協力のU字カーブ 小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 2004年3月28日 数理社会学会 東京都立大学

Slides:



Advertisements
Similar presentations
組織活性化と 労働移動 小林盾(シカゴ大学) 2005 年 3 月 5 日 数理社会学会 新潟国際情報大学.
Advertisements

日本小児循環器学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○ 演題発表に関連し、開示すべき CO I 関係にある 企業などはありません。 様式1 サンプル(スライドないしポスター表示) :口頭ないしポスター発表に際し、申告すべきCOI状態がない場合.
Essay writing rules for Japanese!!. * First ・ There are two directions you can write. ・よこがき / 横書き (same as we write English) ・たてがき / 縦書き (from right to.
ハノイグラフの生成と最短経路の導出 東京電機大学 理工学部 村田和也 松浦昭洋
所属集団を変更できる 社会的ジレンマ実験(1) その意義と実験手続き
小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 谷口尚子(帝京大学) 2004年9月19日 数理社会学会 山形大学
所属集団の変更可能な SDゲームにおける 協力行動の規定因
name the color of each rectangle.
レンタサイクル実用化に向けた シミュレーション
文法(ぶんぽう)5--Invitation
~校舎一丸となって 学生を支える取り組み~
今しましょう Translate the story on the next slide. せんせいは しゅくだいを みます。
日本時間生物学会 利益相反開示 Japanese Society for Chronobiology
第21回日本遺伝子治療学会学術集会の COI(利益相反)申請に関して Regarding COI ( Conflict of Interest ) Application of the "21st Japan Society of Gene Therapy Annual Meeting " JSGT学会におきましても利益相反(COI:Conflict.
小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 谷口尚子(帝京大学,ミシガン大学) 2004年11月21日 日本社会学会 熊本大学
日本成人先天性心疾患学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○ 共同演者:○○ ○○、△△ △△、 □□ □□
モード付き並列機械における オンラインスケジューリング
Commonly-used detectors for SksMinus and SksPlus
社会心理学のStudy -集団を媒介とする適応- (仮)
Designing for Behavior Change
Silverlight とは.
G: Objectives How do you say the months in Japanese?
①データ構造 ②アルゴリズム ③プログラム言語 ④マークアップ言語
ビーナンシュチィッヒ マーチィン ジェラー.
日本小児循環器学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
学会発表における利益相反開示例 - 1 利益相反開示 演題名: ウイルス学会における利益相反管理と開示について
スクリプト言語を用いたPHITSの連続実行
退出可能な 社会的ジレンマ実験 小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 石原英樹(立教大学) 2003年10月12
Android端末によるロボット制御とその評価
北大MMCセミナー 第74回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年8月4日(金) 15:00~16:30
Starter: Write the following dates in Mandarin
Japanese Grammar for the “Me First” Generation
1 Point! 2 Points! 3 Points! 4 Points! 5 Points!!
Input slides 1 – 11 – teacher says word - pupils repeat – word appears on click Ohayoo. おはよう。
日本眼科学会 利益相反開示 筆頭演者:日眼太郎
教育工学を始めよう ~研究テーマの選び方から論文の書き方まで~ (第1章)
学会発表における利益相反開示例 - 1 利益相反開示 演題名: ウイルス学会における利益相反管理と開示について
火山防災ゲーム”Libra”の開発 秋田大学・教育文化学部 林 信太郎 富士山の玄武岩.
第151回 リフレクションの簡素化-ゲーミフィケーション的な感じで-(仮)
日本小児循環器学会 CO I 開示の変更点について
所属集団の変更できる社会的ジレンマ実験について2
留学生のための就活ガイダンス Ⅰ Job-hunting Support Course I for International Students 日本での就職活動は何から始めれば良い?どんなことに気をつけるべき?と いった基本的なことから、ESや履歴書の書き方など実践的なことまで学ぶ ことができます。
サンクションの進化モデル 大浦宏邦 (帝京大学).
食べ物 3時間目:野菜・肉の名前① .
Microsoft PowerPoint 2001 Netscape Communicator Fetch 3.03
『組織の限界』 第1章 個人的合理性と社会的合理性 前半
北大MMCセミナー 第77回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年11月24日(金) 16:30~18:00
Designing Robots in the Wild
21 柔軟片持ち梁の振動制御における移動可能なアクチュエータの製作
北大MMCセミナー 第97回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年3月5日(火) 11:00~12:00
北大MMCセミナー 第62回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2016年11月4日(金) 16:30~18:00
Who is 漢字博士? 漢字が読めるかどうかでcanの導入をします。
北大MMCセミナー 第81回 附属社会創造数学センター主催
セッション8 地域研修、校内研修実施ワークショップ 情報モラル指導者養成研修検討委員会.
日本小児循環器学会 JPIC学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本小児循環器学会 JPIC学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
「鳥を呼ぶ窓」 簡易操作マニュアル start 設置&起動(2p参照) A:サイズ+1 S:サイズ+10 D:サイズ-1 F:サイズ-10
Conflict of Interest disclosure slide A potential conflict of interest exists when there is involvement between the speaker/presenter with any for-profit.
北大MMCセミナー 第75回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年9月28日(木) 16:30~18:00
北大MMCセミナー 第16回 Date:2013年11月8日(金)16:30~18:00
:冗談のようなパワポ利用に関する実証研究
SNS内のワームの早期検知システムの考案
北大MMCセミナー 第68回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年6月15日(木) 16:30~18:00
チームワークによる成功 第二副地区ガバナー研修.
日本小児循環器学会 JPIC学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
北大MMCセミナー 第65回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年4月20日(木) 16:30~18:00
クライオ バッフル 山元 一広 東京大学 宇宙線研究所 重力波推進室
日本心血管インターベンション治療学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
北大MMCセミナー 第28回 Date: 2014年10月3日(金)14:30~16:00 ※通常と開始時間が異なります
北大MMCセミナー 第94回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年1月25日(金) 16:30~18:00
Presentation transcript:

