管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ①マネジメントと組織
経営=マネジメントとは マネジメントとは限りある資源を活用して、 組織的に目的を達成すること 限りある資源 組織的: チームを前提とする 経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、知識)は有限 組織的: チームを前提とする 問題をチームで解決する 目的: ビジョンが欠かせない 具体的な目的が必ずあるはず
経営資源 ヒト: 人的資源 モノ: 物的資源 カネ: 貨幣的資源 情報・・・第4の経営資源 知識・・・第5の経営資源 ヒト: 人的資源 医療専門職、事務員、パートタイマー、アルバイト・・・ モノ: 物的資源 土地、建物、医療機器、机やいす、パソコン・・・ カネ: 貨幣的資源 資本金、株券、利益準備金・・・(自己資本) 銀行からの借入、社債・・・(他人資本) 情報・・・第4の経営資源 知識・・・第5の経営資源 知識社会において唯一、意味のある資源
看護における経営の意味 マネジメントとは限りある資源を活用して、 組織的に目的を達成すること どのようなマネジメントが必要か 看護も資源は有限であり、組織で仕事を行い、 共通の目的をもつ → マネジメントが必要 どのようなマネジメントが必要か 看護という技術の提供をもって患者満足を得る 人員配置、看護方式の選定、動機付け、 ベッドコントロール、技術の向上(継続教育)・・・ → いずれもマネジメントの中心的課題
組織とは 2人以上の人々から成る、意識的に調整された諸活動ないし諸力のシステム(Barnard) 組織構造 一人ではない 意識的に調整 統一的な目的に向けての統一的な行動 組織構造 一定期間(ある程度まとまった時間)続く 役割分担の仕組み
活動の調整: 分業 仕事を分割することで効率を上げる 分業のメリット(Smith) 研究開発、製造、販売・・・基本的な役割:職能 活動の調整: 分業 仕事を分割することで効率を上げる 研究開発、製造、販売・・・基本的な役割:職能 分業のメリット(Smith) 一つの作業に専念できるため、段取り替えや 作業の交代による時間のロスが節約できる 仕事の範囲が狭く、長期的な技能向上が見込める (学習効果) 作業が単純化され、道具や機械の発明が促進される 人件費を節減できる(Babbage:バベッジ原理) (技能の程度によって賃金を変更することが可能) 看護は分業に馴染むか?
活動の調整方法 権限関係を決める 部門化(分割された作業をグループ化) 集権化(意志決定権限を上位に集中) 分権化(権限を現場に委譲) 全体調整が容易だが現場の情報が入手困難 ピラミッド組織 分権化(権限を現場に委譲) 意志決定のスピードが速いが、全体調整が困難 フラット組織
調整しやすい組織 ピラミッド組織(階層が多く管理の幅が狭い) フラット組織(階層が少なく管理の幅が広い) 階層の末端まで綿密に管理しやすい 意志決定に時間がかかる 仕事の「やりがい感」が下がりやすい フラット組織(階層が少なく管理の幅が広い) マネジャーの数は少ない 分業の程度は高くない(チーム型の作業組織) チームリーダーによる意志決定でスピード化 管理の幅: 一人のマネジャーが管理できる部下の人数
組織形態 機能別組織 事業部制組織 マトリクス組織 組織は戦略に従う 組織を職能別に分ける 専門的な知識を集約=高度な分業 部門単独では意味がない=調整が必要 事業部制組織 事業分野、製品ごとに部門をつくる 一通り必要な職能をもつ 機能別組織から移行することが多い マトリクス組織 深い専門知識と製品市場への対応力を両立 2つの命令系統を持つ(運営が難しい) 組織は戦略に従う
看護における組織とは 看護部門の形態 現場レベル 意思決定のレベルをどこに置くか 一般には病棟毎の事業部制組織に近い 専門性をどのように位置づけるか 現場レベル どのような看護提供方式を選ぶか 戦略に従った組織形態か? 逆に、「どのような看護を提供するのか」という 戦略があるか?