北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/ 地球惑星科学II 宇宙論(2/4) 北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/

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Presentation transcript:

北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/ 地球惑星科学II 宇宙論(2/4) 北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ギリシャ時代の天文学(~プトレマイオス(AD2C)の「アルマゲスト」で完成) アラビア・イスラム世界(中東~北アフリカ)~インド世界    プトレマイオス体系(天動説)が継承される     (幾つか批判的研究もあったが天動説の域は出ず)    天文観測技術の高度化、暦の精緻化 中世ヨーロッパ:     ルネサンス(14~16C)       ギリシャ・ローマの古典古代への(キリスト教世界観からの)復帰    ローマ教会(バチカン、カトリック、“旧教”)、宗教改革(“新教”、プロテスタント)、    宗教戦争から政治戦争へ(絶対主義的皇帝 対 封建主義的諸侯)    ローマ教会: アリストテレス・プトレマイオス体系である地球中心説を教義に採用    大学の誕生: 聖職者養成が始まり神学、法律学、医学、人文学を持つ大学へ。                  大学教授・研究者の多くは、アリストテレス体系の注釈者。

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ニコラス・コペルニクス(1473-1543、ポーランド)     フラウェンブルグ寺院大管区長-「神が創った宇宙は美しいはず」     プトレマイオス体系は不完全(誤差の累積)、        美しくない(“円”が多すぎる、一様円運動でない)      試行錯誤の末、アリスタルコスの太陽中心説を“仮説として”復活:         「コペルニクス的転回」「コペルニクス革命」         (教会を刺激せぬよう大変気を遣う)       ただし、依然として不完全。       ケプラー、ガリレオらがのちに支持。 ティコ・ブラーエ(1546-1601、デンマーク)   (望遠鏡発明以前では稀代の天文観測家):     超新星爆発の発見(1572年 カシオペア座・                   銀河系内)       恒星世界は永久不変ではない。      21年間に渡る天文台での観測。     年周視差が検出されないので地動説採らず。     (地球の周りを太陽が回り、      太陽の周りを惑星が回ると考えた) [宇宙論のすべて、より]

超新星爆発とは: 恒星の最期、supernova (爆発により星本体は四散。中心部に 中性子星やブラックホールが残る場合あり。 ) SN 1054 おうし座・かに星雲(銀河系内) (1054年;日本・中国・朝鮮・北米に記録あり) SN 1987A かじき座(大マゼラン星雲内) (1987.2.23 (16.4万光年・年前);カミオカンデ等で  ニュートリノ検出  2002年小柴昌俊、ノーベル物理学賞) http://hubblesite.org/gallery/album/

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ヨハネス・ケプラー(1571-1630、ドイツ)      神は宇宙を神聖な調和に従って創造したはずという信念。      数や図形の神秘性・美しさを追究      数学の才能あり。コペルニクス説に感銘。ガリレオと多数の手紙を交換。      ティコの弟子として火星の観測データから3つの経験則(地動説に則る)を発見。      (1)円ではなく楕円軌道      (2)面積速度一定      (3)公転周期の2乗            ÷平均軌道半径の3乗         = 一定 [地学図表より] http://jp.wikipedia.org/

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ガリレオ・ガリレイ(1564-1642、イタリア)(1/3)     実験科学、実証科学=近代科学の創始者(アリストテレス体系と注釈者たちを批判)     運動論(“ピサの斜塔”)、機械学(滑車、さお秤、てこの原理、斜面上の物体)、     そして天文学へ。     オランダで望遠鏡発明という噂を聞き、早速自作し人類初の天体観測を行う。     また、望遠鏡の製作・販売により家計の足しにする 中央図: 「ガリレオ」、中央公論社 左・右図: http://        amazing-space.stsci.edu         /eds/tools/

