技術教育を組み込んだ 福祉機器の開発・販売事業

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技術教育を組み込んだ 福祉機器の開発・販売事業 有明工業高等専門学校 井上陽平 古賀直樹 杉本恭佑 今から「技術教育を組みこんだ福祉機器の開発・販売事業」と題しまして有明高専井上が発表させていただきます。 私達は、卒業研究で、特別支援学校と協力し、支援装置の開発・研究を行っています。 本プランはその中で、ニーズを感じ、作成したプランです。 それでは、よろしくお願いします。

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 発表の流れです。 このような流れで発表していきたいと思います。 まず、プラン作成の背景からです。

特別支援学校を訪問 1.プラン作成の背景 ⇒個々に適した福祉機器が不足 ニーズはあるのに、市場が活発ではない 障害の種類や程度はさまざま   特別支援学校を訪問 障害の種類や程度はさまざま ⇒個々に適した福祉機器が不足 私達は柳川市にある特別支援学校を訪問しました。 (そこに通ってらっしゃる方の中には、視力の弱い方や、体が不自由な方がおられ、 また、一口に体が不自由な方といっても、例えば、寝たきりで、意思疎通も難しい方から、 電動車いすを操作し、校内を自由に動き回れる方までおられ、 障害の種類や程度は本当に多種多様だと感じました。 そのため、) さまざまな障害を持った方々がいらっしゃり、 同じ障害で、例えば腕が不自由な方でも程度はそれぞれ異なります。そういった理由で、 そこには、障害の種類や程度が様々な方々が通ってらっしゃるため、 「個々に適した福祉機器が不足」 という問題が浮き彫りになっていました。 このような問題を招いた原因として、 福祉機器を開発・販売する市場が活発でないことが挙げられます。// そこで私達は、この問題を「ビジネス」として捉えることで問題解決を図ろうと考えました。 「ビジネス化」で問題解決を図る!! ニーズはあるのに、市場が活発ではない

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 それでは、事業内容を説明します。

「障害のある方々一人一人が最適な支援装置 2.事業内容 1) 支援装置の開発・販売事業 2) 技術訓練事業 本プランでは「支援装置の開発販売事業」と「技術訓練事業」の2つの角度から事業を展開していきます。 まず、支援装置を開発・販売することで、障害のある方々の持つニーズに直接応えていきます。 さらに、私達は技術訓練所を開講することで、支援装置を開発・販売する業界の担い手となる技術者を育成し、この問題を根本から解決します。// そして、「障害のある方々一人一人が最適な支援装置を所持し、自己表現・自己実現できる社会」を実現したいと思います。 これが私たちの理念です。 「障害のある方々一人一人が最適な支援装置 を所持し、自己表現・実現できる社会」

2.事業内容 開発・販売事業と技術訓練事業の融合が本プラン最大の新規性 「支援装置の開発」の部分で融合 ⇒ 実践的な教育が可能 次に、本プランの新規性について説明します。 開発販売事業と、技術訓練事業の融合が本プラン最大の新規性となっています。 具体的には、「支援装置の開発」の部分で2つの事業を融合します。 そうすることで、より実践的な教育が可能になると同時に、より多くの装置を開発することができ、ます 先ほどの理念達成へと繋がります。 それでは、この開発・販売事業と技術訓練事業について、それぞれ説明していきたいと思います。 「支援装置の開発」の部分で融合 ⇒ 実践的な教育が可能 ⇒ より多くの装置を開発

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 まず、開発・販売事業からです。

3.開発・販売事業 施設との強力な連携 より多くのニーズに応える 1) 開発・販売事業による開発 2) 技術訓練事業の生徒・講師による開発 キーワード 施設との強力な連携 1) 開発・販売事業による開発 2) 技術訓練事業の生徒・講師による開発 ここでは、特別支援学校などの施設と強力に連携し、支援装置の開発・販売を行います。 開発手段として、この事業による開発以外にも、技術訓練事業の生徒や講師による開発も考えています。// こうすることで、より多くのニーズに応えていきます。 3年度までには、毎年10個以上の支援装置を開発できる体制をつくる予定です。 より多くのニーズに応える

3.開発・販売事業 要望をもとに開発予定の製品例 ルーレット型コミュニケーション支援装置 車いすコントローラー 光と音がでる教材 大きい表示の予定表システム 電動スクーターボード etc... 次に、この事業で開発予定の製品例を説明します。 これは、特別支援学校の要望を元に作成したリストの一部です。 これらの中から需要の高いと思われる順に開発・販売していくことになります。 要望をもとに需要の高い順に開発・販売していきます。 すでに私達は、こちらの「ルーレット型コミュニケーション支援装置」を開発しましたので、 この装置について説明したいと思います。

