統合失調症ABC お薬について 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.2

Slides:



Advertisements
Similar presentations
稲垣貴彦 *・*** 、田中恒彦 ** 、丸川里美 *** 、栗原愛 *** 、眞田陸 **** 、 藤井勇佑 *** 、中村英樹 **** 、栗山健一 *** 、山田尚登 *** * 滋賀県立精神医療センター ** 新潟大学教育学部 *** 滋賀医科大学精神医学講座 **** 長浜赤十字病院精神科.
Advertisements

統合失調症患者さんのための メタボ脱出大作戦 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.5 監修 : 順天堂大学大学院(文科省事 業) 河盛 隆造 スポートロジーセンター センター長 こころの健康情報局 すまいるナビゲーター
今 日 の ポ イ ン ト今 日 の ポ イ ン ト 糖尿病人口は予備群を含めると 2,050 万人1.1. 糖尿病は血糖値が高くなる病気 ただし自覚症状がほとんどありません 2.2. 血糖値が高い状態を「高血糖」といいます3.3. インスリンの作用が弱くなったために高血糖に なったのですが、高血糖は必ず改善できます.
第1章 健康の考え方第2節 健康の増進と疾病の予防⑤飲酒と健康. 第1章 健康の考え方第2節 健康の増進と疾病の予防⑤飲酒と健康 本時の学習のポイント ①アルコールは,健康にどのような影響を 与えるのだろうか。 ②「アルコール依存症」とは,どのような 状態をいうのだろうか。 ③飲酒は,青少年にどのような影響を与え.
34-2 今 日 の ポ イ ン ト今 日 の ポ イ ン ト 現代社会とストレスと糖尿 病 1.1. ストレスによる 血糖コントロールへの影響 2.2. QOL障害によるストレ ス 3.3. 糖尿病とうつ 4.4. ひとことアドバイス 5.5.
患者さんとご家族のための 双極性障害ABC すまいるナビゲーター 双極性障害ブックレットシリーズ No.1 監修 : 理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム チームリーダー 加藤 忠史 こころの健康情報局 すまいるナビゲーター
あなたに合った 薬と出会うために すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.4 監修 : 昭和大学名誉教授 上島 国利 こころの健康情報局 すまいるナビゲーター
発達障害と統合失調の類似性 原因を求めれば発達障害が増える
~Acute Psychotic State~
統合失調症ABC 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.1
統合失調症について家族の方々に知っておいて欲しいことをまとめました 。
統合失調症ABC 監修 : 昭和大学名誉教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.1
1. ご高齢の糖尿病患者さんと 若い人との違いはなに? 2. ご高齢の糖尿病患者さんの 治療上の注意点 3.
第12回: 心の病気とその治療 臨床心理学と精神医学.
すまいるナビゲーター うつ病 ブックレットシリーズ No.1
糖尿病の成因と病期 1型糖尿病 2型糖尿病 ・右向きの矢印は糖代謝の悪化、左向きの矢印は糖代謝の改善を表しています
体重減少 ◎食欲があるのに体重が減る ⇒糖尿病、甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群などを疑う ◎食欲がなくて体重が減る ⇒その他の疾患を疑う
認知症関係のカルテ略語 Dementia 認知症 ATD Alzheimer Type Dementia アルツハイマー型認知症
体重増加 短期間で 急に太った いつもと同じ食生活をしているのに… 定期的に運動をしているのに…
全身倦怠感 全身倦怠感はさまざまな病気にみられます 疲れやすい… だるい…
飲酒による人体への影響 市村 将 参考・引用文献:Yahoo!ニュース 未成年の飲酒問題
患者さんとご家族のための 双極性障害ABC
急性精神病状態 ~1余るグループ~.
がんの家族教室 第2回 がんとは何か? 症状,治療,経過を中心に
医薬品と健康.
お薬について 統合失調症ABC 監修 : 昭和大学名誉教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.2
がんの家族教室  第3回 緩和ケアには何が出来るのか? 愛知県がんセンター中央病院 緩和ケアセンター 下山 理史(医師) 松崎 雅英(薬剤師)
1. 経口薬(飲み薬)による治療が 必要なのは、どんなとき? 2. 糖尿病の飲み薬の種類と特徴 3. 飲み薬による治療を正しく
