人工知能特論2007 東京工科大学 亀田弘之.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ActionScript を用いた 新世紀型物理教育のための シミュレーション教材開発 日本物理学会 2005 年春季大会 ePhysics プロジェクト.
Advertisements

社会福祉調査論 第1回 _3 Ⅰ.社会福祉と社会調査 Ⅰ _1. 社会調査とは何か 10月5日. 1_1_1 社会調査のとらえ方 アンケート? センサス?
キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
関西学院大学オープンセミナー 2010年6月12日.  決定論的現象 天体の運動のように未来が現在により決 まっている現象  偶然的現象 偶然的な要素が加わり、未来の予測が不可 能な現象 気象、地震、災害、事故、宝くじ 株価、寿命、 … … … … … … … ….
社会システム論 第 1 回 システムとは何か 大野正英 経済学部准教授. この授業のねらい 現代社会をシステムという視点から捉 える。 社会の複雑さをシステムというツール を用いることによって、理解する。
一階述語論理 (first-order predicate logic) 一階述語論理入門 構文論(論理式の文 法) 意味論(論理式の解 釈) 認知システム論 知識と推論(4) 知識と論理でを組み合わせて問題を解決する.
エージェントアプローチ 人工知能 1章・2章  M0 片渕 聡 08/07/02.
人工知能特論2011 No.4 東京工科大学大学院 担当教員:亀田弘之.
法とコンピュータ 場所 慶大法学部(三田校舎教室) 期間 2004/4/ /1/30 講師 吉野一.
東京工科大学 コンピュータサイエンス 亀田弘之
学習目標 1.欧米の精神医療の変遷について概観し,それぞれの時代における特色を理解する. 2.日本の精神医療の変遷について概観し,それぞれの時代における特色を理解する. 3.世界の精神医療の現状と問題点について理解する. SAMPLE 学習目標 1.欧米の精神医療の変遷について概観し,それぞれの時代における特色を理解する.
第1回  序論.
チューリングマシン 2011/6/6.
教育心理学 学習と認知プロセス 伊藤 崇 北海道大学大学院教育学研究院.
数理手法IV 「統計的機械学習入門」 数理情報学専攻 中川裕志.
Tokyo University of Technology Hiroyuki KAMEDA KE304 9:00~10:30
ラーニング・ウェブ・プロジェクト(Learning Web Project) -自立・共愉的な学習ネットワークの形成に向けて-
人工知能特論2011 資料No.6 東京工科大学大学院 担当教員 亀田弘之.
数理論理学 第1回 茨城大学工学部情報工学科 佐々木 稔.
法とコンピュータ 場所 慶大法学部(三田校舎教室) 期間 2005/4/ /1/30 講師 吉野一.
2013 現代文明論 10 3つめの原理 資本主義.
ヒューマンインタフェース 電子機械工学専攻 第2学年 後期 開講
統計学の基礎と応用 張 南   今日の話:序   論          履修の注意事項.
思想と行為 第6回 デカルト 「考える我」 吉田寛.
研究倫理講義(第二時限) -科学はどこまで踏み込めるのか・研究者の責任-
Philosophiae Naturalis Principia Mathematica
科学の技法 science is the theory, not the fact
メディア技術と教育 メディア(media):情報媒体 情報(コンテンツ)と媒体(メディア)の分離性と依存性 人は「情報」とどのように接するか
人工知能特論2009 東京工科大学 亀田弘之 KE304.
ベヴァリッジを例とした 経済思想史研究 第6回 経済学部定例研究会 (水).
「人間機械論」と教育 「コンピュータ利用教育」への過剰反応(過度の反発と期待)の背景を考える。 時代を創る(epoch making)技術
執筆者:伊東 昌子 授業者:寺尾 敦 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
考えるための日本語 考えていることをことばにする 2
大阪大学大学院法学研究科 田中規久雄 情報ネットワーク法学会(2a版)
平成25年3月27日(水) 東京工科大学 コンピュータ蓑寝椅子学部 在学生ガイダンス
国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化
初回授業オリエンテーション 理科(生物) 大野 智久.
フーコー 言説の機能つづき: ある者・社会・国の「排除」
「人生100年時代」に求められるスキル 【OS】 【アプリ】 人生100年時代の働き手は、【アプリ】と【OS】を
2017 現代文明論 8、9 近代の2つめの原理 科学革命.
平成20年10月5日(月) 東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
計算機科学概論(応用編) 数理論理学を用いた自動証明
(1)序論 人工知能とは 歴史 方法論 人工知能の基礎 問題解決 探索 推論 知識.
知能情報システム特論 Introduction
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
科学の起源 Nothing is More Active than Thought. -Thales.
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
通訳研究分野の概観図 General Map of Interpreting Studies
錬金術時代 ・Alchemy(アラビア の錬金術) ・中世ヨーロッパ ( )
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
香川大学工学部 富永浩之 知識工学1 第1-1章 人工知能と知識工学 香川大学工学部 富永浩之
自然言語処理2015 Natural Language Processing 2015
試行錯誤を重視した数学教育    群馬県立 吉井高等学校           大 塚 道 明.
第6回放送授業.
イラストで学ぶ 音声認識 荒木雅弘 著 講談社 2015.
国際教育論1 オリエンテーション.
認知発達理論とシステム論の 歴史的概観 杉村 伸一郎 (広島大学).
知的CAIの基本構成 ① 専門知識 ・・・ 学習の対象となる分野の知識。 ② 学習者モデル ・・・ 学習者の理解状態や過程など を表現。
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
仮説演繹法 思考 経験 問題 : あるべき姿と現状のギャップ 課題 : 問題解決のために成すべきこと 問題 19世紀 あるべき姿(予想)
自然言語処理2016 Natural Language Processing 2016
現在対応 将来展望 変動的 操作スキル プログラミング 情報モラル 探究スキル 普遍的 図13−1 情報活用能力の構成要素 (p.176)
情報処理の概念 #0 概説 / 2002 (秋) 一般教育研究センター 安田豊.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
Presentation transcript:

