緩和ケアチームの立ち上げ ー緩和ケア医の立場からー 筑波大学 木澤義之 20071014
緩和ケアセンターの構成 センター長:精神科医師 医師:緩和医療専従1名、専任1名 看護師:病棟2名、外来化学療法室1名 以上がコアメンバー、そのほか リンクナース:各病棟1名 その他の診療科の医師、看護師、薬剤師
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緩和ケアチームの業務 院内コンサルテーション 外来コンサルテーション(オン・デマンド) レジデントレクチャー 身体・精神症状緩和 コミュニケーション支援 療養の場の調整(在宅、緩和ケア病棟など) 終末期ケア 外来コンサルテーション(オン・デマンド) レジデントレクチャー 診療所、訪問看護ステーションとの連絡会議 近隣の緩和ケア病棟との合同カンファレンス
緩和ケアチームコンサルテーション方法(病棟)
毎週月曜日午後:外来化学療法室 医療福祉センターとのミーティング 緩和ケアチームコンサルテーション方法(外来) *総合外来日(火曜日午前)以外でもお気軽にご連絡下さい *緩和ケアチームの外来での活動 毎週月曜日午後:外来化学療法室 医療福祉センターとのミーティング 毎週金曜日(11:00~12:30 外来化学療法室) 患者ケアに関してスタッフの支援
チーム内の役割分担 基本的に、全員で回診、外来を行って常にコミュニケーションをとる(情報を共有する) リンパ浮腫のケアは認定看護師が主として担当 看護ケアに関しては基本的に看護師から、医学的なことは医師から推奨を行う 困ったときはポジションパワーを使うことも
プライマリチームとの役割分担 病棟では、直接ケアや処方、検査オーダー、面談等は基本的に行わず、コンサルタントとしての役割に徹する 主治医が多忙なとき、緊急を要するとき等は主治医と電話等で相談して、直接介入をする 外来では直接ケアや面談等を行うが、大きな方針の変更の際は必ず主治医に相談 推奨は必ず担当医に(下の先生に!!)
チームの特徴 外来ケースが3分の1以上を占める 化学療法併用患者が約70% 近隣の緩和ケア病棟(筑波メディカルセンター病院、つくばセントラル病院と緊密な連携を図っているーデータベースの共用) チームが和気あいあい (自分が思っているだけ?)
チーム立ち上げ時期の工夫 パンフレット、ポスター 医局会での説明 認定看護師ががんを取り扱う病棟に1-2週間ずつメンバーとして働き、啓発普及を行うとともにニードを把握 リンクナースを各病棟に作り、学習会を実施 営業活動:コンサルテーションがなくても定期的に病棟訪問
その他 精神的ニードへの対応 カンファレンスの仕方の工夫 緩和担当医がほとんど対応し、対応が困難な場合は専任精神担当医師(センター長)にコンサルテーション カンファレンスの仕方の工夫 なるべく複数で対応を行い、常に情報共有を心がける。特に外来では単独対応が多くなるため、少しの時間でも一緒に患者さんを見るような工夫
使用しているツール 緩和医療データセット:返信ツール、紹介ツール、他の施設との情報共有ツールとして利用 紹介ツール:院内コンサルテーション用紙 患者・家族用パンフレット
データセット電子版
コンサルテーション件数
新患患者数と依頼場所 H18年度 新規依頼患者数 203人
依頼診療科 件
入院初診時依頼項目(依頼項目の重複あり) H17年度 N=138 H18年度 N=117
外来初診時依頼項目(依頼項目の重複あり) H17年度 N=29 H18年度 N=58
入院身体症状内訳(依頼項目の重複あり) H17年度 H18年度
入院精神症状内訳(依頼項目の重複あり) H17年度 H18年度
初回導入時PSの変化 入院 外来
課題:地域 地域格差を少なくするための対策 ・地域緩和ケアカンファレンスの開催 地域医療資源の実状の把握 ・地域緩和ケアカンファレンスの開催 地域医療資源の実状の把握 提供できる緩和医療の底上げのための教育 ・院外コンサルテーションシステムの検討 バックアップ病院、在宅部門との連絡方法の統一化 情報共有システムの構築 地域の緩和ケア病床の有効活用に向けた調整