わが家の地震対策 (講師用) 皆様に備えていただきたいお宅での地震対策について、お話ししたいと思います。 ○○自治会 防災委員会
はじめに(研修の目的) ・学んだことを行動に移すこと ・自分でどのような対策をとれる かを学ぶこと 近年大地震が発生しています。 ・自分でどのような対策をとれる かを学ぶこと ・学んだことを行動に移すこと 近年大地震が発生しています。 横浜でも、いつ大地震が発生するかわからない。そのとき、行政も被災し、いつ救援がくるのかもわからない状況になるかもしれません。 自分やご家族の命を守るために、今できることを学び、できるところから、実践しましょう。
わが家の地震対策とは? 「わが家の地震対策」冊子 ご家庭や地域で日頃から備えていただくべきことや、区ごとの被害予測地図などをコンパクトにまとめた冊子です。区ごとに作成しています。 (H25年全戸配布、H26年以降転入者へ配布) ダウンロード:「わが家の地震対策」で検索またはhttp://www.city.yokohama.lg.jp/somu/org/kikikanri/wagayanojishintaisaku/ 「わが家の地震対策」という冊子は、横浜市が作成したもので、ご家庭や地域で日頃から備えていただきたいことや、区ごとの被害予測地図などを掲載しています。 この冊子をみながら、皆様に備えていただきたいことを解説していきます。
動画(わが家の地震対策) DVDを再生 又は Youtubeよりダウンロード 「わが家の地震対策」で検索 アドレス https://www.youtube.com/watch?v=izyaAqhWaZw&feature=youtu.be 動画を再生します。(10分)
想定地震(P6ページ) 現在、横浜市では、この4つの地震を想定しています。 現在、横浜市では、この4つの地震を想定しています。 この中で、市内に最大の被害を及ぼすと想定しているのが、図の一番右に示されているエリアを震源とする、元禄型関東地震です。
こうした被害を自分や地域が出さないように備える。 被害想定(P7ページ) 元禄型地震が発生した場合、 強い揺れによる建物全半壊棟数が137,100棟、 火災による建物焼失棟数が77,700棟、など これほどの大きな被害が出ると想定されています。我々の地域でも被害が出ることが考えられます。 こうした被害を、家族や地域でなるべく減らすように事前に備えることが大切です。 その為に、何をすべきかということです。 こうした被害を自分や地域が出さないように備える。 その為には・・・
ライフラインの被害想定 ライフラインの種類 被害想定 復旧見込 上水道 25.0% 400,000世帯 30日程度 下水道 (支障率、被害世帯数) 復旧見込 上水道 25.0% 400,000世帯 30日程度 下水道 4.1% 73,000世帯 電信電話 3.4% 54,000世帯 14日程度 電力 16.7% 270,000世帯 7日程度 ガス 82.0% 1,200,000件 55日程度 被害想定は、次のとおりです。 水は、約1ヶ月、電話が約2週間、電力が約1週間、ガスが約2ヶ月、復旧までに時間がかかります。 想定される被害から家族や地域を守るためには、日ごろから備えることが大切です。 その為に、何をすべきかということです。 <被害想定:横浜市防災計画 復旧見込:横浜市、NTT、東京電力、東京ガスのホームページより引用> 想定される被害から自分や地域を守る為には・・・
その前に・・・・ 自助・共助・公助という言葉を、ご存じでしょうか? 自助・共助・公助という言葉を、ご存じでしょうか? 自助とは、自分や家族の命を守ること、共助とは、地域で助け合うこと、公助は、横浜市など行政機関の取り組みをいいます。
なぜ自助・共助が必要か? 飲料水や食料、生活用品の備蓄、隣近所の助け合いを 横浜市消防局が保有する消防車527台、救急車64台 <参考> ■発災時の公助(行政) 発災直後の3日間(72時間)は、人命救助を最優先とし、 応急対策に集中して取組みます。 ⇒ しかしながら、行政も被災するため、公助がいきわた らない。そのため、普段からの自助・共助が重要。 飲料水や食料、生活用品の備蓄、隣近所の助け合いを 何故自助・共助が必要か、ということですが、 発災直後の72時間、横浜市は人命救助を最優先として、消火・救急活動、市内の被害状況の確認、避難所(地域防災拠点)の開設、自衛隊や他都市からの救援の調整、緊急輸送路の確保、上下水道の被害確認・修復、地域防災拠点等への物資の輸送、帰宅困難者の対応などの応急対策に取組みます。 (72時間としているのは、この時間が過ぎると、人間の生存率が急激に落ちると言われているからです。) しかし、行政も被災するため、72時間以内であっても、公助がいきわたらない可能性もあります。そのため、普段からの自助・共助が重要になります。 自ら、飲料水や食料、生活用品の備蓄、隣近所の助け合いなどを実施することが大切です。 参考ですが、横浜市が保有する消防車(特殊車両等も含む)は527台、救急車は64台です。 先ほどお話しした被害に対応するには、十分な台数ではありません。 普段から被害を出さないように備えることや、あるいは万一被害が出た場合でも、近所での助け合いができるようにしておくことが大切です。 <参考> 横浜市消防局が保有する消防車527台、救急車64台 <横浜市消防力の整備指針より引用>