人工知能特論2007 東京工科大学 亀田弘之

人工知能 定義:人間のように知的な処理能力を 持つソフトウェア 検証方法:チューリングテスト 応用分野: ロボット 機械学習 定義:人間のように知的な処理能力を   持つソフトウェア 検証方法:チューリングテスト 応用分野: ロボット 機械学習 認識(文字・音声・画像) 自然言語処理 などなど

人工知能の基盤となっている主要要素の1つは「論理」 一方 学問 - 真理の探究 ーー>思考  思考過程 ・法則性                    ->論理学!

そこで 本講義「人工知能特論」では、「論理」を真正面からとりあげ、論理に対する見識を深めるとともに、まさに21世紀の論理学を概観し、論理学・人工知能・諸学問のより一層の発展を目指す素養を身に付ける。

論理学について まずは、その歴史的発展を概観する。

論理学とは何か? 思考の法則に関する学問? 思考のプロセスと言語の形態に関する学問? 概念に関する学問? 関係に関する学問? 説明のための学問? 発見のための学問?

論理学の歴史

古代・中世の論理思想 アリストテレス(論理学の父) パルメニデス ゼノン (思考の形式とそれを表現する言語の形式との関係) プラトン(論理の形式の分析) 同時期に、ユークリッド幾何学も発展 (論理学創設に寄与) 「合理主義」がその背景にあった。

アリストテレスの業績 論理的思考の成果を体系化 初期の論理学を確立 (特に、「三段論法」) 演繹推論の体系化 帰納推論の重要性も指摘

演繹推論の例 人はすべて死ぬ。 ソクラテスは人である。 ソクラテスは死ぬ。 普遍的な認識ー>部分的認識

帰納推論の例

その後 スコラ学派 キリスト教的神学 三段論法を中心とする推理形式の整備 普遍的概念の理解のための 「実念論 vs 唯名論」論争

近代の帰納的論理学 合理主義的立場 デカルトやパスカル 経験的・実証的主義 ベーコン、ロック 人間的知識の源泉は理性・悟性 演繹推論 人間的知識の源泉は感覚的経験 帰納推論(ミル)

形式論理学の現代的形態 記号論理学(形式的論理学) ライプニッツ(17世紀) ブール、ドモルガン、シュレーダ、フレーゲ、ラッセルら 数学基礎論 論理学の整備・再構成

弁証論理学の成立 古代ギリシャからある ヘーゲル、マルクス、エンゲルス ヘラクレイトス(万物は流転する) (運動の概念への挑戦) 物事を全体的に見る思考法 ヘーゲル、マルクス、エンゲルス 自然科学と社会科学との合流