本章の学習目標 1.精神に障害のある対象者への援助を進めるにあたり,援助の特徴と,なぜそのようにするのかがわかったうえで,具体的な方法を考えられること. 2.精神に障害のある対象者は,病的な体験のために部分的に日常生活に支障を来たす場合が少なくない.生活を通じて,自己のあり方や生活スキルの見直しが求められる.日常の生活が治療的な環境として大きな意味をもち,またそこで援助を行う看護師も治療的な環境の一つであることを理解する.
6.飲酒と健康 飲酒・喫煙のカット 素材集-飲酒 「アルコール健康医学協会」 カット「アルコール健康医学協会」提供.
未成年の飲酒と危険性  高橋卓大.
~未成年の飲酒~ 09311018.
薬物乱用防止教室 健康で幸せな生活を送るために.
今回のテーマは、「梅雨時の体調管理」です。
不眠の症状は4タイプあります 入眠障害 寝つきが悪い ぐっすり眠れない 中途覚醒 夜中に目が覚めてしまい その後なかなか眠れない 早朝覚醒
高LDLコレステロール血症患者の栄養指導上の問題点について
高血圧 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 二次性高血圧を除外 合併症 臓器障害 を評価 危険因子 生活習慣の改善
1. 血糖自己測定とは? 2. どんな人に血糖自己測定が 必要なのでしょうか? 3. 血糖自己測定の実際 4. 血糖自己測定の注意点
脳血管障害 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 緊急処置 一般検査 画像検査 治療 診断
高齢者の食事援助 高齢者の心身の特徴と食事.
糖尿病 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 検査 診断 治療
併用禁忌の薬剤の投与について 平成24年4月 日本薬剤師会.
1. 痛風・高尿酸血症とは 2. 糖尿病・糖尿病予備群と 痛風・高尿酸血症の関係 3. 高尿酸血症の治療は 3ステップで 4.
「低血糖」とは? 糖尿病治療中、どなたにもおこる可能性があります。対処をすれば回復しますので、慌てずに。 ★「低血糖」とは
独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター認知症疾患医療センター 川島 佳苗
すずかけの木通信 12月号 睡眠時無呼吸症候群 について
1. 糖尿病の患者さんは、脳梗塞や 心筋梗塞に注意が必要です 2. 脳梗塞と心筋梗塞の原因は どちらも動脈硬化です 3.
こける(転倒) よろめく (バランス能力の低下) 入れ歯の問題 噛む力が落ちる 食いしばれない 歯がぐらぐらする 入れ歯を使用しない
今 日 の ポ イ ン ト 1. 子どもの糖尿病と大人の糖尿病の 違いを知りましょう 2. 1型糖尿病では、毎日のインスリン
LAIガイド Long-Acting Injection 監修 :医療法人社団 宙麦会 ひだクリニック 院長 肥田 裕久
1. 神経は全身に 張り巡らされている 2. 神経障害の主な症状 3. 神経障害の治療法 4. 症状をやわらげるアイデアと
4.生活習慣病と日常の生活行動 PET/CT検査の画像 素材集-生活習慣病 「がん治療の総合情報センターAMIY」 PET/CT検査の画像
色々な 薬の用い方 I 中学・高校・一般 くすりの適正使用協議会 テーマI「色々な薬の用い方」の概略
あなたに合った 薬と出会うために 監修 : 昭和大学名誉教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.4
【「患者のための薬局ビジョン」における薬剤師・薬局の機能概要】
1.
高槻市医師会地域連携クリティカルパス(患者様用)
フレイルとは すずかけの木通信H30.3月号 お口の健康の維持は 全身の健康に影響します。 健康な状態と日常生活で
あなたに合った 薬と出会うために 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.4
双極性(感情)障害の薬物療法.
7年くらい前の古いものなのですが8つの高齢者施設のスタッフさんに 意見を伺ったときのものです
シックデイ 病気の日はどう対応する? ★シックデイとは
1. 糖尿病の患者さんは 血圧が高くなりやすい 2. 糖尿病に高血圧が併発して 合併症が早く進行する 3. 血圧コントロールの 目標と方法
食物アレルギー発作時 に使用する 自己注射について
1. 糖尿病の合併症としての 性機能障害 2. 性機能障害と糖尿病治療 3. 性機能障害、とくにEDの 原因について 4.
糖尿病と口の中の健康 ★歯周病って何? ・歯を支えている周りの組織(歯ぐき)の病気です。歯周ポケットに細菌が入り込む慢性の感染症です。
1. 糖尿病による網膜の病気 =糖尿病網膜症 2. 自覚症状が現れないまま 進行します 3. 糖尿病網膜症の 予防法・治療法 4.
1. ご高齢の糖尿病患者さんと 若い人との違いはなに? 2. ご高齢の糖尿病患者さんの 治療上の注意点 3. ご高齢の糖尿病患者さんの
在宅 役割・準備・訪問   在宅における薬剤師の役割
健康教育導入について 宮崎県薬剤師会 健康教育推進委員会  鈴木 啓子.
Presentation transcript:

