていることが アンケート結果から分かっています。 ②これは、平成18年度の調査結果ですが、 この傾向は、調査開始以来ほとんど同じです。 平成10年は 33%だったのが、 44%に上がっているように、むしろ 格差が大きくなっていく傾向にあります。 ③
『自主・自立』を育む特別活動 活 動 態度目標 の 気づき 価 値 考 え 付 実行する け 健康・安全 奉 仕 国際理解・親善 火災予防運動・安全点検・ 食育講座・献血啓発 など 態度目標 気づき 考 え 実行する 奉 仕 資源回収・野鳥の保護・ 地域清掃・点字本作成 など では、特別活動では どのようにすれば良いのでしょうか。 まず、特別活動を三つの領域に分けてみましょう。 ①活動の価値付けを行います。 ②健康・安全 ③奉仕 ④国際理解・親善 の三つです。 ⑤アルミ缶集めならば、奉仕に位置づけます。 でも、集めるだけの活動ならば、 学校を卒業すればそこで終了してしまいます。 一過性の奉仕でなく、将来に亘って、 奉仕の心を持ち続けるためには、『命と心』の基盤が必要です。 赤十字の精神は、世界共通の道徳『人道・博愛』ですから 生涯に亘って思いやりの心を培うことができるのです。 ⑥ 国際理解・親善 縦割り班・老人会との交流・ 留学生との交歓会 など
学校教育 社 会 教 育 実行する 気づき 考 え ①学校全体で『気づき、考え、実行する』の態度目標を指針にして 社 会 教 育 実行する 気づき 考 え ①学校全体で『気づき、考え、実行する』の態度目標を指針にして 『習得・活用・探求』の授業をどのように組み立てていくか。 『人の命と尊厳を大切にする』生徒指導をどのように構築していくか。 『豊かな心を育む』道徳を実践的な活動にどう結び付けていくか。 『自主・自立』を育む特別活動の年間計画をどのように作成するか。 を考えていくことで、 将来に亘って『生きる力』を育んでいく基礎が培われることになるのです。
学ぶとは 文化 教師 親 ひと 最後に ① ②学という字は、以前はこう書きました。 二つの交差は、 ③文化の交わりと 学ぶとは 文化 教師 親 ひと 最後に ① ②学という字は、以前はこう書きました。 二つの交差は、 ③文化の交わりと ④人の交わりを表します。 それを両手で支えています。 ⑤保護者と ⑥教師です。 学ぶ主体は子供たちです。 その世界を創ってやるのが大人の使命だと思います。 ⑦
日本赤十字社 静岡県支部 組織振興課 J R C 担 当 『生きる力』と『人道・博愛』についての話を終わります。 『生きる力』と『人道・博愛』についての話を終わります。 ご清聴ありがとうございました。 日本赤十字社 静岡県支部 組織振興課 J R C 担 当