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ガリレオ(2/3)    地動説の証拠、示唆となる現象多数発見。 「星界の報告」「天文対話」。     「天の川は無数の星(太陽)の集まり」  太陽系の相対化     「月は光球ではなく表面には凹凸あり地球と同じ」          アリストテレスの“天上世界”も地球と同質     「木星のまわりを4つの衛星がまわる」          運動の中心となりうる天体(重さを持つ)が地球以外にもある     「金星の満ち欠け」  コペルニクス説の方で説明可(金星も月と同様)   「太陽の黒点の存在と太陽の自転」  完全であるべき太陽にしみ   「運動の相対性」を指摘:    地球の動きは地球上に    いる者には分からない    (船に乗って石を落とす) ガリレオがスケッチした月の表面模様 http://amazing-space.stsci.edu  /eds/tools/

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ ガリレオ(3/3)  ローマ教会により2回の宗教裁判を受け“異端誓絶”。      (背景に旧教・新教の対立や教皇・諸侯の対立など。)   「それでも地球は動いている」      (晩年は自宅に幽閉され、「新科学対話」を執筆。)      (1992年にローマ教会(ヨハネ・パウロ2世、2005.4逝去)       はようやく間違いを認める。)      (同時代のジョルダーノ・ブルーノ(ドメニコ会士)は、       「神は無数の太陽と無数の地球を作った」と主張、       長い逃亡生活の末、1600、ローマ教会により火あぶりの刑に。)    ガリレオ裁判、当時の科学界や哲学界に悪影響を与える。     以降、イタリアに代わり、ニュートンのイギリス、ライプニッツのドイツ、     パスカルのフランスにて、近代科学は発展していく。 「星界からの報告」、「天文対話」、「新科学対話」、岩波文庫 「ガリレオ・ガリレイ」青木靖三著、岩波新書・評伝選 「ガリレオ」豊田利幸・責任編集、中公バックス・世界の名著第26巻

地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ アイザック・ニュートン(1643-1727、イギリス)   「奇跡の18ヶ月」(20代前半。ペスト(黒死病)流行で大学閉鎖): 光学、微積分法、万有引力と運動の法則    1687、ニュートン力学の集大成「プリンキピア」: ケプラーの法則が説明可能、          他にも多くの現象(潮汐、地球が回転楕円体であること、等)が理解可能    以降、太陽中心説は自然に受け入れられていく(直接証拠の観測はさらに50年後) ニュートンとは: デカルトの機械論(物質は受動的であり最初に神から受けた運動以外に運動の起源はない)からの脱却。力の概念を導入。物質的世界は「重力の原理や発酵や物体の凝集を引き起こす原理のような能動的原理によって動かされている」。そのような能動的作用因としてニュートンが考えたのが、<エーテル>ないし精気(スピリトス)であった。[山本義隆、熱学思想の史的展開2、ちくま学芸文庫 p.180-181] 左: http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/PictDisplay/Newton.html 中央:http://en.wikipedia.org/wiki/Isaac_Newton (46歳) 右: http://amazing-space.stsci.edu/eds/tools/ (中世ヨーロッパの“科学者”は社会(キリスト教社会)からどの程度独立だったのか、現代の科学者はどうか)

地球の自転はなかなか実感できない フーコーの振り子 (新札幌駅そばの札幌市青少年科学館でみることができます) フーコーの振り子   (新札幌駅そばの札幌市青少年科学館でみることができます) 1851、仏の実験物理学者フーコー、パリのパンテオン寺院で地球自転を証明する実験実施 振り子は、宇宙から見ると同じ面内で振動、しかし、回転する地球上で見ると振動面が回転 北極・南極で実験すると1日に1回転する(当たり前)。 (極から離れると1回転するのに1日以上かかる。赤道では回転しない。  パリでは1時間に約10度回転)   振り子があたかも進行方向に直交する方向に力を受ける:転向力/コリオリ力    (この力は小さいので、長時間(例えば数時間以上)、長距離(例えば100km以上)、     動かなければ見えてこない) http://www.gfd-dennou.org/library/gfd_exp/exp_j/index.htm http://ja.wikipedia.org/wiki/       (左写真:パリ・メチエ博物館)

