離婚が出生数に与える影響 -都道府県データを用いた計量分析

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離婚が出生数に与える影響 -都道府県データを用いた計量分析 富山大学 経済学部 経済学科                     10530120 八木 恵 2018/11/7

1.はじめに -背景 人口統計にみられる傾向 ・合計特殊出生率の減少 平成17年は1.26と過去最低 ・離婚率の増加 1.はじめに    -背景 人口統計にみられる傾向  ・合計特殊出生率の減少     平成17年は1.26と過去最低  ・離婚率の増加     ただし、2002~2006年は年金分割      制度の導入を直前に控えているため減少 2018/11/7

1.はじめに -先行研究の紹介 ・吉田(2004) 離婚が増加すると合計特殊出生率もまた増加することを示している。 問題点 1.はじめに   -先行研究の紹介 ・吉田(2004)   離婚が増加すると合計特殊出生率もまた増加することを示している。  問題点   本来、離婚割合の説明要因となるはずの女性の機会費用・母親の労働力率・男女間の相対所得が、離婚割合とともに説明変数となっている。   →多重共線性が生じている可能性がある。 2018/11/7

1.はじめに -論文の目的 両者が正の相関をもつか、負の相関をもつかを、再考する。 単回帰分析によって離婚率と合計特殊出生率の関係を検証 1.はじめに   -論文の目的   単回帰分析によって離婚率と合計特殊出生率の関係を検証  両者が正の相関をもつか、負の相関をもつかを、再考する。 2018/11/7

1.はじめに -論文の目的 ある一時点の都道府県のクロスセクションデータを使い、同様の傾向が観察されるかを検討する。 1.はじめに   -論文の目的 『人口動態統計調査』の数十年間のデータを時系列データとして眺めた場合 →両者には負の相関関係があると予想される。 ある一時点の都道府県のクロスセクションデータを使い、同様の傾向が観察されるかを検討する。 2018/11/7

1.はじめに -正と負の相関関係 正の影響の理由 負の影響の理由 ・熟年離婚の比率が増加する場合 ・離婚と再婚を繰り返す女性が多い場合 1.はじめに   -正と負の相関関係 正の影響の理由   ・熟年離婚の比率が増加する場合   ・離婚と再婚を繰り返す女性が多い場合 負の影響の理由   ・出産前に離婚し、その後に再婚や出産を          しない女性が多い場合 2018/11/7

2.データ -『人口動態統計調査』 厚生労働省の『人口動態統計調査』 ・日本における日本人が対象 2.データ   -『人口動態統計調査』 厚生労働省の『人口動態統計調査』  ・日本における日本人が対象  ・出生、死亡、婚姻、離婚及び死産について、各種届出書等から収集し集計したもの 2018/11/7

2.データ -『人口動態統計調査』 合計特殊出生率 ・1人の女性が一生の間に出産する子どもの平均人数を推定する値 2.データ   -『人口動態統計調査』 合計特殊出生率  ・1人の女性が一生の間に出産する子どもの平均人数を推定する値  ・15歳から49歳までの女性の出生率を合計したもの  ・人口統計上の指標として将来の人口予測などに用いられている。 2018/11/7

2.データ -『人口動態統計調査』 離婚率 ここでの分析では直近の2005年の合計特殊出生率と離婚率の都道府県データを使用する。 2.データ   -『人口動態統計調査』 離婚率  ・人口1000人当たりの数字 ここでの分析では直近の2005年の合計特殊出生率と離婚率の都道府県データを使用する。 2018/11/7

3.分析 -分析にあたって 離婚率と合計特殊出生率の散布図と回帰分析から両者の関係を検証する。 沖縄県は分析では除く 3.分析   -分析にあたって 離婚率と合計特殊出生率の散布図と回帰分析から両者の関係を検証する。 沖縄県は分析では除く →歴史的要因が他の都道府県と異なるため。 2018/11/7

3.分析 -分析結果 表1 分析で使用したデータの基本統計量 変数 平均 分散 最小 最大 離婚率 1.98 0.05 1.49 2.43 3.分析   -分析結果 表1 分析で使用したデータの基本統計量 変数 平均 分散 最小 最大 離婚率 1.98 0.05 1.49 2.43 合計特殊出生率 1.35 0.01 1.00 1.50 2018/11/7

3.分析   -分析結果 図1 離婚率と合計特殊出生率の散布図     →負の相関関係がある。 2018/11/7

3.分析 -分析結果 回帰分析の結果 Yは合計特殊出生率、Xは離婚率、( )内の数値はt値を表している。 3.分析   -分析結果 回帰分析の結果  Yは合計特殊出生率、Xは離婚率、( )内の数値はt値を表している。 Y = 1.73 – 0.19 X 調整済R2=0.13 (12.38) (-2.76) ・離婚率が説明変数として1%の有意水準で有意。 ・離婚率が限界的に1%上昇すると合計特殊出生率が0.19%減少する。 2018/11/7

4.結論と今後の課題 -結論 離婚率が上昇すると合計特殊出生率が減少する。 ・出産前に離婚し、その後に再婚や出産をしない女性が多い。 4.結論と今後の課題   -結論 離婚率が上昇すると合計特殊出生率が減少する。 ・出産前に離婚し、その後に再婚や出産をしない女性が多い。 ・離婚率の上昇が出生率の減少に大きなインパクトを与えている。 2018/11/7

4.結論と今後の課題   -今後の課題 離婚率以外の説明要因にも着目することなど。 2018/11/7

5.参考文献 「日本における 低出生力水準と離婚母子世帯」 吉田千鶴 (2004) 『経済系』、第221集、pp.32-44     低出生力水準と離婚母子世帯」 『経済系』、第221集、pp.32-44 2018/11/7