案内人になってから(3段ロケット) ~星空案内人®制度シンポジウムの報告~ 柴田 晋平 (NPO法人小さな天文学者の会 理事長) (星空案内人資格認定制度 事務局) 第四回の星空案内人制度のシンポジウムが東京田町の山形大学東京サテライトで開催されました。 今回のシンポジウムのトレンドは全国の星空案内人がいろんな星座の形になって花開いていることです。2008年のシンポジウムは制度が山形を震源にして全国に広がっていく様子を目の当たりに見るシンポジウムでした。昨年2009年は、各地で準案内人や案内人がつぎつぎに誕生していることを実感するシンポジウムでした。現在では、星空案内人を養成している団体が北は青森県から南は沖縄県まで14か所に増え、各地で勉強を終えた案内人、準案内人さんの数が700人を超えました。 「いろいろな星座の形になって」という表現をしたのは、準案内人さん、案内人さん、どのみなさんもそれはそれは個性豊かな独自の活動をしていると感じるからです。星空案内には決まったやり方や、こういう活動が奨励されるといったものは無く、自分の感じ取った宇宙をそのまま、各自が表現したいやりかたで表現することが重要だと「案内人の実際」の授業でいつも申し上げていますが、まさに、その方針が間違っていないことがわかるのです。 昨年は2段ロケットの話をしましたが、今年は3段ロケットについて考えました。準案内人から案内人になるまでが2段ロケットで、案内人がさらに成長するのが3段目ロケットです。 3段目の基本方針はまず、案内人さんが自由に自己表現することです。案内人をとってからの成長は自分自身で活躍の道、楽しめる道、野心を実現できる道、、、、などいろいろ考えて進みましょう。この制度では基本的に案内人さんがどうするかの指導はしません。どう成長するかは自分の責任ですすんでいただくのがいいとおもいます。これは柴田の考えです。しかし、各案内人さんへのお手伝いは運営団体の重要な仕事と考えています。なので、案内人勉強会の全国版のようなことは今後運営委員会で計画したいと思います。たとえば、「案内人スキルアップ講座」のようなものになるでしょう。小天や「やまがた天文台」は、もちろん引き続き、星空案内の場をたくさん提供していきたいとおもいます。3段目のエンジンはもはやボランティアベースでは無理なので、資金の調達の方法も含めておこなう必要があります。運営団体がそして星空案内人個人・グループで予算申請したり、採算のとれた事業をおこなったりすることが出てくると思います。一方で、お茶やお花くらいに星空を愛でる文化が広がることが可能になってゆくのだとおもいます。なので、星空案内人の養成機関は50から100団体になることが当面の目標です。そのためにはテキストや講座の運営のマニュアルなど実施しやすい環境整備が必須であるとおもいます。みなさまのご理解とご協力をおねがいもうしあげます。 ともあて、星空や宇宙が生活に密着した文化になるまで、今後も、不思議な星空案内、楽しい星空案内をぜひ実現していただければと念じて、簡単な報告としたいとおもいます。