地球の自転はなかなか実感できない http://kakuda.ed.niigata-u.ac.jp /semi/ob/thesis/99niwata_thesis2-21/ space/foucault/foucault.html http://ja.wikipedia.org/wiki/ (自転)

太陽系の描像の確定 万有引力により統一的に理解できる: 惑星は太陽から距離の2乗に反比例する力を受けて楕円運動 [地学図表より] 万有引力により統一的に理解できる: 惑星は太陽から距離の2乗に反比例する力を受けて楕円運動 公転方向は太陽自転方向に一致(惑星の成因に関係) 軌道面はほぼ同一平面上(冥王星は今や惑星ではない) E. Halley: ニュートンと親しく「プリンキピア」刊行促す、ハレー彗星の軌道計算(約78年周期)          世界初の科学観測船にて、グローバルな磁場分布、測地、地表風系等の観測

宇宙は有限か無限か、定常か非定常か 「ニュートンの無限宇宙」 万有引力の帰結  宇宙が永遠であるなら無限でなければならない    なぜなら、もしも宇宙に中心と端があれば、万有引力により 宇宙は中心に向かって潰れてしまう 「万有引力がある限り、宇宙に永遠は存在しないのではないか」      無限の空間に物質が均等分布        あちこちで塊を形成するだろう        無数の大きな塊が散在(これが太陽や恒星の成因だろう) 「惑星や彗星による摂動太陽系はやがて破壊される」 (ニュートンへの反論) 中心や端はないが有限な宇宙は考えられる。(二次元世界なら球面がその一例) 宇宙は永遠でなくてよく、膨張・収縮していてもいい。 星・元素等の生成に十分な寿命さえあれば将来潰れてもいい。

宇宙は有限か無限か、定常か非定常か 「夜空のパラドックス」(オルバース、1826年) 夜空が暗いのは大変不思議である もしも宇宙が永遠かつ無限で星が一様分布しているなら、   夜空はまぶしく輝いているはずである   なぜなら: 星と星のすき間には必ず別の星が見えるはず 星のみかけの明るさは距離の2乗の反比例   星の数は距離の3乗に比例       夜空の明るさは宇宙の大きさに比例するはず

宇宙は有限か無限か、定常か非定常か 「夜空のパラドックス」を解くには、仮定を再考すればよい。例えば: 宇宙は無限であっても永遠でない     (有限の年齢を持つ ― まだ全ての光が届いていない) 宇宙は永遠であっても無限でない 星は一様分布していない・有限個数しかない 他の要素?    星雲が遠くの星の光をさえぎっているのでは(オルバース)     (雲は無限に光を吸収できるわけではない。再放射してしまう。) 20世紀に入り解決: “宇宙は一様に膨張していた”   従って、寿命は有限となり、光が到達しうる範囲も有限「宇宙の地平線」     ドップラー効果(遠ざかる場合波長のびる)による赤方偏移(低エネルギー側へ) 実は夜空は明るい(一様な背景放射の存在)    可視光(0.4~0.8μm)では暗いが、赤外線(1~100μm)やX線(0.1~1nm)では    ほぼ一様に明るい       X線:遠くの銀河の中心核、赤外線:遠くの星の光(過去の星形成の情報)       (なお、ビッグバンの証拠であるいわゆる「宇宙背景放射」は電波領域(1cm~1m)。        星ではなく宇宙空間そのものが昔熱かった名残り)

天体望遠鏡の発達史 (*:「ガリレオ」、中央公論社) (宇:宇宙論のすべて) ガリレオ[左、*]とニュートン[右、宇]の望遠鏡 電波望遠鏡アレイVLA[宇](26m21km) (米・ニューメキシコ) ティコ・ブラーエの天文台[宇] ハッブル宇宙望遠鏡(1990~) [野本、ハッブル望遠鏡の宇宙遺産、岩波新書] ハッブルのウィルソン山天文台[宇] [地学図表]