3.開発・販売事業 ルーレット型コミュニケーション支援装置 『簡単な意思表示をスムーズに行いたい』 (施設からの要望) 施設を訪問してわかったのですが、 重度の肢体不自由と言語障害を併せ持ってらっしゃる方の多くは、 『「はい・いいえ」程度の簡単な意思表示をスムーズに行いたい』と 強く望まれています。 そこで私達は、このルーレット型のコミュニケーション支援装置を開発しました。 今回、試作品を持ってきました。 動画を用いて、簡単にこの装置の説明をします。

3.開発・販売事業 装置の利用者は、こちらの押しボタン一つで操作します。(→再生) 自分の意思に合わせてLEDを止めることで、意思表示が行えます。 また、意思表示の分割数や、内容は、簡単に変更できます。 なお、この装置はこれから特別支援学校との間で調整を行っていく予定です。 そうすることで、よりニーズに応えた製品にしていきます。

3.開発・販売事業 類似商品との相違点 名称 ルーレット型 コンボード スーパートーカー 外観 価格 特徴 ¥40,000 ¥58,000 ※Pacific Supply ※ Pacific Supply 価格 ¥40,000 (押しボタンスイッチ込み) ¥58,000 (筋電スイッチ込み) ¥42,000 入力装置(別売)           ¥7,000〜¥64,000 ¥54,000 特徴 選択肢を記入し、音とともに点灯が回転する。 ・光と音で表示 ⇒装置を使用する感覚 選択肢をボードに貼り付け、針を回転させる。 ・回転方向を変更可能 装置に選択肢をはめ込む。選択肢をタッチする。 ・音声の録音が可能 それでは、すでに市場で販売されている類似商品との相違点を説明します。 類似商品として、これらの装置が挙げられます。 私達が訪問した特別支援学校では、この「スーパートーカー」が利用されていましたが この装置は、選択肢の部分がスイッチとなっているのですが、 重度の肢体不自由のある方には向いていないため、困ってらっしゃいました。 あまり活用されていませんでした。 私達の商品はスイッチ一つで操作でき、 光と音で表示を行うため、「装置を使用する感覚」を利用者に与えることができます。 このような特徴や価格設定は、特別支援学校の先生方の意見を参考にしています。 このように、「施設と強力に連携し、開発を行っていくこと」が、開発・販売事業の最大の強みです。

3.開発・販売事業 販売ターゲット マーケティング戦略 福岡県には、 身体障害のある方:226,682人 (平成23年3月末福岡県統計) 身体障害のある方:226,682人           (平成23年3月末福岡県統計) 高齢化社会 ⇒ ニーズは増加する マーケティング戦略 開発販売事業では軽度から重度まで、様々な障害のある方々を対象とします。 福岡県には現在、身体障害のある方が約23万人いらっしゃいます。 また、高齢化社会を見据えると、ニーズは増加すると考えられます。 販売方法としては、特別支援学校や、身障者施設などの施設を訪問し、販売を行っていく予定です。 これらの施設は、施設間の横の結びつきが強いため、いい商品であれば一気に広まることが期待できます。 施設を訪問し、販売を行っていく ⇒ 施設間の結びつきが強いため、 ⇒ いい支援装置であれば一気に広まる!!

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 次に技術訓練事業について説明します。

4.技術訓練事業 支援装置の開発を行える技術者を育成 技術訓練所 2人の講師で16名の生徒に技術教育を行う ⇒ 優秀な者or希望者を毎年2名程度採用 求職者を対象とし、技術訓練所を開講します。 2人の講師で16名の生徒に技術教育を行い、 その中で、「優秀なもの」 または 「希望者」を毎年2名程度、開発・販売事業の社員として採用します。 この事業によって、支援装置の開発を行える技術者を多く育成していきます。 支援装置の開発を行える技術者を育成

4.技術訓練事業 授業料:3万円 × 12ヶ月 = 36万円 前期:電子情報工学の基礎から開発演習まで 授業料:3万円 × 12ヶ月 = 36万円 前期:電子情報工学の基礎から開発演習まで 後期:ニーズ調査を行い、実際に支援装置の開発 前期(4月~8月) 後期(9月~2月) ニーズ調査 支援装置の開発 次に、技術教育の内容を説明します。 授業料は、月3万円の12ヶ月で36万円とします。 前期には、開発に必要な基礎教育から、開発演習までを行います。 後期には、4人ずつでグループを作り、ニーズ調査から、実際に支援装置を開発するまでを体験してもらいます。します ここで、開発した装置は、開発・販売事業によって製品化され、販売されます。 実践を交えることで、生徒の力を向上させ、他の事業との差別化を図ります。 開発演習 (4人×4グループ = 16人) 基礎教育