統合失調症ABC お薬について 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利 すまいるナビゲーター ブックレットシリーズ No.2 監修 : 国際医療福祉大学 教授 上島 国利   こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

抗精神病薬はどんなお薬ですか? 抗精神病薬の主な効果と特徴 幻覚や妄想を抑えるか少なくする 興奮を抑える 考えをまとめる 気持ちや神経を和らげる 意欲の減退を改善する 再発を予防する  など 長期間飲み続ける必要があります こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

主な抗精神病薬 定型薬 非定型薬 陽性症状(幻覚・妄想など)に効果がある   主な副作用 ・錐体外路症状(手が震える、体が硬くなる、など) ・生理が止まる、乳房がはる、性欲がわかない、など ・のどの渇き、便秘、排尿障害、記憶障害など 非定型薬 陽性症状だけでなく陰性症状(感情の平板化、思考の貧困、   意欲の欠如、など)にも効果がある 錐体外路症状が少ない ※非定型抗精神病薬でも錐体外路症状などの副作用が出る場合があります ※一部の薬剤については、糖尿病の方には使用できません。 こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

代表的な抗精神病薬 定型薬 非定型薬 薬物名 商品名 クロルプロマジン ウインタミン コントミン ハロペリドール ウインタミン コントミン ハロペリドール セレネース ハロステン リントン フルフェナジン フルメジン レボメプロマジン ヒルナミン レボトミン 非定型薬 アリピプラゾール エビリファイ オランザピン ジプレキサ クエチアピン セロクエル クロザピン クロザリル ブロナンセリン ロナセン ペロスピロン ルーラン リスペリドン リスパダール こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

剤形について 同じ成分の薬でも異なった剤形があり、 用途や目的によって使い分けされます 錠剤・カプセル剤・散剤(粉薬) 液剤(水薬 / シロップ剤) 注射剤(筋肉注射・点滴)   急性期など効果を速く得たいときや   内服が難しいときに デポ剤(筋肉注射の一種)   1回の注射で約2~4週間効果が持続   よく薬を飲み忘れる人などの助けになる

その他、症状の調整に使用される薬 抗不安薬 睡眠薬(睡眠導入薬) 抗うつ薬 副作用を抑える薬 強い不安感や緊張感を和らげる   強い不安感や緊張感を和らげる 睡眠薬(睡眠導入薬)   作用時間によって、長時間型・中間型・   短時間型・超短時間型にわけられる 抗うつ薬   憂うつな気分を和らげ、意欲を高める 副作用を抑える薬  ・抗パーキンソン病薬 ⇒錐体外路症状に使用  ・便秘薬   

副作用かなと思ったら、すぐ医師や薬剤師に相談を 自己判断で服薬を中止するのはやめましょう 抗精神病薬の主な副作用 錐体外路症状 ・手が震える、体が固くなる(パーキンソン病様症状)、 ・目が上を向く、首が反り返る、 ・足がむずむずする、絶えず歩き回る、 ・無意識に口が動く、 ・よだれが大量に出る    など 体重が増える、糖尿病、脂質異常症(高脂血症) 生理不順、乳汁が出る、勃起しない、性欲を感じない(性機能障害) ぼーっとする、いつも眠い、体がだるい(過鎮静) 口が渇く、便秘 立ちくらみ、血圧低下 悪性症候群(まれだが重い副作用) ・急に(38℃以上)が出て下がらない、汗を多くかく、脈が速くなる、など 副作用かなと思ったら、すぐ医師や薬剤師に相談を 自己判断で服薬を中止するのはやめましょう こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

服薬について 規則正しく服薬を続けましょう 規則正しい服薬の工夫 食事や歯磨きなどの日常習慣と結びつける ピルケースを使う 勝手にやめると再発の可能性が高くなります。また、再発を繰り返すと 症状が悪化し、回復しにくくなります。 規則正しい服薬の工夫 食事や歯磨きなどの日常習慣と結びつける ピルケースを使う 目に付くところに薬をおく カレンダーにチェックする など ※薬の数が多くて飲みづらい場合や、副作用が辛い 場合には医師や薬剤師に相談しましょう こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp

服薬時に注意すること アルコール 喫煙 副作用が起きやすく、薬の効果が 不安定になるので避けましょう 薬の効果が低下することがあるので できれば禁煙を アルコール 副作用が起きやすく、薬の効果が 不安定になるので避けましょう こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp