菊地夏紀 荒木幸治、江野高広、桑本剛、平野琢也

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菊地夏紀 荒木幸治、江野高広、桑本剛、平野琢也 光トラップ中での ボース凝縮体の運動 28aYA-10  学習院大学 平野研究室  菊地夏紀 荒木幸治、江野高広、桑本剛、平野琢也

概要 研究内容 Single-beam optical trap中でBECが波のような振る舞いを示した。なぜ? Gakushuin Single-beam optical trap中でBECが波のような振る舞いを示した。なぜ? 非調和ポテンシャル中でのBECの振る舞い Wave Guide への関連

Single optical trap 光学系 y ρ z g mirror 半導体レーザー 845nm Acromat lens Coil MOT Beam Cell

光トラップ r z パラメーター λ~ 845 nm (共鳴周波数780nm) P ~ 8.8 [mW] w(1/e2 radius) ~ 2.3 [mm] f = 200 [mm] wρ0(1/e2 radius) ~ 24 [μm]     U0 ~ 1.9 [μK] トラップ周波数 ωρ ~ 2π×271 [Hz] ωz ~ 2π×2.2 [Hz] 磁気トラップのトラップ周波数 ωρ~2π×155 [Hz]  ωz~2π×15 [Hz] ωρ/ ωz ~ 10 ωρ/ ωz ~ 120

実験方法 G ① 磁気トラップの中でBECを生成する ② ゆっくりとレーザーを重ねる ③ 光だけによるトラップ ④ ① BEC G ① 磁気トラップの中でBECを生成する ② ゆっくりとレーザーを重ねる Resonant beam ③ 光だけによるトラップ ④ 自由落下させて、共鳴光を入れ吸収イメージング

実験データ ~ 光トラップ中のBECの時間発展 Parameter Time of Fright 17ms , Laser Power ~11mW, beam waist 10.5 mm, Ramp up time 300ms 80ms 90ms 100ms 110ms 120ms 130ms 1.6mm Trap time 10ms 20ms 30ms 40ms 50ms 60ms 70ms G

光トラップ中での時間変化 トラップタイム変化を変化させたデータ 0ms 20ms 40ms 60ms 2.5mm 0ms 20ms 40ms 60ms 光トラップの閉じ込めが弱い為、拡散している 重力の効果により、ポテンシャルを    合わせる事が不可能 ωz=2π×15 Hz MT ωz=2π×2.3Hz OT NaよりRbは4倍ほど重い

光トラップ初期の振動 ~6ms 周期 22ms自由落下させ、初期のトラップ時間による落ちてきた場所の変化を調べた Pixel Trap timeと重心の変化 [5mm/pix] 1ms 5ms 8ms 1ms G Trap time [ms] 実効的なトラップ周波数  wr ~ 2p×170Hz 周期 ~6ms

振動の原因 B C 実験条件でポテンシャルがどのようになっているか を考えてみる ② ③ X Z G 実験条件でポテンシャルがどのようになっているか を考えてみる ② ③ X G B Z C ② Uµ [(wMT + wOT)X]2 +2gX µ (X-B)2 ③ Uµ (wOTX)2+2gX µ (X-C)2

極小点の変位量と振動振幅 B C B-C 0.81mm 1.3±0.3mm 1.0±0.3mm 極小点のへの変位量を求める X G Z wMT =2p×150Hzで計算 wr ~ 2p×280Hz B-C 0.81mm トラップ初期のBECの振幅を求める 6msの逆数からwr = 2p×170Hz 1.3±0.3mm 計算から 1.0±0.3mm wr = 2p×270Hz

波のようになる原因 振動周期の違い 約2/3周期遅れる 振動している場合を考える 振動 場所によってポテンシャルの違い 0.5mm 260Hz 270Hz 周波数[Hz] Trap time 70ms 270Hz 3.84ms 3.70ms 260Hz 周波数 周期 37ms後の     振動回数 10回 9.37回 約2/3周期遅れる

まとめ 光トラップ中のBECが横方向の振動を起こした 光トラップは場所によってトラップ周波数が違う。それらのことを考えると、定性的に説明できる。 その他の可能性 レーザービームの位置ゆらぎ、アライメントの不完全性(軸がずれている等) 課題 定量的な評価

モデルの提案 X Z BEC BECが光トラップと軸がずれていて、振動しながら広がるモデル Minimum line 軸が傾いているモデル Axial FORT BEC BECが光トラップと軸がずれていて、振動しながら広がるモデル このモデルを確かめる目的の実験をしたが、結果は・・・

G-P方程式の数値計算 Split operator method 十分に短い時間に対して、簡単に時間発展を計算できる で、初期状態Y(r,t0)の時間発展は Split operator method 十分に短い時間に対して、簡単に時間発展を計算できる traptime150ms

Appendix

光トラップ r スピンによらずトラップできる BECを光トラップ 光双極子力 離調を負にする 強度の強い場所にトラップ可能 E1 E2 w d 原子のあるエネルギー準位に対し、離調d[Hz]を取った強度Iの電磁波が作るポテンシャル 離調を負にする I δ<0 強度の強い場所にトラップ可能 U r

ú û ù ê ë é } + { - = µ ) / ( 1 z w EXP U I d r z ポテンシャル 焦点がポテンシャルの底になる 強度がガウス分布したレーザーをレンズで絞る r z 2w0 強度分布 zr= kw20/2 P: レーザーパワー ポテンシャル 代入 ú û ù ê ë é } + { - = µ 2 ) / ( 1 r G dip z w EXP U I o d

これからの課題 3次元でのG-P方程式でのシュミレーション ・アライメントの問題(CCDの解像度が5μm) ・片方からしかイメージングできない ・μm以下のオーダーでのレーザー制御 精密なパラメーター制御困難 3次元でのG-P方程式でのシュミレーション