参考 □阪神・淡路大震災の消火・救助活動の例 消火活動 瓦礫の下からの救助 <参考>(割愛してもかまいません) 阪神淡路大震災では、消火活動のおよそ9割が、自力や地域の方々の手によって行われました。 また、瓦礫の下からの救助も、およそ8割の方が地域の手により助け出されています。 出典:河田恵昭:大規模地震災害による 人的被害の予測自然災害科学 Vol.16
住民の皆様に備えてほしいこと① 熊本での建物の様子 古い建物は、1階が押しつぶされるように全壊 比較的、新しい建物は 外壁など軽微な被害 わが家の地震対策のP8を見てください。先ほどのビデオにあったように、昭和56年5月以前に建てられた建物は、旧耐震基準での建物で、大地震がくると崩れる可能性が高いとされています。 熊本地震でも、木造の瓦の屋根の建物は、軒並み潰れていました。 一方で、新しくてどっしりとした四角い建物は、比較的軽い損害であったといわれています。 昭和56年5月以前に建った建物については、耐震診断及び耐震化をお願いいたします。 ※マンションは、カットしてよい。 ⇒ 命を守るうえで耐震化は非常に大切 まずは、耐震診断を
住民の皆様に備えてほしいこと② ワーク(5分) 2枚の家の写真の 危険個所に○を付けてください ここでワーク(作業)をします。 このあとの2枚の写真について、危険個所に〇をつけてください。 ここでは、写真を用意しましたが、自分の家などのほうがリアリティがあってよいかと思います。
①高い棚は、L字金具などで固定しましょう。 ②皿などが飛び出ないように、フックをしましょう。 ③窓ガラスが割れてもいいように、飛散防止フィルムをはりましょう ④棚に花瓶などおくのは危険です。 ⑤テレビなどは、粘着マットで固定しましょう ⑥重い荷物は、高いところに置くのはやめましょう
①上からお皿などが落ちてこないように、フックなどで扉が開かないようにしましょう ②冷蔵庫も固定しましょう。 ③④包丁などが落ちると危険なので、フックなどで扉を開かないようにしましょう ⑤ストーブなどが倒れ、火災が起きると危険です。ストーブなどは倒れたら止まるようなタイプにしておくと安全です。また、火災が起きた場合は初期消火を、火災が起きていなくても通電火災が起きないよう、避難する際はブレーカーを切って避難しましょう。
住民の皆様に備えてほしいこと② 東日本大震災での家の中の様子 ベットのうえに本棚が倒れこんでいます。 <総務省消防庁HP引用> キッチンでは、冷蔵庫などが倒れています。 この写真のように、ベットや冷蔵庫を固定しないと、怪我をしたり、最悪の場合、命をおとすこともあります。 特にマンションについては、一軒家よりも大きく揺れる恐れがあります。 家具の固定がいかに大事かよくわかります。 <総務省消防庁HP引用> ⇒家が無事でも、家の中を安全にしていないと命の危険があります。
住民の皆様に備えてほしいこと② ○ 家の中を安全にしておこう(P8) 具体的には、わが家の地震対策のP8をご覧ください。 阪神淡路大震災では、多くの方が家具の下敷きになり、怪我をしたり、亡くなったりしています。家具を固定したり、重いものを棚の下に入れ、高いところにものを置かないなど工夫をしましょう。 また、ガラスに飛散防止フィルムを張ったり、戸棚などの扉は開かないように留め金をしましょう。
家具の固定イメージ 19 ベルト <横浜市 危機管理室撮影> つっぱり棒 <横浜市 危機管理室撮影> ガラス飛散防止フィルム ベルト <横浜市 危機管理室撮影> つっぱり棒 <横浜市 危機管理室撮影> 家具を固定する際は、これらの写真をイメージしていただければと思います。 結構、貼るだけのものも多いです。 値段は様々ですが、落下防止器具などは、100円均一の店などでも売っていますし、つっぱり棒やベルトなどは、ホームセンターで2000円~8000円ぐらいで売っています。 ガラス飛散防止フィルム <www.cs-shizuoka.com より引用> 落下防止金具 <横浜市 危機管理室撮影> 19
住民の皆様に備えてほしいこと③ ○ 備蓄をしておく(最低3日分以上)(P9) 20 次に、わが家の地震対策P9をご覧ください。 発災直後は、食料や日用品の購入が難しくなりますし、マンションではエレベーターが停まり、高層階などは搬入が難しくなることから、家族構成を考えて、必要な備蓄をしておきましょう。備蓄する量は、最低3日分です。 備蓄するものは、家庭によって変わってきます。水や食料品、トイレパック、ランタンなどのほかに、乳幼児がいる家庭では、ミルクや哺乳瓶なども必要になります。また、ガスコンロなどもあると便利です。家庭で必要なものを備蓄してください。 20
住民の皆様に備えてほしいこと③ また、賞味期限などがあったり、備蓄に適当な場所がないことから、備蓄ができないという方もいらっしゃいますが、普段の買い物で少し多く買っておいて、減った分を買い足すというローリングストックという方法もあります。 21
