宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 津波の基礎知識 つ なみ き そ ち しき 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 1 津波が起こるしくみ 地震で海の底が動くと,その上の海水が押し上げられ,津波が起きることがあります。 津波が起きると,海の表面から底までの水がかたまりとなってやってきます。波浪と比べて,津波の力はとても強く,家や車をあっという間に押し流してしまいます。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 2 津波の速度 100mを10秒で走る速度! 津波は海の深いところではジェット機ぐらいの速さで広がります。 海が浅くなる海岸近くでは,遅くなる代わりに,波が急に高くなります。 遅くなると言っても,速度は短距離選手並みの速さなので,見てから逃げていては,間に合いません。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 3 津波から身を守るために① 海岸付近で揺れを感じたり,揺れを感じていなくても,津波警報を見たり聞いたりしたら急いで逃げましょう。 揺れが小さくても大きな津波が起こることもあります。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 3 津波から身を守るために② 津波は低い場所をおそいます。海や川から離れ,高い所へ逃げましょう。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 3 津波から身を守るために③ 津波は繰り返しおそってくるので,津波警報がでている間は避難を続けましょう。 はじめの波よりあとに来る波が大きいこともあります。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 4 津波の伝播の様子 日本 ペルー 津波はくりかえしおそってくる! あとから最大の津波がくることもある! これは,平成19年(2007年)8月16日にペルーで発生した地震による津波のアニメーションです。 日本から遠く離れたペルーから海を渡って,20時間以上もの時間をかけて日本につきました。 1960年にチリで発生した発生した地震では,宮城県で53名の死者・行方不明者が出ました。 (クリック)最初の波がきた後も,繰り返しおそってきている様子がわかります。数時間以上してから最大の津波が来る場合もあります。 気象庁 平成19年(2007年)8月16日にペルーで発生した地震による津波のアニメーション 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 5 津波からの避難 津波のおそれがあるところには次のような標識があります。 左は津波がきても安全な場所を示す標識です。 右は津波がくると危ない場所です。 海が見えなくても,この標識があるところは海の近いところなので,確認しましょう。 気象庁 津波から命を守るために 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
1分以上揺れてたら高台へ避難! 6 揺れの長さ① 揺れている時間が1分以上続いたら,津波の可能性大. 断層が割れるのに時間がかかる 6 揺れの長さ① 1分以上揺れてたら高台へ避難! 揺れている時間が1分以上続いたら,津波の可能性大. 断層が割れるのに時間がかかる 断層面積が大きい 断層面積はマグニチュードに対応 マグニチュード 大 ならば津波 高 ! マグニチュードが大きな地震であるほど,断層面積が大きいので,割れるのに時間がかかります。 つまり,揺れている時間が長い地震ほど,マグニチュードの大きな地震である可能性が高いということです。 ただし,地盤によってはいつも長めに揺れる場所もあります。 揺れている時間が1分以上続いた場合,非常に大きな地震が発生し,津波が発生する可能性が高まります。 ただし,地盤によって,いつも長めに揺れる場所もあります 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 5 揺れの長さ 6 揺れの長さ② マグニチュード 地震 断層の長さ 揺れていた時間 7.3 兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災) 50km 13秒程度 9.0 東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) 500km 2分40秒以上 兵庫県南部沖地震では揺れの時間は約13秒ほどだったという記録があります。 一方で,東北地方太平洋沖地震では2分40秒以上も揺れが続き,大きな津波が発生しました。 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 7 大津波警報・津波警報 5 揺れの長さ 種類 発表基準 津波の高さ予想の区分 巨大地震の場合の発表 大津波警報 特別警報 予想される津波の高さが 高いところで 3m を超える場合。 10m超 巨大 10m 5m 大津波警報は,予想される津波の高さが高いところで3mを超える場合に発表されます。 巨大地震の場合は,巨大とだけ発表され,明確な高さの予想を伝えないことになっています。 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 7 大津波警報・津波警報 5 揺れの長さ 種類 発表基準 津波の高さ予想の区分 巨大地震の場合の発表 津波 警報 予想される津波の高さが 高いところで 1~3m 高い 3m (1m<予想高さ≦3m) 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ 8 過去の津波被害 7 大津波警報・津波警報・津波注意報 地震発生日 マグニチュード 地震名 死者(日本全体) 明治29(1896)年6月15日 8.5 明治三陸地震 約22,000人 昭和8(1933)年3月3日 8.1 昭和三陸地震 1,522人(死者) 1,542人(行方不明) 昭和35(1960)年5月23日 チリ地震津波 122人(死者) 20人(行方不明) 明治三陸地震では,震度1程度の弱い揺れが5分以上続き,その後大津波が襲来したという記録が残っています。 マグニチュードの大きい地震ほど,揺れが長くなり,津波が発生しやすいことを忘れないでおきましょう。 以下参考資料です。(読み原稿ではありません) 仙台管区気象台ウェブサイト「宮城県に影響を及ぼした地震・津波の被害」よりhttp://www.jma-net.go.jp/sendai/jishin-kazan/higai.htm ★明治三陸津波 三陸海岸から約200kmの沖合いに震源があったため微震(震度1)程度であったが、震動はやや長く継続し、十勝国茂寄村では地響きを約5分間感じたという記録が残っています。地震による直接の被害はなかったが、地震後大津波に襲われ三陸海岸に大被害をもたらした。宮古では地震後18分に引き波で始まり、20時07分には最大波高4.6mを示した。最も激しかったのは陸前国吉浜で、波の高さは24.4mに達した。この津波は遠く太平洋を横断してハワイおよびサンフランシスコの検潮儀にも記録があった。災害地を通じて家屋全半壊・流失10,617戸、溺死者27,122人。 ★昭和三陸津波 岩手県宮古市・宮城県石巻市・仙台市・福島県福島市で震度5を観測するなど、北海道から近畿・中国地方にかけての広い範囲で有感となった。地震後約30~60分の間に津波が北海道と三陸沿岸を襲い、大きな被害が出た。岩手県沿岸の津波の高さは10m以上にも及び、とくに綾里湾では28.7mにも達した。この津波は九州にいたる太平洋沿岸各地に及び、さらに津波は北米・南米の太平洋沿岸にも到達した。この津波による人的被害は、死者・行方不明者3,064名、負傷者1,092名にのぼった。 ★チリ地震津波 18000Km離れた地球の裏側チリ沖で発生した世界最大のM9.5の地震。その地震の22.5時間後に襲った津波は日本沿岸で観測され、津波の最大波高は、花咲339cm、八戸582cm、御前崎380cm、土佐清水268cm、油津202cmなどで、三陸沿岸北部で異常に高い地頃があった。この地震による津波では、東北地方の三陸沿岸を中心に、死者119人(岩手県58人、宮城県45人)、行方不明者20人、負傷者872人が犠牲となり、また、建物の全壊1,571戸、半壊2,183戸、流失1,259戸のほか道路の損壊や橋の流失、堤防決壊、船舶の沈没や流失など甚大な被害となった。とくに被害が大きかったのは宮城県の志津川で、津波は約1km内陸に達し、死者行方不明者37人、負傷者560人、家屋全壊986戸、半壊364戸、流失186戸、床上浸水1,756戸に達した。 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ
宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ <終わり> 2018/11/7 宮城県総合教育センター 平成25年度防災教育グループ