協力のU字カーブ 小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 2004年3月28日 数理社会学会 東京都立大学 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 小林盾(シカゴ大学) 大浦宏邦(帝京大学) 2004年3月28日 数理社会学会 東京都立大学 Today is the FIRST day in Europe. (in each slide) Title → SUMMARY → read out → MOVE.

移動とフリーライダー? 3つの移動可能性で実験 狙い http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 狙い 移動とフリーライダー? 3つの移動可能性で実験

「フリーライダー問題」への「移動」の影響? http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 問題 近代社会では… 移動が増加 転職,離婚,引っ越し,移民 グローバライゼーション インターネットで加速 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 「フリーライダー問題」への「移動」の影響?

フリーライダー問題 「フリーライド」が合理的 しかし,「全員で協力」が効率的 約束,寄付 チームワーク 社会運動 環境問題 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) フリーライダー問題 「フリーライド」が合理的 しかし,「全員で協力」が効率的 約束,寄付 チームワーク 社会運動 環境問題 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

OUT-FOR-TAT (林) 「退出」が報復として有効 シミュレイション 退出 経験的には? → 実験 C C C F http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) OUT-FOR-TAT (林) 「退出」が報復として有効 シミュレイション 経験的には? → 実験 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 退出 C C C F

実験デザイン 2003年12月,日本の4大学 6セッション,N=100,1291円 コンピュータ利用,集団データ http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 実験デザイン 2003年12月,日本の4大学 6セッション,N=100,1291円 コンピュータ利用,集団データ 条件 移動なし・低移動・高移動 各セッション N=16-7,4グループ 50 回,9 休憩・移動 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

ゲーム 開始 4グループの1つに配置 フリーライダー問題 5 9 休憩か移動 終了 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) ゲーム 開始 4グループの1つに配置 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. フリーライダー問題 5 9 休憩か移動 終了

フリーライダー問題 資源20円を グループに提供する・しない プールされた資源は, 1人グループではそのまま 2人グループでは1.5倍 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) フリーライダー問題 資源20円を グループに提供する・しない プールされた資源は, 1人グループではそのまま 2人グループでは1.5倍 3人以上では2倍 グループメンバーで平等に分配 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

例(4人グループ) 提供する = 40 m / 4 提供しない = 40 m / 4 + 20 20円 x 2 = 40円 (提供者数) http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 例(4人グループ) 20円 x 2 = 40円 提供する = 40 m / 4 (提供者数) 提供しない = 40 m / 4 + 20 提供 10円 しない 30円 30円 しない My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. しない 30円

休憩・移動 移動なし...休憩 低移動...移動に50円 高移動...移動に20円 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 休憩・移動 移動なし...休憩 低移動...移動に50円 高移動...移動に20円 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 仮説 協力 創造効果? 破壊効果? My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 移動可能性

結果 協力回数 移動回数 m=17.2/50回 m=1.4/9移動 s=10.7 s=1.6 N=100,6セッション,3条件 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 結果 N=100,6セッション,3条件     協力回数     移動回数   m=17.2/50回   m=1.4/9移動  s=10.7        s=1.6 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 移動の変化 2.5 1.5 p<.05 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. p<.01

http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 協力の変化 22 17 p<.01 13 p<.1 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.

協力と移動 協力回数 移動回数 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 協力と移動 協力回数 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 移動回数

http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 考察 まず破壊効果 つぎに創造効果 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 協力 移動

結論 移動可能性→協力のU字カーブ 中間でフリーライダーが最多 協力 移動 http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) 結論 移動可能性→協力のU字カーブ 中間でフリーライダーが最多 My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE. 協力 移動

まとめ 移動できると→協力のU字カーブ まず破壊効果,つぎに創造効果 中途半端は危険 実験 移動コスト = ゼロ 調査 転職とぶら下がり http://home.uchicago.edu/~jkobayas/ Jun Kobayashi (jun.kobayashi@uchicago.edu) まとめ 移動できると→協力のU字カーブ まず破壊効果,つぎに創造効果 中途半端は危険 実験 移動コスト = ゼロ 調査 転職とぶら下がり My basic interest is in problems of SOCIAL CHOICE.