住民の皆様に備えてほしいこと④ ○ 火災に強い室内環境にする ・住宅用火災報知器の設置 ・住宅用消火器の設置 ・感震ブレーカーの設置 ○ 火災に強い室内環境にする ・住宅用火災報知器の設置 ・住宅用消火器の設置 ・感震ブレーカーの設置 ・避難する際は、ブレーカーを落とす 住宅用火災報知器 <横浜市 危機管理室撮影> 感震ブレーカー 〈所沢市ホームページより引用〉 簡易タイプ コンセントタイプ 分電盤タイプ さらに、火災に強い室内環境にすることが重要です。 まず、火災を早期発見するために、住宅用火災報知機の設置が重要です。新築住宅は平成18年6月1日から、 既存住宅は平成23年6月1日から設置が義務付けられています。必ずつけるようにしてください。 また、住宅用消火器を備え付けるのも有効です。 近年の大地震で発生した火災の6割以上が電気に起因する火災といわれています。「感震ブレーカー」は、大きな揺れを感じて電気を自動的に遮断する器具です。分電盤タイプが7万円~8万円程度、増設タイプが3万円~4万円程度、コンセントタイプが5000円程度、簡易タイプ(おもり玉、ばね式)が2000円から4000円程度で買えます。 ちなみに、どのようなものか動画で見てみると、… 22 コンセントタイプ 簡易タイプ
住民の皆様に備えてほしいこと⑤ 毎月1日、15日は、テストができます ○ 家族の連絡方法を確認しておく(P16) 災害伝言ダイヤル(171)など 毎月1日、15日は、テストができます また、家族の連絡方法を確認しておく必要があります。災害時に電話が繋がらない場合に備え、家族で連絡を取るルール作りをしっかりしておく必要があります。例えば、落ちあう場所を決めておいたり、避難するとき、どこに避難したかを示す張り紙を家に貼ることなども有効です。 家族と連絡を取るためには、災害伝言ダイヤル171が非常に有効です。例えば、奥さんが自分の電話番号を登録し、伝言を吹き込むことができます。すると、旦那さんが171にかけ音声ガイドに従い、奥さんの番号を入力すると、奥さんの伝言が聞けるという仕組みです。毎月の1日と15日はテストができますので、是非実施してみてください。 24
住民の皆様に備えてほしいこと⑥ ○ いざというときの避難場所を確認しておく(P19) 25 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) また、 いざというときの避難場所を確認しましょう。 一時避難場所は一時的に避難する場所、広域避難場所は火災などが広がっている場合に一時的に退避する場所、地域防災拠点は、倒壊や火災により自宅で生活できなくなった場合に避難する場所です。 自宅に居住でき、避難の必要がない場合は、在宅避難となります。 当、自治会では、○○が一時避難場所、近くの○○が広域避難場所、○○学校が地域防災拠点となります。 25
地域防災拠点(避難所)のイメージ 1人 畳一畳分程度しか スペースがない 後期になり、仕切りなどができはじめる 1人 畳一畳分程度しか スペースがない 後期になり、仕切りなどができはじめる 地域防災拠点は、一人あたり、畳一畳分のスペースに段ボールが一枚、毛布が一枚がある程度に考えてください。 写真のような段ボールの仕切りも、すぐに用意できるものではありません。 熊本地震の際、隣の人が気になって寝られない、子供の声が気になって寝られないという人も多くいたようです。 こうしたことを考えると、先に述べたように家を安全にしていただき、できれば家で在宅避難で過ごす方がよいと思われます。 また、地域防災拠点は、倒壊などでご自宅に住めなくなった方が避難生活を送る場ですが、発災時の運営は、自治会・町内会の皆さんを中心に、避難者の皆さんも加わって行います。 万一、避難した場合には、地域防災拠点の運営に参加していただくことになることをご理解ください。 ⇒ 家を安全にし、在宅避難をした方が心に ゆとりができる 26
住民の皆様に備えてほしいこと⑦ 日ごろからの顔の見えるお付き合いと いざという時の助け合いを 普段の何気ない挨拶 やイベントに参加し 最後に、大規模災害を乗り切るためには、地域全体での助け合いが大切です。 被災すればお互いに助け合うことが重要になります。困ったときはお互い様ではありますが、普段お付き合いが全くないと、水や食料を受け取るのも、お互い気まずかったりしますし、トラブルが生じる場合もあります。 ぜひ、普段の何気ない挨拶やお祭りなどのイベントなどの自治会活動に積極的に参加していただき、普段から親しい人間関係をつくっておいてください。日頃から顔の見えるお付き合いをお願いします。 そして、いざという時の助け合い、共助への取組みへのご協力をお願いいたします。 顔の見える関係をつくることが大切です
ご清聴ありがとうございました! 以上が説明となります。 不要なものを削除したり、自治会での共助の取り組みなどを追加するなどして、是非地域で広めていただければと思います。 ご清聴ありがとうございました。