宇宙の大きさ 恒星の距離を測る 年周視差の検出(1838年、ベッセルによるはくちょう座61番の星の観測)     地動説の確認とともに、この星が11光年(*)離れていること判明    (現在では視差を用いた方法で100~1000光年先の星の距離を決定できるが、     我々の銀河(天の川銀河・銀河系)の半径が50,000光年。その先は?) 脈動変光星(特にセファイド型)という特殊な星の性質を利用       (“遠い星ほど暗い”という性質を利用)    脈動変光星:ある決まった周期(1~1000日)で膨張・収縮を繰り返し明るさ変化    セファイド型(<50日):平均の明るさ(絶対等級)と周期に簡単な関係があり    天球上に脈動変光星を見つける周期から経験則にて絶対等級決定      みかけの明るさより距離決定 1920年、シャプレー・カーティス論争:     「アンドロメダ“星雲”の位置は      天の川の中か外か」        天の川の外と判明。     天の川内-“星雲”     天の川外-“銀河”と区別 (*)光年: 光が1年に進む距離 約9.5兆km [地学図表より]

まとめ ー 宇宙論(2/4) ー 地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へ コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ケプラー   - 中世ヨーロッパの人々の“常識”“社会通念”との戦い -       コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ケプラー       ガリレオ・ガリレイ、ニュートン 地球の自転はなかなか実感できない   - フーコーの振り子 ー 太陽系の描像の確定 「ニュートンの無限宇宙」と「夜空のパラドックス」 天体望遠鏡の発達と、宇宙の大きさの測定 復習をするなら:地球惑星科学入門・第31章・太陽系の成り立ちと運動

日食 2006年3月29日にトルコで見られた皆既日食 2010年1月15日に中国で見られた金環日食 [http://www.stargaze.co.jp/order3/Solar/Solar.html より] (太陽を観察する際には専用の道具を。目がやけどします。) 2012年5月21日 金環 日本ではトカラ列島、屋久島、種子島、九州中部から南部、四国の大部分、近畿地方南部、中部地方南部、東海地方の大部分、関東地方の大部分、東北地方南部で中心食が見られる他、全国で深い部分食。東京では、7時32分頃、太陽高度35度で継続時間5分4秒の金環食となる(東京で金環食が観測出来るのは、江戸時代の1839年以来173年ぶり)。 2012年11月14日 皆既 オーストラリア北部から南太平洋を通過し、チリの西方洋上で終わる。ニュージーランド北島で食分0.8前後。 2013年5月10日 オーストラリア北西部で始まり太平洋を赤道付近にかけて通過。ニューギニア島、ソロモン諸島で観測できる。最大食分0.976。ハワイで食分0.472。 2013年11月3日 金環 皆既 北米大陸東沖からアフリカ大陸中部を通過。中部アフリカ(ガボン、コンゴ共和国など)、東アフリカ(ウガンダ、ケニア、エチオピアなど)で観測できる。 2014年4月29日 南極大陸で金環食、オーストラリアで部分食が観測できる。最大食分0.991。金環食影の中心線が南極上空を通過する非中心食。 2014年10月23日 部分 シベリア東部から北米の広い範囲で観測可能。最大食分0.816 2015年3月20日 グリーンランド、アイスランドの南沖から北極を通過。ユーラシア北西部・北アフリカで部分食を観測できる。 2015年9月13日 アフリカ大陸南端と南極大陸で見られる。 2016年3月9日 インドネシアを通過し北太平洋に至る。日本では全国で部分食が見られる。 http://ja.wikipedia.org/  “日食”

月食 日付 種類 2011年12月10日 皆既 2012年6月4日 部分 2014年4月15日 2014年10月8日 2015年4月4日 2017年8月8日 2018年1月31日 2018年7月28日 http://ja.wikipedia.org/  “月食”