4.技術訓練事業 類似ビジネスとの相違点 ・奨学金制度の導入 ・授業料無償化(求職者支援制度) を検討中 職業訓練所:ほとんどが公共かボランティアによるもの 名称                                                               本プラン 公共 ボランティア 特徴 ・実践的な教育 ・雇用(2名程度) ・責任がある ・安心感 ・資金不足 ・スタッフ不足 価格 年間36万円 無料 それでは、類似ビジネスとの相違点を見ていきたいと思います。 類似ビジネスとしては職業訓練所が挙げられますが、そのほとんどが公共か、ボランティアによるものです。 本プランでは、開発・販売事業との連携によって、より実践的な教育や、雇用など、独自のメリットが生まれています。 そして、ビジネスとして継続していくため36万円の授業料をいただく予定です。 これについては、奨学金制度の導入や授業料無償化など、生徒の負担が最も小さくなる形を模索していこうと思います。 ・奨学金制度の導入 ・授業料無償化(求職者支援制度) を検討中

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 次に、売上・利益計画を説明します。

5.売上・利益計画 人件費:18万円 × 12ヶ月 = 216万円 開発・販売事業 技術訓練事業 (千円) 従業員 2人(2年度:4人, 3年度:6人) 売上 売上総利益 人件費 一般管理費 利益 初年度 10,000 5,000 4,320 5,520 -520 2年度 25,000 12,500 8,640 9,940 2,560 3年度 50,000 12,960 14,360 10,640 売上 初年度:(価格)50000円 ×(販売目標) 200個 = 1000万円 2年度 :(価格)50000円 ×(販売目標) 500個 = 2500万円 3年度 :(価格)50000円 ×(販売目標) 1000個 = 5000万円 技術訓練事業 (千円) 従業員一人あたりの人件費は、月18万円の12ヶ月で216万円とします。 支援装置の販売目標は、 販売する全ての装置を合わせて初年度200個、2年度500個、3年度1000個とします。 これらの数字を表にまとめました。// 開発・販売事業では、3年度には、1064万円の利益が期待されます。 技術訓練事業は、毎年24万円の利益となります。 これらを踏まえると // 売上(授業料収入) 人件費 一般管理費 利益 初年度 5,760 4,320 1,200 240 2年度 3年度 講師 2人 授業料 毎年:(授業料)36万円 ×(生徒数)16人 = 576万円

5.売上・利益計画 (千円) 50,000 25,000 10,800 10,000 2,800 -280 このグラフのようになります。 青色が売上高で、ピンクが営業利益です。 本プラン全体を通して、利益はこのように伸びていきます。 2,800 -280

発表の流れ 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 1.プラン作成の背景 2.事業内容 3.開発・販売事業 4.技術訓練事業 5.売上・利益計画 6.事業実施上の課題 次に事業実施上の課題を説明します。

社会貢献を果たすとともに利益拡大を目指す!! 6.事業実施上の課題 『障害者自立支援法』   支援装置購入の際、販売価格の9割程度の補助が下りる制度 補助が降りにくい商品の開発はリスクを伴う ① いかにして補助を降ろさせるか研究   ② ニッチな市場を狙い利益を生む 障害のある方々が支援装置を購入する際に、必要な装置だと認められれば、 販売価格の9割程度の補助がおります。 そのため、補助がおりにくい商品の開発には、リスクを伴います。 実際に他社もそのような商品には十分に進出できていません。 これについては、開発・販売を行っていく中で、いかに補助を降ろさせるかを研究していきます。 また、このようなニッチな市場を狙うことでシェアを拡大し利益を生むことができるとも考えています。 そうやって市場のスキマを埋めることで// 社会貢献を果たすとともに、利益拡大を目指します。 社会貢献を果たすとともに利益拡大を目指す!!

「障害のある方々一人一人が最適な支援装置 理念 「障害のある方々一人一人が最適な支援装置 を所持し、自己表現・実現できる社会」 理念達成を目指す 最後にもう一度理念をいいます。 私達はこのプランで、「障害のある方々一人ひとりが最適な支援装置を所持し、自己表現・自己実現できる社会」を目指します。

謝辞 本プラン作成にあたり,福岡県立柳河特別支援学校の矢ヶ部龍一郎先生にご協力をいただいた. この場を借りて,感謝の意を表する.

ご静聴ありがとうございました