Personal drugの考え方 ミニシンポジウム:医学教育とPersonal drugの考え方(どのように治療薬剤を選択し処方するか) 内田 英二 昭和大学医学部第二薬理学教室 P-NET-J 第34回日本医学教育学会、東京 EU/07/27/02, Tokyo
薬物による医療事故 米国での調査による薬物療法での医療事故の要因 ①間違った薬剤名、剤型、略称の使用 ②不正確な投与量の計算 ③危険な用法・用量 ④薬剤の変更を必要とする腎機能や肝機能の低下 ⑤同種同効薬に対するアレルギー歴、等 日本における医学教育を考えると、 適正な薬物処方の教育の徹底が必要 EU/07/27/02, Tokyo
No. of physicians in the U.S. = 700,000 Accidental death caused by physicians per year = 120,000 → accidental death per physicians = 0.171 (source: U.S. Dept. of Health and Human Services) cf. No. of gun owners in the U.S. = 80,000,000 No. of accidental gun death per year = 1500 → accidental gun death per gun owner = 0.0000188 Statistically doctors are approximately 9000 more dangerous than gun owners. EU/07/27/02, Tokyo
Guide to Good Prescribing とP-drug 短期間の薬物療法研修の効果 Vries de TPGM, Henning RH, Hogerzeil HV, et al; Impact of a short course in pharmacotherapy for undergraduate medical students: an international randomized controlled study. Lancet 1995; 346: 1454-57. 1.Personal drugの選択 2.適正治療の手順 3.最新の情報へのアップデート EU/07/27/02, Tokyo
P-drugとは? 「自家薬籠中の薬」(クライテリアに従った吟味) 処方医が選択した薬物 処方医が選択した薬物 有効性および安全性が確立していて、入手可能な薬物 (根拠のあること:Evidence Based) 薬物選択の過程が適正な薬物療法を学ぶ手段と一致す ること EU/07/27/02, Tokyo
P-drugの選択と患者の治療 P-drugの選択 患者の治療(P-drugによる) Stepl.患者の問題の定義 Stepi.診断の定義 Step3.P-drugの適切性の確認 Step4.処方箋を書く Step5.アドバイス Step6.モニター Stepi.診断の定義 Stepii.治療目標の特定 Stepiii.適応薬物リスト作成 Stepiv.薬物群の選択 Stepv.P-drugの選択 自分の処方集の作成 EU/07/27/02, Tokyo
P-drug選択のガイドライン Step i 診断を定義する Step ii 治療目標を特定する Step iii 有効な薬物群の目録(inventory)を作成する Step iv クライテリアに従って有効な薬物群を選択する 有効性 安全性 適合性 費用 ------------------------------------------------------------------------- 第1グループ 第2グループ 第3グループ -------------------------------------------------------------------------- Step v P-drugを選択する 結論 活性物質,剤形: 標準用量計画 : 標準治療期間 : 患者に伝える事項 情報・指示・注意の記載 (医学書院、P-drugマニュアルより抜粋、一部追加) EU/07/27/02, Tokyo
自分の処方集のページ見本 Sample page of a personal formulary ベータ遮断剤 アテノロール 錠剤50,100mg、 ・用量 高血圧: 朝50mgから開始,平均:1日50-100mg. 狭心症: 100mg,1日1回,または分2. できるだけ低用量から開始し,患者ごとに個別化,必要ならば2週後に増量. ・患者に伝える事項 情報(information) 高血圧症:この薬物は血圧を下げるが、患者は特別な効果に気が付かないことが 普通.高血圧に伴う合併症を予防するであろう(狭心症、心臓発作、脳血管障害)。 狭心症:血圧を降下し、心臓の過剰な運動を防止し,胸痛を予防。 副作用:ほとんどないがときに軽度の鎮静。 指示(instructions) 1日・・回・・・日間服用. 注意(warnings) 狭心症:急に服薬をやめないこと。 次回予約(next appointment) 高血圧症:1週間後. 狭心症:1力月以内。ただし,胸痛発作がより頻繁,ないしより強くなれ ば,それ以前に来院のこと。 ・追跡(Follow-up) 高血圧症:最初の2,3ヶ月は脈拍と血圧を1周毎に調べる。3ヶ月後には減量を試みる。高用量でも治 療効果は増強せず、むしろ副作用を増すかも知れない。時々服薬の中止を試みる。 狭心症 :発作の頻度ないし強さが増大する場合、さらに診断の検査、あるいは別の薬物が必要。 時々服薬の中止を試みる。 (医学書院、P-drugマニュアルより抜粋) EU/07/27/02, Tokyo
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P-NET-J:日本における主な活動 1995 "Guide to Good Prescribing (GGP)".Geneva: WHOより出版 1998. 04.15 上記訳本『P-drugマニュアル - WHOのすすめる医薬品適正使用』. 医学書院より出版 08.28 第13回臨床薬理富士五湖カンファレンスにて紹介(Dr.津谷) 10.10 P‐drugネットワーク(P-NET-J)設立 10.15 P-NET-J Web開設 (http://p-drug.umin.ac.jp) 12.06 第1回P-drugワークショップ,浜松 1999. 04.01 P‐drugネットワーク(P-NET-J)の会則作成 08.27-29 第2回P-drugワークショップ,比叡山 2000. 08.09-11 第3回P-drugワークショップ,町田 09.30 第7回日本臨床薬理学会認定講習会 11.11 第6回日本薬剤疫学会学術総会(シンポジウム) 11.16 第10回日本臨床精神神経薬理学会(教育講演) 2001. 02.18 第20回日本歯科薬物療法学会(教育講演) 02.22-24 韓国第1回P-drug教師養成ワークショップ 08.10-12 第4回P-drugワークショップ, 東中野 09.12 日本短波放送 2002. 01.26 公開セミナー「エッセンシャツドラッグとパーソナルドラッグ」、東京大学 08.9-11 第5回P-drugワークショップ、東中野 EU/07/27/02, Tokyo
ミニシンポジウム 1.Personal drugの紹介 内田英二 2.内科医の立場から 角南由紀子 3.薬学教育とP-drug 川上純一 2.内科医の立場から 角南由紀子 3.薬学教育とP-drug 川上純一 4.Medical Education in Korea Dr. Bae 5.今後の展望 津谷喜一郎 コメンテーター 大橋京一 EU/07/27/02, Tokyo